昔々、ある所に桃太郎という名の少年がおった。
人里離れた山奥で爺と婆との三人暮らし。
仲むつまじく暮らしておったが、ある日桃太郎が都に出たいと言い出したました。
それも無理からぬ事かもしれません。
桃太郎は剣術の修行が一番好きでしたがここでは相手が誰もいないのです。
桃太郎少年はまだ十五、枯れるには若すぎました。
しかし、桃太郎の言葉に爺と婆は顔をしかめます。
「何故です、何故いけないのですか」
桃太郎の問いに返って来た答えは俄かには信じがたいものでした。
曰く、彼らは逃亡者であり目立つ訳には参らぬ、
目立てばたちまち追跡者に見つかり殺されてしまうであろうとの事。
これを聞いた桃太郎は仰天しました。
善良を絵に描いたかごときこの夫婦が
まさか追われる身であるとは考えた事も無かったのです。
「誰に追われるのですか」
「鬼じゃ」
「では鬼に追わないでくれと頼めばどうでしょう?」
「頼む前に殺される」
「では私が頼んできましょう」
そう言うと桃太郎はすっと立ち上がりました。
「待てい、行ってはならぬ。
鬼どもは大層危険な奴等じゃ。
行ってはならんが行くのならこの刀を持っていけ。
逃げ帰ってきたら斬り殺すぞ」
「そうですよ,桃太郎。
危ないからおやめ。
行くのなら鬼を退治するまでうちの敷居はまたがせませんからね。
でも、もしいくならこのキビ団子を持っていくといいわ」
こうして桃太郎はいるかどうかもわからない、
どこにいるかもわからない鬼に話をつけに旅に出ることになりました。
鬼がどこにいるのかもわからない状況ながら桃太郎は旅をおおいに楽しんでました。
なにしろ家を出る事ができただけでも儲けもの。
通りすがりの人間にでも斬りかかってやろうかしらなどと物騒な事を考えながら
道を歩いていると一匹の茶色い犬が倒れていました。
骨に皮のはりついたような貧相な犬で見知らぬ人間が寄って来ても
逃げる気力さえ無いようです。
「おい、ワンワン。生きておるか?」
声をかけられた犬はただ悲しげな黒い目を桃太郎に向けるだけです。
「むう、怪我はしておらんようだの。
では腹が減っておるのか?団子食うか?」
桃太郎は倒れている犬を不憫に思い婆に貰った団子を一つ鼻先に差し出しました。
犬が団子を食うのか怪しく思っていましたが他に何も食べ物が無いので仕方ありません。
しかし、犬はよほど空腹だったらしく
桃太郎の手ごと食わんばかりに噛み付きぺろりとたいらげました。
するとどうでしょう。
先ほどまで空腹であえいでいた犬がまぶしく光り始めました。
そして光がおさまるとそこには一人の人間がいました。
「うわぁー!!何これ!!ボクどうなっちゃったの!?」
突如現れたやせっぽちの人間は自分の姿を見て短い髪を振り乱し声をあげています。
「坊主、どこから現れたのか知らんがここにいた犬を知らぬか?
可哀想に苦しんでおったのだが、やはり犬に団子は不味かったのかもしれぬ。
いつのまにやら逃げてしもうたらしい」
「ボクだよ、ボク。
ボクがその犬だよ。
なんで人間になっちゃたのかわかんないけどボクがその犬だよ」
妙に生ッ白くやせっぽちの人間はそう言いました。
そう言われてみると肩まで伸びた栗色の髪と栗色の瞳が先ほどの犬を連想させます。
「ほう、犬に団子を食わせると人間になるのか。
これは良い事を聞いた」
桃太郎は自分が世間知らずな方である事を自覚していましたので
これが世にも不思議な事だとは思いませんでした。
「ではお主は犬太郎か」
「ボク女の子だよ」
そう言われて見てみると元犬だったという年の頃十二・三といった子は
なにやら胸もふくらんでおり男の宝剣も見当たりません。
「では犬姫か」
桃太郎の知識では男は太郎で女は姫なのです。
「うん、そう。
あなたはなんてお名前?」
犬姫はやはりどこか犬っぽいにこにこと愛嬌のある笑顔を振り撒きます。
「桃太郎」
「桃太郎さん、ボク桃太郎さんと一緒にいてもいい?」
「うむ」
桃太郎はあまり動じる性格ではなかったので元が犬でも気になりません。
それに爺と婆以外で話したのは初めてだったので
旅に話し相手がいるというのは願ったりでした。
「しかし、お主身体が小さいのう。
それに妙に柔らこうて、見れば何やら不思議な気持ちにさせられる。
これは女子だからか元が犬だからか」
「うー・・・・わかんない!」
犬姫は少し考えるとにっこりと笑いました。
「そうか、では仕方無い。
だが裸では寒かろう、これを着なさい」
そう言って桃太郎は荷物の袋から替えの着物を出しました。
それは犬姫に対する気遣いというより目のやり場困った自分の為でしたが
犬姫はおおいに喜び桃太郎に抱きつきました。
「これ、やめなさい。
お前にくっつかれると変な気持ちになる」
そういうて逃れる桃太郎の鼻を犬姫は容赦なく舐めまわし閉口させるのでした。
こうしてお供が出来た桃太郎は道を歩いていきます。
「どうした?」
ふと気付くと犬姫は道のすみで四つん這いになり片足を上げ小水をしています。
「しるしつけてるの。
ここはボクのなわばりだから」
「でも私と一緒に来るのならもうここはお前の縄張りじゃなくなるだろう?」
「あ、そうだった、えへへ」
小水を止めると犬姫は桃太郎に近づき腕を抱きました。
「いつものくせでやっちゃった、えへへ」
その犬姫の笑顔が眩しくて桃太郎は少し困ってしまいました。
桃太郎も十五、おなごには人一倍興味のある年頃です。
そして犬姫は元が犬の分際で稀に見るほど美しい娘でした。
心惹かれぬはずはありません。
しかし、あまりにも純真で邪な気持ちを揮う気にもなりません。
「これ、そうくっつくな」
こう言うのが桃太郎の精一杯の抵抗でした。
「えー、いいでしょー!
だって、二本だけで歩くの難しいんだもん」
なるほど、確かに四足から二足になればそのようなものかもしれません。
四足で暮らした事の無い桃太郎は犬姫にそう言われると納得せざるをえません。
「そうか、では慣れるまでじゃぞ」
「うん!」
犬姫はもうにこにこと笑いじゃれ付いてきます。
「しかし、おなごの小水の仕方は変わっておるな」
桃太郎は照れ隠しに妙な事を口走りました。
「そうなの?
桃太郎さんはどんな感じでするの?」
「む、そのうち出る事があれば見せよう。
待っておれ」
「うん、待ってる!」
二人はこの調子で当ても無く道なりに歩いていくのでした。
二人は歩きつづけ大きな川にぶつかりました。
歩こうと思えば川沿いでも歩けるでしょうが既に空が赤くなり始めています。
「ここらで留まるか」
「うん!」
元より犬姫に意見などありません。
何しろ犬ですから主人に従うのが一番嬉しいのです。
「ここなら狼に囲まれても川に入ればいいしな」
桃太郎も別に野営に長けているわけではありません。
なんとなく山の中や道ばたよりは安全そうな気がしただけなのですが
犬姫はすっかり感心して、やっぱり桃太郎さんは凄いなあと思うのでした。
「魚でも釣れるといいんだがな」
「釣れるよ、桃太郎さんなら大丈夫」
そうは言っても道具も何もありません。
桃太郎達がしばらく悩んでいると二人の前に三人組の男が現れました。
汚い身なりをした男達は犬姫をじろじろと見てにやついています。
「よお、兄ちゃん、何やってんだいこんなとこで?」
「こんな別嬪さん連れてちゃ危ないぜ、へへ」
「そうおう、俺らみたいなのもいるしよ、けけけ」
怖がった犬姫が桃太郎の後ろに隠れると男達は下品な言葉を投げかけてきました。
「その女子をちょっとおいら達にも貸してくん―――」
その言葉の先を男が発する前に男の首が飛びました。
桃太郎の白刃が続けざまに煌きその場に三つの生首が転がりました。
それを満足そうに見下ろし桃太郎は刀をしまいました。
桃太郎は短気で正義苛烈な性質だった上、力を振るいたくて仕方無かったのです。
「何か食べ物でも持ってないだろうか?」
そう言うと桃太郎は三つの死体を蹴り転がし検めました。
特に何も無いと判断し二人は死体から離れる為、川べりをさらに歩いていきます。
「そろそろ寝るか」
「うん!」
日も落ちて辺りが暗くなると桃太郎は焚き火の傍で横になりました。
犬姫は待ってましたとばかりに駆け寄り桃太郎の上に乗っかります。
「これ、そうくっつくなというに。
今から寝るのだから足の数は関係あるまい」
「こうしてると暖かいじゃない。
ねえ桃太郎さん、お願い。
一緒に寝ていいでしょ?」
犬というのは恩義を忘れない生き物です。
死にかけるほどの空腹から救ってくれた桃太郎を犬姫が好くのは当然の事です。
それにさっきは焼き魚という未知の美味しい食べ物までくれ、
あろう事か大きい魚をいっぱい譲ってくれたのです。
それは犬姫が小さくてやせっぽちなので桃太郎が心配して大きいのをくれたのですが
犬姫にとってはこれ以上なくありがたい事でした。
二度もご飯を貰い、そんな優しさまで貰えばそれはもう最愛の人でしかありえないのです。
「う、うむ、仕方無いな」
「やったー、桃太郎さん大好き!」
そう言って犬姫が顔を舐めてくると桃太郎は困ったような嬉しいような気持ちになりました。
犬姫の身体は妙に柔らかくいい匂いがして愛らしいのに
抱きしめては壊れそうなほど小さくどうしていいのかわからないのです。
仕方なく桃太郎は気持ちをぐっと抑えて目を閉じました。
目を閉じれば乗っているぬくもりに余計気をとられますがそれでも眠るしかありません。
「・・・ももたろさん、ももたろさん」
なんとかうとうととし始めた時、桃太郎は犬姫の声で起こされました。
「・・・どうした?」
「ももたろさん・・・何か身体がおかしいよォ」
困り果てた声で犬姫が訴えます。
それで仕方なく桃太郎は犬姫を横に降ろし体を起こしました。
「何がおかしいのだ?」
桃太郎が尋ねると犬姫は膝をついて中腰で立つと自らの股に手を差し入れました。
「ここがぬるぬるするの・・・。
身体が熱くて・・・ももたろさん、ボク何か病気かなぁ?」
そう言ってあられもなく着物をはだけふんどしを取ると股を見せてきます。
「む・・そ、それはだな。
・・・見てもよいか?」
「うん、見て」
犬姫がどんな状態なのか分かっていた桃太郎でしたがわざと言いませんでした。
正直、見たくて仕方の無かった所を見せてくれる絶好の機会でしたから
内心、しめしめと思っていたのです。
「むぅ・・・」
犬姫のそこを調べ桃太郎は感嘆の声をあげました。
つるつると綺麗にそこには刃物で痕をつけたように一本のすじが入っているだけです。
しかし、触れるとそこはぬるぬるぷにぷにと熱く湿っていてこの上なく触り心地が良いのです。
「ぁんっ・・・あぅ・・・」
桃太郎がいじくる度に犬姫は身体をくねらせ息を荒げます。
しばらく弄り回し桃太郎は顔を上げました。
「はぁ・・・はぁ・・・何かわかった?」
「犬姫よ、お主何故こうなった?」
「なぜって、桃太郎さんの事考えてたら体が熱くなってきてそれで・・・」
その答えを聞くと桃太郎はやにが下がりました。
「これはな、お主の身体が交尾をしたがってると言う事なのだ。
交尾はわかるか?」
「ううん、わかんない。
なあに?」
「つまり、そうだな・・・そう、男と女が交わる・・つがう・・・」
どう説明していいかわからず桃太郎は言葉に詰まりました。
「ももたろさん、何かよくわかんないけど、それをすれば治るの?」
犬姫の言葉に桃太郎はごくりと唾を飲み込みました。
しようとすれば簡単に出来る事を実感したからです。
しかし、これはする訳にはいかないと思いました。
別に犬姫が元は犬だからではありません。
桃太郎はあまりそういった事に頓着する性質では無いのです。
したい事は勿論、悶え狂うほどにしたいのですが
犬姫は行為の意味をよく分かってないようなのです。
それは何か卑怯なのではないかと桃太郎は思うのです。
「よいか、確かにすれば治るかもしれんが事はそう簡単ではない。
これをするとややこが出来る。
よってこれは愛した者とだけするべき事。
特に、お主のようなおなごは誰とでもしてよい訳ではない。
一生を添い遂げる覚悟を持ってすべき事なのだ」
「じゃあ桃太郎さんして!
桃太郎さんと一生一緒にいる!
いいでしょ?」
ここまで言われては桃太郎の理性が持ちません。
「初めは痛いぞ」
「うん!」
桃太郎は遂に犬姫の身体を抱き口を吸いました。
華奢な身体から帯を外し着物を剥すとゆっくりと押し倒しました。
初めこそ桃太郎が吸いましたが
気付けば犬姫の方が桃太郎に噛り付いています。
両腕を回し桃太郎にぶら下がったままぺろぺろと舌をなめています。
その隙に桃太郎は自分の帯を外し袴を脱ぎました。
そうして現れた性器を犬姫の股間へ運びます。
肉付きの薄い尻を持ち上げぬるぬると当てこすります。
慣れない手つきで入り口を探しますがなかなか上手くいきません。
「やぁっ・・あ・・」
夢中で口をかじる犬姫の漏らす声を手がかりに探し出すと桃太郎は力一杯腰を入れました。
「いぁっ!」
犬姫の身体が捩れました。
腕の力は更に強く、声を殺して震えています。
あまりの痛がりぶりに桃太郎は場所を間違えたのかと思いました。
「っ・・・」
合わせた頬が犬姫の涙でついっと濡れていきます。
涙の暖かさを感じながら桃太郎は犬姫の身体をなでました。
少しすると犬姫の荒い呼吸音が聞こえてきました。
それを合図に桃太郎は腰を前後させ始めました。
柔らかな媚肉を肉棒でえぐり犬姫の女をほじります。
がくがくと身体を揺らし犬姫の様子を窺います。
犬姫は口を大きく開き途切れがちに桃太郎の名前を呼んでいます。
桃太郎は初めて喰らう女の味にあっというまに射精してしまいました。
頭の中が白く染まり世界に自分と犬姫だけが存在しているような錯覚に酔いしれました。
しばらく陶酔していた桃太郎が我に帰り腰をひくと
犬姫の身体から精液が溢れ出ました。
さきほどまでピッタリと合わさっていた秘貝は見るも無残に引き離され
赤い筋の混じった白濁液を吐き出しています。
桃太郎はその光景に興奮しもう一度したくなりましたが
犬姫がぐったりとして動かないのでしぶしぶ諦めました。
その代わり、犬姫の身体を出来る限り優しく抱きしめました。
このまま二人は朝方まで抱き合いとり憑かれたように口をすいあうのでした。
こうして犬姫は桃太郎の一人目のお供になりました。