「ぅ……あっ……あぁぅっ……ん……」
産み落とした触手クリーチャーの幼体が、再び火照った体に吸い付いてきた。
既に黒い快感に溶かされきっているアリッサの体は、それを拒絶することもできない。
数回に渡ってイかされててもなお、その勢いは留まる所を知らなかった。
「くっ…ふぅん………! ん、あぁぁっ!?」
全身に絡み付いてくるクリーチャー達を引き摺りながら、どうにか所長用の物であろう机まで辿り着く。
その間にも秘部への侵食は続き、彼女が通った後に愛液の尾が引いた。
椅子にしがみ付き、快感に震えながら産み付けられた幼体を吐き出していく。
(止まら、な…ぃ………!)
足腰はもう立たない。縋るような格好で椅子に留まっている彼女は、背後から近づいてくる気配に気づかなかった。
不意に髪を掴まれ、吊り上げられる。
力なく吊られたアリッサが視線をずらすと、そこには誰もいなかった。
いや、いるのだ。この感じは……よく覚えていた。
『ヒュヒュ……お楽しみジャないカ……エェ?』
「ずっと見てたって、わけ……ね……。んっ!」
そう言って姿を現したカメレオン男の右手が、乳房をまさぐっていた。
もう片方の腕は、万力のような力でアリッサの髪を掴んで離さない。
「やめろ……こ、のぉ……っ」
口で抵抗してみせても、未だ触手達の責めを受けている体は、どうしても反応してしまう。
多少強引であっても、アリッサはヒトの形をしたものに愛撫されることに喜びを感じていた。
『ヒュヒュ? ドウシタ? もっと暴れてみせロ……』
「お願い……もう、やめてぇ……お願いだから……」
哀願の言葉を繰り返すだけのアリッサに飽きたのか、男は彼女を机に押し付けた。
うつ伏せになって小さく震える彼女の体を、じっくりと眺めてから、おもむろにドレスの裾を捲り上げる。
「な、なに……?」
『アソコは触手ドモの好きにされてるようだナ……。なら……』
シュル、と小気味いい音を立てて舌が伸びる。
それはアリッサの腰、胸を絡めて口の中へと入り込んだ。
「ンンッ!? ン――!」
『ググ……ヒヒュ……ヒュゥゥッ!』
白い肌の上を蠕動する舌。その先端はアリッサの舌を捉えて玩ぶ。
必死でもがいてみるものの、下半身は触手に、上半身は恐ろしく強い男の腕力で押さえつけられ、身動きすらとれない。
「ンン―ッ! ング……ンンンッ……」
声にならない悲鳴が所長室を満たす。
それに反応したのか、触手達は一層激しく彼女を責め立てた。
『ヒュゥ……カカカカカッ』
「ングッ!?」
先ほどまで胸を揉みしだいていた手が、いつの間にか尻に伸びていた。
あっさり舌を引き抜き、ペタペタと頬を撫でる。
「かはっ……あ…ぁ……だめ、そこは……」
『そうは言ってもナ。前が空いてないんダ……。こっちでさせてもらうゾ……!』
ヒトのそれよりも二回りは大きい指がアナルを貫く。
ぐるりと中を掻き回した後、二本目を捻じ込んできた。
「ああッ―――!? あひぃ……ぁぁぁぁぁっ!」
『ヒュヒュヒュヒュ! いい声で鳴くナァ……』
ゴリゴリと乱暴にほぐしていく度に、アリッサの体が跳ねる。
「は…あぁ……ぁ…あ……ああ……」
『ヒュ……本番ハこれからダ……』
腸液が糸を引く狭い門を、人間のソレより長く太い生殖器が突き破った。
華奢な体を押さえつけたまま、後ろからの体位で突き上げていく。
「ひぁっ……ああああぁぁぁぁっ! き、キッツ…ぅ……!」
触手の物量と人外の力に耐え切れなかったのか。
けたたましい音を立てて机の脚が折れ、収められていた物が散乱した。
『チ……』
「ひ……いやぁぁぁっ!」
男は宙ぶらりんになったアリッサを床に強引に引き倒し、続きだと言わんばかりにアナルを責める。
水を差されたことで気が立っているのか、陵辱は一層激しくなっていった。
「やだ……も…イさない……で…ぇ…」
『たまらないナ……ぐ、ヒュ……ヒュゥ!』
男は、熟れきる前の青い肢体を楽しんでいた。
自然に、ストロークが早まる。それを悟ったのか、触手達の動きも活発になる。
彼は……生を実感していた。この若い人間の女と交わることで、自分のかつての姿を幻視していたのだ。
『サァ……イくゾ……ひゅ、ヒュヒュゥ……! ゥゥッ!!』
「はっ……ぁ……あっ……あっぁっあっ、――― ああッ!」
白濁が流れ込む。肉壷に収まり切らないそれは溢れ出し、床に粘着質な染みを作った。
見開かれたアリッサの目から落ちた涙も、わずかに床を濡らす。
脱力した男が彼女を解き放った後も、触手たちだけは本能のままに暴れ続けていた……。
「―― は……ぁ…。ぁ……ァ…」
まっしろだった。
あたまのなかも、めのまえも。
まだ、なかでうごいてる。きもちわるい。
だけど、きもち……いい。
なにかを、つかんだ。
てになじむ感触。拳銃のグリップだ。
机の持ち主の物だろうか。口径は、残弾は―――。
どうでもいい事が頭をよぎった。
残念ながら。この体はまだ、壊れてはいないらしい。
……そうだ。
今度は私のモノを奴の口の中に捻じ込んでやろう。
一瞬で十分だ。難しいことなんて、何も無い。
身を捩り、右手を伸ばした。
牙が鈍い音を立てて折れ、歪み、銃身が食い込んだ。
「……今度は、外さない―――!」
何が起きたのか分からない。鱗塗れの顔がそう言っていた。
僅かに遅れて、その歪な顎が右腕を捉える。が、もう遅い。
彼女のイメージ通り、寸分狂わぬ正確な動作で、撃鉄は落ちた。