仕事で忙しいお兄ちゃんが帰ってくるのは、いつも夜中の2時を過ぎた頃だ。
よく解らないけれど、今の仕事に就いて初めて大きな仕事を任されたらしい。
お兄ちゃんが帰ってくる頃には、お父さんとお母さんも酔い潰れて眠っている。
早寝早起きのお爺ちゃんお婆ちゃんはとっくに夢の中。ペットのクロを寝かしつけてしまえば、起きているのは私だけだ。
私は毎晩ベッドの中で、お兄ちゃんが帰ってくるのを待つ。
明日は部活の朝練が有るし、遅くまで練習に明け暮れていたから正直眠いけど待つ。
……暇つぶしに弄っている携帯が使いすぎで熱くなってきたけど、それでも我慢して待つ。
今日も、いつものようにベッドの中でお兄ちゃんの帰りを待っている。
携帯を弄るのにも飽きて、本を読む気力も無くなってうとうとと微睡み始めた頃。
玄関のドアが開く音が耳に届いた。
私は飛び起きたいのを堪えて、本をサイドボードに放り出すと布団を被り目を閉じる。
階段を上ってくるお兄ちゃんの足音。音はそのまま一度私の部屋の前を通り過ぎて、奥の部屋に入る。
それを聞く頃には、私は微睡みから抜け出すのを通り越して、全身が心臓になったみたいにドキドキしてしまっていた。
聞き耳を立てて、お兄ちゃんが部屋から出てくるのを今か今かと待ちわびてしまう。
時々足の間が…アソコがきゅんってなって、もぞもぞと身体を動かしてしまいそうになるけど
『私は眠っているんだ』って必死に言い聞かせて、息を殺してお兄ちゃんを待つ。
少しして、お兄ちゃんが部屋から出てきた。きし、きし、と、床が軋む音が近づいてくる。
足音は必ず私の部屋の前で止まる。ドアに鍵はかけていないから、お兄ちゃんは普通に私の部屋に入ってくる。
お兄ちゃんは私の足下で足を止めると、そのまま当然のように、上半身を布団の中に潜り込ませてきた。
横向きになっていた私の身体が仰向けに転がされる。暖かい手が閉じていた両膝を掴んで、押し開く。
膝に掛かっていた手はそのまま内腿に滑り落ちながら足の付け根を撫でて、パジャマの上からアソコを撫でてきた。
焦らすみたいに、手の平が何度もアソコに上を往復する。くすぐったさに、私はそっと唇を噛んだ。
早く、早く。私は身体を動かしてしまうのを必死に我慢しながら期待に胸を膨らませていた。
これだけ待たせたんだから、早くしてくれてもいいじゃない。そう思ったら、手の平が止まった。
アソコに当てられたお兄ちゃんの人差し指と中指はカギ状に折れ曲がって、ゆっくりとアソコに食い込んでくる。
「っ……」
お兄ちゃんの指は的確に私の…クリトリスを捉えていた。もう場所を覚えてしまったんだと思う。
ぐり、ぐり、と指が下着とパジャマとを巻き込みながらクリトリスを揉み込む。
軽く割れ目を往復して表面を掠めたり、ぐっと指を押し込んで、膨らみを指と指の間に挟んで円を描くように弄る。
気持ちいい。布団に潜り込んでいるお兄ちゃんに聞こえないように、息を荒げて布団を握り込んで声を我慢する。
お兄ちゃんの指はしつこくそこを弄り回してくる。パジャマの上からでも、溢れた愛液で滑りが良くなったのが解るくらいまで、
何度も何度もクリトリスを揉んでは擦って、お兄ちゃんの指が離れる頃には私はもうくたくただ。
でもまだ終わりじゃない。今度は、ズボンに手が掛かる。片手でお尻を持ち上げて、するりと膝の下まで下ろされた。
確認はできないけど、きっと染みができるくらいに濡れてしまっていると思う。
下着の横からお兄ちゃんの手が滑り込んだ。濡れたびらびらをぐっと拡げると、膨らんで大きくなったクリトリスに
下着を貼り付けるように指を上下に滑らせる。でも、指は肝心のクリトリスを器用に避けて動くんだから、ひどい。
それでも時々爪の先とかが掠めて……その度に私はびくっと腰を動かしてしまう。
もうそこまで来たら、寝ているふりはしなくても良いんだ。声を出したりしても、お兄ちゃんは何も言わない。
私が腰をほんの少し浮かせて、おねだりするみたいに揺らすと、指のお腹が布越しにクリトリスをぐっと押しつぶしてきた。
「ぅ……はぁ、っ」
ゆっくりと指を戻して、表面を撫で回す。爪の先で、かりかりと細かくクリトリスを引っ掻く。
「はぁ……ぁ、あ、あぅ……」
指が再び下着の中に入り込んだ。くちゅ、と小さく音がした気がして、私は顔を真っ赤にする。
お兄ちゃんは愛液を掬い取ると、下着の上からそれをクリトリスに塗りつけてきた。
濡れた下着は吸い付くようにぴったりと張り付いてしまう。ぐるぐるとクリトリスを中心に掻き混ぜられて、
布のざらついた感触とぬるぬるとした愛液の感触がクリトリスを痛いくらいに刺激する。
今度は親指と人差し指でぎゅっと摘んで、ぐにぐにと揉み込んで転がし、扱いてきた。
激しい動きにクリトリスを包んでいる包皮がずれて、敏感すぎる所にざらりと下着が擦れた。
「ひんっ……!」
思わず小さく悲鳴を上げると、お兄ちゃんはその動きを繰り返してきた。
くにゅくにゅとクリトリスを揉み上げて、扱きながら包皮を捲って、意地悪く下着に擦りつける。
「ぁ、はぁ、はぁ、あ、ぅんん……っ!」
ぴん、と爪先が伸びる。腰が勝手に動いても、お兄ちゃんの手はクリトリスをこね回しながらついてくる。
布団を握る手に力がこもった。爪が真っ白になるまで握り込んでも、我慢できない。
「ゃ、ぁぁ……もっ……!」
いっちゃう、と言おうとした瞬間、手が離れた。思わず目を開けてしまうけど、当然お兄ちゃんの顔は見えない。
びくびくと跳ねる腰をゆっくりとベッドの上へ下ろす。汗と、愛液とで濡れた感触がして気持ち悪かった。
お兄ちゃん、どうしたんだろう。そう思いながら息を乱していると、お兄ちゃんの手が下着にかかった。
「あっ」
小さく声を上げる間に抜き取られて、ぎゅっと指でアソコを拡げられた。暖かい吐息がふっと吹き掛かる。
お兄ちゃんは、アソコを拡げたり閉じたりして、じっとアソコを見つめているみたいだ。
とろとろと愛液が伝い落ちたり、糸を引いたりする感触……布団の中は真っ暗だから見えないと思うんだけど、
凄く恥ずかしい。我慢できなくてずるずると身体を引いて逃げようとした瞬間、ざらっとした濡れた感触がクリトリスを弾いた。
「ひぁあ!」
弾力のあるそれは何度もクリトリスを擦り上げて、ぴちぴちと弾いてくる。お兄ちゃんの、舌の感触だ。
舌は器用に包皮を押し上げて、皮と芯の間に舌先を押し込むように舐め回してくる。
ぎゅっ、と膨らんだそれを押しつぶすように舌でくるまれて、堪らず私は背中をそらした。
お兄ちゃんの舌は猫みたいにざらざらしていて……痛いくらい気持ちいい。
「あ、ぁう、ふぁあぁっ!」
そのまま硬い舌先で捏ね回し、お兄ちゃんは口の中にクリトリスを吸い込んだ。
膨らんだクリトリスの根本を唇でくにくにと食んで、包皮を向いた所を直接舐め回して口の中で転がしてくる。
赤ちゃんがおっぱいを吸うみたいにクリトリスを吸って、勢いよく離す。
ちゅっ、ちゅっ、と何度も吸い付かれては転がされ、唇で扱いて舐めしゃぶられて。
私の頭の中は、雷を落としたみたいな衝撃と一緒に真っ白になった。
「やっ、やっ、ダメ、ダメぇえーっ!」
ぶるぶるとアソコを痙攣させながら、私は押し寄せる絶頂にひたすら身を任せた……。
アソコを拭うタオルの感触に、うっすらと意識が浮き上がる。
お兄ちゃんが、後始末をしてくれているんだ。濡れた下着をとって、新しいのを履かせてくれる。
私はぽーっとしたままそれを受けて、何事もなかったように去っていくお兄ちゃんを見送った。
ぱたぱたと足音が遠のいていくのを聞きながら……うとうとと目を閉じる。
目が覚めたら学校に行って、部活して、友達とおしゃべりして、家に帰って。そしてまた私は、お兄ちゃんを待つ。
お兄ちゃんには悪いけど、お兄ちゃんの仕事、もっと早く終わればいい。
簡単な仕事だけさっさとやって、もっと早く帰ってきてくれればいいのに。そうしたら……。
部屋の中は、すぐに静かな寝息で包まれた。