生徒会室の一角、資料室の隅に置かれた少し古くなったソファに、白鳥さんは横になっていた。  
俺の手によって鍵を閉められた数m四方のその部屋に、俺と白鳥さんの二人っきりだった。  
 
 
今日は模試で午前中に授業が終わった。白鳥さんはそれにむけて随分勉強していたらしくて、  
授業が終わった後、緊張が切れたかのようにとても眠たくなったようだった。  
来栖は自分も生徒会室に用があったと言って、彼女を資料室のソファに寝かせたというわけだ。  
そして俺は、来栖の助手として、資料室の整理を言い渡されていた。  
 
 
深い寝息。白鳥さんにかかったタオルケットが膨らみ、しぼむ。  
 
本当によく眠ってる……夕べはほとんど寝てないといっていた。  
多分よほどのことがなければ…白鳥さんはすぐには起きないだろう。  
そしてこの資料室は、生徒会会計の来栖の根城だ。マスターキーを除けば、彼だけが鍵を管理しており、  
彼の許し無しにはこの部屋に入ることはできない。ここは保健室以上に安心な、密室だった。  
 
 
…来栖が告げた仕事の条件は、たった一つだけ。  
 
「まゆを汚すな。ストレートに言うと、犯すな。」  
 
…白鳥さんは来栖にとっても、当初はただの「相性のいい女」だったのが、  
今は、大事な女の子の一人になっているらしい。来栖は自分の女が安易に汚れることを嫌う。  
 
だが来栖は同時にこうも言っている。「ロマンとエロスと度胸のないやつは嫌いだ。」  
 
 
俺は、安心した顔で眠っている白鳥さんを見ながら、その二つの言葉を考えていた。  
 
 
白鳥さんの、少し短くした髪を撫でてみる。反応はない。相変わらず全身での呼吸。  
タオルケットをどかす。少し大きめの衣擦れの音。一瞬ひどくヒヤッとするが…  
彼女は姿勢を変えない。その身体が、晒される。制服のまま、身体を折って眠る、白鳥さん。  
 
来栖に言いつけられたとおりの丈のミニスカを、少し、捲り上げてみる。  
隠れた白い肌が、まだまだその奥にある。かつて見た彼女の生尻がフラッシュバックする。生唾。  
より大胆に捲り上げると、白鳥さんのパンティが、姿を現した。  
 
濃いブルーの紐スキャンティ。  
 
スカートをそのままにして離れる。今起きても、ここまでなら、自分の寝相、で済むだろう。  
けれども…もしたとえばパンティを脱がされた状態だったら…それはちょっとまずい……  
 
だが……この状態で、冒険しないのも……度胸がない。  
何より…俺の欲望が満足しなかった。  
 
俺は、そのスキャンティに指をかけ、彼女の尻の割れ目に食い込ませた。もともと小さなスキャンティだったが、  
よりいっそうその面積を小さくし、彼女のお尻はほとんど露出した。俺は紐のようになったスキャンティに、  
つまり彼女のお尻の割れ目に、中指を添えた。ふと瞳ちゃんの裸体を抱き、拭った記憶が甦った。  
股間に更に血と力が集まる感じ。  
 
 
中指を、スキャンティの下に滑り込ませる。スキャンティをすらずように、さらに指を下ろしていく。  
 
あまり下に下げきらない間に、黒々した毛が、はみ出た。  
 
 
白鳥さんのヘアー……!!  
 
 
人の鼓動というのはここまで速く打てるものか!自分のあらゆる部分で、ドドドドドド…とドラムがぶったたかれてる気分だ。  
これが…本当の興奮ってやつか。だとしたらこれは……チキンには味わえない感覚だ。  
 
俺は…白鳥さんの顔色を確認し…すぐには、起きる気配がないと判断すると…その指を、少し強く、白鳥さんの  
肉に向けて立ててみた。彼女の上半身がすこしもぞついた。  
 
…っびびんな!俺!!  
 
指を立てたまま…更に…数mm!!指が…滑り上がる感覚…  
 
それは間違いなく……白鳥さんの、その…割れ目だった。  
思わず大きく息を吐いて、自分の呼吸がすっかり止まっていたことを知った。その吐いた息の音の大きさに驚き、  
また急いで口を閉じる。そして鼻で静かに…それでいてやや急ぎ目に呼吸し……酸素を身体に巡らせた。  
 
今俺の中指は…白鳥さんの…白鳥真由さんの…15歳のときミス西町中に選ばれた女の子の…  
秘所…おま○こに……挿されているのだ!俺の指が!!ほかでもない俺の指が!!  
今まで恋愛なんてものに全く縁のなかった俺の、この指だ!!来栖のでも、ほかの男のでもない。  
今、学年にも多くのファンがいる、後輩からも慕われている彼女を支配しているのは…俺なんだ。俺がしているんだ!!  
 
なんとも筆舌に尽くしがたい、征服感――自分自身というものをこれほど強く意識したことも、俺にはない。  
なにせ白鳥さんの大切な場所を撫ぜ回せるだけ撫ぜる指先に感じるのは、他で感じたことのない触感だけじゃない。  
微かではあるが…俺の中指はほんのりとした湿り気をも感知しているのだ。  
それは…つまりだ…つまりは……彼女の愛液というわけじゃないか。  
 
愛液。  
 
俺はひとまず、多少名残惜しい気持ちもありながら、身の安全のためだと言い聞かせ、指を抜いた。  
中指と、それに軽く添えた薬指の先は、確かに、ぬめり気のある汁で濡れていた。俺のものではない。  
彼女の……彼女が、誰にも見せずに大切な何かを受け入れるときにだけ、流す……恥ずかしい液。  
 
それはあまりいい匂いでも味でもなかった……が……どういうわけか、もはや正常でなくなっている俺にとっては、  
あまりに愛おしい風味だった。それは、間違いない。  
 
 
少し冷静になったからか、俺のトランクスが濡れてきていることがわかった。我慢汁がこれほどまで出たことも、  
かつてない。これほどまで我慢に我慢を重ねたままにしたことがないからだ。だが……その我慢自体が、  
何か快感であるようにすら感じられた。  
 
しかし真に僥倖だったのは、その後だった。彼女が声を漏らし、俺が初めて彼女を見守りながらも完全に  
視点が定まっていなかったことを知ったとき、白鳥さんは…くの字に折った身体をほとんどまっすぐに伸ばしたのだ。  
要するにどういうことか……  
 
今まで完全に隠され、いじくることのできなかった体の前半分を俺に差し出すようにして寝ているってことだ。  
 
彼女のおっぱいも、かなり名残惜しいと思ったことは確かだったが、迷いは1秒で消えた。  
俺の注目は断然、白鳥さんの割れ目にあった。白鳥さんの中身にあった。誰にもみせやしない、彼女のアレを、  
もっときちんと目に焼き付けることだったわけだ。  
 
俺は、もうほとんどこの数分の間に慣れた調子で、白鳥さんのスカートを捲り上げた。  
ちょっと調子に乗ったかかなりまくれ上がって、可愛らしいお腹がほとんど露出してしまったけれども……  
その下の、青のスキャンティ。俺の右手はいまさら震えていた。いや、実はさっきも震えていたんだけど……  
俺は左手で右手首をつかみ、すこしでも震えを止めようと試みながら、白鳥さんのスキャンティを、  
裏返すように折り、ずらした。その下から現れるヘア。そして、腹の底のふくよかな肉に食い込む紐を  
中指を滑り込ませてずらす。  
 
「ぁん…!」  
 
心臓が止まるかとも思ったが……幸い、彼女は起きてこない。俺は、どうにか左手を伸ばしてタオルケットを  
軽く広げると、白鳥さんの顔を覆い隠せるように、上半身にかぶせた。何故そうしたのかは分からない。  
ただ……いや、やめよう。俺は白鳥さんの股間に顔を近づけ…そして……  
 
 
そのおまん○を舐めた。  
 
途端、俺の棒の先で小刻みに振動が唸った!!携帯!!きってねえ!!  
俺、本当アホだ……!!急いで右手をポケットに突っ込み、気づく。  
 
このバイブは、来栖だ……!!  
 
一瞬先々のギリギリ妨害を思い出し、無視するかどうかを考えた。  
俺の目の前にはいまだ、白鳥さんの恥ずかしい場所が、顕になったままなのだ。  
それを、まだどうにかするアイデアが尽きてくれてなかった。  
俺の棒だって、まだちっとも活躍してない――せめてどこかに吐き出すくらいしないと!!  
 
 
だけれども!!  
 
 
けれども俺は、来栖を信じた。  
 
 
急いで携帯を取り出し、メールを読む。そこになんと書いてあったか?  
俺は本当に来栖という友達を持ってよかったと、こいつを裏切るまいと、改めて誓ったもんだ。  
 
 
「あと5分くらいでまゆが目を覚ましそうだ。元通りにしてばっくれろ。」  
 
 
来栖のサトリ――!!  
 
 
俺はできる限り彼女の姿を元に戻すと、いそいそと資料室の鍵を開け、飛び出た。  
締め切られた部屋とは違う涼しい風を受ける。肺の中に新鮮な空気が入ってくる。  
 
テーブルには、来栖と、沢尻舞ちゃん。それから白鳥さんの友達の、衣笠さんがお菓子の山に  
手を伸ばしながら雑誌をめくっていた。お疲れと声をかけられる。お疲れと返す。  
 
来栖は、涼しそうに、悪戯っぽく、それでいて満足げに笑っていた。  
 
「よぉ。ガチお疲れ。まゆまだ寝てる?」  
 
「…ああ、よく寝てるよ…でもそろそろ起きるんじゃないの?時間的に……」  
俺が言い終わらぬうちに、背中に優しい手の感触。  
 
「起きたぁ〜!よく寝たー!!」  
「あ、まゆおはよう〜!!」  
「まゆよく寝てたねー。」  
「うん、ごめんね、待たせちゃった?あ、来栖くんタオルケットありがと!!」  
「そこ畳んで置いといて。」  
 
 
さっきまで自分の秘密の場所を探られ、恥ずかしい場所を味わいつくされたことも全く気づいてない  
そぶりで、いつもの日常に帰っていく白鳥さん。でも俺は――知ってしまったわけだ。  
 
「女の子」というやつを――!!  
 
俺は、とてもそこにとどまっていられず、同じフロアのトイレに大急ぎで駆け込んだ。  
 

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