『びぶでばびでび〜〜む!』
ドッカーンと景気のよい音を立てて、一瞬前まで立ってた地面が盛大に吹っ飛び、
俺は自己紹介する暇も無く死ぬところだった。
「おぉーほっほっほ!、わたくしの魔力の前には魔法のプリンセスも形無しねぇ!」
怪光線を放って高笑いを上げる金髪縦ロールの格好といえば、
黒く尖がった魔女帽子に、同じく黒いピチピチのビスチェとタイトスカート、そしてマント。
言うまでも無くガーターストッキングも黒…… おまけに手には長いホウキが一本。
これぞ伝統的?な魔女っ子ルックだ。
(ただしそのバディは魔女っ子というには董が立っているが)
「おっーーほっほほ……、あれ?何処にいったのかしら」
爆発の土煙に紛れ、俺たちは公園の茂みに隠れていた。
「真奈やん、目くらましの結界は何時までも持つもんやないで?」
「判ってるよミケエル……」
かなり込み入った話だが、俺たち状況を判りやすく説明しよう。
俺は某大学に通う至極フツーの大学生。
ちょっと普通じゃないところといえば、妹が魔法少女だってことかナー?
昔、俺の親父が魔法の国のお姫様と恋に落ちて、俺と妹の真奈が生まれた。
だが、あちら側のしきたりで男は国に入る事が許されず、俺と親父はこっちの世界に残り、
母と真奈は向こうの世界で暮らす事になったのだ。
しかし魔法の国でクーデターが起こり、女王になっていた母は幽閉されてしまった。
妹はあやうく難を逃れて、この俺の家に転がり込んできた。
その妹を狙って、あちら側から魔法の暗殺者が送り込まれるようになったというわけだ……
(俺はここらへんの事情を一ヶ月前に始めて知った。
母親は古い昔に父親と離婚したと聞かされていたし、魔法使いだったという事も初耳だった。
そもそも俺は魔法が使えんし、存在することすら知らなかったのだ)
「どないしょーか、お兄やん」
コウモリの羽を生やした可愛げのない猫が、パタパタと音を立てて羽ばたきつつ
畜生の分際で図々しくも人間の言葉で話しかけてくる。
三毛猫なので、名前は『ミケエル』。
魔女っ子モノには付き物の、使い魔ってヤツだ。
「そーいう事はお前たちファンタジー世界の人で知恵を出してくれ。
俺の様な堅気を巻き込むな」
「……ごめんなさい、お兄ちゃん。私がこっちの世界に逃げてきたばっかりに」
心底すまなそうに、真奈は泣きそうな顔をした。
普段笑顔の可愛い女の子がこうして哀しい顔をすると、そのギャップがまた堪らなくイイ。
いきなり真奈が家にやってきて、面食らいつつも状況を受け入れた俺だが、
不細工だったら妹を名乗る娘でも絶対にお引取り願っただろう。
ただし、幾ら可愛くてもマホーなどという非現実的な現象を
俺の平穏な生活に持ち込まれるのは勘弁なのだが。
「うーん、今の真奈やんの魔力ではあいつに勝てへんでー」
「あの怪しからん金髪縦ロールの巨乳は、真奈より強いのか?」
アホそうな高笑いとは裏腹に、真奈の攻撃魔法は通用しなかった。
胸でもあちらに負けてるが、魔法でも負けるとはガッカリだ。
「実を言うと、真奈やんはそんなに魔法合戦のスキルが高いって訳やない。
それでも、これまでは女王譲りの桁違いの魔力で押し切ってきたんや」
「……」
「だが、今回の敵は自分の魔力を使いこなすのが上手いんや。
判りやすく言うと、高級車に乗った若葉マークと軽自動車に乗ったベテランのレースや」
「つまり、今の私じゃ勝ち目が無いってこと?」
悲しそうな顔して、真奈は三毛に言った。
んー、わが妹ながらこの若さで暗殺者の手にかかるとは哀れな……
「そうやなー。敵は『女王の血筋は皆殺し』とか命令されとるやろから、
このままでは真奈やんもお兄やんも、ここで果てることに……」
「ちょっと待てーぃ!!」
「うげげげげ!!」
「何を他人事のように話してる! お前も使い魔なら手立てを考え付かんか!」
首を絞め上げられ、ミケエルは呻き声を上げる。
だが、愛する妹の命がかかっているのだから、兄としては断じて安穏としては居られない。
「おっおにーやん、落ち着いてーな! まだ最後の手段が残されとるがな!!」
「最後の手段?」×2
俺と真奈の声が思わずハモる。
生き別れていたとはいえ、こういうところは兄妹の息がぴったりだ。
「でも、魔術はそんなに簡単に上達するものじゃないでしょ?」
「それとも、一気にテクが上がる秘密の道具でも隠してたのか?」
「チッチッチ……」
自信満々に、三毛は舌を鳴らした。
「ええかー? さっきも言ったとおり魔法のスキルでは相手に敵わん。
そして真奈やんの言うとおり、魔法のスキルはそう簡単にアップするってもんやない」
「ええい、早く結論を言え!」
「ここは基本に戻って、いつも通り真名やんは大魔力で押し切る戦法でイクしかない。
高級車で勝てないのなら、ハマーで体当たりかまして敵を押し潰すんや!」
「でも、どうやって魔力を高めるの?」
「そこやがな! 足りない分の魔力は、お兄やんから貰うんや」
何を言ってるんだこの小動物は?
俺は魔法なんていう非日常的なモノには縁が無い世界で暮らしてきたのであって……
「魔法が使えんでも、お兄やんは魔法の女王の息子や。
その身体には真奈やんに負けないほどの魔力が眠っとる。
そいつを真奈やんに注入すれば、形勢逆転やがなー」
「おお、なんというグッドアイディア!」
「さっすがミケエル、頼りになるわね!」
これで(俺の命は)助かる!
「じゃあお兄やん、ちょっくら真奈やんとセックルしとくれやー」
「へ?」
真奈はその言葉を聞いて目を丸くした。
「魔方陣を書く暇も儀式の時間もないんやから、一等手っ取り早い方法でやらんとあかん。
それにゃー精液を媒介にしてお兄やんから貰うのが一番やでー!」
「ちょ、ちょっと待ってよお! ……そんなの、いきなり言われても困るよ。
いくら魔力をアップさせるためとは云え、お兄ちゃんと、その……えっちするなんて。
私だって初めてなんだから、もうちょっと、その、ムードが必要というか……」
慌てて三毛の言葉を遮る真奈。
急に縮こまって、モジモジし始めた。
だが、今はそんなことをやってる場合ではないのだ。
「馬鹿!」
「あうちっ!?」
俺の右平手が小気味良い音を立てて真奈の頬を叩く。
殴られて痛かっただろうが、殴るこっちの心も痛い。
「(俺の)命と(お前の)貞操、どっちが大切だと思ってるんだっ!
後でどんなに後悔しても、命だけは取り戻せないんだぞ!」
「お兄やん…… 無粋なツッコミやけど、処女喪失だって一度きりやでー?」
うるせえ、膜なんざ手術すれば直る。
「でも……」
「デモもテロも無えっ! つべこべ言わんと股ぁ開かんかいっ!!」
「イヤァーーーッ!?」
俺は容赦なく妹の身体に覆い被さった。
「お兄やん、一つ心配なんやけど、アンタ真奈やんみたいなツルペタロリにでも勃つんかいな?」
「見損なうなよミケエル君。
俺は俺の命がかかっているなら、八十過ぎの爺のケツにだろうが勃たせる漢。
まして可愛い妹のスジにどうして勃たずにいられようか。いや、いられはしない(反語)」
「それなら安心やー」
「安心できないよぉーー!! 誰か助けてーーっ!」
芝生の押し倒され、まさに犯されそうになった真奈は大声で叫ぶ。
だが、今この公園は魔女っ子バトルで使われる魔法次元(俺命名)になっているため、
泣こうが喚こうが、次元の外に居る人間には聞こえるはずが無い。
(考えようによっては実に使いでがある魔法だ。可能なら俺も身に着けたい位である。
これがあれば、女をホテルに連れ込む手間が省ける)
「やだあー!!」
「こいつっ、大人しくしねえかっ」
他人の耳に入れば確実に誤解されるような応答だが、
これはあくまで命がかかっている緊急事態ゆえの行為である。
既にズボンの中で俺のモノは戦闘準備完了でガチガチにテンパってるが、
妹を野外で陵辱というシチュエーションに興奮しているためでは断じてないので念のため。
嫌がる真奈のスカートを捲り、手荒く下着を剥ぎ取る。
そこに現れたのは、まだ毛も生えていない神々しいばかりの縦筋一本だ。
パンツを毟られ、この期に及んで真奈は三毛に助けを求める。
「ミケエル、お兄ちゃんを止めてっ!!」
「……ちょい待つんや、お兄やん」
なんだってんだ、この緊急時に!
いや、緊急時でなくとも出掛かった小便が止まると思ってんのか。
「まだ『いただきます』を言っとらんで?」
「おおっと! 俺とした事がつい慌ててしまったようだ。
確かに処女を頂戴しようという時に、頂きますを言わないのは無作法にあたるよな」
俺は妹の観音様を前に心から宣言する。
「それではいただきまーす」
「ナニ言ってるのよ、この馬鹿猫! 馬鹿兄貴! ……ああぅん!」
俺が妹のロリ筋に口を付けると、それだけで真奈は甘い声を発した。
「ひゃっ、お兄ちゃん…… そんな汚いところ舐めちゃ駄目」
「大丈夫、真奈の身体に汚いところなんて無いよ」
正直綺麗だとは思わんが、濡れてない処女穴に無理矢理突っ込んでも入らんから仕方ないのだ。
だが、モノには言い方というものが有る。
優しい言葉を掛けれれば、世間知らずの生娘はすぐに騙され…… もとい、
優しい言葉で緊張をほぐすのも、処女とヤる時の大事な秘訣である。
「えっ、そんなぁ…… ひゃわわん!」
舌でスジを舐め上げられ、わななく真奈。
舐めるだけではない。
まだ青いその果実に貪るように吸い付き、割れ目から舌を忍び込ませる。
そのたびに、真奈は悲鳴を上げた。
「だめえ……、お兄ちゃん駄目ぇ……
こっちの世界では兄妹でエッチしちゃいけないんでしょお?」
「たわけ、そんな法律は無い」
兄妹で結婚はできないという法律はあるが、
セックルをしてはならんという文言は六法全書の何処にも書いてない。
「でも……」
「気にするな。清い身体のままで死ぬよりも、穢れた身体で二人で生き抜くんだ」
「お兄ちゃん……」
ふと見れば、真奈は目尻に涙を溜めながら俺を見ている。
よっぽど俺の出任せ…… ではない、俺の名台詞が心を打ったようだ。
真奈の股座は、俺がまぶした涎でぐっしょり濡れていた。
(これ位濡らしとけば大丈夫だろ)
ジッパーを下ろすと、音を立てそうな勢いで俺のマジカル・ステッキが飛び出した。
「ひやんっ!?」
真奈は思わず顔を手で多い、直視するのを避けた。
でも指の間からこっそり見てる。
「そ、それを挿れる気なの?」
「イグザクトリィ(その通りでございます)。そーれ……っと」
ほっそりとした真奈の両足を掴んで、思い切り股を広げさせると、
俺は狙いを定めてぷっくりとしたワレメに先端を宛がった。
そして体を前のめりに倒すように、体重をかけて妹の処女穴に侵入を試みる。
「いぎぃー!? 痛い、痛い痛いぃーー!!」
まだ頭しか入っていないというのに、真奈は痛みの余りもがきだした。
「こら、暴れるんじゃあない。外れちまうだろうが」
「駄目ぇ! 大きすぎるの入れないでっ! こんなの痛すぎるー!」
やれやれだ。
犯られるそっちも痛いだろうが、犯るこっちも痛いんだぞ?(締め付けられて)
「痛いよぉ、お兄ちゃんの、大き過ぎて入らないよ。そんなの入れたら、壊れちゃうよお」
「そや、お兄やんのがデカ過ぎるのがアカンのや。ちっと縮めてんかー?」
「ムチャ言うなクソ猫」
第一この状況で妹に『大き過ぎ』だの『痛い』だの『壊れちゃう』だの言われてみろ……
「……お兄やん、心なしかまた一回りナニでかくなったのとちゃうかー?」
「気のせいだよミケエル君」
いらん事を口にしやがって、ますます真奈が怯えるだろーが。
普段の俺なら、目の前で震える少女の姿を堪能しながらしっぽりと…… いや、
相手にショックを与えないように、ゆっくりと初体験をさせてやる所なのだが、
今は俺たちの命がかかってるのだ。
「真奈、ちょっと痛いけど我慢してな」
俺は真奈の小さい身体を手で押さえつけ、力を込めてナニを捻り込ます。
一物の侵入を妨げる肉の防壁を、突き破る感触があった。
当然、その痛みに真奈はこれまでに無い大声で叫んだ。
「あっ、あああっーーーーーー!!!?」
先程涎で濡らしておいたとは云え、処女肉を引き裂いて奥まで届かすにはきつ過ぎるほどだ。
それでも、締め付けられる痛みに耐えて俺は腰を進める。
「あっ、いたいっ!痛いよぉーっ!」
「大丈夫、力を抜いて…… ほら、もうすぐだぞ」
みちみちと締め付ける膣壁を押し広げながら、俺の男根は最奥地を目指そうとする。
「真奈やん、頑張るんや」
「そうだ、がんばれ真奈っ」
無責任な激励をかけながら、俺はこんなに早く真奈と関係を持ってしまった事に思いを馳せる。
(都合よく)海外赴任している父親に国際電話で問い合わせたところ、妹が実在すると知った俺。
幼さの残る小さな顔、発展性を残した胸、細いウェストにすらりとした手足。
俺と父親の好みは大体一致するから、おそらく母親似だということだろう。
憎からず思っていたけれど、まさかこういう形で一線を越えるとは思わなんだ。
きっと日頃の行いが良いから、神様がラッキーを与えてくれたのだろう(命狙われてるけど)
「ひゃん、?」
行き止まりを力強く突かれ、また真奈は小さな悲鳴を上げた。
「よく頑張ったな真奈。これでお前も一人前の女になったんだよ」
「うぇーーーーんっ」
突如として真奈は泣き出した。
全くなんだってんだよ、一体。
「しょ、初体験を、こんな所でしちゃうなんてーーー!
白壁のお城の一室で、バラの花びらを敷き詰めたベッドの上で
二人の愛を語り合ってからって決めてたのに! ウェーーーーーン」
随分乙女チックな夢を持っていたものだ。
まだ子供だからしかたないが…… 残念でした。
こちらの世界の日本という国では、白壁のお城なんてラブホテルぐらいしかないのだ。
まあ金さえ払えばバラの花びら程度はオプションで出来るかもしれないが、
現実の厳しさを知るという意味では、今日はいい勉強になるだろう。
「お二人さん、盛り上がってるところ悪いけど、とっと済ませてーな」
「むむ、そうだったな…… コイツの胎の中に俺のを注ぎ込んでやればいいんだな?」
「そうや! 魔力の篭った濃いのをガッツリ中出ししてーな」
他人事だと思って、こいつも気楽なことを言うなあ……
そう思いつつも、やる事はやらねばならん。
俺は真奈の腰骨の辺りを手で掴む。
「そいじゃあ、いくぞー」
ぐいっと男根を引き戻した時、真奈はまた呻き声を出したがもう気にすまい。
熱い肉壁にギチギチに締め上げられて、俺のもかなり来ているのだ。
「そりゃそりゃそりゃー!」
「ぃ、いゃああああーーーーーー!!!」
処女を失ったばかりの妹の膣を、躊躇なく抉る。
俺のナニを全部飲み込めるほど奥行きはないのだが、それを補うだけのきつさと熱さがある。
「どりゃりゃりゃりゃぁーーー」
はっきり言って、もう俺の頭からは敵に襲われてるとか、
魔力を注入するとかいう事は飛んでいた。
ただ、俺の体の下で涙を浮かべる可愛い妹の中にぶちまけたい、
その思いだけが頭の中を満たしていた。
何十回、真奈の中を往復したか憶えていないが、付け根辺りからこみ上げて来るものがある。
「まっ、真奈! そろそろっ!」
「えっ?、あっ、ぁぅっ、お兄ちゃん、深いっ! ああぅ!!」
それまでよりも深く、それこそ子宮にまでめり込ませる位の力を込めて、
俺は真奈の中に強く押し込んで行った。
「イクぞっ! 真奈!」
「やっ、熱いのが…… お腹の中で……えっ?、何これっ? 頭の中が、真っ白に……
いああああぁーーーーー!?」
「真奈やん、それがお兄やんの魔力やで! 子宮を通じてそれを自分の中に取り込むんや!」
「やぁあああああああああーーーーーーーー……」
繋がったままの俺にも、真奈の身体が痙攣しているのが判った。
ついでにその身体は精液を一滴も溢すまいとしてか、ぎゅうぎゅうと締め上げて来るものだから、
膣痙攣でこのまま抜けなくなってしまうのではないかと、俺は心配になったほどだ。
だが程なく痙攣が治まり、俺は血と愛液と精液に塗れたナニをワレメから引き抜いた。
「三毛…… 魔力の移転には成功したのか?」
「判らへん、性交したのは確かやけど…… 痛てっ」
詰まらんギャグを飛ばす馬鹿猫の頭を、俺は叩いてやった。
と、その時である。
「おーっほっほっほほほ、そんなところに隠れてたのね?」
「ヤバいで、目くらましの結界が見つかってもーた」
言うが早いか、魔法次元のなかの小さな結界が破られ、ムチムチの魔女っ子姐ちゃんが現れた。
んー、マジでヤバいかもな。
「さーて、魔法のプリンセスとそのご一党を、わたくしが仕留めて差し上げま…… え?」
高笑いしてたその顔が、その時信じられない物でも見たと言わんばかりの間抜け面に変わった。
その目線を追うと、俺の背中の方に原因があるようだ。
「?」
振り向くと、そこに立ってるのは俺の愛する妹が一人。
だが、魔法には門外漢の俺ですら、今の真奈がさっきまでとは違うという事がはっきり判る。
「……アンタのせいだ」
「え?」
「アンタが襲い掛かって来たから、私はこんな所でお兄ちゃんに犯られちゃったんだーっ!」
「ええ?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴと、そんな擬音が聞こえてきそうなほど、真奈は怒っていた。
「あ、あのねっ、別に私も仕事で来てるのであって、貴方達に特に恨みがあるってわけじゃ……」
「うるさーーーーーーい!!」
「ありゃりゃ、こりゃ完全にぶち切れてるでー。
お兄やんに中出しされた魔力アップ分に加えて、
処女喪失の逆恨みパワーが加わって偉い事になっとるわー」
パタパタと、相変わらずノー天気に宙に浮かぶミケエルが言った。
真奈は手にした魔法のステッキを振り回し、必殺技のポーズを取る。
「ひっ、ひいいぃいぃ!」
「乙女の怒りが天を衝く、喰らえ必殺! アブラカダブラ・バスターーー!!!!」
ステッキから繰り出される魔力の奔流。
それも、いつもの数倍の光を帯びて放たれた。
「ぎゃわわわーーーーーーーー……」
閃光に飲み込まれ、吹っ飛ばされて星になる敵…… そういえば名前も知らなかったな。
まあいいや、あいつの事は真奈との初体験の記憶と共に、永久に俺の心に刻まれるであろう。
「はーっ、はーっ、はー……」
大技を見事に決め、真奈は荒い息を立ててへたり込んだ。
「大丈夫か? 真奈」
「いやー、ホンマよーやったで真奈やんは…… あ痛!」
ステッキでぶん殴られ、三毛は地面に叩き付けられた。
その攻撃は、一度では止まらない。
「何するんや、真奈や…… 痛、痛、痛いで!?」
「うるさい、うるさい、うるさいーーー! アンタのせいでもあるんだからねっ!」
乙女の怒りは、敵を吹っ飛ばしただけでは収まらなかったようだ。
ボカボカと自分の使い魔を殴りまくっている。
「おっ、お兄やん、助けてーな」
真奈の怒りを躱そうとしてか、俺に助けを求める三毛。
うーむ、考えてみれば真奈の膜を破ったのは俺なのだから、俺も殴られてもおかしくない。
そんな俺を見て、真奈はステッキを捨てて俺の胸に飛び込んできた。
「うっ、うぇーん…… お兄ちゃんのバカバカバカーー!」
「真奈……」
その小さな拳で、兄の胸板を何度も叩く真奈。
道具を使わない所が使い魔風情と実の兄貴の差というべきだ。
「泣くなよ、これは仕方なかったんだ」
「だって、もっと素敵な時と場所でしたかったよぉー」
俺は真奈の華奢な身体を抱き締めて、今更ながら慰めの言葉をかける(言うだけはタダだし)。
「真奈、俺のことが嫌いか?」
「えっ?」
「俺のことが嫌いなら、今日の事は犬に噛まれたとでも思って忘れてちゃえばいいんだよ。
実の兄貴とのセックスなんて、数のうちに含めなくてもいいさ」
「……嫌いじゃないよ。ううん、お兄ちゃんの事、真奈は好きだよ」
「そうか……」
嬉しい事を言ってくれるじゃないか。
俺は真奈を抱く腕に力を込める。
「真奈……」
「お兄ちゃん……」
真奈も、俺の身体を抱き締める。
「そういえば、キスはしてなかったな」
「……今頃気がついたの? お兄ちゃん」
「すまん、じゃあ遅ればせながら……」
そういって、俺は真奈の顔に口を近づけようとするが、細くて白い指が俺の唇を止めた。
「ダーメっ、せめてファーストキスはロマンチックにね?」
「……」
まあ、そういうのもありか。
「いやー、これで一件落着やなー」
「真奈、殴り方が手緩かったんじゃないのか?」
「酷い言い草やで、お兄やん…… まあ一件落着言うのは言い過ぎかもしれへん。
女王様を救い出すまでには、まだまだ刺客と戦わにゃあかんもんなー」
「お母様……」
その言葉に、真奈の表情が曇る。
俺にとっても母親なのだが、女王が母親だとかはいまいち実感が湧かんな。
「今回みたいな敵がこれからわんさか来るんやから、真奈やんのパワーアップは必須やで」
「えっ?」
「というと、今日みたいに魔力転移をこれからもしなきゃならんのだな」
つまり、敵がくる限りは真奈とやりまくれる口実が立つ訳だ。
うむ、次はどんな体位で犯ってやろう?
「そうやー! これからもガツンガツン頼むでー」
「任せておけい、俺がドクドクと魔力を注いでくれるわい」
こうして兄の力でピンチを乗り切った魔法少女真奈。
しかし、これからも次々と敵は刺客を送り込んでくるだろう。
愛しい母親を救い出すその日まで、
戦え! 魔法少女真奈。
犯りまくれ! 魔法少女真奈!
(終わり)
「ちょっ、そんなナレーション嫌ーー!!」