【幼婚】― 婚姻届 ―  
 
町役場の自動ドアがスッと開いた。  
 
夏の一日、まだ涼しい午前9時半。  
新幹線の開通を受けて無理矢理ベッドタウン化しようとした、小さな町。  
中途半端に流入してきた首都圏文化によって、人々の交流は一層希薄化していた。  
故に、入ってきた女の子の様子を、誰もが怪訝に思いながらも、誰も関わろうとしなかった。  
 
S学校中学年くらいの女の子。  
真っ先に人々の眼についたのは、彼女が全身を覆う厚手のコートを纏っていたことだ。  
まだ午前中とはいえ、夏に着るようなものではない。  
それだけでも十分に違和感ある装い。  
いや、異常と言ってもよいだろう。  
異常は他にもある。  
コートの襟を立てているため目立たないが、よく見れば首にはチョーカーを巻いている。  
随分と頑丈そうな、真っ赤なチョーカー。  
いや、果たして本当にチョーカーなのだろうか。  
なにやらリングのアクセサリーが付いている。  
それはまるで・・・  
 
大人たちがそんな邪推を始めた時、少女のすぐ後ろに、30半ば程の男が一人入ってきた。  
男が少女の肩に手を置くと、少女はビクンと身を震わせて、俯いた。  
男はそのまま、まるで威嚇するかのような目線で役場の中をグルリと見回す。  
目の合った大人たちは、本能的に目線を外す。  
邪な目で見ようとした直後に自己防衛という名の蓑を被る彼等に、男はフンッと鼻を鳴らした。  
「さぁ、行こうか、由香。」  
「は、はい、りょーいちさん・・・」  
 
 
――衆人環視の下でありながら、二人と世間とが切り離されたような奇妙な空間が出来上がった。  
 
 
男は堂々とエントランスを突っ切って、窓口の方へと進んでいく。  
その後ろを少女がよたよたと追いかけていく。  
決して軽やかとは言えない足取り。  
太股をピタリと付けて、膝から下だけで忙しなく歩むような格好。  
左右の手はそれぞれ胸とお腹のあたりでコートの合わせ目を押さえている。  
コートのボタンが留っていないかのようだ。  
足を進めるごとに、セミロングの髪が左右に揺れて、その下の赤く染まった顔が覗き見える。  
まるで運動を終えてきたばかりのように汗をかいている。  
常識的にはすぐにコートを脱げばいいのだろうが、何故かそうはしないようだ。  
 
男が窓口で事務員と何か言葉を交すが、由香の耳には届いていない。  
由香は何かに必死に耐えるかのように、脚をもじもじと擦り合わせている。  
事務員はすぐに奥の方へ行ってしまった。  
 
由香は左手をそっと胸元から離し、男の上着の裾をクイクイと引っ張る。  
男が後ろを向くと、由香のコートの胸元が軽くはだけているのが見える。  
由香は慌てて手を戻し、コートを合わせて男の視線を遮る。  
しかし男の眼には、瑞々しい柔肌と、それを絞り上げる荒縄がはっきりと見て取れた。  
他ならぬ、男自身が少女に巻きつけたものである。  
 
まだ殆ど起伏の無い幼い身体を、荒縄が縦横に締め上げている。  
首の横を後ろから回ってきた縄が交差して、再び別れて左右の脇の下へ潜り込む。  
背中でそれらは再度交差したのち、また表に回ってくる。  
上下の縄が、ほんの僅かに盛り上がっているだけの胸を挟み込む形となる。  
本来ならば性的対象としては決して見られないはずの幼い胸に、おちょこで隠れるほどの  
小さな房が出来ていた。  
荒縄はその後も何度も少女の前後を往復し、いくつもの菱形の縄模様を縦に繋げていった。  
そして最後は、まだ縦に一本のスジが走るだけの幼い割れ目へと、食い込まされていた。  
縄自体はその手のプレイで普通に使われるサイズのものであるが、由香の幼い身体には  
やけに太く映えていた。  
 
少女の一挙手一投足ごとに、荒縄は少女を虐めて虐めて虐め抜いていた。  
それでもなんとか我慢してきたのだが、先ほどから別の切迫した欲求が彼女を襲っていた。  
恥ずかしながらも、それを男に伝えようとする。  
「・・あの・・・・・・お・・・・・」  
男は『どうかしたのか?』といった表情で見下ろしている。  
だが、男は彼女の身に起こっている事態を正確に捉えている。  
なにしろ出発前に彼女に1.5リットルもの紅茶を飲ませたのは彼自身である。  
「・・・・お・・・・おト・・・レ・・・」  
ボソボソとした声で少女は訴えた。  
 
多少は汗として発散したが、大量に摂取させられた水分の殆どは彼女の膀胱を直撃していた。  
男は微動だにしない。  
はっきりと言わないと相手にしない、といった様子である。  
少女は一度唇をギュっと噛み締めた後、恥ずかしい宣言を口にした。  
「お、おトイレで、・・・お、お、・・・・・・・・おしっ・・・こ、・・・ださせて・・・・・・・」  
排尿行為を言明させられたことで、少女の顔はさらに真っ赤になった。  
それでも男から目線を外すことはできない。  
「ふむ」  
「・・・お、おねがい・・・・・・・・・・・もう・・・出ちゃう・・・・・・・」  
少女はそう言いながら脚をもじもじと動かす。  
だが男は、この少女がまだ暫く耐えられるであろうことを見透かしていた。  
故に、苛める。  
「おしっこ、なのか?」  
「う、うん・・・」  
「パンツ穿いたままなんだから、『お漏らし』と言いなさい。」  
「えっ!?や、やだっ!やーん!お外でお漏らしはイヤなの!」  
少女が狼狽するのも無理はなかった。  
彼女は荒縄の下に一枚だけ、パンティを穿かされていたのである。  
荒縄は結び目が後ろにある上に硬く絞られているため、少女の手では外せない。  
許可無くおしっこするということは、パンティを穿いたままお漏らしすることと同義だった。  
 
しかもそのパンティの下には・・・  
 
「・・・無理矢理出させてやろうか?」  
そう言いながら男がポケットから手を出す。  
握られているのはピンク色の小さな箱。  
それを見た少女の体がガクガクと震え始める。  
「漏らしたら・・・『帰る』ぞ。」  
「!や、やだっ!ガマンするっ!ガマンするっ!」  
帰る、という言葉に少女は拒絶反応を示す。  
「・・・スイッチ、入れるぞ?」  
 
――・・・・・・・コクン。  
 
(あぁ・・・あのオモチャが・・・あのオモチャが・・・あたしのアソコを・・・)  
 
少女の脳裏には、今朝着けられた『オモチャ』の記憶が――  
 
 
 
【幼婚】― 朝 ―  
 
その日の朝。  
最初に裸の上に荒縄を通された時、由香は、とてもこれでは耐えられないと懇願した。  
男は、ならパンティ一枚だけは許してあげようと言った。  
薄布一枚とはいえ、ささくれ立った荒縄が直接媚肉を擦るよりは遥かにマシだった。  
少女は、男の優しさに素直に感謝していた。  
しかし男は、交換条件にとばかりに道具を持ち出してきた。  
 
――クリクリバキューマー  
 
箱にはふざけた商品名が書かれていた。  
「・・・な、なに・・・これ・・・」  
少女は怯えた風に尋ねた。  
男は一つ目の箱から中身を出す。  
スポイトのようなものの先に吸盤が付いた形。  
透明な吸盤の中には、カプセルに包まれたモーターが透けて見える。  
モーターからはケーブルが延び、プラスチック製の細長い箱に繋がっていた。  
少女はそれに似た感じの淫具として、ピンクローターは知っていた。  
そのため、多分これも同じようなものだろうという程度には読み取れていた。  
だが男の説明は、ただのローターの比ではない酷いモノあることを突きつけてくるものだった。  
 
「こっちは由香のクリトリスを苛めてくれるモノだ。」  
「う、うん・・・」  
「ここの吸盤が由香のクリにピッタリ張り付いて離れないんだ。」  
「うう・・・・・」  
「さらにこのスポイトで由香のクリを無理矢理勃起させて・・・」  
言いながら男は、吸盤の内側を由香に見せ付ける。  
「ほら、ここにビッシリ生えているハケが、勃起したクリを苛めてくれるんだ。」  
「!!や、やだー!やだよー!!」  
由香は半狂乱になって抵抗した。  
由香は以前に、言うことを聞かなかった罰として、壁に大の字に拘束された状態で、  
2時間以上に渡ってずっとクリトリスに刷毛責めを見舞われたのを思い出した。  
なんで女の子にはこんな酷い弱点があるのかと、由香は幼いながらに女体の神秘を呪った。  
そして今、それを再現する――あるいはそれ以上の――淫具が突きつけられたのである。  
「やだっ!やだっ!やだやだよー!お父さんおねがい許してー!」  
由香は抵抗のあまり、男を『お父さん』と呼んでしまった。  
 
その言葉に、男は、酷く、苦く、悲しそうな顔をした。  
二人にとってその言葉は、ある特別な意味を持っていたからだ。  
 
亮一の脳裏には、二つの記憶が去来した。  
一つは、もう30年近く昔の記憶。彼がまだ幼かった時分の記憶。  
顔も覚えていない両親。自分を捨てた両親。  
そして、そんな親を『お父さん』『お母さん』と呼んで探していた自分。  
どれもこれも腹立たしいばかりの、忌まわしい記憶。  
もう一つの記憶は、半年ほど前まで、由香が自分のことを『お父さん』と呼んでいた記憶。  
こちらは少々長い話になる。  
 
 ――――――――  
 
 
【幼婚】― 発端 ―  
 
亮一は幼いころに両親に捨てられた。  
それを自覚するまでに長い年月を要した。  
自覚してからは、ぶつけようの無い憤怒と憎悪が心を支配していた。  
それらを振り払うためか、あるいは自分を捨てた両親を見返すためか、  
理由は亮一本人にも分からなかったが、とにかく自己鍛錬に精を尽くした。  
誰にも頼ることなく生きていけるように、と。  
単に勉強に励むというだけではない。生きるために必要な知識や経験を貪欲に吸収した。  
交友、法律、博打、経済、文化、心理などなど。もちろん女も一通り嗜んだ。  
進学高、有名私大と進み、卒業後は会社を設立。  
莫大な利益を生み、政治家や資産家へのパイプも作った。  
 
・・・気が付いた時には、一生遊んで暮らせるほどの資金が溜まっていた。  
しかし同時に、自分の周りが魑魅魍魎だらけであることにも気付いた。  
 
そして、この世をつまらないと感じるようになった。  
 
なんのために生きているのだろうと、疑問に思うようになった。  
 
やがて、気付いてしまう。自分は、実は何の目的も無く生きていたということに。  
 
愕然とした。  
 
ショックの余り、男性器が起たなくなるほどに――  
 
そのことにすら、暫く気付かないほどに――  
 
・・・。  
 
身に纏った重荷を全て振り払って、今一度自分を見つめなおしてみようと考えた。  
自分のために。そう、ここからは本当に自分のために生きてみよう、そう考えた。  
社長職を後輩に譲り、全ての株も土地も売却し、政財界との縁も切った。  
莫大な資金が残ったものの、もはや亮一にはそれすら邪魔な過去そのものだった。  
しかし、だからといってそのまま捨てるのも躊躇われた。  
まかりなりにも亮一の半生を費やした結晶である。  
過去に見切りをつけようと思いつつも、なかなか気安く捨てられるものではなかった。  
どこかに寄付してしまおうか、等と考えていた時――あるニュースが耳に入った。  
 
  【ヘッドラインニュース:K市市議会、ベイビーポスト条例批准】  
 
ベイビーポスト条例。  
何らかの理由で新生児の育児を断念せざるをえなくなった親が、匿名で子を養子に出せる条例。  
一部海外では既に法律で制定されているシステムだが、ついにこの国でも実施の運びとなった。  
育児放棄だの法的整備だのが騒がれているが、亮一の心には別の形で響いていた。  
 
一つは幼き日の憎悪。  
自分のような人間がまた生み出されるのかという怒り。  
忘れていたはずの情念が、再び湧き上がってきていた。  
もう一つは、過去との決別のチャンス。  
この子を引き取って自分で育てることで、親との決着を果たせるという想い。  
俺は貴様等とは違うんだ――と。  
(・・・これだ。)  
一も二も無く、亮一は電話を手に取っていた。  
 
 
里親を申し出てから数日後、里子はあっさりと見つかった。  
条例の施行日にいきなり新生児が一人、ポストに預けられたのである。  
テレビや新聞では物議を醸していたが、亮一にはどうでもいいことだった。  
 
里親を申し出る人は他にも何人かいたようであるが、存外に早く、亮一が選ばれた。  
過去の経歴や資産、それに彼自身が孤児院育ちであるという美談が決め手となったようだ。  
 
・・・。  
 
その子――名前を由香という――は、すくすくと育った。  
もちろん病気や怪我に見舞われることも何度かあった。  
その都度振り回される亮一だったが、それらを幸せだと感じていた。  
一緒に遊んで、一緒にご飯を食べ、一緒にお風呂に入り、一緒に寝る。  
これが自分の人生――そう断じて良いと思えるだけの充実感を得ていた。  
 
 『おとーさんー』  
 
そう呼ばれる度に、思わず頬が緩んでしまう。  
憎しみの想い出しかないはずのその呼び名が、亮一の心を暖かく満たしていった。  
 
 
【幼婚】― 葛藤 ―  
 
やがて小学校に入る頃になると、由香も思春期を覚え、一人で入浴するようになった。  
当然の成長ではあるが、亮一には一抹の寂しさもあった。  
 
そんなある日。  
 
二人分の洗濯物を洗うべく、柄物を分けている時のこと。  
亮一は由香の女児パンツに手を止める。  
ふと思う。最後に由香と一緒に風呂に入ったのはいつだったのかと。  
さらに思う。由香が最後に下着姿で部屋をうろついていたのはいつだったのかと。  
ちょっとした懐古。そのつもりだった。  
しかし。  
――ドクンッ  
(・・・?)  
自身の内に湧き上がる、どす黒く熱い感情。  
――ドクンッ  
(な、なんだ?)  
体中の血管が捻じ曲げられるような奇妙な感覚。  
長いこと忘れていたエネルギッシュな衝動。  
亮一は、思わず、由香のパンツを鼻先へ・・・  
――ドクンッ!!  
「うぉ!?」  
血流の行き先を確信する。  
何年も機能していなかった肉竿が、むくむくと鎌首をもたげていく。  
自分の身に起こっている出来事を、半ば冷静に、半ば興奮気味に観察する。  
――ドクンッ!ドクンッ!  
それでも完全な勃起には至らず、やや斜め下を向くあたりでとまってしまう。  
(ゆ、由香・・・)  
亮一は考えるよりも前に、肉竿を扱き始めていた。  
その手に由香の女児パンツを持ち、包むように、乱暴に・・・  
 
・・・。  
 
事後の罪悪感は相当なものだった。  
憎き両親への決別の意味で育てた我が子に対して、まさか劣情を抱くとは、と。  
 
だが、心を否定することはできない。  
結局亮一は、その後も由香の下着で昂ぶりを処理するようになった。  
血こそ繋がらないとはいえ我が子に対して、それもS学生に対してという背徳感。  
しかしそれすらも強烈なスパイスとなって亮一を襲った。  
 
(――ばれなければ――)  
 
罪悪感と背徳感。それらを折衝した結果は『ばれないようにする』というもの。  
翌日、亮一は盗聴器やピンホールカメラを買い漁ってきた。  
由香が学校へ行っている間に、それらを家中に設置した。  
特に、暫く見ていない由香の被服の下を見たくて。  
由香の部屋、脱衣所、浴室。  
一箇所設置するごとに、自分がどれほど下劣な人間であるかを痛感させられる。  
(・・・・・・・・・・・。)  
だが、下半身は正直に反応していた。  
由香の全てを見たい。その想いがズボンを破らんとするほどに硬化していた。  
 
・・・。  
 
その後は、娘の前では今まで通りの良い父を。  
裏では盗視しながら肉棒を扱くという生活を送った。  
 
・・・。  
 
そして、二人の関係を大きく揺るがす一日が来る。  
 
 
【幼婚】― 衝動 ―  
 
夜。その日も亮一は自室でパソコンを立ち上げていた。  
由香の入浴を見ながら肉棒をしごき、ひとしきりの満足を得てから、暫く。  
由香はベッドの上に寝転んで、何やら妙に古びた月刊誌らしきものを読んでいる。  
身に纏うのは、純白に赤いリボンが付いたロリータパンティ一枚だけ。  
傍らにパジャマの上下が落ちているのは、暑くて脱ぎ散らかしたためだろう。  
父親として我が子の成長を微笑ましく見守る、という気持ちが3割ほど。  
残りは性欲の対象としての邪な気持ち。  
決して由香にばれてはならない、下衆な淫情。  
(ばれたら・・・おれは・・・由香と別れなければならない・・・)  
自らの歪んだ性癖を認めた亮一は、それを自身のリミットライントして定めていた。  
由香にばれるようなことがあれば、もう一緒には暮らせない、と。  
(く・・・おぉ・・・由香・・・)  
そう思いながらも、日課のように肉棒をしごく手は止められなかった。  
 
そうこうしているうちに、少女の方にも変化が現れる。  
『ん・・・ん・・・・・・・んん・・・・・ああん・・・・』  
モニターの中の由香は、下着だけの姿で股間に枕を挟み、ベッドの上で悶えていた。  
(え、ゆ・・・由香?・・・まさか・・・)  
穢れなど全く知らないだろうと思われた我が娘が、昂ぶった声を発している。  
亮一はヘッドホンの音量を上げてじっと聞き入る。  
『んー、こうで・・・いいのかな・・・・んー・・・』  
雑誌を見ながら身を捩る。  
どうやらその手の描写が混じった、少々エロティックな本のようだ。  
『んー、・・・ん、んー、・・・ん。・・・・うーん・・・』  
何度か姿勢を変えながら色々試してみるが、なかなか上手くいかないようだ。  
男として手伝ってやりたい気持ちにも駆られるが、そうもいかない。  
 
 
『うー・・・・・・おとう・・・ん・・・』  
(え?)  
亮一は一瞬、自分が呼ばれたような気がした。  
(いやいや、まさかな・・・)  
『・・・・・・うさん・・・』  
(・・・)  
 
・・・。  
 
やがてモニターの中の由香は、ランドセルを開けて中から何かを取り出す。  
(お、おいおい、どこでそんなものを・・・)  
自慰だけでも亮一には衝撃的だったのに、さらなる追撃が入った。  
由香が袋から出したものは、水色のオモチャ、スティック状のローターだった。  
長さ10cmほど、太さ2cmほど。  
太くて短い万年筆、といった程度のサイズの淫具。  
外部スイッチなどはない。  
本体中央の接合部分を捻るようにしてスイッチを入れるだけの、非常に単純なもの。  
それをパンツの中に滑り込ませる。  
『えっと・・・、おしっこの・・・』  
どうやらオシッコをする穴に当てるという知識のようだ。あながち間違いではない。  
『それから・・・』  
パンティの上から左右の手でローターを押さえて、捻る。  
――ビイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!  
『はうう!?』  
隠しマイクにもしっかり拾えるほどに、モーター音が響いた。  
 
パワー調節のできない淫具のため、スイッチオンでいきなり最強の威力を発揮してくる。  
『うわっ!?わっ!!わぁっ!!あううっ!?あわぁーーーっ!!』  
由香は両手で股間をパンツの上から押さえて固まった。  
『あわーー!?わーーー!?うーーーーーーーーーーーーー!!』  
立ち上がって、パンツを下ろそうとする。  
そのために手を股間から離した途端、抑制を失ったローターが激しく暴れまわる。  
『きゃうーーー!?』  
慌ててまた股間を押さえる。  
その度にモーター音が上がったり下がったりする。  
(おおお、由香・・・)  
娘がローター一つで翻弄される様子に、亮一の肉棒は激しく反り返った。  
由香は中腰の姿勢のままガクガク震えていたが、やがってハッとしてベッドから降りる。  
(お?)  
亮一は肉棒を扱く手を止めて、画面に食い入る。  
由香はドアへ向かってヨタヨタと歩き出す。  
なんとかローターを外へ抜き出そうとするが、ままならない。  
そのままドアノブへ手をかけた状態で、一瞬、動きが止まる。  
そして。  
『あうっ!はうー!あーーーーーーーー!!!!』  
まさか絶頂?と思った亮一だったが、すぐにそうではないことが分かる。  
――ショロロロロロロロロロロ・・・  
由香のパンティから、黄色い液体が一気に流れ出したのである。  
『はうーー!!あうーーーー!!いやーーーーーーーー!!』  
ドアノブに手を付いたまま、由香はおしっこを垂れ流し続けた。  
――タパパパッタパパパッタパパパパッ・・・  
おしっこがフローリングを叩く音が、やけに大きく響いていた。  
 
おしっこを終えてもまだ、由香は動けずに硬直していた。  
『あうっ・・・うっ・・・ううっ・・・えぐっ・・・ぐすっ・・・』  
(あぁ、由香・・・)  
S学生にもなってお漏らししたことが、泣きたくなるほど恥ずかしかったのだろう。  
そんな娘の痴態を覗き見してしまった亮一だったが、罪悪感を感じるよりも前に、  
自身の下半身の異常な戦慄きに驚愕していた。  
 
気が付いた時には、亮一は既に部屋を飛び出し、そのまま由香の部屋の前まで来ていた。  
由香の部屋のドアノブが、カタカタと小さな音を立てている。  
亮一はドアノブに手を掛けながら、娘に向かって声をかけた。  
「由香、どうした?入るぞー。」  
『えっ!?』  
由香は酷く驚いたことだろう。  
扉一枚隔てた向こうに父がおり、さらに入ってこようとしてるのだから。  
『だ、ダメーー!』  
――ガチャッ!  
由香が拒絶の声を上げるのと同時に、亮一は勢い良くドアを開けた。  
『あっ!』  
ドアノブに手をつくように立っていた由香は、そのまま前へ倒れそうになる。  
それを亮一の手がしっかりと支える。  
『あっ、あっ、あっ、あーーーーーー!!』  
由香の身体はしっかりと支えられた。にも関わらず由香は断末魔のような悲鳴をあげる。  
(ん?・・・あぁ・・・)  
直後、由香の足元に水音が響いた。  
――ショロロロロ・・・  
――タパパパパッ・・・  
先ほどのお漏らしで全部放出したわけではなく、途中で必死に止めていたのだろう。  
残りを漏らさないことに必死で、一歩も動けなかったらしい。  
――ヌルッ・・・カツーン!  
パンティから抜け落ちたローターが、床に落ちて震えていた。  
 
『ひぐぅーーっ!うーーーっ!やだーーー!見ないでーーおとうさんーーー!!』  
由香は声が裏返らんとするほどに絶叫した。  
田舎の一軒屋のため、周囲に気兼ねする必要がないのは助かったところである。  
『うーーーーっ!うーーーーーーっ!!うぅ・・・・・・・・ごめんらさい・・・・うぅ・・・』  
涙を流して嗚咽する由香を、亮一は体全体で包んで優しく快方した。  
 
やがて泣き終えた由香は顔を上げる。  
『ごめんらさい・・・・ごめんらさい・・・・・・・うぅ・・・・・・ごめんらさい・・・・・・・・・・・』  
涙に濡れる娘の顔に欲情する父。  
それを必死に抑え込んで優しい言葉を発する。  
「大丈夫、大丈夫。洗濯すればいいだけだじゃないか。」  
そう言いながら由香の背中をゆっくりさすってやる。  
『ぐすっ・・・・・ぐすっ・・・・、うん・・・・・』  
「お風呂に入ってきなさい。ここは父さんが片付けておくから。・・・だけど・・・」  
『え?』  
「これは、何だ?」  
『あっ!!』  
亮一は先ほど拾っておいたローターのスイッチを入れ、由香の目の前へ突きつける。  
――ビイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!  
『あっ!あのっ・・・あの・・・」  
 
「さっきはパンツの中に入れていたね?」  
そう言いながら亮一は、パンティの腰ゴムを手前へ引っ張り、ローターを滑り込ませた。  
――ビイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!  
『いやっ!だめっ!そこだめぇーーーっ!!』  
由香は慌てて父から身を離し、ローター入りのパンティを押さえて後退さる。  
――ツルッ  
『ひぅっ!?』  
――ドターン!  
しかし自分のおしっこで濡れた床に足を滑らせ、見事な尻餅を搗いてしまう。  
『いたいーっ・・・・あっ!ダメッ!!』  
一瞬だが、ロリータのM字開脚を披露してしまった由香。  
それでも亮一が眼に焼き付けるには十分な時間だった。  
「由香。それは何だ?」  
由香はふるふると顔を横に振る。  
「そうか・・・ならば。」  
回答を拒否する由香へ詰め寄り、怯えるその両手を掴み上げる。  
『ひうっ!』  
近くに落ちていた由香のパジャマのズボンで、その両手を後ろ手に縛り上げてしまう。  
さらにそのまま、娘をベッドへ仰向けに押し倒してしまう。  
『えっ!?あっ!やだっ!おとうさん!?』  
いつもと雰囲気の違う父に困惑しつつも、その視線から逃れようと脚を交差する。  
「由香、おとなしくしなさい。」  
ゆっくりと、しかし威圧するような声。  
それでも由香はぶんぶんと顔を横に振る。  
 
「そうか。仕方ないな。聞き分けのない子には・・・お仕置きが必要だな。」  
『えっ!?』  
亮一は由香のパジャマの上着を拾い上げる。  
それを由香の左足首に巻きつけて、ベッドの頭の方へ括り付けてしまう。  
『きゃっ!』  
間髪入れず、今度は自分のパジャマの上着を脱ぎ、由香の右足をベッドの足の方へ括る。  
『いやーっ!』  
由香が叫ぶのも当然だろう。  
思春期真っ只中の可憐な乙女が、父の眼の前で、無様な大開脚を強いられているのだから。  
しかもその身を覆うのは、おしっこでずぶ濡れになったスケスケパンティ一枚だけ。  
恥ずかしい丘の中央には、まるで男の子のオチンチンのよう異物が収まっている。  
――ヴイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!  
「由香。これは、なんだ?」  
『やだーっ!やだーっ!おねがいーっ!みないでーっ!ごめんらあいーーっ!!』  
「由香っ!泣き続けるならずっとこのままにしとくぞ!」  
『ひーっ!』  
父の叱咤に由香は声を飲み込む。  
 
由香は大開脚のまま、必死に耐えようとする。  
しかしじっとしていると、淫核を直撃する振動をはっきりと認識することになる。  
――ヴイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!  
『あぁ・・・うぅ・・・・うううううぅ・・・・・・・』  
「由香。これは、な・ん・だ?」  
そう尋ねながら、亮一はパンティの上からローターを軽く叩く。  
――コンッ!コンッ!  
『ひぃっ!?』  
それだけでも幼い由香には相当な刺激だったらしい。  
拘束された両脚がプルプルと震える。  
「由香。これが最後だ。答えないなら朝までこのままだ。」  
『えっ!?や、やだっ!い、言うよぅ!言うから許しておとうさんー!!』  
由香は許しを請うが、亮一はそのままパンティの上からローターをグリグリと押し付ける。  
『ひうーー!わかんないーー!!わかんないよーー!!」  
「嘘をつくんじゃない。」  
――グリッ、グリッ・・・  
『あーん!ほんとなのー!ほんとに分かんないのー!ごめんなさいー!!』  
「なら、どこで手に入れた?」  
『ひぅー!さっ、さっちゃんが貸してくれたのーっ!!』  
(さっちゃんというと、学校の仲のいい友達のことだったな。)  
「そうか。じゃぁこれはお父さんがさっちゃんに返しておこうか?」  
『えっ!?やだーっ!!だめーおねがいーおとうさんーーっ!!!』  
亮一は由香のパンティの中へ手を滑り込ませる。  
すぐに指先がローターを捉えるが、すぐには引き出そうとしない。  
むしろここぞとばかりにローターを弄くり、幼い体から官能を引き出そうと画策する。  
 
――グリッ、グリッ、ヌルッ、ヌリュッ、ニュリッ・・・  
『えーっ!?やだー!!なにこれぇーっ!?』  
(濡れて・・・いるのか・・・)  
『んーっ!!んーーっ!!んんんーーーーっ!!んぐぅーーーーーっ!!』  
由香は得体の知れない衝動に耐えんとしているのか、低く唸るような声を上げている。  
『んんーっ!!んんーっ!!んんんんんんんんんあぁーーーーっ!!!!』  
両脚をV字にピンと伸ばし、背は弓反りに、そして絶叫した。  
『はうーっ!あうーっ!あうー・・・、うーっ、・・・はぁー、はぁー、はぁー・・・』  
「ゆ、由香・・・」  
亮一は無意識のうちにズボンを下ろし、肉棒を握り締めて扱いていた。  
『あぁ、お、おとう・・・さん・・・』  
娘と眼が合った瞬間、熱い白濁をぶちまけてしまった。  
――ビュルルッ!ビュルッ!ビュッ!ビュビュッ!  
放物線を描いたそれは、由香のパンティからお腹、胸を経て、顔へまで飛散していた。  
 
・・・。  
 
 
【幼婚】― 告白 ―  
 
「あぁ・・・ゆ・・・由香ぁ・・・・」  
情動の波が引くと、すぐさま後悔の念が襲ってくる。  
謝罪の言葉すら喉に詰まる。この状態で一体どんな言葉をかければいいというのか。  
『おとう・・・さん・・・・・、これ・・・ほどいて・・・・』  
「あ、あぁ、すまない・・・」  
そんなことにすら気付けないほど、亮一は呆然としていたようだ。  
すぐに拘束を解く。  
『お、おふろ・・・』  
「あ、あぁ・・・、その・・・歩けるか?」  
『無理・・・おとうさん、だっこして・・・』  
「え?あ、あぁ・・・」  
亮一は小さな由香の体を両手で抱え上げる。  
由香は父の胸に顔を埋めるようにして黙る。  
女児ブラとパンティだけの娘。  
亮一はできるだけ意識しないように風呂場へ急いだ。  
 
「そ、それじゃ。」  
脱衣所で由香を下ろした亮一は、すぐにでもこの場を離れたい一心だった。  
『ま、まって!』  
だがそれを由香が止める。  
亮一にはそれが非難の幕開けかと感じられた。  
そういえばまだまともに謝ってもいない。  
なんとか一言、ごめん、と言おうと思った矢先。  
『ごめんなさいっ!』  
「ご・・・え?」  
由香の方から謝罪の言葉が出てくる。  
『ごめんなさいっ!おねがいー、きらいにならないでー!もうしないからーっ!』  
(あ、あぁ、そういうことか。)  
つまり由香は、オナニーのせいで父に避けられようとしていると感じたのである。  
『もうしないから・・・もうしないから・・・おねがい・・・きらいにならないでぇ・・・』  
いや、謝らなければならないのは自分の方だ。そう思った亮一は、やっとの想いで声を返す。  
「いや、違うんだ。謝らなければならないのは・・・お父さんの方なんだ・・・」  
『え?』  
暫くの沈黙・・・。  
それを破ったのは由香の方だった。  
『ね、ねぇ、おとうさん、その・・・おふろ・・・はいろう?』  
「えっ!?」  
どう言葉を繋げようかと考えていた亮一の耳に、由香の方から提案が入った。  
「あ、あぁ・・・・」  
 
・・・。  
 
湯船の中に二人。  
横に肩を並べるように。  
 
『ひさしぶりだね、おとーさん。』  
由香の表情が、はっきりと明るくなっていた。  
「・・・・・そう、だな。」  
一方、亮一の方は複雑だった。  
娘の前で裸になることがこんなにも恥ずかしいと感じるのは初めてだった。  
いや、恥ずかしいのは裸になることじゃない。  
娘に隠し事をしていることだ。  
 
「・・・由香、父さんは・・・お前に黙って、酷いことをしていたんだ・・・」  
『え?』  
「これを聞いたら、お前は父さんを軽蔑するかもしれない。けど・・・それでも、聞いてほしい。」  
『え?う、うん。』  
意を決して、今まで黙っていた卑劣な行為を白状する。  
盗視盗聴のこと、下着を邪なことに使っていたこと・・・。  
 
・・・。  
 
『ふーん。』  
 
由香の反応は、存外に淡白なものだった。  
プライバシーに対する意識がまだ十分でないせいだろうか。  
「すまない・・・俺は・・・ここを・・・離れた方がいいと思う・・・」  
『・・・え?』  
亮一にとって、自分の定めたルールを破ってしまったことは大きかった。  
このままでは、いずれ取り返しのつかないところまで行ってしまうと確信してしまった。  
ゆえに、離れるべきだとう結論に。  
だが。  
『え?え?なんで?なんでー?由香のこと、きらいになっちゃったのー!?』  
「ち、ちがうちがう!由香のことは、本当に・・・」  
『なら、ならいいじゃん!・・・なのね、あのね、あたしもね、だまってたことが・・・』  
「え?」  
『あのね・・・あのね・・・あたし・・・おとーさんのこと・・・・・・・・・・・・・・・・・・すきなの・・・』  
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、そ、そうか。」  
娘からの告白。  
だが、額面どおりには受け取れない。  
初恋が自分の父という娘はよくあることだ。  
 
「でも、な、由香・・・」  
『おとーさん・・・』  
由香は父を呼びながら体を押し付けてくる。  
(う・・・)  
まだ膨らみはじめたばかりの胸を、それでも強く押し付けながら抱きついてくる。  
『あたしね、さっきね、おとーさんのこと考えながら、・・・えっちなことしてたの。』  
「・・・」  
『それでね、それはへんなことだから、言っちゃだめなんだってきめてたの。』  
「・・・」  
亮一は由香の言葉に聞き入っていた。  
『でもね、さっき、おとーさん、おちんちんから、なにかだしてたよね?』  
「!?」  
亮一ほ背中をぞわっとした悪寒が走る。  
『あれって、せーえき、だよね?』  
「・・・あぁ・・・」  
『きもちいいと、でるもの、だよね?』  
浅い性知識を、一言ずつ確認を取るかのように。  
「・・・・・・・・・あぁ。」  
『じゃぁ、おとーさんは・・・由香とおなじなの?』  
「・・・・・・・・・・・・・。」  
亮一は、肯定も否定もしなかった。  
それでも由香は肯定と取ったのか、言葉を繋いだ。  
 
『ねぇ・・・おとーさん・・・さっきの・・・続き・・・・して?』  
「っ!?」  
 
娘が、父親へ、ペッティングをねだる。  
おそらくまだその手のことの善悪を判断できないのだろう。  
いや、判断できなくさせているのは他ならぬ亮一である。  
そしてその亮一も、自分を制することができずに今の状況にあるのだ。  
返す言葉が見つからない。  
当惑する父に、娘はさらに言葉を被せる。  
『ねぇ・・・おとーさん・・・おとーさん・・・』  
そう言いながら由香は湯船で立ち上がった。  
――ザパァーッ  
亮一が顔を横に向けたならば、そこには一糸纏わない娘の裸体を拝めただろう。  
だが、さきほどからの由香の独白で、既に亮一の怒張はギンギンに張り詰めていた。  
この状態で直視すれば、自制が効くか自信が無かった。  
ゆえにそのまま下を向いて固まるしかなかった。  
『ねぇ・・・おとーさん・・・こっち見て・・・』  
「・・・」  
『・・・・・・・・・・・・あたしじゃ・・・だめなの・・・?』  
「・・・・・・・」  
『・・・・・・・・・・・・おとーさん・・・・・・・・・』  
 
・・・。  
 
暫くの沈黙の後、由香は無言で風呂場を出て行った。  
「・・・・はぁーーーーっ・・・・」  
一人残された亮一は、大きく大きく溜め息をついた。  
 
湯船に浸かったまま、思案に暮れる。  
(どうなってしまうんだ、これから・・・)  
そこに、脱衣所の方から足音が聞こえる。  
そして。  
――ガチャッ  
「!?」  
『おとーさん・・・』  
風呂場へ再び由香が戻ってきた。  
新しいパンティを身につけて、両手は後ろ手に組んだまま立つ。  
亮一は下着姿の由香に眼を奪われてしまった。  
先ほどまでのずぶ濡れスケスケパンティとは違って、洗濯したての新しいパンティ。  
すぐにでも眼を逸らさなければならないのに、その健康的な肢体に魅入ってしまった。  
『えへへ。おとーさん、こっちの方がすきなんだよね?』  
気に入ってもらえたと思った由香は、ちょっと顔を赤らめながら、ニコリと微笑んだ。  
『さっきも、おとーさん、これによろこんでくれたよね?』  
亮一は慌てて目線を外してしまう。  
『あーっ』  
由香は一転して不満そうな顔になる。  
『じゃぁ・・・これだと、どぉ?』  
「え?」  
そう言って由香は後ろ手に隠していたモノを見せる。  
――水色の、10cmほどの長さの棒状のモノ――  
「なっ!?」  
『えへへーっ』  
無邪気に笑いながら、由香は淫具を捻る。  
 
――ヴイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!  
「お、おい、由香!?」  
止める間もなく、由香は振動する淫具をパンティの中へと差し込んでしまう。  
『ひうーっ!』  
「ゆ、由香!?なんで!?」  
『んーっ!んんーーっ!!うーーーーんっ!うーーーーーーーーーーーーーんっ!!』  
由香は立ったまま悶えはじめた。  
両手を後ろ手にし、両足を肩幅ほどに開き、父にはっきりと見せ付けるように。  
『はんっ!んんーーーっ!!んんーーーーーっ!!んーーーーっ!!』  
「由香・・・」  
ローターの責めに必死に耐える我が娘の痴態に、亮一は心を奪われてしまった。  
『んー!ごめんなさいおとーさん、あんまり、ガマン、できないーーーっ』  
由香は太股を合わせて擦る。  
腰が引けて倒れそうになる。  
その直後、今度は仰け反るように上体を起こし、腰を前へ突き出す格好になる。  
『うーっ!うーーーーーんっ!んんんーーーーっ!んんんんんんうーーーーっ!!!』  
――ビクンッ!ビクンッ!ビクンッ!・・・ビクンッ!・・・・・ガクッ  
何度か小さく震えた後、由香は風呂マットに膝を付くように倒れた。  
亮一は慌てて湯船から出て、由香の身体を抱き起こす。  
「お、おい、由香、大丈夫か?」  
『はぁー、はぁー、はぁー、・・・う、うん。・・・あはっ、あはははっ!』  
息を切らせながら、何故か急に笑い出す。  
 
「おいっ!おい由香っ!!」  
『あははーっ!おとーさんのおちんちん大きーいっ!』  
「え?うわっ!」  
由香の眼は、ギンギンに勃起した亮一の怒張に刺さっていた。  
『おとーさん、こういうのが好きなんだー。あはははっ!』  
無邪気に笑う由香に、亮一の方が翻弄される。  
「おい由香・・・お前・・・・恥ずかしくないのかっ!」  
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』  
亮一の声に、由香は笑いを止めて押し黙る。  
そして。  
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すごく・・・すごく恥ずかしいよぉーーっ!!』  
「由香・・・」  
『恥ずかしいのっ!すっごい恥ずかしいのぉー!でもっ、でもヘンなのぉーっ!』  
「う、おぉ・・・」  
『恥ずかしいのに、おとーさんが見てると思うと、なんかヘンになっちゃうのっ!』  
「ゆ・・・かぁ・・・」  
『おとーさんは?ねぇおとーさんは?由香がヘンになるの見てヘンにならないの?』  
「お、俺は・・・」  
『あたしね、ヘンなのっ!すっごいヘンなのっ!恥ずかしいのにヘンなのぉーっ!!』  
「お、おぉ・・・」  
『でもっ!でも一人じゃだめなのっ!おねがいおとーさんっ!さっきの続きぃーっ!!』  
 
亮一の中で、何かが弾けた。  
 
「お、・・・おおおっ!」  
亮一は、由香の両手首を握り、そのまま壁に押し付けた。  
 
『おとーさんっ!おとーさんっっ!!』  
由香は両脚をモジモジと交差させて、ローターの刺激に耐えていた。  
一度絶頂を迎えたためか、次の刺激に対して抵抗し辛くなってるようだ。  
由香の両手を一束にし、左手で押さえる。  
空いた右手を由香の恥部へと伸ばす。  
パンティの上からローターをぐりぐりと押さえつける。  
『あーーーん!あーーーん!うーーーーーーーーんっ!!』  
艶やか、というよりは呻き声に近いものの、由香の昂ぶりははっきりと伝わってくる。  
「ゆか、声が大きいぞ。」  
誰に聞かれるわけでもないが、亮一は嗜める口実に利用した。  
『でもーーーんむっ!?』  
――チュッ  
『んーーーーーー!?』  
――チュッ・・・・ンチュッ・・・・チロ・・・チロ・・・・・ペロッ・・・・・ペロッ・・・・  
『んーー・・・・・・・』  
――チュバッ・・・ニチュ・・・チュッ・・・チュルルッ・・・チュバッ・・・チュバッ・・・  
最初は驚いた由香も、すぐにディープキスに酔いしれるように力が抜けていった。  
亮一が手の拘束を解いても、由香は逃げずに、両手を亮一の肩に置いてキッスを続けた。  
『んーー・・・・・・、んーー・・・・・・・・・・・・・、んんーー・・・・・・・・』  
 
長いキッスの後、亮一が少しだけ顔を離すと、二人の口の間に細い橋が架かった。  
恍惚の表情。  
口元から伝うヨダレ。  
全身をしっとりと覆う汗。  
パンティに染みだす幼いH汁。  
良く見ると腰から下がぷるぷると震えている。  
「・・・・・・」  
亮一は、無言のまま、由香のパンティに手をかけた。  
『あ・・・』  
腰の両側に指を掛けて、そのまま下へ滑らせていく。  
『やーん・・・・』  
由香は軽く拒絶の声をあげるが、亮一は構わず指を滑らせる。  
――スルッ、スルスルー  
起伏の殆ど無い下腹部をあっさりとパンティは滑り堕ち、その下の無毛の地を曝け出す。  
『あーん、見ちゃだめー』  
見るなと言われると一層見たくなる男の心理。  
亮一はロリータの恥部を網膜に焼き付けるように凝視した。  
パンティはデルタゾーンの下端まで止まっていた。  
ローターはパンティと恥部の間に挟まれるように引っかかっていた。  
 
『いやーん!』  
突き刺さるような視線に由香が後ろを向いてしまう。  
剥き出しになったゆで卵のような可愛いオシリが目の前に突き出される。  
(お、おおお・・・)  
亮一も我慢の限界だった。  
背を向けている由香には、亮一が何をしようとしているのか見えていなかった。  
亮一は、由香の下腹部を抱えるように両手を前へ廻す。  
『あっ。』  
由香は自分のお尻に、何かものすごく熱く、硬い物体が押し付けられるのを感じた。  
『あっ!あっ!ああっ!』  
剛体はデルタゾーンとパンティの間を水平に押し入ってきていた。  
由香が自分の股間に目を落とすと、ローターが押し出されてくるのが見えた。  
デルタゾーンから抜けたローターは、亮一の手によってキャッチされた。  
そのローターの後ろからは、赤紫色の肉塊が先端を覗かせた。  
『あっ、おっ、おとーさん!?』  
亮一は娘を壁に押し付けたまま、前後へピストン運動する。  
『あっ!やーん!!』  
ロリータマンコとロリータパンティでの挟み撃ち。  
――ニチャッ!ヌチャッ!ヌチャッ!ニチャッ!ニチュッ!ニチャッ!  
『あーん!あーーん!!』  
由香ははっきりと嬌声を上げる。  
耐え切れず、由香は腰を折り曲げるように前屈姿勢になる。  
倒れそうになるあまり、両脚が開き気味になる。  
その体勢は、まるで・・・  
 
 
「由香・・・・痛かったら・・・・言えよ?」  
『え?え?え??』  
壁に手を付き、お尻を後ろへ突き出したまま固まる少女。  
その一本スジの恥裂に、ついに――  
 
 
【幼婚】― 一線 ―  
 
――ズッ!  
『ひっ!?』  
――ズヌッ!  
『んぎぃっ!?』  
――ミシッ!!  
『いぎぃぅっ!!?』  
すさまじいまでの抵抗感。  
由香は突き出していた腰を戻すように前へ逃げようとする。  
当然そこは壁であり、そのままガニ股でへばりつくような形になる。  
それを亮一の手が手前に引き戻す。  
『ひぅっ!』  
亀頭が恥裂にめり込んだところでどうしても止まってしまう。  
亮一は右手に持ったローターを、由香のクリトリスへ這わせる。  
――ヴイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!  
『あーっ!』  
由香は腰を左右へ振ってローターから逃げようとする。  
――ミシッ!ミシッ!  
その都度、ほんの少しずつだが、肉棒が恥裂を割り開くように埋没していく。  
 
まるで由香が腰振りダンスをしながら自分で怒張を飲み込んでいるかのよう。  
『ひっ!ひうーー!!!』  
そして、ついに。  
――ミシッ・・・ミシッ・・・・・・・・・・・ブチィィッ!!  
『あぎぃーーーーーーーーーー!?』  
――ズブズブズブズブゥッ!!  
「くぉぉっ!!由香ぁっ!!」  
――ビュルッ!ビュルルルッ!ビュルルッ!ビュルルルゥッ!!!!!  
体の中の全てを搾り出すかのような、すさまじい射精。  
それがロリータの赤い傷口の中へ叩き込まれ、殆どは押し返されるように溢れてくる。  
『はがーーっ!んぐーーっ!んぎぅーーっ、んはっ、はぁっ、はぁ、はぁ、はぁ・・・』  
 
亮一は、ゆっくりと、そっと、肉棒を引き抜く。  
途端に大量の白濁が――僅かだが鮮血を伴って――溢れ出てくる。  
「おっと。」  
亮一は反射的に、由香の太股に絡まっていたパンティをしっかりと穿かせる。  
溢れ出てくる液体はパンティをじっとりと濡らしたところで止まった。  
「はぁー、はぁー、はぁー、はぁー・・・」  
『はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・』  
熱い吐息と、由香に落ちたローターの駆動音が、やけに大きく響いていた。  
 
・・・。  
 
由香が眼を覚ました時、そこは自分の部屋、布団の中だった。  
傍らには父の姿。  
「気が、ついたか。・・・その、平気、か?」  
あれだけのことをして平気なわけがない。  
それでも亮一にはそう尋ねるほか無かった。  
『え?あ・・・と・・・・・うー・・・・・・・・・・・・』  
状況を全く飲み込めてないのか、目線が全く定まらない様子。  
『うーんと・・・・・・・・・あっ!!』  
何かに気付いたかのように掛け布団を持ち上げて自分の体に眼を通す。  
新しいパンティを一枚着けただけの、裸同然の姿。  
父が体を拭いて、ここまで運んで、パンティを穿かせたのだろう。  
「あ、すまん、その、勝手に・・・」  
みるみる赤くなる由香の表情に、亮一は慌てて謝る。  
『あっ、ううん、いいの、そうじゃなくて・・・』  
由香の違和感は、そのパンティの中。  
そっと、指を差し込む。  
――ねちょっ・・・  
『あっ・・・』  
指先にヌメリ気を感じる。  
そのまま布団から手を出すと、その指先には、白濁した液体と、僅かながら血の混じり気。  
『あー・・・』  
「・・・・・・・」  
ぼーっと自分の指先を眺める由香を、亮一は潰されるような想いで見ていた。  
 
『これ・・・あー・・・・うわー・・・・・・・・・・・・・・・・』  
ひとしきり眺めた後、由香の視線が父の方へ向けられる。  
潤んだ眼。  
ハの字の眉。  
赤み差す頬。  
震える唇。  
そこから発せられる呼び名。  
『おとー・・・さん・・・』  
「・・・っ!」  
亮一は、目を逸らし、唇をギュッと噛んだ。  
『おとー、さん?おとーさん??』  
 
 
その呼び名は、亮一の心を、深く深く抉った。  
 
 
 
そして、亮一は、なんとか一言を、搾り出す。  
 
 
 
 
「やめてくれ・・・・・・その名で・・・呼ばないでくれ・・・・・・」  
 
 
 
【幼婚】― 決別 ―  
 
由香はキョトンとした顔をする。  
『え?おとーさん?』  
「だめだっ!言うなっ!」  
『え?えっ?』  
「あんなことをした俺に、父と呼ばれる資格は・・・・・無い。」  
『え?なんで?なんで?おとーさんはおとーさんだよね??』  
「だめだっ!言わないでくれっ!それ以上言うなら、俺は・・・俺は・・・」  
『お、おとー・・・』  
「俺は、・・・・・・・この家を出て行く。」  
『・・・え?』  
 
一瞬の沈黙。  
だが、すぐに。  
 
『だっ!ダメェーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!』  
「!?」  
耳をつんざく大音量。  
窓ガラスがビリビリと震えるかのような大絶叫。  
『ダメェーーーーーー!!ダメェーーーー!!ぜったいダメェーーーーッ!!!』  
「ゆ、由香・・・」  
ベッドから飛び起きた由香は、父の胸に飛び込み、強く抱きついた。  
『だめぇ・・・・だめぇ・・・・やだよぉ・・・やだぁ・・・・・ぜったいやだぁ・・・・・・・・』  
そのまま、ガタガタと震えながら、今度は、小さく、嗚咽のような声を漏らした。  
「あぁ・・・・由香・・・・すまない・・・・ごめん・・・」  
つぶらな瞳から、大粒の涙が滴っていた。  
小動物のように恐怖に震える由香を、亮一は全身で包み込むように抱える。  
その男の眼からも、水滴が流れ落ちていた。  
 
結局、全てを無に返すことなど無理な話なのである。  
由香には自分しかいない。  
いや、そういう風にいつの間にか育ててしまっていた。  
それは自分のエゴ。  
知らず知らずのうちに由香に押し付けていた、腐った性根。  
それにもかかわらず、自分を愛してくれる娘。  
 
これからも一緒に生きるしかない。  
だが、やはり、父として生きていくことは無理だ。  
しばらく考えた後、亮一が出した答えは――  
 
「由香。」  
『ぐすっ・・・・う、うん?おとー・・・』  
そこまで言いかけて、由香は先ほどの父の言葉を思い出す。  
『あっ!な、なんでもないっ!!』  
慌てて言葉を飲み込む。  
「・・・由香。よく聞いてほしい。もうこれからは俺のことを、父と呼ばないでくれ。」  
『・・・・よく、わかんない・・・』  
「いいか?父親は、あんなことをしちゃ・・・いけないんだ。」  
『・・・・・・・』  
あんなこと、というのが何を指すのかは、由香にも理解できているようだ。  
「だから、勝手なのは分かっているんだが、もう、父と呼ばれることは、耐えられない。」  
『・・・・・・・・・・・・じゃぁ、なんて呼べばいいの?』  
呼ばないでくれ、というわけにもいかない。ならば・・・  
 
他人行儀な呼び名がいい。それが亮一の結論。  
 
「・・・・名前だ。亮一さん、となら呼んでもいい。」  
父と娘、ではなく、たまたま同じ屋根の下に暮らすだけの、赤の他人になろう。  
不用意に踏み込むこともないよう、全く隔離した生活にしよう、との考え。  
その第一歩。  
 
『りょーいち、さん?』  
「・・・・・・・・・・そうだ。」  
『亮一、さん?』  
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あぁ。」  
『うーん・・・・・・・・なんかこれ・・・・・・・・』  
亮一は、無碍に突き放してしまっただろうかと一瞬不安になった。  
だが、こうする他無い。これがダメなら、もう本当に離れ離れに生きるしかない、と。  
 
「だめか?」  
『え?ううん!ぜんぜんっ!・・・・・そうじゃなくて・・・・・・』  
「ん?」  
『あのーーー、そのーーー、えーーーーっとーーーーーー・・・・・・』  
「な、なんだ?」  
 
何やら様子が変だ。  
その直感は、すぐに肯定される。  
 
 
『なんか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・"ふうふ"みたいだなーって!』  
 
 
そう言って、由香は、にへらぁ〜っと笑った。  
 
 
 
――ふうふ?  
 
――フウフ。  
 
――夫婦。  
 
「ッ!☆?#!$?んなーーーーーーーーーっ!?」  
 
我が娘の、あまりにも突飛な、しかしある意味素直な感想に、亮一は卒倒した。  
 
「は、はははっ!お前はっ!あはははっ!!」  
 
そして、大笑いした。  
 
『えっ?えっ?あ、あれっ?なんかあたし、ヘンなこと言った??』  
 
当惑する娘が心配そうに見下ろす。  
亮一は笑う。高らかに笑う。  
そして思う。こんな大笑いしたのは何時以来だろうか、と。  
そして感謝する。あぁ神よ、この子と出合せてくれてありがとう!と。  
自力で運命を切り開いてきた男が、偶然のような出会いに改めて感謝した瞬間だった。  
 
「由香っ!」  
『え?は、はいっ!?』  
起き上がって、由香の肩を掴んで、真剣な表情で、語る。  
 
 
 
「結婚しよう。」  
 
 
 
男が、本気で、そう想い、生まれて初めて、正直な気持ちをぶつけた瞬間。  
 
 
【幼婚】― 新生 ―  
 
『は、はい。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え、えぇーーーーーーーーーっ!?』  
亮一の真剣さに、由香は思わずYESと応えてしまった  
『えっ、あのっ、え、えっ?えええ??』  
激しく狼狽する由香。  
その様子があまりに面白くて、ついに亮一も噴出してしまう。  
「ぷっ、ぷはっ!あはははははっ!あっはっはっはっは!」  
『あーーーーっ!笑いすぎぃーーーーー!!』  
なんだかよく分からなかった由香だが、自分の事で笑われるのは癪なようだ。  
 
『おと・・・じゃなくて、りょーいちさんっ!』  
「むぐぅっ!?」  
由香が亮一の口を両手で押さえつける。  
『じょーだん、なの?・・・その・・・・・け、けっ・・・こん・・・・・・って。』  
由香は顔を真っ赤にする。  
こういう顔の時、いつもは大抵頬を膨らませて明後日の方向を向いてしまう。  
だが今は、真剣な眼差しで、真正面から見据えてきていた。  
(ゆ、由香・・・)  
その表情に、亮一もまた再び真剣な顔にさせられる。  
ゴクリ、と唾を一呑みして、応える。  
 
「由香。結婚しよう。」  
『あ、あ・・・・・・、あ・・・・・・・・・・・・・」  
 
由香は涙をぽろぽろと流し始めた。  
亮一はそっと由香に口付けする。  
由香の小さな両手が亮一の背中にまわる。  
亮一も、由香の幼い体を抱き寄せる。  
 
『りょ、りょーいちさん・・・りょーいちさん・・・りょーいちさぁん・・・』  
由香は、何度も何度も、その新しい呼び名を繰り返した。  
「あぁ、由香・・・・由香・・・・・」  
亮一も、今までとは違う重みをもってその呼び名を繰り返す。  
 
『ねぇ、りょーいちさん・・・おねがいがあるの。』  
「ん?何だ?」  
『あのね、これからはね、あたしもね、りょーいちさんの、ささえになりたいの。』  
――支え。  
『今までね、おと・・・じゃなくて、りょーいちさん、ずっとあたしのこと支えてくれた。』  
「あ、あぁ、それは、俺が勝手に・・・」  
そんな亮一の言葉を遮るように、由香は言葉を紡ぐ。  
『すごくやさしかった。でもね、なんでこんなにやさしくしてくれるんだろう?っておもった。』  
「・・・」  
 
そして、由香は少し悲しそうな顔で・・・  
 
『やさしいのは・・・ほんとうの親子じゃないから、なのかな、・・・って。』  
 
「っ!」  
亮一は驚いた。  
それは一度も話してないこと。  
母親が居ないことを問われたことはあった。  
その時は、お母さんは空から見守ってくれてるよ、と答えた。  
そちらについては、いずれ大きくなれば問い正されるものと思っていた。  
だがまさか、自分と血の繋がりが無いことを知られているとは。  
「ど、どこで、それを?」  
『せんせーに聞いたの。えっとね・・・』  
 
由香は、ぽつぽつと語り始めた。  
級友から『お前のとーちゃんは本当のとーちゃんじゃない』といった陰口を叩かれた事。  
不思議に思った由香が担任に尋ねたところ、暫く思案した後、顛末を語ってくれた事。  
そして、いつか父が話してくれるまで、自分は何も知らないことにしておこうと決めた事。  
自分が気付いていることを父に知られたら、もう優しくしてくれないのでは、と思ったようだ。  
 
・・・。  
 
『やさしくされるとね、うれしーんだけどね、・・・なんか、それだけだと・・・』  
由香は拙い語彙をなんとか駆使して、自分の気持ちを伝えようとする。  
『あたしは、おとう・・・りょーいちさんには、なにもしてあげられないのが、かなしくて・・・』  
「そんなことは・・・」  
言葉を返そうとする亮一だが、由香はそれを遮るように畳み掛ける。  
『だからね、りょーいちさんが、あたしのこと、エッチな目で見てくれたのが・・・』  
ギクッとする亮一に構うことなく、由香は続ける。  
『うれしかったの!あたしでも、りょーいちさんを・・・!』  
「由香・・・」  
『だから、ね、りょーいちさん、あたしになら、何してもいいーんだよ?』  
「な、何してもって、おいおい・・・」  
照れくさくなってしまう亮一だったが、由香は依然として本気だった。  
顔を近づけて呟く。  
『それとも・・・・あたしじゃ、だめ?』  
「そ、そんなこと!」  
さらに近づけて、耳元で。  
『あたし、エッチだから、キライ?』  
 
ゾクッとする言葉。  
 
「いや、・・・・・好きだ。」  
『本当?あはっ、えへへぇ〜』  
由香が満面の笑みを浮かべる。  
つられて亮一も笑う。  
「あははっ」  
『えへへぇ〜』  
そしてまた、どちらからともなく、口付け。  
―チュッ、チュッ。・・・・・ンチュッ、チュバッ・・・・・レロレロ・・・・チュッ・・・・  
抱き合ったまま、布団へ倒れこむ。  
 
「・・・・っはぁ・・・・」  
『ん・・・・・、んー、りょーいちさんエッチィー!』  
抱き合った由香の太股を、亮一の怒張が突っついたようだ。  
「あっと、す、すまん。」  
『もーっ!あやまるのきんしー!』  
由香は謝られることの方が不満な様子。  
『ねー、りょーいちさん、あの・・・オモチャ、どこ?』  
「え?あぁ、ここに。」  
亮一がポケットからローターを取り出すと、由香は引っ手繰るように奪う。  
『えへへ〜』  
そしてまた、デジャヴのように、由香はパンティの中にローターを滑り込ませる。  
そのまま、亮一の眼の前で、誇らしげに立つ。  
『ねぇ、どぉ?えっと、その・・・・せ、せくしい、かな??』  
「・・・・・ぷっ。」  
『あぁー!笑ったー!』  
由香が亮一の頭をポカポカと叩いてくる。  
「いやいや、ごめんごめん。可愛くて、つい、ね。」  
『・・・かあいいのが、好きなの?』  
「由香のことが、好きだ。」  
赤かった由香の顔が、一層真っ赤になる。  
その隙を突くように亮一は、由香のパンティに指を滑り込ませ、ローターのスイッチを入れる。  
 
――ヴイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!  
『んんーーーーっ!!んーーーーーーーっ!んーーーーーーーーーっっ!!』  
由香はパンティの上から手で押さえようとする。  
だがその手を亮一が掴む。  
「由香、両手は頭の後ろだ。」  
『えー?』  
不満の声をあげつつも、由香は素直に両手を頭の後ろへ持っていく。  
「うん、そうだ。・・・・おー、セクシーだぞ!」  
『やーん、いじわるぅー!』  
だが実際、それは情欲を掻き立てるに十分な光景だった。  
思春期を迎えた乙女が、パンティ一枚で立たされ、恥部を隠すことを禁止される。  
パンティの内にはイヤラシイ淫具を埋められ、スイッチを切ることもできない。  
刺激を誤魔化すように腰をクネクネと振る動きは、正に男の思う壷。  
「いじわるは、キライか?」  
『うー、うーっ!スキだけどキライーっ!』  
「ぷっ!あははっ」  
『また笑うー!』  
「ごめんごめん。」  
謝りながら亮一は、由香の体に指を這わせ、少女の官能を刺激する。  
『あーん!あーん!』  
 
その日は夜遅くまで、由香の嬌声が響くのだった。  
 
 
親愛から、性愛へ、そして恋愛へ。  
今までの愛を失う代わりに、より強い愛を確認しながら、二人は共に生きることを誓った。  
 
 
 

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