「初めてにしてはなかなか上手ねぇ」
悪魔が満足げな顔でカイルの頭を撫でる。そして幽体を伸ばしてミリアムの
後ろに回り込むと、呆然としている彼女の服のボタンを外し始めた。
「やっ、止めなさいっ!」
「ほらほら、暴れないの」
いまだ四肢が固定された状態で、ミリアムがもがいても悪魔はいっかな気にせ
ず手早くボタンを外してゆく。
服の開き目からは飾りの少ない純白のキャミソールが現れ、小さなふくらみが
二つ、布地を押し上げている。
「カイル、憧れのかわいいおっぱいよぉ。もっと大きいのが良かったらいつで
もアタシの触らしてあげるけどね、ふふっ」
キャミソールの布地がたくし上げられると、ミリアムの白くすべすべした胸が
露わになった。悪魔が両手で乳房をわしづかみにし、ぐにぐにとこねまわす。
「ほぉら、ふにふにおっぱいですよぉ」
「いっ、嫌っ、見ないで下さいっ」
カイルは無言のままモチのようにやわらかに形を変える乳房に魅入って、呼吸
を荒くしながら誘惑に耐えるようにぎゅっと拳を握りしめていた。
「ほら、何ぼーっと見てんのよ。まさかキスだけで十分なんて言わないわよね?
そんなに股間のモノをおっきくしといてさぁ」
悪魔の言葉通り、カイルのズボンには誰が見ても分かるほどふくらみができ、
それを見たミリアムは短く悲鳴を上げて目を逸らした。
「いつもは有料なんだけどね。この際だし、まあいっか」
悪魔が小さく口の中で呟いて、自分の指を深く口にくわえた。ゆっくり引き出
すと、どろりと粘度の高い唾液が指にからみついてくる。悪魔はそれを、ミリ
アムの胸、特に乳首周辺に念入りに塗りつけた。
ついに誘惑に耐えかねて、カイルがおずおずと手を伸ばし、手の平で下側から
ミリアムの乳房を包み込んで、優しく揉み始める。
「カ、カイルっ。もう止めて……。お、お願いですから、ぁ、んっ」
人差し指が乳首に当たった瞬間、ミリアムが体をひきつらせて、小さく悲鳴を
上げた。
「嘘、何でこんな……んっ、んぅ……っ」
「何でこんなに、気持ちいいのかってこと?」
「違います……はっ、ふぅぅ……っ」
「それはねー、アタシの唾液をいっぱい塗ってあげたからよ。彼の指でもっと
気持ちよくなれるようにね」
「そ、そんな、っく、ふっ、ん──っ」
媚薬効果で敏感になった乳首を責められて、ミリアムが涙目で嬌声を噛み殺す。
充血し、ツンと上を向き始めた乳首を擦られ、撫で回されるたびに熱い吐息が
ミリアムの口から吐き出された。
「手だけじゃなくて、口も使って悦ばせてあげなさい。赤ちゃんみたいに吸い
付いて、ね」
「だ、駄目ですそんなの……くっ、うぅん……!」
カイルが顔をミリアムの胸に近づけ、指でしぼり上げた乳房の突端を、舌の先
で舐め回す。
「吸っちゃ……や、あっ、じんじんして、強すぎます……っ!」
口に含んだ乳首を優しく吸い上げると、ミリアムが身体をのけぞらせて悶えた。
「あらぁ、ずいぶんとおっぱいが弱いのねぇ。それともアタシの媚薬が効き過
ぎちゃったのかな?」
ミリアムの耳を甘噛みして、悪魔が囁く。
「……はぁ、はぁ、ぁん……」
ミリアムはただ切ない喘ぎ声を漏らして弱々しく首を振っただけだった。
「もう、おっぱいだけでイッちゃったらつまんないでしょ?」
悪魔はにやにや笑ってミリアムのスカートの留め具に手を伸ばすと、外して
スカートをずり下ろしにかかった。
ミリアムの抵抗も虚しくスカートはするりと外され、投げ捨てられた。
キャミソールと揃いのデザインのショーツの股布には、小さな丸い染みができ
ていた。ミリアムは恥ずかしげに眉根を寄せて、視線をそらす。
「こんだけ濡れ濡れになっといて、よく嫌だの駄目だの言えたもんねぇ」
「……っ」
「さ、足だけ開かせて」
カイルのペンタグラムが光を発すると同時に、ミリアムの両足首が左右に引っ
張られて固定され、無防備な股間がカイルの前に晒された。
「アンタ、女の子のおまんこなんて見た事無いでしょ?最後は自分で脱がしな
さい」
「カイル、お願いです……!もう許し、やぁ……っ!」
カイルの手が恐る恐るショーツのゴムにかかり、そっとお尻の方から布を滑ら
せて脱がしてゆく。
「み、見ないで……っ」
ミリアムがいやいやをしながら涙声で懇願するが、カイルは露わになった陰裂
にじっと視線を注ぎ、指でそこを左右に押し広げて、湿り気を帯びたピンク色
の陰唇を眺めた。
「う……うぅ……っ」
大事な所を余さず視姦されている羞恥心に耐えかねて、ミリアムの目から新し
い涙がこぼれ落ちる。
カイルがそこに顔を近づけて舌を触れさせようようとした時、悪魔が呼び止めた。
「ちょっと待って。イイ事したげるから」
悪魔はカイルの顎を持ち上げると素早く唇を重ねた。悪魔の舌がカイルの口の
中に侵入し、互いの舌を絡め合う。カイルは困惑した、しかしどこかぼーっと
した目で、されるがままになっていた。しばらくぴちゃぴちゃと互いの唇を貪
る淫らな水音が響いた後、二人の唇が離れる。
「……ふぅ。やっぱアンタ、キス上手ね。ちょっと感じちゃったじゃない。
実体に戻ってから、またしたいわぁ。もちろんキス以外もね、ふふっ」
悪魔が潤んだ瞳でカイルを見つめて、彼の肩をぽんとたたいた。
「さ。早くおまんこの味を確かめたいんでしょ?カノジョが焦れてるわよ」
二人のディープキスを切ない表情で見つめていたミリアムを悪魔が横目で見や
ると、彼女ははっと顔を赤らめてそっぽを向いた。
カイルが再びミリアムの太ももの間に顔を近づけて、そっと秘唇を舐め上げた。
「ひゃ……んっ」
カイル自身の唾液と混ざり合った悪魔の唾液が、直接ミリアムの秘所に塗りた
くられ、擦りこまれる。
「そこっ、熱くなってぇ……っ」
媚薬が効果を現し始め、溢れ始めたミリアムの愛液を、カイルが舐め取り、
音を立てて吸い上げる。カイル自身も媚薬に顔を上気させ、夢中でミリアムの
性器にむしゃぶりついている。
「ふぁ、あぁ……っ、カイルぅ……っ」
「ほら、そこにクリトリスがあるでしょ?すごく敏感だから、やさし〜く
舐めてあげるのよ」
悪魔のアドバイス通りに、カイルの舌の先端が陰核のふくらみを触れるか触れ
ないか程の強さで撫でる。ミリアムの体がびくんと跳ねた。
「ひぁ……っ!?」
無論、自慰など試した事すらないミリアムにとって、まるで体験した事のない
この刺激は強すぎた。さらに何度も舐められるうちに勃起し始めた陰核が、
ミリアムに痛みを感じるほどの激感を伝えてくる。
「ひゃあんっ……ソコ駄目です、びりびりするっ、壊れちゃいますっ!」
その感覚を快感だと認識する事もできないまま、ミリアムは刺激に翻弄され、
悲鳴を上げながら悶えていた。
「そろそろイかせてあげよっかな?カイル、アンタもそろそろおちんちんで
気持ちよくなりたいでしょ?」
そう言って、悪魔は両手でミリアムの胸に愛撫を加え始めた。上半身と下半身
を同時に愛撫される快楽に、ミリアムが泣き叫ぶ。
「やっ、はっ、あぁんっ!私……っ、おかしくなっちゃいますぅ!」
「遠慮せずにいつでもイっていいわよ。もう媚薬は全身に回ってるでしょ?」
悪魔の言葉通り、悪魔の指が脇腹、へその周りをゆっくり這い回るだけで、
ミリアムのからだがびくびく引きつって、秘所からは愛液がとめどなくあふれ出す。
カイルの舌が会陰から恥丘まで余すことなく性器をねぶり、膣口をまさぐって
は先端から侵入を試みる。
止めようのない快楽の奔流に、ミリアムはそれまでの抵抗、尊厳も全て忘れて
二人の愛撫を受け入れ、あられもない善がり声を上げ始めていた。
「カイルっ、そっ、そんなに吸い上げたらぁ……っ」
滴る愛液を啜り上げる、下品な水音が部屋に響く。
「ほら、そんなによがってるってのに"気持ちいい"の一言もないわけ?」
悪魔が意地悪げにミリアムの耳元で囁き、乳首をつねり上げる。
「や……あっ、そんな事ぉ……」
「彼に"おまんこ舐められるの気持ちいい"んでしょ?だったらそう言ってあげ
ないと、ねぇ」
「い、言えません……っ」
「さっきはいつでもいいって言ったけど、言えるまでイっちゃだめだから」
「そんな……っふあぁ」
悪魔は手を伸ばすとミリアムの秘所を手で覆い隠し、微妙なタッチの責めで
ミリアムを焦らし始めた。目標を遮られたカイルも仕方なさそうにミリアムの
太ももに舌を這わせ、それもミリアムにとっては拷問に等しい僅かな快感を
与えてくる。
「はぅん……き、気持ちいい……んですぅ」
「へぇ、何が?」
「カイルが、私の……っ……はぁ、舐めて、くれて」
悪魔が目を細めて、さらに追求する。
「"私の"の後が聞こえないわよ?ずっと太ももだけ舐めて貰う、ってのはどう?」
「そんなぁ……言います、からっ。
……私の……あうぅ……お、おまんこ、ですっ」
ミリアムが消え入りそうな声で囁いて、悪魔が満足したように、性器を隠して
いた手を外した。焦れていたカイルが再びそこを舐め始めて、ミリアムは待ち
望んでいた快楽に身を震わせる。
「あっ、あ、ふぁ、気持ち……っ、気持ち良いですっ!カイルっ」
「ふふ、随分と素直になったわねぇ。ほら、遠慮せずにイッて良いわよ」
ミリアムは刺激に合わせて淫らに腰を揺らし、頂に向かって登り詰める。
「ふぁ、ああっ!だめっ、もう駄目っ、私っ、もう──っ!」
一際高い喘ぎ声を上げてミリアムの体が張りつめ、そして脱力する。
「はぁ……はぁ……ふぁん……っ」
生まれて初めての絶頂の、甘い余韻に浸りながら、ミリアムの意識は浅い眠り
に堕ちていった。