佐藤美容整形外科。  
ユメミは何度も手帳にメモした住所と照らし合わせて、さらに何分か逡巡して、それからようやく、院内に入った。  
 
「クリトリスを…ですか」  
高間ヒロミと名乗った担当医が、問診票を片手に、困ったように首をかしげた。  
「はい」  
ここまで来たら、目的を遂げるしかない。ユメミはきっぱりと頷いた。  
「小さくしてほしいんです」  
豊胸だの脂肪吸引だの、そういうのを表看板にしているこの美容整形外科は、クリトリスの手術もしている。  
そんな情報を、インターネット掲示板で得たユメミは、コンプレックスを解消したい一心で訪れたのだ。  
「出来るんでしょう?あたし、嫌なんです…こんな、みっともない…」  
特に誰かと比べてみたわけでもない、今まで付き合った彼氏にことさら指摘されたわけでもない。  
それでも、裏サイトで偶然見つけた『デカクリ』が、自分とそれと同じくらいに見えてから、ユメミは自分のクリトリスが異常に大きいのだと思い悩むようになった。  
思い余って手術を思い立ったのだが、ようやく見つけた医者は、問診票を見たまま、難しい顔をしている。  
「…あのね、佐藤さん。せっかく来ていただいたのに、こんなこと言うのもあれなんだけど、クリトリスの手術って、あまり意味のないものなのよ」  
「ち、小さく出来ないんですか?」  
「出来るわ。出来るけど、形も感度も悪くなっちゃって、施術後のお客さんの評判があまり良くないのよ」  
「形は…もう悪いもの。大きくて不恰好だわ。感度だって悪いし」  
不貞腐れた受け答えに、ヒロミは嘆息して診察台を示した。  
「じゃあ、ちょっと診せてもらうわね。下着はつけてていいわ、スカートだけ脱いで、横になってね」  
言われたとおりに横たわったユメミの両足を、ヒロミはぐっと開いて器具で固定した。  
M字開脚状態である。  
そして、股間を、煌々としたライトで照らし上げた。  
さすがに恥ずかしくて、ユメミはぎゅっと目を閉じた。  
見られてる。  
そんな趣味はないはずだけど、クリトリスが反応して、むくむくと大きくなるのを感じる。  
多分、下着を押して、ぷっくりと膨らんでいるのが分かっているはずだ。  
ヒロミの指が、探るようにクリトリスの周辺に触れた。  
 
「…っ」  
 
「緊張しなくて大丈夫よ。ちょっと触らせてもらうだけだからね。…うん、全然、大きくないわ。普通よ」  
「そんなっあっ!」  
ヒロミの指が、クリトリスの上に乗った。  
「…あら、感度いいじゃない」  
笑みを含んだ声。  
「じゃあ…今のままだと感度が良くないっていうのが本当かどうか、確認させてね」  
 
ヒロミの指が、根元を押すようにしてクリトリスを一周する。  
下着が押されて、クリトリスの先端をこすった。  
ムズムズとした快感が腰を這い上がるが、感度が悪いと言い切った手前、ユメミはそれを我慢した。  
「…どうかな?」  
親指と中指で根元を押さえたまま、人差し指が先端をくすぐる。  
じわっと下着が湿る感触がしたが、ユメミは歯を食いしばって、感じないふりをした。  
ヒロミの爪が、先端を引っかいた。  
「気持ちよくないかな?」  
楽しんでいるような、笑いを隠したような声で尋ねてくる。  
キモチイイなんて言ったら、それを理由に、手術をしてもらえなくなるかもしれない。  
ユメミはぎゅっと目を閉じたまま、首を横に振った。  
「そうかなぁ。顔が赤くなってきてるけど?」  
根元を押さえていただけの指が、クリトリスを摘み上げてきた。  
痛みと快感に、ユメミは思わず息を飲む。  
指はクリトリスをこねるようにしながら、根元から先端まで移動して、ぴんっと弾くように離した。  
「っはぅ!」  
意思とは関係なく腰が跳ねてしまった。  
すごく気持ちがよかった。  
さらさらと衣擦れの音がして、ユメミの近くで声がした。  
「うん、感度いいじゃない。それに勃った状態でも、全然、大きくないわ」  
「おっ大きいんです…!」  
閉じていた目を開いて、抗議しようとして、ユメミは絶句した。  
ヒロミがすぐ傍に立っていた。スカートとストッキングを脱いだ状態で。しかも両手は、下着にかかっている。  
「え!?」  
「ほら、私のと比べてみなさい」  
そのままあっさりと下着をおろした。  
「(;゚д゚)ァ.... 」  
 
汗ばんで艶やかな光沢を放つむっちりした太ももと、黒々とした茂みと、そこから覗く潤んだ赤い突起。  
 
大きかった。  
ユメミのそれの、2倍はありそうだ。  
けれど決して醜くはない。むしろよく熟れて、美味しそうな果実にも見える。  
ヒロミは自分の果実に触れながら、もう片方の手をユメミに伸ばす。  
「貴女のも、よく見せて」  
あまりに堂々としているものだから、ユメミは思わず腰を浮かせて、下着を取り去られる手伝いをしてしまった。  
ひんやりした空気に触れて、クリトリスがきゅっと引き締まったような気がする。  
むき出しになったユメミのクリトリスに、ヒロミの指が絡みつく。  
下着越しとは比べ物にならない刺激に、ユメミはこらえる間もなく、軽くイってしまった。  
「クリ縮小の手術なんて…」  
ユメミの蜜壷からこぼれた体液をすくって、敏感なクリトリスにまぶしつける。  
「本当に貴女には必要ないし、ちょっと大きめだからって、そんなに気にするものでもないの」  
ぬるぬるとクリトリスをしごきあげる。  
「だいたい、大きいほうが、弄りがいがあると思わない?」  
包皮の中に、クリトリスを無理やり戻してはぷるりと飛び出させる。  
「気持ちいいでしょう。手術なんかしたら、この気持ちよさは味わえなくなるのよ」  
ギシっと診察台が軋んだ。ヒロミが乗ったのだ。  
「私だってこんなに大きなクリトリスを持ってるけど、おかしいなんて思ったことないわ」  
自分で弄ってビンビンに膨らんだクリトリスを見せ付けながら、ゆっくりと腰を落とす。  
「あぁっ」  
散々弄られて、息も絶え絶えだったユメミは、今までに味わったことのない感触に声を上げた。  
ユメミのクリトリスは、ヒロミの大きなクリトリスに押しつぶされたのだ。  
ぷるぷると触れあい、弾きあい、こすりあい、その度に大きな快楽がはぜる。  
「あっあ、はあ、んっ、あふっ、イ…っちゃううぅっ!!」  
 
気がついたら、ユメミは診察台の上で、ヒロミはスカートもストッキングもきちんと履いて、澄ました顔でカルテになにやら書き込んでいた。  
 
「あ…あの…」  
まさか、妙にリアルな夢を見た、なんてことはないよね?  
不安に思いながら身を起こすと、見覚えのない下着が目に入った。  
「さすがにあんなぐしょぐしょの下着のままじゃあ、風邪引いちゃうものねぇ」  
ヒロミが艶然とした笑みで答えた。  
「あの…私…」  
頬を赤らめながら、ユメミは結論を告げた。  
「やっぱり、手術、いいです…」  
 
終わり。  
 

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