「秋葉系の男」  
 
ピンポーン   
 
…とベルを鳴らすこの女は田宮夏樹。  
肩まで伸びている髪と程よい小麦色の肌が特徴の、デリバリーヘルス嬢だ。  
しかし既に彼氏を持ち、一筋ではあるが、お金がたくさん欲しいが為に体を売っていると言う…  
 
いわゆる一部で呼ばれる、ビッチである。  
 
夏樹「こんちゃでーす!クリーム掛けにきてもらいました!」  
男「ああー どうも、お待ちしておりました」  
夏樹「うわっ」  
 
デリバリーヘルスの仕事で客の自宅に出張に行った女は、  
客の男の容姿に面食らって嫌悪感を露にしてしまった。  
 
2日間着替えて無さそうな汗の染みが見えるTシャツに  
所々水飛沫が掛かったような汚れのある、ジャージのような布製のズボン。  
そして極めつけはニキビがたんまりこびり付いた  
髪の手入れも何もしていない 朝青龍の劣化版のようなデブ。  
 
男のボキャブラリーの無さそうな返しとあいまって、直ぐに「この客は危険だ」と夏樹は感じ取った。  
 
夏樹「………」  
男「え?どうしました?」  
沈黙。  
 
男「(何だこの女。喋れよ)」  
本人にとって理由の分からない沈黙に対して、何をどう受け取ったのか 負けるものか!と男も黙りだした。  
沈黙。  
 
カップラーメンが出来そうな時間が経ち、  
薄々感じ取ってはいたが、自分の格好について硬直しているのだと 男はようやく確信した。  
 
男「まあ、ここで立ち話もなんですし まずは入って入って!」  
夏樹「いやっ!遠慮してくれませんかーなーん…」  
男「チェンジはしませんよ」  
 
夏樹の顔の引きつりと逃げ腰をお構い無しとばかりに  
朝青龍の劣化版は 自分の家の入り口へ招待させようとする。  
ヤる前から訴えられるのを警戒してるのか、体へは触ろうとせず必死に手招きで「来い来い」とアピールしている。  
 
そんな不器用なりの気遣いでさえも  
ますます夏樹にとってはドン引きする要素にしかならなかった。  
 
夏樹「(もう早いとこすませて帰りたい…)」  
 
ここは粘り強く誤魔化して なあなあで終わらせようと考えたが、  
手招きしている時の 男の顔のこれまた必死な表情に、  
やることはやっとか無いと訴えられそうだ…と仕方なく入ることにした。  
 
夏樹「トロトロトロトロトー・ローリ…」  
男「まだ名前聞いてなかったね。名前は?」  
夏樹「山田です…」  
男「いやいや、苗字じゃなくて下の名前」  
夏樹「太郎です…」  
 
自分を勇気付けるため、精一杯誤魔化せるところは誤魔化して、  
気を紛らわす為に冗談を言う夏樹。  
 
男「そうですか。よろしくね太郎さん」  
 
ここまで露骨に自分に対して嫌悪感を露にされ、  
男はまともにコミュニケーションを図ろうとするのは諦めた。  
容姿に似合わず中々の空気の読みっぷりである。  
 
男「じゃあ早速やりましょうか?」  
夏樹「早ぇよ!もっと何かちゃんと下ごしらえとかしようよ!!」  
男「うーん…俺のエキスがたっぷり染み付いた風呂場で体を洗うのと、  
  噛み合わない会話でホコリだらけの部屋の空気を吸いまくるのと、どっちが良い?」  
夏樹「せめてホテルにしよ?ね?」  
男「お金が無い。」  
 
じゃあ誘うなよ…という考えがよぎりつつ、ここからどうやって逃げ出そうか。という試行錯誤を繰り返す夏樹。  
しばらく目線をそらしながら男の動向を探っていると、決心したように男は立ち上がりだした。  
 
男「さて、そろそろやろうか。」  
夏樹「な、なにが?」  
 
言うと、男は腕まくりをしてパンパン、と二の腕をたたき出し。狭いテーブルの上に左腕を乗っける。  
腕相撲をしたいようだ。  何故?  
 
夏樹「あ…ああ!それなら良いよ!やろうやろう」  
 
どうせなら何でも良いから気を紛らわそう…と 夏樹は男の腕に対して便器を触る様に恐る恐る触る。  
気晴らしにワニワニパックンで鍛えた腕力で捻り潰してやろう!と集中する夏樹。  
 
男「それじゃあ、行くよ?レディー…ゴー!」  
 
 
瞬間 男は組み付き、有無を言わさず柔道の技、大外狩りで夏樹を思い切り投げ倒した。  
膝立ちの状態で夏樹はまともに受身を取れず、一瞬で何時の間にか男に両足首を捕らえられていた。  
 
本編の始まりである。  
 
夏樹「痛い痛い何!?ちょっと待って!だれかああああああ!!たすけてえええええええ!!」  
 
足を全力で動かそうとするが、腐っても男。ビッチ女ごときの力で脂肪パワーの腕力と握力にはかなわない。  
それどころか、男は脂肪分たっぷりの足を覆った靴下で夏樹の股間を弄り始めた!  
 
夏樹「やめてよおおお!!やめっ、おい!糞デブ!やめねえとうちのバックにいるヤクザがぶっ殺すぞ!!」  
男「そっかー」  
 
然程も気にしていない生返事で、男は自分の足指を女の割れ目の感触がある部分に無作為になぞり付けた。  
夏樹「バーカ!童貞が!そこじゃねーよ…オォ…ォォォッ……痛ぇーんだよ!!朝青龍!甲斐性無し!レイプぅぅふっ…」  
 
不幸にも夏樹はスカートを履いて来ていた。これではパンツがガラ空きだ。  
靴下を履いた足の指で突起を嫌なくらい弄られてるせいで、罵声を浴びせようとしているのに途中で反応し、  
返って弱味を見せてしまっている。  
 
夏樹「(駄目だ!落ち着くのよ!夏樹!声を出しちゃ駄目!仏像。仏像になった気分で。無の境地に)」  
夏樹は、相手に罵声を浴びせるより、男が疲労で弱まったところで逃げると言う作戦を考えついた。  
 
夏樹「(デブに逝かされるなんて死んでも御免だっつーの!)  
精神を落ち着けようと、深呼吸を繰り返し冷静を保とうとする。  
しかしそれは 逆にこの状況を楽しむ羽目になる方法だった。  
 
深呼吸を始めて5分。夏樹に嫌な予感を髣髴とさせる感情が下半身に漂ってくる。  
いわゆる快感である。  
 
夏樹「ふッ…ぅ゛ぅ゛ぶふっ!!ふぅぅ…………ふ、ふぅ…スゥゥゥゥゥゥ…ぅ゛、ぅ゛、ぅ゛、ううう!!」  
責められている時に深呼吸するのは、どうぞイカせてくださいと言っているような物である。  
 
我慢と言う上辺だけの下準備に夏樹は取り掛かっているのだが、  
男の足の親指先で尿道と陰核をこねくり回されるたびに、ピンク色の欲が胃と子宮に激しく巡り回る感覚に陥る。  
夏樹「ぶぅ…!バハァ!!ハァ、ハァ、ああ、ん、ぎ…!」  
 
深呼吸作戦大失敗。  
恥辱に耐えられなくなった夏樹は、殺意と怒りが涙で台無しになった目つきで男に睨みつける。  
あまり人とのコミュニケーションが疎遠そうな男は、それだけでも目に見えるほど怯んだ。  
 
しかしそんな男の次の反応は  
この現代では手に取るように読めるものである。  
 
指先で割れ目をしっちゃかめっちゃかに弄ぶだけだった男の足は、  
夏樹「ウオォッ!?ぁぁ…」  
足に付いている全ての指で陰核をなぞるように擦った後 土踏まずと踵で一気に土手を押しながらグラインドさせてくる。  
 
夏樹「やべ、ちょっとまって!それ、それはアンタにはまだ早い!技術が、技術が…」  
 
終始床を背に逃げ腰になっているせいか、床の硬さでお尻が圧迫され、重量級の男の足で土手全体を弄られているため  
図らずしも夏樹が逝きやすい状況になっていたのである。  
 
夏樹「アンタそうやってるけどね!大して外も出て無さそうなのにセックスも出来るような体力あんのかよ!」  
 
この一言が、発言した自分自身を決定的に追い詰める切っ掛けになろうとは…  
 
予想できたと思う。  
 
――20分後。  
夏樹は大変後悔していた。このデブを見くびっていたのだ。  
あれから最初の勢いは保てまいと思っていたのだが、男の体は汗まみれにはなっても  
 
足の勢いは適度に休憩を挟み、無作為に弄んでくるため 夏樹が休むことは全く出来ない。  
逆に夏樹自身が体力をすり減らされていた。  
 
力を入れても逃げようとしても、全く期待とは逆の結果になる度、夏樹のプライドと常識はボロボロになっていく。  
何より、今までの身だしなみが整えられていた客たちと、  
このデブが同じくらいセックスの才能があるかもしれないということがショックだった。  
 
 
夏樹「(やだ!こんな奴に逝かされるのはやだ!)」  
思い切り声を出して助けを呼びたいが、腹に力を入れた瞬間とんでもない声になりそうなのが怖くて叫べない。  
 
夏樹「(そうだ、さっき大声を出したはず。もうちょっとできっとこいつの近所が助けに来てくれる!)」  
 
自我を取り戻せたのが幸か不幸か、  
今まで麻痺していた気持ち良いと言う感覚が膣に雪崩込んできた。  
 
夏樹「(や、やべえ、助け…助けをよ、呼ばっ…よば)」  
考えがまとまるのを待たずに、精一杯の力をこめて夏樹が叫んだ。  
 
夏樹「良い〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!」  
 
 
 
夏樹「(…………………………)」  
自分が何を言ったのか分かった瞬間、防ごうと拒絶していた意識が死んでいくのを夏樹は感じた。  
 
作戦がことごとく失敗し、自分の身を守れる術が何も思いつかない今、  
「この男に逝かされたい」という女の本能が剥き出しになる。  
夏樹「ああんっ!ああぅ、あ、ああああ、お、あ、あ、あ、あ、おあああぅああああああああああ!!!」  
体操選手のような綺麗な弓なりの曲線を背中で画きながら、涎を垂れ流しにして夏樹は果てた。  
 
 
男「女ってすげえ情け無い声出すんだね。」  
 
その容赦ない言葉にイッたばかりの夏樹は恥ずかしくも快感に感じてしまう。  
完全に「受け」モードだ。  
 
男「うっひゃー!まだ靴下に染み込んで来るわ、これ」  
燃え上がった証として出る、いわゆる「愛の証」である。  
曲りなりにもこの男を愛してしまったのだ。  
 
夏樹「(ユウちゃん、ごめんね…)」  
本命の彼に対して、夏樹はとてつもない罪悪感を感じてしまった。  
しかし今の相手にはそんな想い等気にしてもいない。  
 
男「まあいいや。まだ体力ある?頑張ってね。まだやるから」  
この男、まだやる気である。  
 
夏樹「ちょ、ちょっと待ってよ、まだやる気?」  
男「勿論勿論、こういう機会は滅多に無いからね。  
  何回戦って決まりも無いんだし、良いでしょ?挿入は無いから。」  
 
挿入は無い。そのことを聞けただけで大分精神が落ち着けたような気がする。  
しかし問題はマジ逝きさせられた、ということだ。  
これがまた続くとなると…  
 
その不安を早くも再び足のグラインドに実感することになる。  
夏樹「痛ッ!分かった、ストップ!クリは止めて!逝ったばかりだと痛い!!」  
男「あ、ごめん!じゃあ―これはどうだ」  
 
ぬちゃり  
…と愛液に濡れた男の足が、夏樹の下腹部の丁度子宮がある所にあてがわれた。  
勿論裸であるならば受け入れただろう。だがあてがう所が悪すぎた。履いているスカートの真上だったのである。  
 
夏樹「何やってんの!?キモイ!服が汚れるでしょ!?脱ぎます、脱ぐからその足どけてよお!」  
男「…どうもすいません。」  
夏樹「信じらんない…」  
 
余韻も浸れないまま、夏樹は服を脱いだ。下着やシャツが汗でびっしょりになっている。  
唐突に抵抗なく素っ裸になった夏樹に、男は思わず面食らう。  
 
夏樹「風呂場どこ?」  
男「えっ?あ…そっか、じゃあ付いてきてください」  
 
夏樹を風呂場に案内しようとする男。しかしびしょびしょの靴下のまま移動している。  
 
夏樹「靴下脱げよ」  
男「それは嫌だ!!」  
 
いきなり鬼気迫る顔で反論され、夏樹はたじろぐ。  
そういう性癖なのか?と嫌悪感を露にしながら二人は風呂場に移動した。  
 
夏樹「いい加減脱ぎなさいよ童貞」  
男「俺は服を着るのが良いんだよ。」  
夏樹「何でタメ口なの?アンタ着衣のままでやるのが好きなんだ…」  
男「いえ、相手は裸で、自分は着衣のままって言うのが良いんです。」  
夏樹「はい?…訳分かんない…」  
 
そういうと、狭い風呂場に一緒にいる男にわき目も振らず、  
唐突にシャワーを浴びだした。  
 
男「つめてえ!!」  
夏樹「扉閉めてくれる?」  
思考回路が停止したようにその場に立ち尽くす男。  
何時までも動かないのに気持ち悪くなり、夏樹は注意しようと振り返る。  
 
夏樹「ちょっと、いい加減に――――――」  
大外狩り。この個室で、である。  
とは言え 幾らなんでも投げ倒すのはあまりにも危険なため、腰と肩を抱きかかえたままでの足払いである。  
 
またしても投げ倒され、あっけにとられた夏樹。そんな素っ裸の女を尻目に男は両足首を掴む。  
この光景、どこかで…  
 
夏樹「わ、わかった!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!他のプレイにしよ?自由にして良いから!ね?」  
男「じゃあ、クンニを教えてください」  
夏樹「く、クンニ…?」  
 
――――30分後。  
 
夏樹「ぅん…アンタ、舐めるの上手いね」  
男「………」  
夏樹「ここまで丁寧だと、ちょっと誤解してたかも…」  
 
最初は夏樹は乗り気ではなかったが、適当に教えるうちに熱心に習得しようと頑張る男の姿に  
段々と熱意が入っていき、気が付くと他の下手な常連客よりも幾分もマシなレベルにまでなっていた。  
 
差別していた人種の男に、女の大事な秘所を良いように責められて汗だくにされている。  
手入れした脇や背中から湧き水のように流れ落ち、狭い風呂場は悩ましい雌のフェロモンで覆い尽くされている。  
オナニーのネタに使えそう…と夏樹はお馬鹿な事を考えた。  
 
夏樹「ホラ行くよー?えいっ」  
執拗にビラビラを口全体で愛撫していた男の顔を、両足で固定し、太ももで圧迫する。  
このまま締め続けられると、意識を失ってしまう。  
しかし男は教えられたとおりに夏樹の肛門に指を入れ、子宮側に指を曲げて掻き出す様に愛撫した。  
 
膣円蓋と呼ばれる場所を探しながら、執拗に指を出し入れする。  
夏樹「うああっ!!そう!そう!いいよっ」  
 
締める力が緩んだ太ももの内側を、開いている手でくすぐる。  
そして思い出したように膣と肛門の間をつねり、くすぐりながら恥辱的な気持ちよさを与える。  
夏樹「む、ふっ、ひ!あえぇ…」  
 
締める力が緩み、すぐさま男は肩と肛門に入れていない方の指で足を広げさせ、  
陰核、尿道、膣と 舌を使ったキスをそれぞれに気まぐれ的に繰り返す。  
 
夏樹「…もうだめ、イク…!イクよ!?出すからね!?受け止めて!絶対飲んで!!」  
男はそれを聞くと、尿道に口を当て、喉の力を使って全力で吸い込んだ。  
 
すると、程なくして大量の尿が男の口の中に流し込まれた。  
夏樹「ふぅ゛ぅ゛!!うう、うううぅぅぅぅぅぅぅ…」  
 
尿と一緒に太ももの付け根、足の裏、お尻の割れ目などの全身の毛穴から  
粒々のねっとりした汗を噴出す。  
抱えられている両足 共にピクピクと魚の様に痙攣し、  
手入れされた足指もせわしなく動いて、艶めかしい光景が広がる。  
 
男「…………うっ!」  
初めての飲尿に耐え切れなかったのか、あてがっている口から首、首から服へと尿が止め処なく溢れ出す。  
それでも飲もうと必死に喉仏を動かし、涙が滲んでいる目を夏樹に向ける男。  
 
その男の一見醜悪な姿に、何故か愛しさを少しだけ夏樹は感じ取れた。  
夏樹「(こいつ、結構イケルかも…)」  
教え込んだ愛撫の際に 飲みきれなかった涎を男の顔に垂らしながら、  
夏樹は精気が戻っていない瞳で微笑んだ。  
 
夏樹「アンタ、足がすきなの?」  
男「うん。ほーやっれ舐めるのがゆれらったんら」  
 
夏樹の足の裏を丹念に舐める男を見て、夏樹は複雑な表情で見ていた。  
夏樹「(女の足の裏を責めるのが好きな男なんて聞いたことないよ)」  
舐めていない方の夏樹の足を、男は空いている腕と手で抱えながらくすぐっている。  
 
もうくすぐったいと言う感情は殆ど無く、あんなに濃いシチュエーションで2回もイカされて  
既に全身性感帯状態になり、ぶっちゃけると夏樹は感じているのだが、  
くすぐりと足を舐められているという状況と その2回も絶頂させた相手の容姿に悔しくて我慢をしているのだ。  
 
夏樹「(こいつが水嶋ヒロみたいに格好良ければ最高だったのに。)」  
それはまさに美形と野獣である。  
 
それにしても何処でこんなテクニックを覚えたのか、  
足を舐めるときのポイントはそんなに細かくは教えていないのに、夏樹が感じるほど男は足の裏のポイントを付いてくる。  
これがまだ逝っていない時だったら我慢は出来たものの、これ以上やられると発情してしまいそうだ。  
 
夏樹「あん…んん…も、もう良いよ。十分気持ちよかった。ありがと。他のことしようよ」  
男「……ふーん。じゃあ、そろそろ電気アンマ再開して良い?」  
夏樹「またやんのかよ!もういいよ!」  
夏樹がそう言うと、男は夏樹の裸足を舐めながらギラギラした目で睨み付けた。  
 
犯罪者のような目つきで威圧され、夏樹が凍りつくのに時間は要さなかった。  
一見逆に噴出しそうな御馬鹿な光景のはずなのだが、  
今までされた事がされた事なだけに、説得力が半端なかったのである。  
夏樹の動きが固まるのを見届けると、男は最初のやり取りの時のように両足首をつかんだ。  
 
男「じゃあ、こうしよう」  
夏樹「え?なに?」  
 
男「さっきのクンニみたいに、君が気持ち良いと思う電気アンマの責め方を俺に教えて、  
  俺が早く上達することが出来たら その分君が帰ることが出来る時間は早くなる。」  
夏樹「…???」  
男「だけど君がだんまりを決め込んだり、変に我慢をして俺の電気アンマの上達が悪かったら、  
  その分君の帰りは遅くなる。」  
夏樹「ハァ!?」  
 
男「つまり、君が電気アンマをされながら俺にレクチャーをしてくれ。素直に協力してくれれば早く帰れるから。お分かり?」  
夏樹「いやいや、納得は出来ない!納得出来ないよそんなの!」  
男「納得できないなら俺が勝手にやる!」  
夏樹「ちょっとおぉぉ――――――――――っ!!」  
 
先ほど説明したとおり、夏樹は今、全身性感帯なのだ。  
無理矢理とは言え、飽きるほどに舌の愛撫を受けた夏樹は電気アンマに耐えられなかった。  
 
夏樹「はあっ、はあっ、ふう…あぁぁ―――」  
尿と水と愛液と汗にまみれた服を着て、今尚汗だくの不健全な汗を流している男に比べ、  
夏樹は曲がりなりにも健全な汗を搾られていた。  
 
いままで幾多ものガッカリ男やヤリチンな猛者と仕事で体を捧げてきたこの女だが  
小学生から高校にかけて 同級生の男や家族に悪戯でかけてきたこの同じ技で、  
こんな所で自分の性癖に新たな1ページを刻まれることになろうとは思いもしなかっただろう。  
 
夏樹「(あたし、これからどうしよう?)」  
加えられている股間への変態的な攻撃に思考回路をいくらか潰されながら、虚ろな目でこれからのことを考えている。  
夏樹「(変態になったらどうしよう。ユウちゃんにHの度にこんなこと頼んじゃう様な女になるのかな…)」  
夏樹「(夜道で通行人に裸を見せたがる露出狂になったらどうしよう…)」  
夏樹「(デブ専?…デブ専は嫌だなぁ…)」  
まともに考えられなくなり、有りもしない最悪の可能性を考え出す夏樹。  
 
何十分も電気アンマをかけてきた女の体を分かってきたのか、  
男は足の裏全体を肉と骨の中にある子宮に挿そうとするかのように、  
タイミングに乗せて一回一回下腹部を捻り押す責めに切り替える。  
 
夏樹「(そろそろこの業界辞めy)はううっ!(…こういうのを辞めるのは嫌かも…)」  
 
夏樹「(上手い奴だって十中八九合える訳じゃ無)あっ!ああっ!(…そうか!あたしが教えれば良いんだよ!)」  
 
夏樹「(でもこれじゃ直ぐ体を壊しそ)あ゛ん…んぬ゛う゛…(…そういえば、染められるのが好きでこの仕事始めたんだっけ)」  
 
夏樹「(嫌だって!とにかく嫌なん…)あ、ああああああ!(この電気アンマを辞められるくらいなら、人間辞める!!)」  
 
―――――――ぷっつん。  
夏樹「いいよっ!そのせめすごくいい!もっと、もっといきそうになるまでつづけて!イキそうっていうまでやって!!」  
男「…急にマゾになったね。好きになったの?」  
夏樹「うん!すきです!だいすき!しおふかせて!もっともおおおおお――――っとイカせて!どれいにしてください!」  
男「こりゃ駄目だ。キ○ガイになったな」  
 
今までもう水分を吸える余裕の無い男の靴下に、今まで異常に 止め処ない愛の証が男の靴下に纏わり付いてくる。  
 
男「これが、いいのか?ふん!おらっ!どうよ!?もっと!そい!どうよ!?」  
夏樹「はいっ!おぁっ!もぉっ…!も゛!っどっ!も゛っど!いいろおおお!!」  
男「足舐め気持ち良かったか!?くすぐられて気持ち良かったのかどうかを答えろ!」  
夏樹「きもちーです!すごくきもちいかったです!やってくれるならやってください!」  
男「お前にゃこれで十分だ」  
 
下腹部を押していた右足を、夏樹の肛門目掛けて足指を立てて軽く蹴りだした。  
水分を含んだ靴下がぴしゃぴしゃ音を立てて夏樹のお尻に刺さる。  
 
夏樹「んむぅ!もっとおしりにさしてください!あなのところにえんりょなくやってください!」  
男の親足指が夏樹のお尻の穴にゆっくり確実に入っていく。入れた後も、子宮側の膣円蓋目掛けて力強く擦りあげる。  
 
男「(もうこっちの足は大腸菌で膣には使えないな。)」  
男「お前寝たままで楽そうでずるいし、俺も座るわ。良いよね?」  
男は夏樹の足首をつかんだまま、ドテッと尿まみれの床に座る。  
夏樹の肛門に指を入れたままで座ったため、親指の爪と肉と一緒に腸内の肉が抉り上げられる。  
 
夏樹「ふおおおおおおおおおおっ!?」  
いきなり強く弄られた為、痛みと膣円蓋への強すぎる刺激で 下半身と腰が異様に持ち上がる。  
偶然アクロバティックな体勢を垣間見た男は、これは面白いと両足首を「ハ」の字に広げ、上に持ち上げる。  
挿入された肛門と、器からこぼしたような勢いで液体が流れ出ている股間が丸見えの状態だ。  
 
男は脇に足をがっちり固め、空いている左足の踵で陰核と尿道を勢いよく擦り始めた。  
男「(わざと膣を責めずにいたら面白い反応が返ってきそうだし)」  
 
しかし、反応を見る前に夏樹に限界が来たようだった。  
夏樹「ぐあ…!!ぅぉお!うまい!うまぁい!そのちょうしだよ!そのままそっちもいいからこすり………………っっ!!!!!」  
 
ブシャッ!と言う音を上げて、夏樹の膣から物凄い量の白い液体が勢いよく噴出す。  
夏樹「―――――――――――――――――」  
 
夏樹から声の反応は無い。代わりに反応しているのは、男ががっちり抱きかかえている両足首を支えに  
腰を中心に空中で上下運動に勤しんでいる体と、  
踵で押し広げられた丸見えの激しい膣の収縮に、尿道と陰核を刺激するたびに噴出す白い液体ぐらいである。  
 
男「(こいつ、そろそろ素直になってきたかな。)」  
 
5分くらい経っただろうか、  
依然夏樹は上下運動に勤しんでいる。  
白い液体も噴出すことはなくなったが、まだまだ溢れ出すのは止まっていない。  
まだ肛門に挿入している性だろうか?  
 
痺れを切らした男は、抱えていた夏樹の左足首を手に戻し、足の裏を歯でくすぐり、舌で舐めとりながらしゃぶり始めた。  
今度は一方だけに集中し、両手を使って夏樹の左片方の足と足指を責め始める。  
 
夏樹「ううわああああ!?」  
ようやく意識を取り戻したのか、それとも刺激が強かったのか、夏樹が凄い勢いで抵抗し始めた。  
しかし大柄の男相手では精神も体力も限界の華奢な女では無駄なことである。  
 
夏樹の左足を抱え込みながら、  
体勢を変えたことで肛門に挿入していた右足指は 第一関節から付け根の辺りまで尚更深く挿し込まれた。  
夏樹「にゃあああああん!!」  
 
情け無い声を出して背筋をピンと立たせ、夏樹は抵抗を止めてしまう。  
男「いいねぇ、その調子で女らしい可愛い声だしてよ。」  
 
そう言うと男は、前歯で親指と土踏まずの間を優しく掻き出す様に弄くる。  
同時に親指と人差し指の間とその周りを、手の爪で引っかきまわす。  
舌は前歯と同じところを舐めながら、舌を立てて歯と一緒に挟み上げながら虐めてゆく。  
攻め手が空いているご無沙汰な他の足指とその付け根は、もう一方の手の指を、全ての指の間に一本ずつ絡めながら、  
爪を立てて指の間へゆっくりとなぞる。勿論、途中で強く爪を刺し込んだり足指の間と爪の間に溜まったゴミを丹念に舐め取るのも忘れない。  
指の間に嵌めて行って残った一本の指は、足の甲と足の裏の中間に位置する どちらとも付かない微妙なラインを、  
夏樹が油断している時に気ままに責める。  
 
形容するなら、「濃すぎる責め」。タガが外れたり、丹念に慣らされていなければ、  
とてもとても感じるどころかくすぐったいだけで プレイにはならないだろう。  
しかし、この女は不幸にも「タガが外れて」 「丹念に慣らされて」いたのだ。  
 
更に男は自分の左足が空いていたのを思い出し、踵を膣に、残った肉は陰核だけを残して強く振動させだした。  
 
夏樹「ああ、あ、あ、あ、あ…ああ、あああああああ!!ぅん!あ、あああだめえ!!」  
男「イカせて欲しい?イカせて欲しいよね」  
夏樹「はい!イカせてほしいです!もう、はやくれんぞくでイカせてください!」  
男「じゃあ 足の裏を責められてどんな風に気持ち良いのか事細かに  
  声を精一杯出して実況しな!2回イケたら許してやるよ!」  
 
 
夏樹「お…おやゆびのはえるところが、かじられるとすごく…ああっ!くすぐったくてきもちいーです!!  
    いつもあるくところなのに、いじられるとからだがふわふわになります!  
    Gスポが…こすれるッ…!!なあぁっ!ご、ごめんなさい!  
    あしゆびがかゆいはずなのに おまたがきゅんきゅんってします!おデブさんにもっとひっかいてほしいです!  
    あし、の…つけね、も…ぐうう!!イグ!い゛っか゛い゛め゛イ゛ギま゛す゛!  
    イ゛ギま゛…イ゛ク゛!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああああああああああああああああああああああああ――――――」  
 
膣に踵で強い振動を加えられる度に、透明な液体と、白い液体とが混ざり合った状態で流し出され  
男の服と夏樹のお尻、そして太ももをべちゃべちゃに汚していく。  
総責めにあっている最中の左の足の裏はおろか、開放しているはずの右の足の指でさえ  
全て大きく開いたまま痙攣している。  
 
男「おもしれーな、この女」  
余韻を楽しもうとしている夏樹の足を、お構い無しといった感じに休んでいた手と口をわきわきと再開する。  
男「休んでいる余裕はねえ…ぞっ!」  
膣にあてがっている左足の親指で、人差し指を軸にしてパチン!と当てる。  
夏樹「うああ!!―――ッはあああッ!」  
宙に漂っていた夏樹の意識が、地べたに勢いよく引きずり落とされる。  
足に刷り込まれた快感の味が 自分が何をすべきなのかをフラッシュバックのように思い出していく。  
現実逃避していた夏樹の意識にこれでもかと言うほど叩きつけられ、  
泣きたくないという女特有の強さの象徴が目の前でぶち壊されてしまった。  
 
夏樹「う、うええぇ…うえええん…」  
男「泣く暇あるの?そんなんだったら君がセックスできなくなる体になるまでずっと続けるよ?」  
夏樹「やります、やりますからあ…な、夏樹は、あしのうらをひっかかれてイッてしまうへんたいです…  
    い、いまも、でんきあんまされても あしのいじめにもどっちもかんじてしまいます、  
    うぅっ!…いま、ゆびのあいだをせめられてキュンときてしまいました、  
    あ、あぁ…からだがあしからしびれて…」  
 
―――――――――――??  
 
夏樹「…………えっ!?なんでやめるの!?も、もっと……は、はい。つづけてほしいです!  
    夏樹があしどれいになるまでもっとせめてください! すきです!あしのうらをいじってくれるひとがだいすきです!  
    でんきあんましてくれるひとと けっこんしたいです!!  
    も…もういきそうです、いいですか!?夏樹のあし、もっとせめてください!  
    あしのことしか かんがえられなくなるまでもっと!もっと…う ぐあぁ、  
    あ、あいぶがぁ…あしがへん、なんかあしがへんになってきたよおおお!!  
    あし………………イクウッ!?」  
 
夏樹の左足が、物凄い勢いで痙攣し始めた。責める舐めるどころの話にならないほど、  
暴れる足を男は抑えるしか出来なかった。  
男「(よおおおおおお―――し!!調教成功だ!仕上げに掛かるか!)」  
男「おい!夏樹、とか言ったな?おまえ足で逝ったんだな?  
  ただくすぐられただけでイクような変態な夏樹になったんだな!?」  
 
夏樹「………………」  
ニヘラ、と妖しい笑みで夏樹は返した。  
男「成功だ…」  
 
夏樹の性癖に、新たな2ページ目が加えられた。  
 
男「約束どおり最期はイカせまくって帰してやる。  
  もう少しの辛抱だ、頑張れよ」  
夏樹「あし…あしのうら、やめないで」  
男「はいはい。」  
 
もう抵抗の気配すら見せない男と同じほどの汗をかいている夏樹の両足を掴み、  
男がお気に召した ハの字に持ち上げ、双方の足の裏を掴んでいる手でいじめ始めた。  
 
そして男自身の足を、夏樹の土手全体に押し当て、無茶苦茶に強く振動し始めた。  
 
夏樹「おおッ…!!おおおおっ!!」  
これだ。これが欲しくて堪らなかったんだ。  
夏樹はようやく待ち望んでいたことが達成され、先ほどの悔し涙とは違う 嬉し涙が溢れてきた。  
夏樹「いい!いいよぉ!!」  
男の足の振動に合わせ、夏樹自身も腰を男の足に擦り付け、一緒に動く。  
 
男「気持ち良い!?これがお前の望んでた物だよ!嬉しい!?」  
夏樹「うれしい!!うれしいです!きもちいいよおお!!」  
 
最後の力を振り絞って快感をむさぼる夏樹に 「御褒美」がやってきた様だ。  
 
夏樹「イクウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!イッッックウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!!!!!」  
 
ブシャァァァァァァ!ゴプッ…ゴプッ…  
 
3回目の潮吹き。尿を含めれば4回目である。  
 
軟体動物のようにくねくね動き回る体と同時に、  
ねっとりとした汗をお尻から、足から、腹から、胸や乳首から滝のように搾り出す。  
男「はい、もう一回いきましょーねー?なつきちゃん。」  
 
夏樹「んおおおおッ!またイクッ!は、げ、し、…イク!イクイクイク……イッ…!!」  
 
押さえている足からまたしても噴出した5回目の潮が、出した夏樹自身に降りかかる。  
陸に上げられた魚のようにピチピチ動く女の体に特殊な液体が振りかかる様を見ると、  
いやがおうにも興奮してしまうのは、男の性である。  
 
男「いままでよく我慢してくれたね。今までのストレスをこれで徹底的に搾り出してやるからな!」  
夏樹「はあっ――はあっ!!ま、た、――――――――」  
「んおおおおおおおおおおっ!!」と言う嬌声と共に6回目の潮吹き。  
 
ついに尿道がまともに締まらなくなり、尿を垂れ流しながら7回目。  
声を上げることが出来なくなり、白目を剥いて腰の間接の音を鳴らし、弓なりに硬直したまま8回目。  
それに面白がった男が その体勢のまま足で持ち上げる電気アンマを仕掛けてたまらず9回目。  
 
9回目の時点で、夏樹とのコミュニケーションは潮を噴出す膣だけになってしまった。  
男「ホラ、頑張れ!もうへばるのか?後一回だ!  
  出来るだけ耐えて一生の思い出のトラウマにするか 生きていけないほどの大好きな性癖にするんだ!!」  
 
ビクン、と僅かに夏樹の体は反応した。だが白目は剥いたままで意識は殆ど無い。  
 
男「お前、彼氏いるか?これを耐え切ったら好きなだけ彼に抱いてもらえるんだぞ!  
  勿論足舐めや電気アンマだって彼氏にお願いできる!」  
 
相変わらず勢いを弱めない男の足に覆われた夏樹の膣から、一瞬だけ透明なサラサラの愛液が流れ出てきた。  
 
男「お前は性癖を少ないまま青春を終えるのか?もっと色々試すべきじゃないのか!?  
  嫌悪感を示さず良い物は良いと受け止めるんだ!!」  
 
次第に夏樹の体が、動き(というよりは痙攣)を増して来た。  
全身にこびりついた粒状の汗が、プルプルと雫の様に床に落ちる。  
 
男「お前のされていることは気持ち良い。気持ち良いんだ。  
  クンニも足舐めも電気アンマも全部気持ち良い。相手なんて関係ない。  
  誰であっても気持ち良いことをしてくれるからお前にとって気持ち良いんだ。」  
 
きもちいい。  
 
気絶していたように見えた夏樹の口から、涎が一筋、二筋と量が増して来た。  
男はそれを見つけると、全力で電気アンマの勢いを強くする。  
 
グリ、グリ、グチュ、グチュ、ジュポッ、ジュポッ  
 
膣からの摩擦音が大きくなるに連れ、夏樹の口が涎で溢れ返り、ついにはアゴや鼻を覆うほどの口泡が出来てしまった。  
男「イけ!イクんだ!頑張れ!頑張れえええええええええ!!」  
 
押さえる足から上下に分かれる放射線。  
夏樹の膣から10回目の潮が吹くと、夏樹の意識は完全に途切れた。  
 
 
エピローグ  
 
 
とある家の一室。裸の男女が事に勤しんでいる。  
男「ぐああ!!あうっ、ううっ」  
女「ううううううううん!」  
女の中による強い締め付けで、男の性器から大量の精液が流し込まれる。  
 
男「ふううっ、はあっ。どうしたの、今日は…数日間何も連絡しないで突然」  
女「ちょっと、ね。愛を確かめたいのよ。」  
男「はあー、はー………はあ またなんか恋愛映画に影響?」  
女「いーえ やりたくなったんです。」  
男「まあ良いけどね。変な男にだけは引っかかるなよ?」  
女「…」  
女がいきなり沈黙し、カップルらしき男は心配そうに覗き込む。  
男「どうした?悩み、あるの?俺で良いなら話してくれないかな?」  
女「良いの?」  
 
良いの?って何が?と言いそうになった言葉を飲み込む男。  
男「お前がどんな奴に変わっても、俺は引いたりはしても時間をかけてでも受け入れようとするし、見放しもしないし。  
  やりたいことなら、俺よりセックス上手いやつに抱かれてもお前が望むなら構わないよ。  
  ただし、それでも俺を好んでくれるなら 俺は精一杯お前のやって欲しいことをするよ?」  
男「今言うのがいやなら、いつでも――」  
女「ユウちゃん………」  
掠れた声でユウと呼ばれる男に抱きつく女。「どうしたの?」と優しい声で頭をなでるユウ。  
わんわん泣き出した女を、落ち着いてくれるまでずっとずっとユウは抱きしめ続けた。  
 
女「あたし、もう体売るの辞める…」  
ユウ「そっか。分かったよ。ああいう仕事はもう関わらない方が良い。  
    辛いなら今日からずっと側にいるよ。うざったく感じるようになるまで居て上げる。」  
 
女とユウと呼ばれるカップルは、数時間ほど気の済むまで抱き合った。  
セックスもキスも何も無い、文字通りの抱き合い。  
 
女「あのね?」  
ユウ「うん。」  
女「近頃風俗の客に、秋葉系の男がいるらしくて…」  
ユウ「そいつ等が嫌なの?」  
女「そういうことじゃないよ。秋葉系の男の中に、凄く変態な奴がいて…」  
ユウ「そっか、そいつに当たっちゃったんだ。」  
女「後で聞いたら、気に入った女の子に凄く変な性癖を移してるんだって」  
ユウ「え?移してる?何を?」  
女「……電気アンマとか」  
ユウ「(な、なんじゃそりゃ)」  
ユウ「そっか。辛い目にあったんだな。俺はそいつと違って酷い事しないから、安心してね?」  
女「そうじゃない!」  
 
ユウから少し離れた女は、両足を自分で抱え、ユウの方へ広げて見せる。  
心なしか足先も真直ぐに立たせ、またユウの方へ見せ付けているように見える。  
 
ユウ「…夏樹?」  
夏樹「嫌だったら嫌って言ってくれても良い…ただ、ただちょっとだけ聞いて見たいの。  
    ユウはやってくれる?もう、普通のセックスじゃ我慢できない!」  
ユウ「お前、正気なのか?」  
夏樹と呼ばれた女は、罪悪感と羞恥心に目を涙で溢れさせる。  
 
夏樹「だ、だから…ユウだけで満ち足りたいの!もう風俗もセフレもこりごり。  
    変態な女になってごめんね…これでも、これでも好きでいてくれる?  
    もし、もしだよ?こんな自分を受け入れてくれるなら、ずっと、ずっと付いていくから!」  
 
この時ユウは、夏樹の心の穴を埋めるのに莫大な時間が掛かるだろうと直ぐに悟った。  
 
しかし、この二人が、周囲が見ていられないほどのラブラブカップルとして大成するのは  
それほど時間の掛からないことであった。  
 
「秋葉系の男」 完  
 

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