僕の配属先が決まった。希望通りの研究機関だ。  
医学会の有力者である父のコネを持ってすれば当然の結果だった。  
僕は自分の優秀な頭脳を現在すでに確立されている医療を実行するためには使いたくなかったからだ。  
未知なるこそ自分の天職だと信じていた。  
その日、僕は父の部下の林に連れられて山間部にあるという研究施設に向かっていた。  
街から離れだんだんと車の通りも少なくなりついには走っているのはこの車だけとなった。  
見渡す限り山ばかりである。  
同じ年頃の若者ならこんな辺鄙なところで仕事をするのは嫌気がさしたであろうが  
僕とっては煩わしい都会の喧騒から離れて研究に没頭できるのは嬉しかった。  
次第に山が開け高い塀に囲まれた白い建物が連なって見えてきた。  
門まで来ると警備員が窓越しに話しかけてきた。  
林は証明書を見せて車をゲートの中に入れた。  
医学研究の施設にしては非常に厳重である。  
しかしそれもその筈だった、前もって聞いた話では  
この施設は危険度の高い伝染病なども研究しているらしく  
安全確保のため存在自体も一般には知られていない。  
資金も海外の財団から出ているという噂すらあるらしい。  
それらの機密事項は当然配属されたばかりの僕の知るところではない。  
建物に入ると林はしばらくの間僕を教育する担当者に会わせた。  
名前は小間、神経質そうな小太りで30代後半の男だった。  
簡単な挨拶が終わると林は帰って行った。  
 
小間  
「君はあの平先生の息子さんらしいね」  
僕  
「ええ」  
小間  
「そうか・・じゃなければ君のような学校出たてがここに来れるわけもないか」  
意味ありげに言った。  
「まあいい、まずはここに慣れることだ」  
「聞いてはいると思うがこの施設では職員も全てこの敷地内で生活する」  
「普段は外部との連絡は禁止だ、いいね?」  
僕  
「勿論です、承知の上で来ましたから」  
小間  
「わかった、じゃあ自室に荷物を置いたら施設を案内しよう」  
1時間後  
僕は小間と一緒に施設の奥へと入っていった。  
途中、何度もIDカードを通さなければ通過できない所があり警備はますます厳重になっていった。  
研究施設は幾つにも分かれており勝手に他の施設を覗いたりはできないようだ。  
小間は「D7821」と書かれた扉の前で停まった。  
小間  
「ここが我々が研究する施設だ」  
 
中に入ると12〜3人の研究員がそれぞれの作業をこなしていた。  
皆こちらには関心はない様子だった。  
小間  
「ここは簡単に言えばクローンの研究をしている」  
「まぁ・・世間で知られているクローン技術とは違うがね」  
「とりあえず新人の君は僕と一緒に実験体の管理だ」  
僕  
「・・わかりました」  
どうやらこの男もここでは下っ端のようだ。  
こんな男と雑用のような仕事をやらされるのは気分が悪かったが仕方あるまい。  
小間に案内され別室の実験体保管庫へ入った。  
中は細長い廊下のような造りになっており  
その片面が水槽を並べたようにガラス張りの小さな区切りになっていた。  
随分大きなケージだな・・猿でも入ってるのか?  
足を進めて中を覗いた僕は驚愕した・・・。  
ガラスの向こうには年端もいかない少女がいた。  
狭いケージの中で足を抱えて座っている。  
さすがの僕も言葉を失った。  
小間は何かを説明しながらさらに奥へ歩いていく。  
動揺した僕は説明されることは頭に入らなかったが後をフラフラとついていく。  
どのケージにもそれぞれ一人ずつ少女が入れられている。  
 
年齢は様々だがいずれも若かった。  
日本人らしき少女もいれば金髪の少女もいる、中には混血とみられるものもいた。  
小間  
「驚いたろ? だがすぐに慣れるよ。ここは一般の医療機関じゃないんだ」  
「ここでは倫理なんてものより研究成果が優先される」  
「人体が対象の研究なら実験にも人体を用いるのが一番効率が良いからね」  
僕  
「学用患者ですか・・?」  
小間  
「似たようなもんかな・・」  
「さて、もうそろそろ新しい実験体が届くはずだ」  
「来たばかりで悪いがちょっと忙しいぞ」  
小間に連れられて施設の裏手に出た。  
しばらくすると一台の中型トラックが入ってきた。  
 
 
トラックから降りてきた男はツナギの作業服を着ていた。  
一見すると普通の運送屋と変わらないがトラックにも作業服にも社名は書いてない。  
運転手は「どうも」と言って小間に伝票らしきものを渡した。  
「えーと・・今日は8体か・・あれ?」   
「今回はたしか輸入物ばかりだったはずだよね?」  
伝票をめくってた小間の手が止まる。  
「ええ、それがなんでも1体ほど不良品が混ざってたそうで・・・」  
「急遽、国産を代用にしたそうです」  
「もちろん価格は輸入物のままで結構ですので」  
「そう、なら構わないよ」 小間は伝票にサインして運転手に返した。  
 
運転手がトラックの荷台扉を開けて荷物を固定してたベルトを外していると  
いつの間にか僕の後ろに電動の小型フォークリフトが来ていた。  
「おい、邪魔になるから俺達はどいてればいいよ」  
小間はすでに少し離れた場所でタバコに火を点けている。  
「積み下ろしは運転手とうちの作業員がやってくれる」  
「俺たちの仕事はこの後だ」  
 
トラックから降ろされていくのはちょうど人間が一人入るくらいの  
黒くて細長い金属製の箱だった。  
それをフォークリフトが2つずつ施設の中へ運んでいく。  
さっき見た光景からその中に本当に人間が入っていることは明確だった。  
全ての荷物が降ろされると運転手はトラックに乗り込んでさっさと帰っていった。  
 
施設に入ると広い厨房のような部屋に先ほどの箱が並べられている。  
「さてと・・」小間が手前の箱のロックを解除して蓋を開けた。  
覚悟はしてたが、それでも全身に鳥肌がたった。  
やはり中には人が納められている、それもまだ幼い少女だ。  
金色の髪の毛、大理石のような白い肌、薬で眠っているのか意識はない。  
綺麗に整った寝顔は作り物にすら見える。  
「そっち持ってくれ」  
呆然としている僕に小間が少女の足を持ち上げながら言った。  
「あ・・はい」  
戸惑いながらも少女の脇に手を差し込んむ。  
掌に温もりが伝わってくる、改めてこれが人形などではないことを思い知らされた。  
「1,2,3」  
二人で持ち上げ隣にあるステンレス製の大型テーブルに移す。  
思いのほか軽かった。  
「ロシア産だ、最近じゃ一番多いな」  
喋りながら小間は少女の脚を広げて股間から慣れた手つきで細い管を抜き取った。  
尿道にカテーテルが入れてあったのだ。  
カテーテルはもとの箱に繋がっている、運搬中に尿を貯めて置く仕組みになっているようだ。  
次に少女の股間から輪の付いたテグスに指をかけ引っ張った。  
ピンと張ったテグスがクチュっと音をたてて抜ける、先にはアナルプラグがついていた。  
なるほどこっちは脱糞防止か・・・。  
「まあ、むこうで発送前に処理してあるから気休めだけどな」  
小間はカテーテルとプラグを箱の中に投げ込むと、  
横に置いてあった機械からホースの繋がったガンを取り出した。  
「まずは念のため洗腸だ」  
「注意しろよ、勢いが強すぎると駄目だからな」  
少女の肛門に潤滑油を塗り込んでガンの尖った先を挿し込む。  
10センチほど入ったところでゆっくりとトリガーを引いた、  
機械に付いている流量計が徐々に上がり出す。  
100、150、200・・・次第に少女の下腹が膨らんでくるように見えた。  
「ま、こんなもんか」計器が700を超えたところで指で押さえながらガンを抜いた。  
「平君、そこの漏斗を取ってくれ」  
僕はテーブルにかけてある漏斗を取って少女の肛門の下に構える。  
小間が指を離すと肛門から水が勢いよく流れ出てきた、小間の言うとおり殆ど色は付いていない。  
水は漏斗に繋がったホースの中を排水溝に向かって流れていく。  
勢いが弱くなると小間が少女の腹をグッと押さえる、すると残っていた水がまた出てきた。  
その作業をもう2回ほど繰り返した。  
 
洗腸が終わると体全体に洗剤をつけて丁寧に洗う。  
前面が終わると裏返してうつぶせで背中側を洗い出す。  
まだ肉付きも少なく胴体も細い、それでも臀部は少女らしく丸びをおびている。  
やっと洗浄が終わって水気を拭き取ったら、また二人がかりで今度はストレッチャーに乗せた。  
「平君、それ運んできて」  
ストレッチャーを押して小間の後をついて別室に入った。  
そこは手術室のような部屋で真ん中に内診台がありまわりに機材が並んでいた。  
既に検査官らしき中年の女医と助手が待機していた。  
「小間君、遅いわよ」  
冷たい目線で小間を睨みつけた。  
「すみません・・いや、今日は新人の指導も兼ねてたものですから・・」  
頭を掻きながら小間が言い訳をする。  
「いいから早くセットして」  
女医は僕のほうなど見もせずに小間に命令した。  
後ろで束ねた髪のせいか吊り上がった目は全く人間味を感じさせなかった。  
小間と二人で少女を内診台に乗せる。  
意識はないが念のためか手足を皮ベルトで拘束する。  
通常の内診台よりも作りは頑丈で意識があっても全く身動きはできそうにない。  
さっそく女医は少女の性器を検査し始める、僕がその場で見ていると  
「なにやってるの?」  
「ボケッとしてないで次の験体の準備しなさい」  
突然、叱咤が飛んできた。  
慌てて小間ともとの部屋に戻った。  
 
「きつそうな人ですね・・あの女医さん」  
2人目の準備をしながら小間に話しかけた。  
次の箱の中からもまたロシア系らしい少女が出てきていた。  
心なしかさっきの少女と似てるような気もするが  
やや年長のように見えて胸の膨らみ僅かだがある。  
「ああ、黒田主任な・・」  
「うちのブロックは中でいくつかの研究班に分かれてるんだ」  
「それぞれが別々の手法で研究を進めてる、黒田主任はその一つの班長さ」  
少女の肛門に洗浄水を流し込みながら小間が答えた。  
「黒田主任の班はとくに実験が過激で固体の消費も激しいからね」  
(消費・・)その単語が頭に引っ掛かった。  
「本当は入荷の検査なんて他の者にやらせればいいんだろうけど  
前もって良質の素材に眼を付けとくつもりなんじゃないかな・・・おい」  
「あ・・すいません」  
僕は肛門へ漏斗を構える、少女の肛門から洗浄水が勢いよく流れ出る。  
「あの・・こういった少女達はよく送られてくるんですか・・?」  
「月に10〜20人くらいは入ってくるよ、補充しなきゃ研究にならないからね」  
(補充・・ということはそれまでいた少女は・・)  
容易に想像はつきそうだったが僕はあえてそのことについては考えるのをやめた。  
「どこから連れてくるんですかね・・?」  
小間が作業しながら上目遣いでこっちを見た。  
「フ・・世界はね日本人が思ってるほど治安が良いわけじゃないんだ、とくに途上国周辺はね」  
「よく耳にする孤児や誘拐の人身売買もあれば、もっと面白いケースもある」  
「例えば大陸には小さな村が転々とあるだろう」  
「そこをある国の正規軍隊が武力でもって制圧する」  
「捕らえられた村人は商品として用途別に様々な方面へ売り払われる・・・」  
「そんな歴史でしか習ったことのないような奴隷の収穫がいまも行われてたりするんだよ」  
「まさか・・」 僕はにわかには信じられなかった。  
「信じる信じないは君の自由だ」  
「ちなみにこの子とさっきの子は姉妹だよ」  
「もしかするとこの私設の別の場所にはこの子達の親も送られて来てるかもしれないね」  
背筋の寒くなるようなことをまるで世間話のように小間は話す。  
会話しながら2人目の洗浄も終わった。  
「さて行くか、早くしないとまたお怒りだぞ」  
少女をストレッチャーに乗せて検査室に向かった。  
 
検査室に入ると前の少女の検査は既に終わっていたらしく  
女医はちょうど手袋を外していた。  
助手はカルテになにやら書き込んでいる。  
小間と僕はまず前の少女を内診台から降ろして別のストレッチャーに乗せる。  
その際に少女の股間を見るとガーゼが貼られていてうっすら血が滲んで見えた。  
内診台の横の器具にも少量の血液が付着している。  
検査と同時になにやら簡単な手術でも行われたのだろうか・・?  
しかしとてもそんなこと訊ける空気じゃなかったので淡々と作業を続けた。  
検査が終わった少女は別の職員が受け取りに来て運ばれて行った。  
この後は意識を戻して点滴などで体力を回復させるらしい。  
新しい少女を内診台に固定し終わると「どうぞ、黒田主任」と小間が女医に頭を下げる。  
女医は黙ったまま新しい手袋をはめて少女の股の間に座った。  
助手は新しい器具一式を用意する。  
僕はどのように女医が検査をするのか気になっていたけど  
今度は叱られる前に小間と部屋を出て次の準備に向かった。  
 
同じように3人目、4人目、5人目と作業を繰り返す。  
その次もロシア、そして中東、東南アジア系の少女と続く。  
僕達が検査室に運ぶ頃にはやはり作業済みで検査内容を見ることはできなかった。  
いずれも同じように股間にはガーゼが貼られて血がうっすら見える。  
 
やっと7人目が終わった、さすがに体重の軽い少女達とはいえ疲れてきた。  
もともと僕は体力よりも頭を使う方が得意だ。  
いくら新人とはいえこんな雑用みたいなことをやらされるのは苛立たしくなった。  
そのとき 「おい、ちょっとトイレに行ってくるから、先に戻っててくれ」  
小間がそう言って腹を押さえながら小走りに廊下を右に曲がっていった。  
どうやら急にもよおしてきたらしい。  
 
仕方ないので一人でもとの部屋に戻ってきた。  
空になった箱が並んでいる、残るは1個だけだ。  
「そういえば・・・国産が1体って言ってたよな・・・」  
足元の箱を眺めながら呟いた。  
「てことは日本人・・・?」  
そんなことを考えていると箱の中から微かにコトッと音がした。  
ドキッとして、恐る恐る箱に耳を近づけてみる。  
やはり中から微かにゴソゴソと物音がする。  
なにやら喋ってるようにも聞こえるがこの箱は防音設計になっているようで  
耳をすましても殆ど聞き取れない。  
(・・・中で意識が戻ったんだろうか?)  
どうしようもなく困っていると小間がハンカチで手を拭きながら戻ってきた。  
「なんだ、まだ始めてないのか?」  
不満そうに小間が言った。  
「小間さん・・どうやら中で意識が戻ったみたいです・・」  
「あぁ・・そうか、そういえばそろそろ時間だな」  
腕時計を見ながら答える。  
まったく動揺はしていない。  
「チッ・・寝ててくれると助かるのに」  
小間は棚から何かを取り出した。  
「どうするんですか・・・もう一度麻酔でもかけるんですか?」  
「そうはいかないよ、さっきまでクスリで長時間眠らしてたんだからね」  
「これ以上、続けて使用すると障害が残る可能性がある」  
「少々面倒だがこのまま作業するぞ」  
小間の手に30センチくらいの銀色で棒状の物が握られている。  
箱のロックが外される、僕はドキドキして身構えた。  
小間がゆっくりと蓋を開いた・・・。  
 
箱の扉が開かれると中には、目を涙で濡らした少女がいた。  
僕達を見た少女はビクッと動きを止める。  
とても可愛らしく幼い顔立ちだ。  
小柄な体格ながら、不思議と白人の少女より白くすら見える透き通るような肌と  
その染みひとつない曲線美はいままでの外国産の少女よりも美しく思えた。  
思わず僕は息を飲んだ。  
「あ・・・あの・・」  
少女は怯えながらなんとか言葉を発した。  
僕はドキッとした。  
「ああ、大丈夫かい?」  
「心配いらないよ、おじさんたちは怖い人じゃないからね」  
小間が落ち着いた笑顔で話しかける。  
「さっ、起き上がれるかい?」少女に手を貸して体を起こす。  
少女はよろける脚で箱から跨いで出た。  
股から伸びるカテーテルがまだ箱に繋がってる。  
しかしそれには気付いてない様子だ。  
周りを心配そうにキョロキョロを見回してる。  
広い厨房のような部屋にステンレス製のテーブルや機材が並んでいる。  
すぐ横には自分が入っていたのと同じ箱が空のまま放置してある。  
どう見たって普通じゃない状況だ。  
次第に少女の表情は曇っていく・・・  
「ここは・・どこですか・・?」  
次の瞬間、少女の体が弾けるように震えた。  
小間が先ほどの銀色の棒を少女の首筋に押し付けていた。  
糸が切れたマリオネットのように少女が倒れかける。  
さっとそれを片手で支える小間。  
 
「おい、テーブルに寝かせるぞ」  
僕はハッとして、すぐに手伝った。  
「う・・うう・・」  
テーブルに寝かされた少女は唸っている。  
「平君、横にあるベルトでそっちの手をとめてくれよ」  
少女の脚を皮ベルトで拘束しながら小間が指図した。  
「急いでくれよ、麻酔じゃないからすぐに暴れだすぞ」  
「は、はい」  
僕は慌てて少女の手首に皮ベルトを巻きつける。  
動揺してるのかベルトの止め金具が上手く閉まらない。  
「いやああ・・」  
少女の腕が暴れだした。  
「だから早くしろって言ったじゃないか」  
小間が再び銀色の棒を今度は少女の白い腹部に押し付けた。  
「んあ・・!」  
少女の体はまた弾けて、ぐたっとした。  
「ほら、今のうちに止めろよ」  
「これだってあまり連続で使うと検体に負担が掛かるんだから」  
「すみません・・」  
今度はきちっと皮ベルトを止めた。  
小間がテーブルの側面にある操作盤のスイッチを押すと。  
皮ベルトはワイヤーで繋がったウインチに引っ張られて少女の体をX状にピンと張った。  
これで少女の手足は全く動かせない。  
「ふう・・これであとは一緒だ」  
「おい平君、もう手順はわかるだろう?」  
「俺はちょっと外でタバコ吸ってくるからこの子やっといてくれよ」  
「え・・?」  
僕が返事をするのも待たずに小間は外へ出て行く。  
あとには僕と拘束された少女が残された。  
 
「た・・たすけて・・」  
少女が搾り出すような声でつぶやいた。  
とっさに声のほうへ振り向いた僕と少女は目が合った。  
完全に怯えきっていた、唇は僅かに震えてる。  
(落ち着け、動揺を見せたら駄目だ・・・)  
僕は自分にそう言い聞かせた。  
「だ・・大丈夫だ、君が抵抗なんかしなければこれ以上乱暴はしない」  
必死に冷静さを装いながら作業の準備を始めた。  
「おじさんたちは誰ですか・・・?」  
「医者だよ」  
(たしかに医者には違いない、ただし患者を治療するわけではないが・・)  
「え・・私はどこか悪いんですか・・・?」  
少女は不安そうに聞き返す。  
「それを今から調べるんだ」  
「だから素直に言うことを聞きなさい、いいね?」  
「は・・はい」  
おそらく納得はしていないだろう、しかし抵抗しても無駄なのはわかった様子だ。  
拘束された体で少女は首だけを動かして返事した。  
手順は簡単だ、小間を見てすぐに覚えていた。  
まずはカテーテルを抜くために少女の股間へまわる。  
僕はつい生唾を飲み込んだ。  
まだ毛も生えていない・・いや、事前に処理されているのかもしれない。  
とにかく少女の性器は美しかった。  
その幼い尿道へ無機質なカテーテルが突き刺さってるのが痛々しい。  
おそらく刺し込まれたときには意識はなかったのだろう。  
「いいかい、少し痛いかもしれないけど我慢するんだよ」  
僕は少女に話しかけながらカテーテルに手をかけた。  
「え・・はい・・」  
尿道のすぐ出口のところに筒状の逆止弁がついている。  
そこを持ってゆっくりと引っ張った。  
「い・・いたい・・・!!」  
少女が悲鳴をあげる。  
無理もない、狭い尿道にキツキツに詰まっているのを引っ張り出すのだ。  
痛くないわけがない。  
「が・・我慢して」  
少しずつ慎重に引っ張る。  
「いたい、いたい、いたい・・」  
少女は泣き出した。  
尿道からずるずるとカテーテルが出てくる。  
チュピッ・・やっと全部が抜けたとき少女は嗚咽を漏らしながら目に涙が溢れ出ていた。  
「はあ・・」  
僕は額の汗を拭いながら息を吐いた。  
(おいおい・・これでこんなに緊張してどうするんだ)  
もちろん学生時代に学用患者を相手に色々実習したことはある。  
しかし、こんな泣き叫ぶ少女を目の前にしてやったことなどない。  
次に肛門から伸びるテグスの先についたリングに指をかけてピンと引いた。  
少女はビクッとして泣き止んだ。  
 
ぐっとテクスを引っ張る、しかし少女が同時に肛門に力を入れるため  
なかなかプラグが抜けない。  
「もう少しお尻の力を抜いて」  
そう言って再度引っ張るがやはり硬く閉じた肛門からプラグを抜くことができない。  
「んん・・ん」  
少女はかなり苦しそうである。  
たしかに先ほどまで見ていたプラグの形状は見えている部分はごく細いが  
中ではけっこう広がったタイプで括約筋を緩めた状態でないと引っ掛かりがきつそうではあった。  
(困ったな・・・力任せに引き抜くと肛門を傷つけてしまうかもしれない・・)  
少女を気遣うのと同時に、こんな簡単な作業でミスを犯したことを後で指摘されるのも  
プライドが許さなかった。  
(とりあえずリラックスさせよう・・)  
僕はそう思ってテグスを引く手を緩めた。  
「君、名前は・・?」  
気持ちをほぐそうと話しかける。  
「め・・芽衣です・・」  
「芽衣ちゃんか・・何歳なの?」  
話しかけながら僕は少女の肛門をマッサージする。  
「1○才です」  
(1○才・・○学生か・・)  
幼いとは思っていたが思ってた以上に若かった。  
「お父さんやお母さんはどうしたの?」  
(僕は馬鹿か・・そんなこと訊いてどうするつもりだ)  
つい余計なことを言ってしまった。  
「お父さんは生まれたときからいません・・・」  
「お母さんは・・・」  
少女は言いにくそうに喋りだした。  
「人から借りたお金を返さなきゃいけなくて・・・」  
「ちょっとのあいだ、その人の会社でお仕事するのに遠くに行くから・・」  
「あたしは施設にあずけられました・・・」  
「でも・・夜にみんなと寝てたのに気がついたらここにいて・・・」  
なるほど・・だいたい話は見えた。  
母子家庭の親子で母親は闇金融かどこかで借金をした。  
その返済のために母親は業者の斡旋する職場へ行くはめになった。  
連れて行けない娘は業者の息の掛かった私設孤児院に預けることに・・。  
しかし保護されるどころか商品として売買されてしまったわけか。  
「そうだったんだ・・」  
親身になったような表情を装って僕は相槌をうった。  
いや・・実際に同情すら感じた。  
 
「ここにお母さんは迎えにくるんですか・・・?」  
少女は不安げに訊いてきた。  
一瞬言葉に詰まる。  
こんな人身売買をするような組織だ。  
当然、母親のほうも無事には済んでいないだろう。  
おそらくはもう社会に戻ってはこれない場所へ送られたに違いない。  
母娘そろって社会的に消されたようなもんだ。  
「ああ・・芽衣ちゃんがここでお医者さんの言う事を素直に聞いてたら迎えに来るよ」  
(嘘だ・・・今日この私設で見た光景を考えれば、この子にはこの先過酷な現状が待ち受けている)  
「ほんと・・?」  
「ああ、もちろんさ」  
「だから、頑張ってね」  
「うん・・」  
少女はけなげに頷いた。  
マッサージを続けていた肛門もだいぶ柔らかくなっていた。  
「じゃ、いくよ」  
僕はもう一度テグスを引っ張った。  
「う・・・」  
少女の表情は険しくなったが今度は一生懸命我慢しているようだ。  
肛門はゆっくりと波紋が広がるように口を開いてく。  
中からプラグがせり出してくる。  
「もう少しだよ」  
「ううう・・・」  
チュッポっと音を立ててプラグがテーブルの上に抜け落ちた。  
 
「はあ、はあ・・」 少女の息はまだ荒い。  
プラグを抜いた肛門はうっすらと口を開いていたが次第にまた閉じていった。  
「大丈夫?」   
僕は少女に尋ねた。  
「う・・うん・・」  
芽衣は無理に笑顔を作って答えた。  
僕はちょっと胸が痛んだ。  
この後、洗腸しなければいけない、これも芽衣には苦しい作業だろう。  
「じゃあ、次はお腹の中を綺麗にするからね」  
「え・・?」  
「芽衣の悪いところを検査するためなんだ。大丈夫、優しくするから」  
「わかった・・」  
 
僕は洗腸のためのホースの繋がったガンを用意する。  
芽衣は不安げに見ている。  
潤滑油を指につけて肛門に丁寧に塗りこんでいく。  
先ほどマッサージしたためにまだ柔らかい。  
これならガンを刺し込むのはさほどきつくはないだろう。  
「じゃ、お尻に器具を入れるからね」  
ガンの先を肛門に当てて徐々に刺し込んでいく。  
「んん・・」  
芽衣も我慢できてるようだ。  
(こんなもんだろ)  
7、8センチは入ったろう。  
トリガーに指をかけ、ゆっくりと洗浄水を注入していく。  
「あ・・・」  
洗浄水の冷たい感覚に芽衣が思わず声を出す。  
計器に目をやりながら慎重に注入していく。  
流量計が200を超えたあたりから芽衣のお腹が張ってきたのが分かる。  
「んは・・」  
次第に入ってきた洗浄水に圧迫されたのか芽衣が息を吐いた。  
小間はさっきまで少女たちに700前後も入れてお腹をパンパンにしていた。  
こんな小さな子にそこまで入れて大丈夫だろうか?  
400を超えた。  
「く・・苦しいよ・・」  
芽衣が額に汗を浮かべながら訴えた。  
「あ、そうか・・じゃあここまでね」  
トリガーを引く指を止めゆっくりとガンを引き抜く。  
さっと親指で肛門を押さえつける。  
肛門は洗浄液を吐き出したくてムニムニと動いている。  
素早くホース付の漏斗を股間に構えて指を離すと中から洗浄液が勢いよく飛び出してきた。  
色は殆どついておらず臭いもない。  
(よし・・!)  
まずは上手くできた。  
ふと芽衣を見ると目をつむって顔を真っ赤にしている。  
当然だ、医者とはいえ男の目の前で排泄するなんて恥ずかしいに決まってる。  
勢いがなくなったところで小間がやっていたようにお腹を軽く押した。  
プシュッと残っていた洗浄液が漏斗に流れ出た。  
続けて同じように洗腸を3回ほど繰り返した。  
芽衣も途中苦しそうにしながらも僕が励ますのを聞いて騒ぐことなく大人しくしていた。  
 
「よく頑張ったね」  
そう言って褒めると芽衣は嬉しそうにニコッと笑った。  
(可愛い・・)率直のそう思った。  
改めて見れば見るほど美しい少女だ。  
品良く整った顔立ちは幼くも知的さを感じさせる。  
うっすらと膨らみかけた胸には淡い桜色の乳首がちょこっとのっている。  
ため息が出そうだった。  
僕はロリコンではない・・と言うよりも女性自体にさほど興味を持っていなかった。  
子供の頃から受験のため、まわりの人間は性別に関わらず  
競争相手としか見れなかったせいもあるだろう。  
当然、恋愛などというものもしたことはなかった。  
それがいま、年端も行かない少女を前に生まれて初めて異性を意識している。  
 
「じゃあ・・・手足を自由にしてあげるから・・」  
少し考えて僕はそう言った。  
「え・・ほんと?」  
「ああ、そのかわりもう暴れたりしちゃ駄目だよ?」  
「じゃないとまたさっきのおじさんに痛い事されちゃうから」  
「うん・・」  
芽衣が返事すると僕は手足の拘束ベルトを外した。  
自由になった手首を芽衣はさすっている。  
 
「よし、あとは体を綺麗に洗うだけだから芽衣はじっとしててね」  
そう言って洗剤をスポンジにつけて芽衣の体を洗い出す。  
芽衣は少し照れてる様子だが抵抗はしない。  
細い手足を洗いながら僕はたまらなくこの子が愛おしくなった。  
普通に生活していればまだ友達と楽しい学校生活を送っているだろう。  
初恋なんてまだ早いだろうか・・そんなことを考えながら芽衣の体を隅々まで洗っていく。  
最後にシャワーで洗剤を流しタオルで水気を丁寧に拭き取る。  
「さあ、済んだよ」  
「うん・・ありがとう」  
芽衣は僕の顔を見て礼を言った。  
その長いまつ毛の奥にある瞳へつい吸い込まれそうになる。  
 
「おい平君、終わったかい?」  
小間が外から帰ってきた。  
 
「おい・・平君!」  
拘束を解かれテーブルの上に座る少女を見て小間が怪訝そうな表情になり  
白衣のポケットからさっきの銀色の棒を取り出して足早に少女に近づいてきた。  
芽衣はそれを見てビクッと体を強張らせた。  
「し、心配いりません!」  
「もう抵抗はしないはずです、それはしまってください!」  
僕は間に入って小間を止めた。  
「なに・・?」  
小間は僕の顔を不思議そうに見た。  
僕も小間を見返す。  
しばしの沈黙の後 「・・・まあいいだろ」 小間はそう言って不満気に棒をポケットにしまった。  
「ふう・・」僕は息を吐いて芽衣のほうを振り返った。  
芽衣は怯えた表情だったが僕と目が合ってホッとしたようだ。  
その様子を小間は横目でじっと見ている。  
 
小間が棚からスリッパを持ってきて芽衣の足元に無造作に置いた。  
「なら、ストレッチャーは要らないだろ?」  
「歩いてついて来なさい」  
そう言って小間が歩き出す。  
「は・・はい」  
芽衣は慌ててスリッパを履くと僕のあとをついて来る。  
不安なのか芽衣は僕の裾をギュッと握り締めていた。  
 
さっきまで意識のない少女たちを物のように運んでいた廊下を  
僕達三人は検査室に向かって歩いていく。  
僕と小間のコツ、コツ、という足音に混ざってパタパタと小走りに歩く芽衣の足音が静かな廊下に響いた。  
 
「何やってたの、いつまで待たせる気?」  
検査室のドアを空けると同時に女医の黒田女医の叱り声が飛んできた。  
「・・・ん?」  
僕の影に隠れるてる芽衣に気付いた。  
「あら、お譲ちゃん眼が覚めちゃったの」  
急に声のトーンを下げて穏やかになる。  
芽衣は胸と股間を手で隠しながらオドオドと立っている。  
 
僕がチラッと内診台の上に眼をやると既に前回の少女は運ばれていった後のようだった。  
(よかった・・さすがに前の子を見ると芽衣が怖がったかもしれないからな・・)  
 
「ビックリしたでしょう?いきなり知らない場所に来てて」  
黒田女医は笑顔で芽衣の前まで近づいてきてしゃがんで話しかける。  
「でも、心配しないでね」  
「検査もすぐに済むからね」  
優しく話しかげながら芽衣の手を取って内診台のほうに連れて行った。  
「じゃ、ちょっとここに上がってくれる?」  
「ほら、あなた達もグズグズしてないで手伝いなさい」  
黒田主任は僕たちの方を振り返って言った。  
僕と小間は芽衣を持ち上げて内診台に寝かせる。  
芽衣は少し不安そうに僕のほうを見つめている。  
大丈夫だよ、と言うように僕は小さく頷いて見せた。  
しかし僕も内心ではどんな検査か分からないので心配していた。  
 
芽衣の手足をカチャカチャとベルトで締め付けていく。  
胸部もベルトで止めた、これで体は全く動かない。  
次に小間が芽衣の頭のほうにまわると内診台のヘッドレストの側面に付属してるクランプで芽衣の頭を固定した。  
いままでの意識のない少女にはここまでしなかった。  
更に幅5センチくらいのベルトにU字型のマウスピースがついた閉口器具を持ってくる。  
「口を開けて」  
芽衣が恐る恐る口を空けると、サッと指を入れてぐいっ全開にさせてマウスピースを押し込んだ。  
ベルトをヘッドレストのフックに引っ掛けて止める。  
これで芽衣は頭を動かせない上に喋ることもできなくなった。  
唯一動かせる眼で周りを必死に見回してる。  
 
「さて・・余計な手間が掛かったわね」  
そう言いながら黒田女医は芽衣の股間の間の椅子に腰掛ける。  
手前の操作盤をなにやら調整しだすとウィーンと音を立てて芽衣の脚がゆっくりと開いていく。  
だんだんと股間の筋が浮かび上がっていく。  
芽衣は痛みを感じて「ううー」と声にならないくぐもった声を出す。  
160度くらい開いたところで黒田女医は止めた。  
 
「あの・・検査って何をするんですか?」  
検査室の隅に立って見ていた僕は横にいる小間に話しかけた。  
「ん・・?検査は不要物の除去をしてからだよ」  
「不要物・・?」  
「まずはクリトリスに被ってる皮だな」  
「え・・・?」  
「その後、処女膜だ」  
小間はぶっきら棒に答えた。  
 
黒田女医は新しい手袋をはめた手に助手からピンセット渡されると  
芽衣のまだすっぽりと皮を被ったクリトリスの中へ潜り込ました。  
「うー」  
芽衣はビクッと震える。  
黒田女医が皮を捲り上げると中から米粒ほどの薄透明なピンクのクリトリスが見えた。  
陰核というにはあまりにも小さく未熟だった。  
黒田女医が反対の手を助手に向かって出すとサッとメスが渡される。  
妖しく光るメスが芽衣の幼い性器に近づいていく。  
 
僕は胸に何か得体の知れないものがこみ上げてくるのを感じた。  
掌は汗ばんできつく握り締めていた。  
 
メスの刃先がピンセットで引っ張られた皮の付け根に当たる。  
ツーっと撫でるようにクリトリスの周りの皮を切り取っていく。  
赤い血が糸を垂らしたように股間の間を一筋流れてく。  
芽衣の足首はピンと伸びた状態になりブルブルと震えている。  
 
スッとピンセットに摘まれた小さな皮が芽衣の体から離れる。  
助手が差し出した膿盆にポトッと落とされた。  
黒田女医は切り口の縫合を始めた。  
切り口はごく小さいが女医の手捌きは見事で非常に素早い上に  
縫い目が見えないほど細かく縫合して見せた。  
それだけで彼女が優秀な外科技術を習得してることが伺えた。  
 
これで芽衣のクリトリスを隠すものはなくなりその小さな粒は丸見えとなった。  
 
次に助手が黒田女医にクスコを渡す。  
しかし通常のクスコと異なり全体的に小さく、先の部分はかなり短い作りになっている。  
幼い性器に使用するためだろう。  
 
黒田女医が芽衣の性器にクスコをゆっくりと刺し込む。  
先ほどの痛みでぐったりとしていた芽衣はまたビクッとなった。  
小さいクスコとはいえ、やはり芽衣の性器にはきついらしく多少抵抗があるようだ。  
入り口から数センチ入ったところで女医はクスコを開いていく。  
「あら、中もすごく綺麗ね・・・素敵よ」  
黒田女医が嬉しそうに微笑んだ。  
その微笑みはまるで生け簀で泳ぐ魚を美味しそうだと言う様なニュアンスだ。  
しかし芽衣の耳にそんな言葉はすでに届かない。  
瞳からは涙が止め処なく流れ、体は小刻みに震え続けている。  
 
「平君・・・まさか情が移ったんじゃないだろうね?」  
固まったように立ち尽くしていた僕に小間が話しかけてきた。  
「え・・いえ、そんなことはありません・・」  
僕はなんとか答えた。  
「そうか、ならいいんだがね・・」  
「検体に変に入れ込んだりしないことだよ」  
「あの子達はここに来た時点でもうすでに物品と一緒なんだからね」  
小間の言葉が胸突き刺さる。  
「は・・はい」  
自分でも分かっていた。  
この施設に来たそうそう冷静さを失って問題を起こすわけにはいかない。  
なにより僕自身、たかが一人の少女にこんなにも心が動かされていることに驚いていた。  
さっきまでの外国産の少女たちには最初こそ動揺したもののすぐに慣れつつあった。  
それが会話を交わしたせいだろうか・・・芽衣だけを特別視している僕がいる。  
これでは駄目だ、そう自分に言い聞かせた。  
 
黒田女医の手には更に小型のメスが握られていた。  
そのメスをクスコの中にゆっくりと入れていく。  
こちらの角度からは中は見えない。  
処女膜を切り取っているのだろう、女医の手首が細かく動いている。  
スッと反対側に握られていたピンセットを中に入れて  
薄い処女膜らしきものを摘んで外に出した。  
それも膿盆にピッと落とされる。  
 
なんて事務的な処女喪失だ。  
普通の女の子であればもっとロマンチックな場面を当然思い描いていただろう。  
まさか芽衣も自分がこんな風に処女膜を失うなど夢にも思わなかったに違いない。  
女医が膣の中をノズルの先から出る洗浄液で漱いでいる。  
股の間の受け皿に血の混ざった薄いピンクの水が性器から流れ出てくる。  
芽衣は傷口に染みるのだろう、「う、う・・」とくぐもった声を出している。  
 
「さて、それじゃあ中を詳しく見せてもらうわね」  
女医がそう言うと助手がなにやらモニターの付いた機材を転がしてきた。  
 
電子内視鏡だった。  
 
直径5,6ミリ程度の内視鏡は女医の手元のリモコン操作によって  
まるで生きているミミズのように自在に動く構造だ。  
最新技術による内視鏡は常に進化を続け  
ごく小型ながら高性能で多機能だ。  
財源が豊富なこの施設には特殊機能を付け加えた最新モデルが備えられていた。  
 
ゆっくりとその先端を芽衣の膣の中へ潜り込ませていった。  
モニターにピンク色の内壁が映し出される。  
しばらくすると先ほど切除された処女膜の痕が見えた。  
すでに出血は治まっているがその傷口がアップにされて痛々しさを物語る。  
 
うねるように光るヒダの上を滑りながら更に奥へと進む。  
「綺麗な膣前壁よ・・・残念ね、将来はさぞ名器になったでしょうに」  
黒田女医は微笑みながら呟く。  
膣壁を抜けると子宮口が見えた。  
当然ながらまだ硬くピタッと閉じている。  
 
女医の手元での微妙な操作で内視鏡スコープの先が子宮口にピタッとくっつく。  
(え・・子宮の中にまで入れるのか?)  
ぐぐ・・と硬く閉じた子宮口に先端をめり込ませていく。  
芽衣は激しい痛みを感じて「うーうー」と唸っている。  
黒田女医はそんな芽衣の様子を全く意に介さず  
鼻歌でも聞こえてきそうな表情で手元のリモコンを操作している。  
 
子宮口を突き抜けモニターに子宮の内部が映し出された。  
「さて、じゃあちょっとだけお嬢ちゃんの一部をサンプルにもらうわね」  
そういって女医はリモコンのスイッチを押す。  
先端から口を空けたワニのような採取器が出てきて子宮の内壁に噛り付く。  
芽衣は目を見開いてビクンと痙攣した。  
ブチッと音が聞こえてくるような錯覚を感じて採取器は芽衣の子宮の一部を切り取った。  
 
僕は思わずモニターから目を逸らしてしまった。  
ふと小間のほうを見ると薄ら笑いを浮かべていた。  
視線の先はモニターではなく芽衣の顔だ。  
どうやらこの男は極度のサディストで少女が苦しむ様子を楽しんでいるようだ。  
現実社会ではとても女性に相手にされそうにない小太りの醜い男だ。  
彼にとってはここは仕事を兼ねた天国のようなものだろう。  
僕は汚いものでも見たような気分になり、またモニターに目線を戻した。  
 
「はい、それじゃあ後は置き土産よ」  
そう言って女医はリモコンの違うスイッチを押す。  
先端から次は何かカプセルのような物を出した。  
形は砲弾型で側面に釣り針の反し状の金具が無数に出ている。  
実際にはカプセル自体がかなり小さいのだろうが  
モニターで拡大されたそれは禍々しく恐ろしいものに見えた。  
 
「あれは・・?」   
僕は小間に尋ねた。  
「内部センサーだよ」  
「検体に埋め込んで常に子宮の状態をリアルタイムで計測できるんだ」  
「通常の病院では倫理上問題があるとかでまだ採用されてないがね」  
 
「ここらへんね・・・」  
女医は埋め込む場所の見当をつけるとリモコンのレバーをくいっと押す。  
ピンク色の内壁に砲弾型のカプセルがグサッと突き刺さる。  
そのままグイグイと押し込んでいった。  
芽衣の拘束された手首と足首の先は筋が切れそうなほど伸びきり細かく痙攣していた。  
ついにカプセルは後部の一部が見えるだけとなった。  
反し金具で自然に抜けることはないだろう。  
 
作業が済んだ女医は内視鏡を芽衣の性器からゆっくりと引き抜いた。  
「あら・・?」  
「お嬢ちゃん気を失っちゃったのね」  
見ると芽衣は内診台の上で気絶していた。  
 
「じゃあ、この子で最後だから俺たちが次の部屋へ運ぶぞ」  
小間はそう言ってストレッチャーを僕に持ってくるように指示した。  
黒田女医は助手と今日入荷した少女たちのカルテを見ながら何やら話し込んでいる。  
 
気絶した芽衣の拘束を解く。  
よほど抵抗を試みたのか手足のベルト跡が赤くなっている。  
頭のクランプを外して、口の中からマウスピースを出す。  
溜まっていた涎が大量に糸を引く。  
顔は涙と汗でびっしょりになっていた。  
股間にはガーゼが張られている。  
(芽衣は運が悪かった、先に検査された少女達のように意識のない状態だったなら  
ここまで辛い目に遭わなくてすんだだろうに・・・)  
そんなことを考えながら顔や体を綺麗に拭いていく。  
 
小間と二人で芽衣をストレッチャーに移すと入って来たのとは違うドアから部屋を出た。  
長い廊下を進んで行き、突き当たりのドアをストレッチャーで押しながら入った。  
そこにはすでに先に運ばれてきた少女たちが並んだベッドの上で点滴を受けていた。  
まわりには職員が5人いる、女性職員が3人と男性職員が2人だ。  
少女達は皆、意識が回復しているようだが抵抗する様子はない。  
ふと見ると職員達の白衣のポケットからさっき小間が使った銀色の電撃棒が覗いている。  
なるほど・・あれで騒ぐ子は黙らせたってわけか。  
 
「あら、小間くん今日は新人を連れてるのね」  
30代の女性職員がからかうように話しかけてきた。  
「さすが新人教育は小間先輩のもんですね」  
「そういや僕も最初は小間先輩に教えてもらいましたから、ハハハ」  
20代後半の男性職員が笑いながら言う。  
「君も今のうちにしっかり小間先輩に習っておくんだよ」  
「まあ・・すぐにどこかの研究班に配属されるだろうから短い間だけどね」  
小間は気まずそうにしている。  
 
「青木副主任、この子はどこに置きましょうか・・?」  
小間は自分のことを先輩と言った男性職員に敬語で話しかけた。  
(そうか・・・自分が新人教育をしたこの男性職員に、あっという間に追い越されたんだな)  
「そっちのベッドに置いて」  
違う女性職員に顎で指図されている。  
僕達は芽衣をベッドに移すと体力回復のための点滴を刺した。  
 
「さてと・・じゃあ小間先輩、僕達は次の仕事があるから、これで」  
「後はよろしく、ちゃんとお世話してね、大事なモルモットなんだから」  
「いいよね、飼育係は気楽で・・ハハ」  
そう口々に言って職員達は出て行った。  
小間は苦虫を噛み潰したような顔をしている。  
(・・どこに行ってもこういう人っているんだよな)  
僕は小間を横目に見ながら思った。  
 
「んぎ・・!」  
とっさに少女の悲鳴が聞こえてきた。  
小間が腹いせに近くにいたアジア系の少女に電撃棒を押し当てていた。  
自分の無能さを抵抗できない立場の者にぶつける、どこまでも駄目な奴だ・・・。  
僕は一瞬止めようかと思ったがここで小間と揉めるのも面倒だからほっておくことにした。  
 
「う・・・」  
芽衣が薄っすらと瞳を開けた。  
「大丈夫かい・・?」  
僕は屈みこんで話しかけた。  
「う、うん・・」  
芽衣は疲れを見せながらも笑顔を作って答えた。  
「もう検査は終わったからね、安心していいよ」  
「うん・・」  
そう言いながら芽衣は僕の裾を握ってくる。  
よほど怖かったのだろう、僕の胸がまた痛んだ。  
 
点滴が終わり、少女たちにベッドから降りて並ぶように小間が命令した。  
まるで学校のように一列に全裸の少女たちが並んで立つ。  
小間は僕に部屋の隅に置いてある箱を持ってくるように言った。  
箱を開けると中からチェーンと金属製の首輪が幾つか出てきた。  
小間と二人で少女達の首に首輪をはめていく。  
首輪は一度カチッと閉じてしまうと鍵がなければ開かない仕組みになっていた。  
芽衣は小間に首輪をはめられながら僕のほうを不安そうに見ている。  
小間は気付いているのか、ちゃんと前を向けとばかりに芽衣の頬を掴んで向き直らせる。  
 
首輪を付け終るとチェーンを首輪に付いたリングに通していく。  
これで少女たちを互いに繋いで一本にしてしまった。  
学生時代に参考書で見た売られていく奴隷のようになった。  
 
「よし、行くぞ」  
そう言って小間はチェーンの端を引っ張る。  
少女達はぞろぞろと後を一列になってついて行く。  
廊下を前に小間、後に僕で挟むようにして保管庫へ向かって歩いた。  
途中で何人も職員とすれ違うが、皆こちらに関心は見せない。  
8人もの全裸の少女が首輪に繋がれて歩いてるなんて通常で考えれば凄い光景なんだろうけど  
この施設の中ではごく当たり前のことのようだった。  
それどころか通りかかる扉の向こうから女性の悲鳴らしき声が聞こえてきたりする。  
その度に少女達はビクッと体を強張らせる。  
 
(凄いと所に来てしまったな・・・)  
今更ながら僕は思った。  
芽衣は列の一番後ろを歩く僕のほうをチラチラと見ていた。  
 
(続く)  
 

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