力を入れすぎないように、丁寧に揉みほぐす。  
感覚が鋭いのか、過敏なのか、強めに触ると姉貴には痛いらしい。  
いつもはうるさい姉貴も、この時ばかりは借りてきた猫のように大人しい。  
 
俺の手に伝わるその感触は、女性らしさを十二分に秘めている。  
つまり、白くて、張りがあって、柔らかい。  
その肌がうっすらとかいた汗のせいか、かすかに湿り気を帯びていた。  
 
「んっ・・・。」  
 
姉貴は声が大きいので、クッションに顔を埋めている。  
そのクッションから時折、くぐもった姉貴の声が洩れてくる。  
俺の動きに反応するかのように、ぴくりと姉貴の身体が震えた。  
 
「ここはどう・・・?」  
 
つつっと手を肌を伝うように滑らせる。  
指の先にわずかに硬くなった部分が感じられた。  
俺はその場所を指先で軽く押さえつける。  
 
「んんっ、そこっ・・・!」  
 
妙に艶っぽい声で姉貴が喘ぐ。  
俺はわずかに硬くなっている部分を、こりこりと刺激した。  
 
「あっ、くぅ・・・!?」  
 
びくりっ、と姉貴の身体が仰け反る。  
これ以上ないというほどの反応だ。  
 
「ちょっと、強くするよ。」  
 
少し強い目に揉みながら、指を押しつける。  
びくびくっと、姉貴の身体が震える。  
座布団からは姉貴のくぐもった声が洩れてくる。  
 
姉貴の呼吸は、すっかりと乱れ切っていた。  
その額には、汗が滲み、乱れた髪がはりついて、怪し気な淫靡さを醸し出している。  
これだけ念入りにやれば、当然といえば当然か。  
 
「もう、いいかな・・・?」  
 
俺はもう我慢できなくなって、姉貴に尋ねていた。  
これ以上の奉仕には俺自身が耐えれそうにない。  
 
「う、うん・・・。」  
 
姉貴は少し名残惜しそうに、こくりと頷いた。  
もっとして〜、とでも言いたげな表情だ。  
俺は立ち上がると、手をぶらぶらさせつつ、首の骨をぽきぽきと鳴らせた。  
 
「なおみ、マッサージだけは本当に上手だよねえ。」  
 
「これからは頼まれても、マッサージしない。」  
 
「あ、嘘、嘘・・・冗談です、なおみさま。」  
 
まったく、こういう時だけ姉貴は調子がいい。  
だけど、マッサージは嫌いじゃないし、頼まれればきっと断らないだろう。  
そういう関係もまあ、悪くはないと俺は思う。  
 

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