エステサロンに勤めるカズミの前に、客として現れたのは、中学校時代にカズミをいじめていたアエカだった。
アエカは相手がカズミであることに気づかない。
過去は過去、客とサービス提供者の関係に徹しようと心がけるカズミだが、最後の最後にふと仕返しを思いつく。
「お客様、最後にビキニラインの脱毛を…」
疑いもせず、アエカはカズミの手が促すままに、無防備に足を開く。
カズミはローションをたっぷりと手に取ると、足の間に過剰にぬりつけた。
あくまでビキニラインを。それでもローションは恥丘にまで伸びていく。
「お客様、危ないですので、足を固定させていただきますね」
何食わぬ顔で、両足を閉じないように固定する。
ただのサービス提供者の顔を崩さないカズミに、わずかに不安の色を浮かべつつも、アエカは抗わない。
このまま、あくまでサービスとして、事務的に、どこまで狂わせることが出来るだろうか…。
アエカの足の付け根にローションを刷り込みながら、ゆるゆると掌で恥丘をすりあげていると、ぷくりとした引っ掛かりを捉えた。
アエカの太ももがびくりと硬直する。
「どうなさいました、お客様?これから脱毛をはじめますので、力は抜いてくださいね」
脱毛用の機械を当てるのに、さもやりにくいとばかりに恥丘に手を添える。
指先は、固さを見せだしたクリトリスに乗っている。
脱毛機の動きに合わせて、指先で転がしていくうちに、それはますます膨らんで、淫猥なシルエットを下着に浮かび上がらせる。
カズミの中に、奇妙な高揚感が生まれる。アエカを支配下に置けそうだ…。
脱毛を終える頃には、カズミは下着越しではあるが、指先でクリトリスを引っかき、転がし、思うまま弄んでいた。
最初は不審そうだったアエカも、ここまで来ると、快楽に耐えかねて腰をわななかせている。
クリトリスをつぶすようにこねると、アエカはついに高い声でうめいた。
このまま弄り続けたら、イクかもしれない。
カズミはピタリと手を止めた。
アエカの腰は、まだ物欲しげに揺れている。
「お客様、ビキニラインの脱毛が終了しました」
事務的に告げると、アエカは荒くなった息を押さえもせずに恨めしそうにカズミを見上げた。
絶頂を目の前にして、突然、あっさりと終了を告げられたのだ。
しかし、あくまでエステティシャンの顔で澄ましかえっているカズミに、それ以上をねだるのは耐え難い恥辱でもあったが…
「…あ、あの」
「どうなさいました?ああ、申し訳ありません、ローションが垂れてますわ」
カズミは新しいタオルを取って、アエカの股間をゆるゆると揉む。
絶頂には至れない、ひどく優しい刺激に、アエカは堕ちた。
「ん…も…っと…お願い…!」
カズミは嗤って答える。
「かしこまりました、お客様」
下着をそのまま脱がすと、透明な糸が下着とアエカの秘肉をつないだ。
カズミの指が無遠慮に秘肉を割って、クリトリスを見つけ出す。
「あっ…ああッ!」
アエカの腰は痙攣したように跳ねた。
構わずにクリトリスの皮を剥き上げ、カズミは敏感なそれをダイレクトに揉み始める。
狂乱のエステは始まったばかりだ。
カズミが、人差し指と親指の間にクリトリスを挟んで1,2度転がしただけで、アエカは嬌声を上げて果てた。
もっと、イクかイカないかの瀬戸際で焦らそうと思っていたカズミは、正直、拍子抜けした。
中学校時代に受けたいじめの意趣返しのつもりだったのに、これでは手応えがなさすぎる…
充血して、それでもまだ刺激が欲しいとばかりに屹立しているクリトリスを、カズミは軽くつつく。
「ひっ、ああッ!」
アエカが悲鳴を上げて腰をよじらせた。
きつく寄せられた眉根、目尻には涙が伝っている。
まさか、またイッたのだろうか──相当過敏になっているらしい。
カズミは考えなおした。
イクにイケない苦しみは与えられなかった。
ならば、イってもイってもクリトリスをいじり続けるのはどうだろう。それもきっとキツいはずだ。
完全防音でプライバシーを保つ、というエステサロンのコンセプトのおかげで、アエカの声は外部に漏れていないことも、カズミを大胆な決断に導いた。
下着を取り去って、隠すもののない下肢の、黒々とした茂み。
恥丘を軽く押さえ上げなくては、この茂みの奥のクリトリスが見えない。
ここはエステサロン。邪魔な毛を除去する道具には事欠かない。
「お客様──少し、アンダーの量が多いようですね。すっきりさせましょうか」
濃いと言われたようなもので、汗と涙でどろどろになっているアエカの顔に、ちらりと羞恥の色が走る。さんざんあえいでおきながら、そこは恥ずかしいものらしい。
アエカの表情を無視して、カズミは冷然と、ムダ毛処理用のハサミを茂みに当てる。
じょぎじょぎじょぎ。
ものの数分で、アエカの茂みは短く刈り整えられた。
湿らせたタオルで、クリトリスも巻き込むように恥丘を揉むと、アエカは切なそうに呻く。
「どうです?これくらいのほうが…」
カズミが軽く、クリトリスの周囲の肉を押し付けると、クリトリスがひょこりと顔を覗かせた。少し落ち着いていたのだろう、痛々しいほどの赤みは消えていた。
ローションにまみれた指で、皮からすこしだけ見えている部分をころころと転がしてやる。
「あゥッ!」
逃げる腰を押さえつけて、カズミはしつこく転がした。
ローションではないぬめりが増えてきて、クリトリスはつるつるとカズミの指の間をすべった。
アエカの腰が激しくうねるが、両足は固定されているので、それはカズミの指にクリトリスをこすりつけているのと大差ない。
「あっアッ、…ひんッッ」
意味を為さない言葉…というより泣き声を吐いて、アエカは達した。
しかし、カズミの指先は、まだクリトリスを捕らえて離さない。
それどころか、過敏なそこに指をすべらせて、皮をめくり上げて固定する。
「お客様、あまり暴れないで下さいね。まだ、エステは終わっていませんよ…」
もう片方の手には、メイク用の細い綿棒がつままれていた。
部屋にある1番細い綿棒を選んだのだが、それでも、クリトリスを可愛がるには大きすぎた。
試しにアエカに押し当ててみたが、剥き出しのその部分より、ほんの少し細い程度で、当初に考えていたほど、細かくは動かせそうにない。
「はぁッ、あ…!」
切なくうめくアエカを尻目に、カズミは綿棒をアエカから離して、蒸留水で湿らせる。
普通の肌も、乾燥は敵である。もっと敏感なそこを、乾いた綿棒で弄るのは、やはり躊躇われた。
カズミはわずかに苦笑した。
過去の遺恨を晴らすための、責め苦のはずが、いつの間にか、エステティシャンとして考えて行動している。
湿らせた綿棒を、再びアエカに押し当てた。
皮の付け根あたりに、こすこすと擦り付ける。
大きく膨れ上がったクリトリスは、ぷりゅぷりゅとした弾力を伝えてきた。
「はぁっああぁっ!ああぁ……んん!!」
電流を流されたかのようにアエカの腰がはねあがる。
「お客様、そのように暴れられては、うまくケアできませんわ。もう少し、辛抱してくださいね」
「そん…ッむ、りッあひぁっ!」
無理に腰を押さえつけて、さらにクリトリスを綿棒でこすりあげる。
アエカが暴れるので、上手くいかないが、逆に、綿棒の先でクリトリスをこね潰したりもする。
その度に、アエカは引き絞るような掠れ声で鳴く。
うっすらと白く浮いていた汚れが、綿棒に巻き取られて消えたのに対して、カズミは復讐者としてではなく、エステティシャンとしての満足感を覚えた。
「さあ、綺麗になりました。お疲れ様です、お客様。次は仕上げを行います」
ローションと愛液でどろどろのそこを拭うために、カズミはコットンのタオルを取り出し(;゚д゚)ァ....
蒸しタオルを適温に冷ましたものだ。
力なく開かれたままのアエカの足の間を、ぬるいコットン地が往復する。
膨れたクリトリスが、その動きに引っかかって、くにゅくにゅと上下して、アエカにさらに快感を与えていくが、それは不可抗力と言うものだ。
新たに染み出した愛液もあって、タオルは都合、3枚も使ってしまった。
拭い終わっても、アエカは魂が抜けたようにベッドに横たわったままなので、カズミは、新しいサロン用の下着を履かせてやった。
つけた瞬間に湿り、クリトリスが薄い布地を持ち上げているのまであらわになったが、カズミはそのまま、無慈悲で事務的な動きで、アエカを促す。
PiPiPiPiPiPi…
エステ終了の電子音がルームに響く。
「さ、お客様、本日のエステは終了しました。足元にお気をつけて。お洋服やお荷物は、隣の部屋です。今日は徹底ケアの特別コースでしたので、こちらのレシートを受付に提出してくださいね」
内訳に全身アロママッサージと書かれたレシートを受け取ると、アエカはふらふらとエステルームを出て行った。
アエカが再びこのエステサロンを訪れた時、カズミはすでに辞めていた。
背徳のエステを忘れかねていたアエカが、『デリケートゾーン徹底お手入れコース』を売りにしている、けして表立っては活動していないエステサロンを見つけるのは、それからさらに2年後のことである。
完