気がついたら、妹が俺の腹の上に乗っていた。  
 
「…あついね、」  
 
 そう呟くひかりの額から、汗の粒がぽたりと落ちる。テレビから聞こえて  
くる、甲子園の試合開始を告げるサイレンが頭の奥のどっかでずっと響いて  
いた。  
 
「…どけよ」  
「いやだ」  
 
 スカートから伸びる白い太もも、シャツからうっすらと透けるブラ、そし  
てほんのりと香る、甘いシャンプーの匂い。  
 ひかりって、こんなにませてたか?この間まであんなに小さかったのに。  
 
「…親父たち隣に居る」  
「知らないよ、そんなの」  
 
 唇に当たる、柔らかい感触。そういえばこいつ、小さい頃『おおきくなっ  
たら、おにいちゃんのおよめさんになるの!』なんて言ってたっけ。懐かし  
い。  
 そんな事を考えていたら、スボンのチャックを開けられた。  
 
「おにいちゃん…」  
 
 そんな甘い声は、俺に使うモンじゃないだろ?  
 
 頭が回らない。  
 もう、考えることを放棄した。  
 

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