朝、通勤ラッシュですし詰め状態の列車内。  
学校近くの駅までの5、6分間、いつもならその間は、ぎゅうぎゅうで暑苦しくて  
不快な時間だった。  
けれど、最近は違う。  
このごろあたしは、毎朝のこの時間が楽しみになっていた。  
 
(あ、来た…)  
隅の方に立っていると、期待していた通り、いつもの手があたしのお尻を撫でる。  
慣れた手つきでもう片方の手があたしの下腹部へ伸び、下着越しに割れ目を  
なぞる。  
(ん…)  
あたしもいつものように顔を伏せる。  
するとこれまたいつも通り、割れ目をなぞる指は上の突起を揉み始める。  
(んっ)  
ピクッと腰が少し後ろに跳ねる。  
指は一定のリズムで円を描く。  
そういう趣向なのかどうかは知らないが、この痴漢はいつもいつも変わることなく  
そこばかりを刺激する。  
初めは恐怖や嫌悪感が先立ったが、それ以上はして来ない事が分かると次第に  
慣れてしまい、今では気持ち良さの方が勝ってしまっている。  
(ん…、ん…、…ぁ)  
下着が湿り気を帯びてくる。  
指は相変わらず、機械のように動きを変えず、ピリッ、ピリッとそこから断続的に  
弱々しい電気が流れる。  
けれど、いくら期待しても、決してそれ以上の刺激はやってこない。  
「…はぁ…、……はぁ…」  
だんだんと荒くなる呼吸を押さえつける。  
身体が火照り、頭がぼーっとしてくる。  
『…えー、間もなく、――駅ー。――駅です。お降りの方は…』  
不意に、駅が近いことを告げるアナウンスが流れた。  
同時に、指の動きが止まる。  
(あ…、もう…?)  
列車が駅に滑り込み、ドアが開く。  
指はいつの間にかいなくなっていた。  
いつものように、物足りない気持ちでホームに下りる。  
時間と距離の短さを恨みながら、あたしは学校へ向かった。  
 
(もっとすごいこと、してくれないかな…)  
 

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