「では、陰核を小さくしたいと」  
「あの……はい」  
初めて会う男性になんでこんな話をしてるんだろう、と少し憂鬱な気持ちで頷く。  
いや、相手は医者だし。手術を希望してるんだから話すのは当然なんだけど。  
 
週末の仕事帰り、予約で埋まっているとの理由で1ヶ月待った診察日。  
ネットで同じような悩みを持つ女性を探し、ようやく見つけた掲示板で  
その医院の名前は頻繁に挙げられていた。  
掲示板に出入りする女性達曰く『腕が良く、手術したのがばれない』らしい。  
本当かな……そんな不安はあったけど、それよりここ数年コンプレックスを持っていた  
大き目のクリがなんとかなるなら、と藁にも縋る思いで予約したのだ。  
 
「そう…では、そちらでスカートと下着を脱いでもらえますか」  
「は……え?」  
はい、と答える途中で思わず聞き返してしまう。  
相当驚いた顔をしていたのだろう、先生が小さく吹き出した。  
「そんな顔しないで。恥かしいでしょうが見せてもらわない事には方針も決められないので」  
笑った事に謝りながらも先生はデスクの近くに置いてあるゴム手袋の入った箱を引き寄せている。  
そりゃそうよだよね、彼氏にも見せたくないような場所だけど。見ないと何とも言えないだろうし…。  
先生に示された衝立の後ろに隠れ、スカートと下着を脱いでいく。  
遅い時間の予約だったせいか、自分以外の患者も看護士もいないようで  
静まり返った室内に衣擦れの音だけが聞こえている。何だか妙に緊張してきた。  
 
う、わー……想像以上に恥かしいんですけど。  
「んー、脚をもう少し開いてもらえますか?」  
「は、はい」  
下半身を何も身につけていない状態になったところで、ベッドに横たわったんだけど。  
膝を立てろだの脚開けだの次々飛んでくる指示に頭は真っ白だ。  
「そうだな…じゃ、少し触りますね」  
え?と思った瞬間にはクリにゴムの軋むような感触が触れてきた。  
突然の事で腰が思わずビクッと引けてしまう。  
「冷たかった?少しだけ我慢してね」  
冷たくはない、どちらかと言えば生温くて妙な感じだ。そうじゃなくて…。  
「っ……ふ、ぁ」  
大きさを確かめるように付け根の辺りを軽く揉むようにしたり  
上から軽く押し込むようにしてくるその指のせいで段々腰の辺りがムズムズしてくる。  
「あ、の。まだ、ですかっ?」  
キュウ、と根元を摘まれて語尾が思わず跳ね上がってしまう。  
「うん?そうだね、もうちょっとだけ我慢してもらえるかな」  
「ひ、やあっ」  
そう言うと同時にヌル、と何か液体が垂らされ思わず悲鳴のような声を上げてしまった。  
 
 

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