「火蓮さん、こっちって日付ってどうなってるんですか?」
「ん?ひづけ?12ヶ月あって、毎月30日あるよ?なんで?」
ああ、こっちは自分のトコと日付感覚一緒なんだな、とホッと一安心。
昔みたいに”睦月”とか、そういう小難しい言い方だったら覚えられないもんね。
「じゃ、今日は何日ですか?こっち来てから日付の感覚なくてわかんないんですよー」
「今日はねー、7月7日だよ。そろそろ日差しも強くなってきたから帽子かぶんなきゃだね〜っ」
しちがつ、なのか・・・・・・・・・・七夕様だ。
「あのね、火蓮さん」
言うと、火蓮さんに簡単にだけどアッチでの七夕様の事を話した。
「へぇ、面白い風習あったんだね〜、悠希の住んでたトコ。こっちには、その”ササ”っての無いけど
おっきい木に”タンザク”付けてお祈りする?」
はい、と返事して2人で短冊を書き出す。
2人だけでやってるのもアレだから、家にいる使用ネコさんとか、当然莉琥君とか蓮華様にも簡単に説明すると、
みんな面白がってそれぞれ短冊を書き出してくれた。
みんなが書き終わって集めた頃にはちょうど日も暮れ、星が瞬き始めていた。
アッチで言うならば『天の川』ぽい星の流れも見えるし、今夜はホントに綺麗な七夕様。
背の高いオスが梯子を持ってきて、木の上の方から色とりどりの短冊を飾って行ってくれる。
何人かでやってくれたから、庭の大木はすぐに短冊で彩られて綺麗になった。
部屋からそれを、火蓮さんと2人で窓から見てた。
「火蓮さんは、短冊に何を書いたんですか?」
「んふふー、ひみつっ!悠希こそ、何て書いたの?」
恥ずかしがる事じゃないんだけど・・・何となく顔が赤くなる。
「え、いや、あの、えっと・・・・『火蓮さんが元気でいますように、一緒に過ごしていけますように』って・・・」
言うと、火蓮さんが真っ赤になった。
「えー、あたしも同じ事書いたんだよ!『悠希が病気とか怪我しませんように』って!」
お互い、顔を見合わせて、一瞬黙る。その後、同時にフフフッって笑いあった。
自分、まだまだこのネコの世界に慣れない事だらけだけれど、火蓮さんがご主人様になってくれて良かったって思えた。
星はまだまだ綺麗に瞬いてる。明日もきっと晴れるだろう。