目が覚めると見慣れない天井が視界に飛込んできた。
―ここ…どこ…?―
頭にぼんやりと霞がかかったような感覚。
未来(みき)は必死に記憶をたぐり寄せていた。
たしか学校からの帰り道、いつも通り友人の千恵(ちえ)と別れた後まっすぐ家に向かった筈だ。
―あたし…千恵と別れた後…―
そこからの記憶が曖昧だった。
たしかに家へは向かっていた筈だ。
しかし家に辿り着いた記憶はなく、そして今自分は此処にいる。
訳の分からぬまま混乱する未来は不意に聞き慣れぬ音に顔をしかめた。
じゃら…
その音で未来の頭は一気に覚醒した。
がばっと勢いをつけて起き上がろうとして何かに遮られる。
恐る恐る自分の頭上を確かめると手錠を簡素なパイプベッドに繋がれた両手が見えた。
―何…コレッ…!?―
よくよく見れば未来は一糸纏わぬ生まれたままの姿をしている。
辺りを見回してみればやはり見慣れぬ質素な部屋。
小さなテーブルに椅子が1つ。
そしてこのパイプベッド…。窓なんてものはなく、ただ1つドアがあった。
―何で…あたしこんなところに…―
突然の変化に頭がついてゆかず、未来はただ呆然と部屋の一点を見つめる。
その時、ドアノブが静かに回った。
ゆっくりと開いていくその動きに未来は身構える。
「誰っ!?」
静かに開いたドアの向こうには見慣れる男が1人、こちらを見ながら黙って立っている。
「…っ!誰よ!?貴方がこんなことしたの!?」
少し長い黒い前髪の向こうで男のメガネの奥の目が笑った。
ゾクリ―
怖い―未来は本能的にその男へ恐怖を覚えた。
目が、笑っている筈の目が恐ろしくて堪らない。
―あたしっ…殺される…?―
「手荒な真似してすいません。」
意外にも穏やかな口調で男が話す。
「…アンタが…あたしにこんなことを…?」
「はい。」
一片の感情も表に出さず、男はにこやかに答えた。
「っ!どうして!?」
どうして自分は此処にこんな状態でこの男に拘束されなければならないのか。
腹が立たない訳がない。
「してみたかったから。」
「!!」
してみたかったから?
「して…みたかった…?」
「ええ。女子高生1人、自分の思い通り扱えるなんて楽しそうじゃないですか。」
なんて理不尽なのだろう。
未来は言葉を発することもできないまま呆然と男の表情を見つめた。
そして今コイツは何と言った?
―女子高生1人、自分の思い通り扱えるなんて…―
この不自由な状態で、こんな羞恥的な格好でこれから自分は何をされるというのだろうか。
「何をするつもりなの…?」
男は質問に答えることなくニコリと笑うと、懐から卵より2回りほど小さなスケルトンの物体を取り出した。
「何をするつもりなの!?」
未来の顔はもはや恐怖で引き攣っていた。
やはり男は答えることなく静かに近付いて来る。
「来ないでよ…!!」
ほとんど半泣きの状態の未来を無視して男は未来の足を割り開く。
未来は信じられないと言った顔で男を見つめた。
そして男は他の部分には目もくれず未来の淫核にスケルトンの物体を当てがった。
―ヴィィィン…
「ひっ…ぁ…!!」
細かく振動し続ける物体に未来は体をビクつかせた。
「ひぁっ…あぁ…なっ何…!?」
未来は未だに自分にされていることを把握していない。
自分の体の中心から全身に快感が行き渡る。
「あっあっ…はぁ…ぁん!」
未来は体に力を入れたかと思うと次の瞬間には全身の力が抜けたようにベッドに体を沈め肩で荒い息を繰り返す。