「お帰りなさい、お疲れ様でした」  
仕事から帰ってきた夫を、玄関で出迎えた中嶋雪子(24)は、  
夫の手に、鞄以外の何やら青い袋のようなものが握られているのを見て、  
ひどく嫌な予感を感じた。  
雪子の12歳年上の夫、いついかなる時でも恐ろしく無表情・無愛想・無口であり、  
同僚からは鉄仮面の異名をとる中嶋貴巳氏(36)は、  
いつものように笑顔一つ見せずに鞄を下ろし、着替えをすると食卓に向かう。  
ただ1点いつもと違うのは、彼の手に握られている、レンタルビデオ店の袋だった。  
恐る恐る、雪子が訊く。  
「貴巳さん………何か、DVD借りてきたの?」  
リビングに向かう廊下を歩いていた貴巳が、銀縁の眼鏡をキラリと光らせ、  
雪子を振り返る。  
 
「今日は…………『子ぎつねヘレン』だ」  
 
「へ、ヘレン〜〜〜〜!!!!」  
テレビの前の床にぺたんと座り、雪子は結局、滝のような涙を流している。  
食事が終わり、後片付けをしている間じゅうずっと、  
(今日は泣かない!今日は絶対、絶対泣かない!!!)  
と自分に言い聞かせていたのにも関わらずである。  
貴巳はというと、テレビの画面には目もくれず、ひたすら妻の泣き顔だけを凝視してい  
る。  
その鉄壁の無表情が、すこしだけ楽しそうな色を帯びていることに気づくものは、  
妻である雪子以外にはいないだろう。  
映画はクライマックスに向かい、雪子はもう涙で画面がよく見えない。  
そもそも雪子は動物だの子供だのが出てくる、いわゆる感動のストーリーというやつに  
滅法弱いのだ。  
過剰なほどに登場人物に感情移入してしまう。物心ついたころからそうだった。  
登場人物と一緒に笑い、泣き、喜び、心配し、嘆き、  
映画のエンドロールが終わるころには、  
雪子の横に置かれた箱ティッシュは半分ほど消費されていた。  
「もう終わったのか」  
何事も無かったかのようにDVDの電源を切る夫を、雪子はしゃくりあげながら睨む。  
「…貴巳さんっ、人がっ…泣いてるとこ、見て、ふぇっ…そんな、楽しい?」  
「楽しいな」ちっとも楽しそうな表情ではないが、真顔できっぱりと断言する夫の顔を、  
雪子はうらめしそうに見た。  
「貴巳さんは、ちょっと…変だと、思うっ」  
「どこがだ?妻の顔を見て喜ぶ夫。これ以上健全なものはないだろう」  
「喜ぶ顔ならともかくっ、泣き顔見て、よろこぶって、やっぱり変だよう」  
「悲しんで泣いている訳じゃないんだからいいだろう」  
「悲しんでるってばっ!!!へ、ヘレンがっっ、へレンが〜〜〜」  
「大丈夫、あれはただの演技だ」  
「そういう問題じゃないっ!」  
反論するのも疲れて、雪子はぐったりとソファに沈み込む。  
月に一度くらい、夫はわざわざ雪子のツボに嵌るような映画のDVDをレンタルしてき  
て、自分はちっとも興味がないくせに二人で見ようとするのだ。  
先月は「クイール」、その前は「ベイブ都会へ行く」、それに「フリーウイリー」  
「南極物語」「いぬのえいが」と新旧取り混ぜて探し出してくる。  
更にその前は、雪子の大の苦手であるホラー映画を見せて楽しそうにしていたのだが、  
「SAW」を見せられた後に、雪子が丸3日というもの口をきかなかったのが流石にこ  
たえたのか、それ以来は動物モノ一本やりだ。  
ホラーと違って、もともと嫌いではないし、つい見てしまう自分も甘いとは思うのだが。  
 
隣に座る夫に目をやると、相変わらず興味深げな視線を自分に向けている。  
「…そんなに面白い?」  
うらめしげに訊くと、鉄仮面はきっぱりとうなずいて言う。  
「ああ、雪子ほど面白いものは無い」  
「それって褒めてないでしょ…」  
「そんなことはない」  
会話に気を取られていて気づかなかったが、いつの間にか夫は、  
ソファに座る雪子に半身覆いかぶさるようにして、首筋に唇を寄せている。  
暖かい吐息が耳にかかり、思わずぞくりとした雪子は、慌てて貴巳の身体を押しやろう  
とした。  
「ち、ちょっと貴巳さん、何してるのっ」  
「見てわからないか?」  
「わかるけどっっ!なんで、今此処でなのっ」  
貴巳の手は休むことなく、いつの間にか雪子のブラウスの下に入り込み、  
下着の上から乳房をやわやわと揉みはじめている。  
「ベッドの方がいいか?」  
「…っそうだけど…そうじゃなくてっ!場所の問題じゃない…ん、だって…ばっ…」  
そうこうしている間にも、貴巳の手は巧みに下着のホックを外そうとうごめいている。  
「やだっ…明るくて、やなの…」  
涙目になりながらそう訴えると、突然雪子の体がふわりと持ち上げられた。  
「きゃ、やっ…なに?怖いっっ」  
「怖いなら暴れるんじゃない。落ちるぞ」  
「頼むからっ、やる前にやるって言ってよぉっ!」  
いわゆるお姫様抱っこ、という奴だ。  
いくら雪子が小柄で軽いとはいっても、そう簡単にできることではないはずだが、  
貴巳は大して苦労している様子もなく、平然としている。  
しかし、背の高い貴巳の胸の高さまで持ち上げられると、抱かれるほうは結構怖い。  
雪子が夢中で貴巳の首にしがみついているうちに、貴巳は細身の見かけによらぬ怪力で  
階段を登り、寝室のベッドの上に雪子の身体を横たえた。  
 
雪子が安堵の溜息をつく間もなく、貴巳の手と唇が、先程より激しく雪子の体の隅々を  
襲う。  
ブラウスのボタンが、目にも留まらぬほどの速さで外される。  
スカートは雪子も気づかぬうちに脱がされており、皺にならぬよう簡単に畳まれて  
ベッドサイドに置かれている。  
恐ろしく手際の良い夫に、雪子は抵抗するのも忘れ、半ば呆れながら感心していた。  
(貴巳さんって仕事もできるけど、こんな時にまで無駄に手際いいなぁ…)  
ぼんやりそんな事を考えていると、頭を押さえつけられ、力強く唇を奪われた。  
「んむっ…ふ、あっ…」  
被さるようにして唇を吸われ、舌でなぞられる。  
息が苦しくなってきて唇を開くと、喉の奥まで犯そうとするかのように、  
貴巳の舌が絶妙な動きで進入してきた。  
快感と息苦しさで雪子が身もだえすると、ようやく貴巳は唇を離した。  
ぷはぁ、と息をつく雪子の顔は、既に真っ赤に上気している。  
「今、他のことを考えていただろう」  
「え?」見つめる貴巳の顔は、相変わらずの無表情である。  
「集中しなさい」  
「そ、そんなこと言われても…」先程から雪子の予想もしない展開の連続なのだから、  
それは無理というものだ。  
「…無理なら、嫌でも他のことを考えられないようにするぞ」  
「…え?」言葉の意味をよく考える間もなく、雪子の意識は快感に霞み、飛んだ。  
 
貴巳は、雪子の柔らかな桜色の唇を舐めあげ、強引に舌を割り込ませた。  
おののくように震える舌を吸い上げ、縦横無尽に口腔を犯す。  
そうしている間にも、指はぬかりなく雪子の下着を剥ぎ取っている。  
激しいキスを続けながら、既に息が上がっている雪子の、  
唇と同じ桜色の乳首を指でつまんで転がす。  
「んんんぅっ…ふぁっ、あ、んんっ」  
息苦しさから、雪子は唇からのがれようとするが、貴巳はそれを許さない。  
交じり合った唾液が、二人の唇の端から伝い落ち、妖しげに糸をひいて光る。  
じゅぶじゅぶと濡れた音が、更に二人の官能をかきたてていく。  
暗闇の中でさえ、雪子の肌はそれ自体が光っているかのように、白い。  
シーツの上で艶かしく震える雪子の身体。  
撫でさする乳首は既に硬く勃ちあがっており、細い腰が物欲しげにのたうっている。  
雪子が本気で苦しそうな様子なので、ようやく貴巳は唇を離した。  
「ぷはぁ………っ…はぁっ…はあっ…」  
口の端から涎を垂れ流しながら、肩で息をする雪子の表情が、ひどく艶っぽい。  
「…苦しかったか?」  
「あ、たりまえ、でしょっ…」涙目で恨めしそうに、雪子が言う。  
「ふうん…ならこれはどうしたんだ?」  
貴巳が、前触れなく雪子の秘所に指を這わせると、  
細い腰がびくん、と痙攣した。  
秘裂は既に十分に潤み、割れ目をなぞる貴巳の指に絡み付いてくるようだ。  
ひくひくと物欲しげに収縮を繰り返す入り口を、焦らすように指でなぞりあげる。  
「や、あうんっ…あああんっ!」  
「苦しいとこうなるのか?」  
貴巳が意地悪く言うと、雪子の頬がこれ以上ないほど真っ赤に染まる。  
「た、貴巳さんの、ばかっ…」  
「馬鹿で結構」  
きっぱりと言い切ると、貴巳は本格的に雪子の身体を追い込むことに没頭しはじめた。  
小ぶりで可愛らしい乳首を、舌のざらざらした部分で激しく舐めあげる。  
同時に指は、包皮の上からクリトリスを摘まみ、小刻みに擦るように刺激する。  
二箇所を執拗に責め続けると、雪子の口から悲鳴のような嬌声が漏れた。  
「あああああんっっ!ダメ!さきに…っ、いっちゃうよぉぉ!!」  
「我慢しなくていいぞ」  
「そ、んなぁ…っっ…あっあっあっあぁぁぁ!!いくぅ、っっっ!!」  
身体を弓のようにのけぞらせ、雪子は最初の絶頂に達した。  
「はぁ…はぁ…」快感の余韻に震える体を鎮めようと、雪子が深い息をつくが、  
貴巳はその暇を与える気は無い。  
間髪いれずに、濡れ光る秘所に唇を寄せ、舌でクリトリスをつつくように愛撫すると、  
雪子の身体が面白いように跳ねる。  
「ひゃ、ああああ!!だめっ………イッてるのに!イッてるからだめぇっあああ!!! 」  
発情する雌の匂いが、雪子の秘部から湯気のように立ちのぼっている。  
溢れる蜜を舌で塗りたくるように、ヒダの隅から隅まで激しく舌を動かし、  
舌で包皮をめくり、中の勃起している実に軽く歯を当てるようにして刺激する。  
「ああああああ!!!やめ、てぇっ…また………っっっ!!」  
達してもなお続けられる激しい愛撫に、二度目の絶頂はすぐにやってきた。  
が、貴巳は、なお容赦なく秘所を責め続ける。  
「ひ、あぁぁ…あんっああああんっ、も、もぉ…ゆるしてぇっ!!あーーーっ!!」  
強すぎる快感から逃れようとする雪子の腰を、力ずくで押さえつけ、  
貴巳の舌は更に激しく、雪子の秘裂を上下に行き来する。  
「いくっ………またいく!ダメっ…ああああもう、らめぇぇぇぇ!!!」  
雪子の瞼の裏で白い光がはじけ、愛液がびゅくびゅくと音を立てて噴出す。  
 
連続して高みに上り詰めさせられ、快感に蕩けきった身体は、  
日ごろの慎ましい雪子が別人であるかのように、歯止めがきかなくなっていた。  
「ひっ…ああああん!きもち、いいよぉぉぉ…っ!」  
無意識のうちに、雪子は貴巳の腰に自らの秘部をこすりつけるようにする。  
(欲しい………なかに、ほしいよぉ………)  
理性はすでにどこかに吹き飛んでおり、雪子は一匹の雌として、  
ただ目の前の夫の肉棒を貪欲に欲していた。  
そんな雪子の痴態を目前にして、貴巳のモノも既に硬くはりつめていた。  
が、理性の崩壊寸前の雪子とは違い、彼はまだ冷静さを失ってはいなかった。  
熱にうかされたように、必死で貴巳の剛直を求める雪子の腰を両手で掴み、  
ぱくぱくと物欲しげに口を開けている秘部を、自らのそそり立つ竿で刺激する。  
大量の蜜が潤滑油の代わりとなり、充血しきっているクリトリスを責めさいなまれ、  
雪子が悲鳴をあげた。  
「やぁぁぁんっ!あふぅっ…それ、だめっ………!!!また、いっちゃうぅぅぅ」  
敏感になりすぎた秘部は、僅かな刺激にもあっさりと絶頂を迎えそうになるが、  
ぎりぎりのところで、貴巳のモノはぴたりと動くのを止めた。  
「や、あん…なんでぇ、っ……?」  
中途半端に放り出されてしまった雪子の身体は、貴巳を求めて熱くひくついている。  
自分から腰を動かし刺激を続けようとするが、腰を抑えられ、それもままならない。  
(……どうして、してくれないの……?)  
「……欲しいか?」  
意地悪く訊く貴巳は、心なしか楽しそうだ。  
しかし、夫の僅かな表情の変化に気づけるほど、雪子には余裕が無い。  
「……っ、知ってる、くせにっ……」  
「きちんと言ってくれないとわからないな」  
「そんなの……うそ……っ」  
気が遠くなるほどのもどかしさに、雪子はいやいやをするように首を振り、悶えた。  
「……仕方ないな」  
待ち望んだ、貴巳自身の先端が、雪子の陰唇をくちゅり、と掻き分ける。  
雪子はようやく満たされるという期待に打ち震え、ただ夫の肉棒が自分の内部を  
犯すのを、目をつぶって全身で待ちわびていた。  
が、いつまで経っても、待ち望む快感は与えられない。  
貴巳の先端は、雪子のマ○コの入り口にただあてがわれているだけで、  
一向に中に進入してこようとはしないのだった。  
「や、やだっ………なんでぇ?」  
待ちきれずに目を開けた雪子は、貴巳の目が実に楽しそうな色を帯び、  
自分の痴態をつぶさに観察していることに気づいた。  
(やだっ………ずっと、見られてたの……?こんな、恥ずかしい顔っっ)  
途端に、快感のあまり遠のいていた恥ずかしさが一気に押し寄せ、  
雪子は両腕で自分の紅潮した顔を隠そうとした。  
が、その両手はいとも簡単に貴巳に捕らえられ、何一つ隠すことのできないよう、  
貴巳の両手で枕元に押さえつけられてしまった。  
「やだぁ……っ!」  
「さっきからそればかりだな。本当に嫌なのか?」  
「だ、だってっ……は、はずかしい、よぉ」  
触れ合っている貴巳の先端が、ひくりと震える。  
貴巳も既に我慢がきかないほど昂ぶっているのだが、  
その鉄仮面からは伺い知ることは難しい。特に、今の雪子にとっては。  
「好きだろう?恥ずかしいの」  
「す、好きじゃないもんっ!!貴巳さんの、ばかぁっ!!!」  
「それはさっき聞いた」  
「何回言っても足りないのっっ!!貴巳さんの馬鹿っ!変態!エロおやじっっ!!」  
「変態は撤回してもらおう」  
それ以外は当たってるのか、と突っ込む余裕は、今の雪子にはない。  
 
真っ白な、きめ細かい肌は全身くまなく朱に染まり、  
日ごろ優しげな瞳は快感に蕩け、涙で潤んでいる。  
そんな様子をしげしげと眺めている貴巳が、  
ぐちゅ、と先端でマ○コの入り口をこすりながら、耳元で囁く。  
「言えよ…どうしてほしいか」  
「や、やだぁ………っ」  
「言わないと、ずっとこのままだぞ?」  
「あ………はぁ、っ………」  
雪子の秘部は疼き、貴巳自身を求めて、愛液をとめどなく溢れさせている。  
「素直になりなさい…楽にしてやるから」  
とっくに我慢の限界を迎えた雪子にとって、それは甘い甘い、悪魔の囁きだった。  
 
「やじゃない…はずかしいのも、好きなのぉっっ………  
…して………いれて……おねがいっ……」  
 
ずぶり、と音がして、衝撃のあまり、雪子は一瞬意識が遠のいた。  
貴巳が、いきなり根元まで剛直を突き立てたのだ。  
「ひゃ、あああああぅぅぅん!!あああああああああああーーー!!!」  
奥まで打ち付けられた亀頭が、ごりごりと濡れそぼった壁をえぐる。  
腰を密着させ、前後に激しく動かされたかと思うと、  
Gスポットをこすり立てるように、小刻みにピストンされる。  
あまりの快感に、雪子は我を忘れて叫び声をあげた。  
結合部からじゅぶ、じゅぶと激しい水音がして、  
まるでお漏らしをしたかのように、シーツに大きな染みが広がる。  
「ああっ!ああっ!アアアアっ!!!」  
壊れたように痙攣を繰り返す雪子の身体を抱きしめ、貴巳は雪子のめいっぱい奥まで  
自らの肉棒を押し込み、そこでぴたりと動きを止めた。  
亀頭を奥壁に押し付けると、雪子の内部がびくびくと収縮し貴巳を締め付ける。  
雪子の淫肉が精を搾り取ろうと生き物のように蠢く。達しそうになるのを堪えて、  
貴巳は雪子の様子を伺う。  
長い髪は乱れて、汗ばむ頬に張り付いている。  
荒い息、熱に浮かされたような瞳、半開きになった唇。  
これだけ乱れてもなお、雪子はどこか清楚で、それでいてひどく艶かしい。  
「ここ…好きだろう?」ほんの僅かな動きで最奥をつつきながら訊く。  
雪子はもう意地を張ることなく、こくこくと頷く。  
「すき………そこ、すきなのぉっ……!もっと、うごいて……おねがいっ」  
「………………いな」  
(………え?)  
貴巳が小声で囁いた言葉が雪子の耳に届く刹那。  
「………………………っっ?!」  
ごりっ、と音がしそうな勢いで、子宮口に亀頭が押し付けられた。  
そのまま激しいストロークで、入り口から最奥まで抽送が繰り返される。  
子宮から脳髄を焼かれるような快感に、雪子はもう声も出ない。  
猛る肉棒を根元まで押し込まれ、限界まで拡げられたマ○コから、  
噴水のように潮が吹きだし、更にシーツを汚していく。  
「はぁ………っ!!もう、だめなのっ!!!!いく!イクの!いっちゃうぅああああ! 」  
絶頂を迎え、雪子の膣奥は激しく収縮を繰り返す。  
たまらず貴巳も眉根を寄せ、どくんどくんと、勢い良く白濁液を吐き出した。  
「ああああああ!!ひゃぁぁぁんっっ!」  
びゅく、びゅくと子宮にまで流れ込んでこようとする熱を感じ、  
雪子は中に放出される精液の感触で、最後の絶頂に押し上げられた。  
 
 
暫くは息も絶え絶えで、声を出すことすらできなかった雪子だが、  
貴巳がコップに持ってきてくれた水を飲むと、ようやく人心地がついた。  
「ねぇ…貴巳さん、さっき何か、変なこと言わなかった?」  
(なんか、かわいいな、とか聞こえた気が…まさかね、貴巳さんに限って………)  
ベッドの横に寝そべる夫は、今までの行為が無かったかのように平然と、  
いつもの無表情に戻っている。  
その視線が、雪子の顔にじっと注がれている。  
「………な、なに?」  
「…雪子は面白いな、と言ったんだ」  
「………えええ?」  
内心、無いとは思いながらも甘い言葉を期待していただけに、  
雪子はがっくりと肩を落とした。  
貴巳はそんな妻を、ほんの少しだけ、楽しそうに見つめている。  
「………初めて私がこの家に入った時も、貴巳さんそう言ってたよね」  
「そうだな。その時からずっと雪子は面白い」  
「…それ褒めてないよね?」  
「そんなことはない。雪子は観察対象としてとても興味深い」  
「だからそれ褒めてないよね?」  
いつもの、じゃれあうようなやりとり。雪子は拗ねたように甘い溜息をつく。  
二人は眠りにつくべく、寄り添って目を閉じた。  
うとうととまどろみながら、雪子は二人が出会ったころのことを思い出していた。  
あのころは、貴巳のことが本当に怖くて。近寄りがたくて。  
こんな風に二人で眠ることなんて想像もしなかった。  
運命とか、偶然とか、必然とかいう単語がぼんやりと浮かんでは消える。  
隣の夫の体温を感じながら、雪子はゆっくりと、穏やかな眠りに落ちた。  
 
 
 

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