<<cool dancer in>>  
 
「うわっ、寒ッ!!」  
戸口を一歩出たところで、僕は寒さに震え上がった。  
室内でも夜はかなり冷えたけれど、外は昼間でもそれ以上の寒さ。  
太陽が高いのに一面の銀世界なのは、僕の住んでいた地方では考えられないことだった。  
「そっか。タクヤにとっては初めての外出なんだ」  
サクサクとひざ下まである雪を踏みしめながら、ご主人様……セラ様が言う。  
そういえば、昨日目が覚めてから全部同じ建物の中だったっけ。  
「タクヤの国と、どっちが寒い?」  
「ここのほうが、断然寒いです」  
へへへと笑いながら、跳ねるように辺りを駆けまわる。  
跳ねるのはセラ様が兎だからかな?  
軽快な足取りに合わせて、上に羽織ったポンチョが揺れて、セラ様の大きな茶色の耳も一緒に跳ねた。  
一瞬だけ、セラ様が冬の妖精に見えた気がした。  
「でも、これから冬になると、もっともっと寒くなるよ」  
マジですか。  
 
ナナさんから受け取った服を着込んで朝食をとった後、外に出てみようという話になった。  
曰く「セニア様にタクヤを紹介しておきたいと思うんです」ということらしい。  
セニア様……とはご主人様と同じ、この国のお姫様。この国には全部で13人の姫様がいるらしい。  
「でも、何とか記憶が定着してきて良かったね」  
セラ様が言う。実は“この国に13人の……”という知識はセラ様から教えてもらったのではない。  
昨日の夜……セラ様と“エッチ”した時に魔法で教えてもらった知識の中のひとかけらだった。  
いろいろと教えてもらったみたいだけど、実はいまいち内容を良く覚えていない。  
必要になったら思い出すものらしい。  
「魔法失敗してたら、今夜また、かけてあげようと思ってたの」  
とろんとした甘い口調で僕の傍に擦り寄り、僕の体をぎゅっと抱きしめるセラ様。  
「魔法成功していたら、今夜は気兼ねなく楽しめると思うの」  
「……どちらにしろ、今夜もするんですか」  
「うん」  
真っ赤になりながら頷くセラ様。  
「…………あの……タクヤがしたければ、今ここで……でもいいんですよ」  
熱のこもったセラ様の吐息に、今度は僕が真っ赤になる番だった。  
「いえ、その……」  
言いかけてハッとする。  
服の上から、セラ様の手が僕のモノを擦っていた。  
「ほら……硬くなってる…………タクヤの身体…………恥ずかしいよぉ」  
 
「あの、セラ様、ここだとみんなに見られちゃうので……その…………」  
「……………!! そ、そうですよね!!」  
はっと我に返るご主人様。  
「は、早く行かないと、セニア様の練習が終わっちゃいますよ」  
わたわたと僕の手を引っ張るセラ様。手の先まで真っ赤に熱い。  
と、僕の手を引くのを止め、何か考えにふけるセラ様。  
「タクヤ……いま、寒い?」  
「え? ええ……寒いですけど」  
先ほどと同じで、僕の体にセラ様はピトッと張り付いた。  
左腕を抱きかかえ、まるで仲の良い……恋人のように。  
「これなら暖かいでしょ? さ、早く行こ?」  
確かに暖かいけど……周りにいる皆の視線が痛いほど恥ずかしかったり。  
セラ様、ここ、野外だって憶えていますか?  
 
 
キーン…………。 キーン…………。 キーン…………。  
針葉樹の並木道をしばらく行くと、なにやら金属がぶつかり合っている音が響いてきた。  
まだ城の外に出ていない……ちょうど城の中庭の辺りから。  
「タクヤにも、もう聞こえてるかな?」  
「えっと、何の音ですか?」  
その問いには笑い声だけを残して、セラ様は前方に駆けていく。  
 
視界が急に開けた。  
前方に、踊りを踊る、二羽の兎がいた。  
片方は黒髪の兎、もう片方は白髪の兎。  
雪の舞台で、軽快なワルツを踊っている。  
 
いや、良く見ると、2人とも大きな剣を持っている。  
先ほどの金属音は、その大きな剣がぶつかり合う音だった。  
黒兎は黒い剣を、白兎……ナナさんは白い剣を持ち、それぞれ振るう。  
1.5メートルはあるかという、いささか大きすぎる剣が描く鋭い軌道と、  
2人の身体の描く柔かい軌道が、僕に踊っているように感じさせたのだった。  
 
 
「セニア様〜」  
そんなセラ様の声と共に、打ち合いが不意に止まってしまった。ちょっと残念。  
黒兎……セニア姫のもとに、セラ様が駆け寄っていく。  
「おっ、セラ。今日も綺麗だな」  
そんな、まるで二流ドラマで男の人が女の人に言うような、お決まりの台詞を言う。  
セラ様が真っ赤になったのが、セラ様の耳でわかった。  
そのまま、セニア様はその手でセラ様の顔を上向かせ、口付けを……。  
「セラ様!?」  
セニア様はセラ様を抱きしめながら、激しすぎる口付けを交わしていく。  
舌が絡み合っている姿が、傍目からでも判別できる。  
暫くすると、セラ様の身体から、ふっと力が抜けた。  
そのまま、セラ様を雪の上に横にして、再び口付けを交わす。  
セニア様の手は、セラ様の胸と秘部を服の上から擦り、セラ様の口からは  
「んんッ……やぁん、セニアさまぁ…………」  
という、明らかな嬌声が上がっていた。  
その声に気を良くしたのか、セラ様の服を荒く脱がしにかかるセニア様。  
無抵抗のセラ様。  
あまりの展開に、暫し呆然とする僕。  
そしてこの場にいるべきもう一羽の兎は、  
 
僕の直ぐ後ろに。  
「タクヤ、捕まえたッ!!」  
「うわっ!!」  
後ろからの突撃に耐え切れず、僕は地面に手と膝をつく……やばい。  
「んふふ〜〜〜さっきの続き〜〜〜〜」  
そのまま僕の腰を抱えるように、朝と同じように拘束されてしまう。  
右手はするすると身体の前にのび、手際良く僕のそれを露出させた。  
「はうっ!!」  
“ひやっと”どころじゃない、刺すような寒さを、僕は肌に感じる。  
「はふ〜。もう大きくなってるよ。タクヤえっちだなぁ」  
そのまま、その手で僕の竿を扱き始める。  
「ほら、セラ様を見てよ。あんなに感じてるよ? タクヤも感じてよ」  
その声に、思わず顔を上げて、前方でまぐわっているご主人様を見てしまう。  
「あぁん、そこッ、そこ気持ち良い……ひゃぁんッッ!!」  
セラ様のスカートの中に、セニア様の顔が入っている。  
影になって見えないが、セニア様は舌でセラ様のソコを愛撫しているのだろう。  
至極具合がいいのか、セラ様の腰が不規則に跳ねている。  
……僕、あんなに感じているセラ様、見たこと無いかもしれない。  
まだ全部で3回しか見てないけど。  
「ほら、こっちにも集中!!」  
ぎゅ。  
「ぐぁっ!!」  
手で竿を握り締められ、思わず声が出る。  
「あはは。また大きくなった。もうイっちゃうの?」  
更に動きが速くなる。  
そのスピードに僕のそれは耐え切れなくなり、  
「うっ!! で、出るッ!!」  
あっさりと、白い雪の上に白い軌跡が飛び散った。  
 
「ひゃぁぁぁぁあああんんッ!!!!」  
僕が達するのとほぼ同じくらいに、セラ様のほうも声が上がる。  
ここ、野外なのに。  
「んふふ〜。ヒトだと気づかないかもしれないけど、屋外でも屋内でも  
“聞こえる”ことには変わりないんだよ〜」  
つまり兎の耳を持ってすれば昨日のセラ様とのえっちも全て聞こえてたという訳ですか。  
泣いて良いですか?  
 
「で、セラ。今日は何の用だ?」  
ふと切り出すセニア様。  
まだ僕は息が整っていないのに、セラ様はすっと起き上がって身だしなみを整えている。  
兎と人では根本的に身体のつくりが違うのか。  
それともこの3人が異常なだけなのか。  
「あ、あの。新しい召使いを雇ったので」  
「ああ、さっきからナナに絡まれてたアレ……って…………」  
 
初めてセニア様が僕の顔を見る。  
その顔は、みるみるうちに驚きに包まれていった。  
「お、おまえ……生きて…………」  
 
 
 
 
 
 
「ヒト違いか」  
おい!!  
 
<<cool dancer continue>>  
 
 
<<interrupt in>>  
 
王族専用の食間で、二羽の兎が遅い朝食を取っている。  
後ろに控える兎の召使の数が、二羽が如何ほどの地位にいる者かを物語っていた。  
「今年のフレイムベリーはこれで終わりか。そろそろスノーベリーが美味しくなるころじゃのう」  
二羽の容姿は非常に似通っている。雪のような白い髪と肌、そして真っ白の長耳。  
背丈と髪型で辛うじて見分けがつく程度。  
その、背が低くウェーブがかかった髪の方の兎が、皿の上に彩られた赤い果実をスプーンで転がしながら言った。  
「母上はスノーベリーの方が好きだったかの?」  
頬杖をつきながら、柔らかく微笑んで真向かいの兎を見る。  
マナーに反する筈の行為も、これほどまでに上品に仕立て上げられると文句も言えない。  
というか、背が(もう一方に比べ)高くストレートの髪の方の兎は、実は先ほどから何も話していなかった。  
それにはちょっとした訳がある。  
「母上…………。食事中に寝る癖、何とかならぬのか?」  
 
その瞬間、虚ろ虚ろしていた頭が一瞬、大きくガクッと揺れた。  
「あ………え!? あ、あれ!?」  
きょろきょろと周りを見回す兎。まだ何が起きているのか分かっていない。  
くす。  
後ろの召使の誰かが小さく笑った。  
本当なら処罰モノだが、これくらいで罰を与えるような小物はこの場には居ない。  
「母上……。仮にもこの国の女王なのだから、もう少し威厳のある振る舞いをしたらどうじゃ」  
自分も小さく笑いながら、冗談混じりに言う。  
何年も同じことを言い続けているのに。改善できないのは既に個性の一部だということなのか。  
「ご、ごめんねフェイちゃん。お母さんまた寝ちゃってたね」  
一体どこの庶民の出なのか。これで有名なアリアンロッド家の血を引いているとはとても思えない。  
まあ、言わせてもらえば威厳の有る無しなど特に問題にはならないのだが。  
 
「しかし……。それほど休息が必要な魔法なら、いっその事止めれば良いものを」  
「だって〜。それが無いとお母さんの研究が無駄になっちゃうのよ」  
ぷ〜っと頬を膨らませて抗議する女王様。上向きのフォークに刺さったサラダが揺れる。  
研究か……。ふと義妹のことが頭をよぎった。  
「言ってなかったと思ったが、セラがまたヒトを落としてしまったようだな」  
「ふ〜ん。セラちゃんもヤるわねぇ」  
あまり興味ないのか、もきゅもきゅとスープを飲んでいたり。  
「そういえば、母上はヒト召使を雇わないのは何故じゃ?」  
「だって、違う動物とヤるのって、嫌じゃない?」  
「またいらぬ偏見を。一度入れれば変わりないじゃろ」  
「だって〜」  
フレイムベリーを一粒、口の中に入れる。  
甘酸っぱい味が、口の中いっぱいに広がっていった。  
「それに、ヒトを雇わないのは奴が忘れられないからじゃろ?」  
うっ! という声がハッキリと聞こえてきた。兎は他の種族に劣らず耳が良い。  
「だ、だって〜」  
拗ねたようにテーブルに伏せる女王様。  
「次期女王となる姫の召使に手を出した上、あろうことがその味を忘れられないなど」  
「ご、ごめんなさ〜い」  
まったく。コレではどちらが母親か分からないではないか。  
いや、これで女王というのがそもそも間違っているのか?  
 
「まあ、寂しいというのならば、わらわが何時でも相手してやるがの」  
「え?良いの?フェイちゃん上手だから嬉しいんだけど」  
万歳して喜ぶ母こと女王様。  
それほど喜ぶことでもないような気がするが。  
「ならば、今日中に仕上げなければならない仕事を早めに終わらせなければの」  
食べ終わり、一足先に席を立った。  
「ちょ……フェイちゃん、まって〜」  
「それはわらわの台詞じゃな。いきなり押し倒されたらかなわんよ」  
笑いながら、食堂を後にした。  
 
 
 
「そういえば、何故このシーンが追加されたのじゃ?」  
「だって……コレを逃すと出番がしばらくないんだもん」  
「まあ、作者の気が変わるのを待つしかないの」  
「脇役って辛いわよね〜」  
 
<<interrupt out>>  
 
 
<<cool dancer resume>>  
 
「なあ、コイツ貸してくれねーか? っていうか一発犯らせろ」  
「あ、あう……だめ〜」  
「…………あの〜、2人とも、もうちょっと離れてくれ……るわけないか。ぜんぜん僕の話聞いてないし……」  
右と左でワイワイ騒ぐ兎2羽を前に、僕は半ば諦めモードで青空を仰いだ。  
なんで兎はエッチに関する話題だとこんなに盛り上がるんだろうとか……とりあえず考えないことにして。  
 
あれから……僕とセラ様がそろって押し倒された後、セラ様はナナさんに何かお使いを頼んだようで、  
ナナさんはどこかに出かけていった。  
その結果、剣の練習相手が居なくなったセニア様は……ここぞとばかりに僕を押し倒し、  
「それはダメ〜」とセラ様にも押し倒され、さすがに融けはじめてきた雪が冷たいので、  
中庭のベンチの上で、2人から抱きしめられてモフモフと……なんだこの展開。  
しかも、さっきから道を通るメイド(?)みたいな格好の兎が、僕たちのほうをチラチラと見ていて……。  
「あ、あの……みんな見てますから、離れてほしい……」  
「なんだ。お前大衆の目の前で犯されると感じるのか。実を言うと俺もだ。奇遇だな」  
あー何となくもうどうでも良いや。今このときを楽しめるよう努力しとこうっと。  
ところでセラ様、なぜに真っ赤な顔してうつむいてますか? もしかしてセラ様もですか……。  
 
「まあ、セックスはともかく、ナナが出かけたんだから、剣の相手ぐらいにはなってもらうからな。  
いいよな? セラ」  
「え……? うん。それくらいなら」  
「よし。決定」  
ぐいと腕を引っ張り僕を立たせるセニア様。二人して勝手に決めないで……っていうか、  
「もしかして、さっきみたいな凄い打ち合いを……?」  
「安心しろ。落ちてきたばかりだとどうせ剣にも触れたことないだろーし、そこまでは期待しねーよ」  
そう言って、先ほどナナさんが振り回していた長剣を僕に押し付けてきた。  
 
 
「うわ。すご……ッ」  
剣を覆う布を取り除くと、光を反射しない黒塗りの刃があらわになった。  
長さの割に細い剣身。特徴的なのは、白色の幾何学模様がビッシリと刻み込まれていることと、  
先端から根元のほうまで切れ込みが入っていて、刃の部分がちょうど2つに分かれていることで……  
……この形、どこかで見たことあるような。  
「そんなにおっかなびっくり眺めなくても、その剣切れねーから安心しな」  
え? 剣なのに切れない?  
 
セニア様は、自分の剣と僕が持っている剣を交互に見ながら言う。  
「ああ、この2本の剣はセラが造った物でな、セラみたいな臆病者が他者を傷つけられるモノを作れると思うか?」  
「あ、あの、ベースを作ったのがフェイ様で、私はその上に魔法式を描いただけで……」  
セニア様の褒めているんだか褒めてないんだか分からない言葉に、セラ様が顔を赤くしながら俯いた。  
「ははは。ま、どちらにしろ他者を傷つける行為は大罪だからな。  
こいつらは剣というより楽器と言ったほうが近いんだ」  
身体をほぐすステップを2回、セニア様は自分の白剣を正面に構えた。  
僕が今もっている剣とは正反対の、真っ白な刃が僕に向けられる。  
「百聞は一見になんとやら。痛くはしないから、とりあえずお前も構えろや」  
「えと、はい」  
僕も黒剣を……見よう見まねで構えてみる。  
正直、今まで剣道なんか一度も習ったことないけど。  
「なんか変な構えだが……。まあいいや、その剣を死んでも離すんじゃねーぞ」  
 
ザッ……と雪を蹴る音。  
白い雪の中、セニア様の黒い髪が僕の目の前に迫り、一瞬のうちに白い剣が僕の頭を捕らえていた。  
「う、うわぁぁぁぁ…………!?」  
 
キー−−−−−…………ン…………!!  
 
「……!?」  
振り下ろされた鉄の塊に怯み、思わず目を瞑ってしまった。  
けど、予想していた衝撃は何時まで経ってもやって来ないで、  
代わりに響いた金属音に、不思議に思って恐る恐る目を開いてみると……、  
僕の両手に握られた剣が、セニア様の剣を止めていた。  
「なんだ、問題ねーな………ッッ!!」  
セニア様が不適に笑う次の瞬間、セニア様の身体がくるりと回転した。  
「!? う、うわッッ!!」  
その勢いを殺さずに、再び剣が迫ってくる。  
しかし、先ほどと同じように、勝手に僕の両手が動き、剣が剣の軌道を塞ぐ。  
いや、僕が持っている“剣が勝手に”動いた!?  
「おもしれーだろ?」  
セニア様がにやりと笑った。  
「この剣は、持ち主を最低限守ってくれるんだ。まあ、剣の腕が上手ければ何もしないんだが、  
お前みたいに慣れてないヤツは……な。魔法をかけたセラに感謝せーよ」  
「あッ、あのッ、喋るか剣を振るかどっちかに………うわッ!」  
 
セニア様が語る間も、剣の応酬が止まる事はなく、僕はそれを防ぐのに精一杯で。  
剣が動くとは言っても、実際動くのは僕の身体だし、剣を止めたときの衝撃もやっぱり僕に来るし……  
「タクヤ〜〜!! がんばれ〜〜〜!!」  
端から眺めているセラ様から声援が飛ぶ。けどセラ様、僕ちょっと駄目かも。  
 
キーン。キーン。キーーーーン。  
周期的に金属音が鳴り響く。  
いつのまにかセニア様の動きは、さっき見せてもらったような滑らかで大胆な『踊り』へと変わっていた。  
全ての動きが水のように繋がり、全く無駄がない。  
一方僕のほうは、そのステップに着いていくのがやっとで。  
……ヤバ。衝撃で手が痺れてきた。  
「ふっふっふっ。結構良い動きをするじゃねーか」  
満足そうに笑うセニア様。その笑みに何か嫌なものを感じる僕。  
「あ、ちょ……セニア様、今遮音の魔法をかけますから、待って……ッ」  
セラ様が慌てて立ち上がる。  
ただならぬモノを感じ、僕は一歩後ろに下がった。  
「逃がさんッッ!!」  
セニア様はさらに踏み込み、今までよりも鋭く剣を振り下ろした。  
僕も、さっきまでそうしたように、剣を振り上げてそれを受け止めようとした。  
 
……ああ、そっか。この剣の形、『おんさ』に似ているんだ。  
 
キ …………………………………………………………………… ン …………………………………ッッッ!!!!  
「っ     ぁ      ぅ     」  
 
至近から発生した激音に、僕の身体が、頭が揺さぶられていく。  
ジェット機の近くなんて目じゃないくらいの大音量が僕の耳を貫いていって、  
そして僕の意識は……。  
 
 
 
 
 
「ふっふっふっ。どうだすごい音だろ…………って、見事に目回して気絶してやがる」  
「さ、さすがに共振点を叩きつけたら、気絶するくらい大きな音だって出ますよ。  
遮音の魔法が間に合ってなかったら、ものすごい近所迷惑でしたよぅ」  
「わ、わりぃ。でも……………………コレでおかずが1コ増えただろ?」  
「!? あ……………ぁぅ………………。セニア様のエッチ………………………………」  
 
<<cool dancer continue>>  
 
 
<<interrupt in>>  
 
気づいたら、僕は白い世界の中を歩いていた。  
白といっても光っているわけではなく、例えるなら雲の中のような、  
霧がかかっているような掴み所の無い空間。  
そういえば、微妙に違うけれど、確かこの世界に落ちてきた時に見た夢の中も、  
こんな雰囲気だったっけ……。  
「ということは、ここも夢の中?」  
そう呟いた瞬間、急に視界が広がった。  
 
 
「あんっ!! はぁぁんっ!! ふ、フェイちゃん、そこイイっ!! そこズコズコしてぇッッ!!」  
霧が晴れた先は豪華な装飾の部屋の中だった。  
その部屋の真ん中、とても大きなベッドの上で、二羽のメス兎が交わっている。  
片方の兎は黒い革のパンツをつけていて、そこから張り出した、男の人のそれに見立てた  
黒く太い棒が、もう片方の兎に出入りしている。  
「母上ッ!! 今日はココか!? ココがイイのじゃな!?」  
背後から腰を動かしたまま、犯しているほうの兎が問いかけた。  
……って“母上”!? もしかしなくても母娘!?  
「う、うん、ソコっ!! あッ、あはッ、激し……っ?」  
犯されているほうの兎は、後方に両手を引かれ上半身を浮かせたまま、  
だらしなく涎を垂らしてよがり狂っている。  
ストレートの白髪と、豊かな胸が、突かれる度に揺れていた。  
こういうのを性交というのか。  
互いが互いを貪り合っているようにも見える。  
「ふッ…あふっ……。母上、後がつかえているようじゃ。とりあえずイってしまえ」  
スピードが更に上がり、結合部分から押し出された愛液が二羽の足つたいに滑り落ちていく。  
途端、力の均衡が崩れた。  
 
「や、は、嬉し、ぁふ!! ふ、フェイちゃ……あはぁぁぁぁんん……んんんッッ!!」  
ビクビクと身体を痙攣させ、全身で絶頂を迎える。  
耳がピンと立ち、恍惚の表情を浮かべたまま、その身体はベッドへと崩れていった。  
そのまま動かなくなる。見れば、あまりの快感に気絶しているようだった。  
「ふふふ……気持ち良かったようじゃな?」  
ゆっくりと、黒塗りの棒を女体から引き抜いていく。  
最後、それは未練がましい恥音をたてて、入り口から離れていった。  
 
「さて、次はおぬしの番じゃな?」  
犯していた方の兎が、いきなりこっちを向き、そしてぱちんと指を鳴らした。  
途端、あたりがフラッシュし……次の瞬間、僕はベッドの上に移動していた。  
つまり彼女の目の前に、しかもなぜかハダカで。  
「う、うわっ!! 何で僕ハダカっ!?」  
しかし、彼女は僕の慌てぶりを気にも留めず、例の張り型付きのパンツを脱いでいた。  
張り型は外側だけでなく内側に向かっても生えていたようで、抜き取る瞬間、彼女の顔が快感に歪んだ。  
「何故かと問われた場合、適切な答えは“ここはわらわの夢の中だから”じゃな。  
逆に問うが、何故おぬしはここに居るのじゃ?」  
ゆっくりとにじり寄りながら。  
僕は反対方向へ逃げようとするが……身体はなぜかピクリとも動かなかった。  
「まあ、聞いたところで魔法の知識の無いおぬしでは答えられないじゃろうな。  
大方、昼寝でもしていたときにたまたま同調して引きずり込まれたか……あとで調べる必要があるのう」  
仰向けになる僕の直ぐ上に密着する兎、セラ様よりも一回り小さな身体は、  
しかし成熟したメスのフェロモンを発していた。  
「そうそう、抵抗は無駄じゃ。ここではあらゆる事は意外とわらわの思い通りになるからの」  
そのまま僕のそれを手で掴みあてがい、そしてゆっくりと、幼いスリットで僕のものを飲み込んできた。  
「んんッ……セラに内緒で味わうイチゴもなかなか」  
騎乗の格好で、ごくゆっくりと上下に揺すられる。  
フェイ様の中は温かくてキツくて、セラ様とは違う感触だけどこっちも気持ち良い!?  
 
「ふふふ、良い表情をする。セラがここに居たら嫉妬されてしまうかのう。  
まあ、そのときにはセラもまとめて狂わせてやるのがわらわの流儀じゃが」  
単調に抜き差ししているように見えて、一突きごとに角度と速度が微妙に変化している。  
自分が気持ち良い点じゃなくて、僕が気持ち良いポイントを探っているような、そんな動き。  
「ふ。気持ち良くなってきたのは分かるが、おぬしはセラの奴隷。  
おぬしが一番感じなければならないのは他でも無く、セラであるまいて」  
「ッ……思い出した。貴方がモルガンルフェイ様で…………はううッッッ!!」  
途端、きゅっと締め付け上げられる感触に、思わず声が出てしまった。  
「ん……なんじゃ。セラから紹介は済んどるのかえ。ともかく“フェイ様”で結構じゃ」  
そして、そばで気絶している兎が、この国の女王、アナヒータ様……  
 
 
「ゆ、ユウちゃん!?    ……って、ヒト違いか……」  
突然上がった声に思わず振り向くと、目が覚めた女王様が僕のほうを見つめていた。  
「ごめんなさい、知人と間違えてしまって……。フェイちゃん、このヒトが今朝言っていた方?」  
「ああ、そうじゃ」  
違う、そうじゃなくて、  
「あ、あの、“ヒト違い”って、つまり僕の他にもヒトが居るんですか?  
そういえばセニア様も僕を見て驚いていましたけど……」  
 
沈黙があたりを支配する。フェイ様の動きも止まっていた。  
「……正確には“居た”じゃな。おぬしと同じヒト召使いが。  
しかし、もう何年も前に奴は死んだ。セラとナナがこの城に来る前じゃったかの……」  
フェイ様は……寂しげな顔で呟いた。女王様も同じ表情で。  
「ご、ごめんなさい……」  
「いや、おぬしが謝る事ではない。しかし、こちらの事情でこの事は秘密なのじゃ。  
おぬしには念のためこの夢の中での出来事は忘れてもらおう」  
ゆっくりと腰を抜き出し、フェイ様は立ち上がった。  
それと同時に、僕の身体の自由も戻ってくる。  
「辛気臭くなった。仕切りなおしじゃ。母上、もうお預けは良いぞ」  
「……へ?」  
 
「あ、あぁぁぁぁぅぅぁぁん!! やっぱり生はイイよおッ!!」  
僕にまたがり、物凄い勢いで腰を振りたてる女王様。  
動くたびに僕のモノが愛液を撒き散らしながら出たり入ったりするのが見える。  
「前だけが良いのかえ? ならば後ろは止めるがどうする母上?」  
「あ、ダメぇッ!! 後ろ!! 後ろもイイのッ!! 中でゴリゴリ擦ってるのおっ!!」  
よだれを撒き散らしながら被りを振る女王様の動きで、  
しっかりとした作りのはずのベッドがギシギシと音を立てて揺れている。  
「はぁはぁ……んっ。他人の善がり声を聞くのは良いのう。母上、もっとイヤラシイ声を聞かせておくれ」  
僕から見ると女王様の向こう、フェイ様はさっきの張り型で女王様の後ろの穴を犯していた。  
そのフェイ様の白く細い腕が前に伸ばされ、女王様の大きなムネを揉み上げていく。  
「ああ、あぁあん。も、もっと、もっと強くッ!! もっと痛くしてぇッッ!!」  
女王様の胸が形を自在に変え、そのたびに膣内がキュッと絞られる。  
食べられていた。間違いなく、僕の肉は草食のはずの兎に食べられていた。  
「ひゃあぁぁあぁん!! お、お○んちんが中で、中で動いてえッッ!!」  
「ああッ!! アナ様ッッ!!」  
快感を得るためか快感から逃れるためか、あるいはフェイ様の計らいか、  
勝手に動き出した僕の腰を僕自身が止められず、僕は思わず叫んだ。  
僕が女王様の前に突き入れるたびに、女王様の壁と僕の竿がコスられ、強烈な摩擦熱が棒全体を焦がしている。  
引き抜くたびに、女王様の肉が僕を惜しむかのように包み込み、膣内に再び引きずり込もうと引っ張る。  
さらに、僕に纏わりつく肉までが僕のソレをマッサージし始め、  
下から上へ、下から上へとミルクを搾り出すように……  
「あッ!! アナ様ッ!! 出ま…………ッッッ!!」  
「ふぁっ!! 熱ッ!! すごく染みるうッ!!」  
一足先に、僕は限界を迎えた。  
 
しかし僕のものは、まだ女王様の中で硬くなったまま。  
「言ったじゃろう? 意外と何でもできると」  
女王様を犯すのを止め、後ろから張り型を引き抜いたフェイ様が呟いた。  
それと同時に、女王様が僕をくわえ込んだまま僕の身体に抱きつき、そのまま身体を半回転させる。  
天地が逆転する感覚の後、上下が入れ替わり僕がアナ様を犯す格好となる。  
「ひゃあんッッ!! あぁあん!! 私、ヒトに犯されてえッ!!」  
「ほれ、もっと腰を動かすのじゃ。そんな動きでは兎一羽イかせられないぞ?」  
フェイ様が僕の腰を後ろから両手で掴み、僕を強引に前後させていく。  
ストロークがより深くなり、僕の先端が女王様の際奥に打ち当るたび、女王様が歓喜の歌声を上げる。  
「あん!! んぁん!! ああ゛あぁあん!!」  
「ああ、いい声じゃ。……しかし、一羽だけの声ではちと寂しいのう」  
言って、フェイ様が僕の腰を止めた。いや押さえた。  
そして僕の尻にあたる硬い感触……  
鳥肌が立った。  
「ふ、フェイ様!! そ、そこはダメっ!!」  
必死にその恐怖から逃げようと身体を揺り動かす。  
女の子一人の力で押さえつけられているなら、僕の力でも十分逃げられるはず。  
「んふふ。逃がさない。君もキモチヨクなるのよ」  
しかし、女王様が僕に抱きついてきて、僕の動きを束縛してくる。  
「さ、フェイちゃん。挿れてあげて。新しい世界を感じさせてあげて」  
「ほれタクヤ。力を抜かないと反って痛いぞ。まあ痛みは一瞬、その後は最高の快楽が楽しめるがのぅ」  
そう言って、フェイ様はそれを僕の菊門に押し付けた。  
「やだやだ!! 止めてフェイ様!! 助けてご主人さまーーーーーー!!」  
「一気に逝くぞ。女となったおぬしの声、わらわに存分に聞かせてもらおう」  
一瞬の後、フェイ様の張り型が嫌な音を立てて僕の中に突き込まれる。  
最初は亀頭、入り口をこじ開けカリが擦られる。  
太い竿が根元まで、めりめりと肉を掻き分けて僕の中に侵入してくる!!  
「痛いッッ!! 止めてッッ!! ヤメテーーーーーーーーーーッッッ!!」  
 
<<interrupt out>>  
 
 
<<cool dancer resume>>  
 
「ヤメテーーーーーーーーーーッッッ!!   ……って、あれ?」  
飛び起きる。汗で身体が濡れていた。  
しかし痛みは感じない。それどころかちゃんと服を着ている。  
……ちょっとまった、僕いつ服を脱いだんだっけ……。  
「てめぇ……せっかく俺が膝枕してやってたのに“止めて”は無いだろボケ」  
「え? え? え?」  
僕の直ぐ脇にはなぜか半ギレ状態のセニア様、そして直ぐ近くにセラ様が居る。  
見渡せば、ここは城の中庭だった。  
「え、え〜と、大きな音がしてから……」  
「大きな音に驚いて気絶して、疲れていたのかそのまま寝てしまったんです。  
それよりも、ひどくうなされていたようですけど大丈夫ですか? 怖い夢でも見たんですか?」  
ひどく心配そうにセラ様が言う。 ……夢?  
「…………う〜ん。……どんな夢見てたのか、ぜんぜん憶えてない」  
霧がかかったようにさっぱりと。  
セラ様がほっと息を吐いた。  
 
「んじゃ、約束どおり御前の身体を戴くとするか」  
……セニア様、ちょっと待った。  
「そりゃ、セラが“疲れて寝ているんだからそっとしておかなくちゃ”って言うからさ。  
俺だって兎の子だぜ。さすがに悪いと思ったから起きるまで待ってたんだぜ」  
「あ、あの……嫌なら止めておきます…………」  
ってか2人とも持たれかかって来ないで。  
 
「2人とも……えと、さっきからじろじろ見られてるから、本当に離れたほうが……」  
そう、さっきから道行くメイドさんたちが、そろってこっちを向いている。  
じっとこっちを眺めているけど、僕と目が合うと恥かしそうに目をそらして……。  
「あ、大丈夫。奴らは“俺ら”じゃなくて“お前1人”を見ているんだから」  
「え?」  
「え〜と……この城って、実は男の兎って凄く少ないんです。だからみんな溜まってて……」  
つまりナニ? 僕さっきから視姦されていたってわけ?  
「だから心配するな。んじゃ早速」  
「ちょっと待ったセニア様! あ、あの、せめてみんなが見てないところで……」  
「大丈夫だボウズ。その恥虐もいずれ快感となる」  
はははと笑い飛ばすセニア様。  
ごめんなさい。マジ勘弁して……。  
 
「ただいま〜」  
と、そこでナナさんが帰ってきた。  
「遅くなってごめん。ということでハイ、頼まれてた銀時計。買って来たよ」  
と、ぽんと僕の手のひらに乗せられる懐中時計。  
銀色に光る装飾が、シンプルなデザインながらも誇らしげに主張していた。  
「え? これを僕に?」  
「はい。今朝時刻が分からなくて不便そうでしたから……プレゼントです」  
「うわ〜。ありがとうございます」  
「というわけで、エッチなことするんだったらボクも混ぜてね」  
「あ、あの、タクヤもああ言っている事ですし、私の部屋に場所を移して……」  
「よし。決定」  
ひょいと、僕はセニア様に抱え上げられる。  
「お前本当に幸せだな。こんな美兎3羽に囲まれて」  
……いい加減本気で覚悟を決めなければならないのかもしれない、僕はそう思った。  
 
……。  
………。  
…………。  
 
「見事に逃げられたのぅ。さすがに目を覚められてしまったらどうしようもない」  
夢から覚めてしまったら、もちろん夢の中からは消える。  
張り型を先ほどまでタクヤが居た場所に突き出し、フェイ様が残念そうに呟いた。  
女王様のほうといえば……ふと真剣な顔つきをしている。  
「フェイちゃん…………1つだけ聞いて良い?」  
「なんじゃ母上。そんな改まって」  
ゆっくりと目を閉じる女王様。まぶたの裏には先ほどの人召使いの姿が浮かんでいた。  
「ねえ、さっきのヒト“本当にヒトだったの?”」  
その言葉から微妙なニュアンスを感じ取り、不敵な笑みを浮かべるフェイ様。  
「ふむ。その言葉では、タクヤがヒトに見えなかった、そういう意味になってしまうが」  
女王様は何も答えない。フェイ様も何も言わない。  
そして両者の間に暫しの沈黙が訪れた。  
「……ヒトじゃよ。タクヤは正真正銘のヒトじゃ」  
ふふ、と微笑み、フェイ様は切り替えした。  
しかし、女王様の表情は依然崩れない。  
「フェイちゃん……何か困ったことが起きたら、お母さんに真っ先に相談するのよ」  
「ああ。分かっておる。母上は頼りになるからの」  
その言葉を聴いて、やっと女王様の顔がいつもの優しそうなそれに戻った。  
「じゃあ、さっきの続き。お母さんまだイってないのよ」  
「そうじゃな。母上の気が済むまで付き合うとするか」  
そう言って、再び張り型を女王様の体に沈めていく。  
「(困ったことが起きたから、今朝相談したんじゃが……。ま、急を要することではないか)」  
あまり重要には思えないその言葉を、フェイ様は心の中に留めておくことにする。  
その夢の中には、女王様の喘ぎ声が暫くの間こだましていた。  
 
<<cool dancer out>>  
 

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