「あー、誰か面倒くせーご機嫌取りやデートとか無しで、ヤらせてくれる香具師いねーかなーっと」  
 汗の匂いが気になってきた煎餅布団の中で肉棒をしごきつつ、俺は一人ごちた。  
 自己紹介しておこう。俺は俵吉彦、十八歳。つまんねえ学校を卒業し、晴れて今年から社会人だ。つってもフリーターだがな。オナニー以外にやりたい事も無いし、今は時間を金に変えているって訳。その内一発逆転するさ。  
 趣味はゲーム、アニメとややオタクっぽいところはあるものの、外見は普通だし、ファッションにもちょっとだけ気を使っている。なのに彼女が居たことがない。まったく今時の女はどうかしてる。チャラそうなDQNには簡単に股開くくせによ。  
 と、そこで俺は妄想をやめた。せっかくオナニーが佳境にきてるのに、DQN野郎の顔を脳裏に浮かべてイってしまった日には、悲劇もいいとこだぜ。  
 ――おっと、気持ちよくなってきやがった。  
 俺はしばししごく手を緩めた。  
 マグマが込み上げて来たらしごく手を緩める。そして落ち着いたらまたシコシコ擦る。こうして少しでもオナニーを長く楽しむのが俺のやり方だ。  
「あーいくいくいくっ。いっちゃうよぉ〜ってか」  
 アホな事をいいつつしゅっしゅとティッシュをつまみ出す。そしてフィニッシュを迎えようとした時、エロ本しか無い筈の押入れの襖がガラリと開いた。  
「は、初めましてっ! 突然ですが、今日から吉彦様のお世話をさせて頂きます。  
 どうぞよろし……く…………」  
 と、押入れから飛び出してきたメイド服美少女が、肉棒を握り締めて固まる俺を見て硬直した。  
 気まずい沈黙の中、俺の亀頭からガマン汁がとろりと流れ落ちた。  
 
 フリフリのエプロンドレスのスカートは超ミニで濃緑色。脚は白のニーソが穿かれ、半袖から覗く腕はこれまた白のロンググローブに包まれている。ボリュームの多く長い黒髪のツインテールの頭には、フリルの付いた純白のカチューシャが乗っかっていた。  
 くりっとした目と柔らかそうな頬が魅力的なロリ顔は、まず美少女といっていい。背はそれほど高くないが、スタイルば抜群。ゆったりしたドレスからでもはっきり分かる胸の盛り上がりに、スカートを持ち上げる丸く張った尻。ミニスカートから覗く脚は肉付きがいい。  
 ……てゆうか何この萌え系メイド……これ、夢だよな……  
 と、俺が呆然とメイド服美少女を眺めていると、  
「あ、あのぉ……お取り込み中の所すみませんでした」  
 美少女ゲームの妹系キャラのような可愛らしい声でそういうと、ぺこりと頭を下げる少女。  
「……つまり、何なのこの展開……?」  
「あの、今日から私が吉彦様のお世話をさせていただく、という事です」  
 と言って、またぺこりとお辞儀する少女。  
 ……答えになってねーし……  
 ま、いいか。どうせ夢なんだし。と、俺は心の中で一人ごちると少女に言った。  
「じゃ、やらせろ」  
 すると少女は恥かしそうに顔を染めたが、俺のそばに寄ってきて、布団に身体を横たえた。  
「はい。どうぞ私を使ってください、ご主人様」  
「おっし。可愛がってやるぜ」  
 と、俺は少女にのしかかった。甘いというかなんというか、芳しい女の子の匂いが鼻腔をくすぐる。  
 ――しかしリアルな夢だよなぁ。ま、醒めちまう前に頂くか。  
 俺は少女の唇に吸い付いて、半ば強引に舌を挿入した。  
“彼女いない歴=人生”の俺に気の利いたエッチなど出来るはずもない。てゆうか、こんな美少女とベッドインしたなら、気後れしてガチガチになるだろう。  
だが、これは夢だ。妄想でヤってるように強気になれるってもんだ。  
ぺちゃぺちゃと舌を鳴らしてディープキスをしていると、ムクムクと俺の息子が怒張してきた。てゆうか、絡む舌の感触がすっげー気持ちいいんだけど。こんな夢、初めてだ。  
俺は服の上から胸を数度揉むと、すぐ下に移り、ムッチリした太ももを開いた。  
 パンティの上から手でなぞると、凄く熱くて湿っぽかった。濡れてるんだ……と、心の中で呟き、ぐっと指で押すと、驚くほど柔らかかった。  
「すげえ……何このリアルな感触……てゆうか初めておまんこ触ったんだが。  
 もしかしてこれ、夢じゃない!?」  
 と、俺は頬を抓る。痛い。  
 焦りつつ俺は少女のパンティを脱がしにかかった。パンティのゴムが柔らかい少女の肉に食い込んで上手く脱がせられない。くるくると外側に巻いていくようにして、やっと脱がせられた。  
 少女の股間が露になる。淡い茂みの下には、色素が沈殿して少し茶色くなった大陰唇があった。  
 
「わたしのここ、使って下さいませ」  
 と、少女は言うと、両手で左右に大陰唇を開いた。にちゃ、と音がして、ピンク色の膣壁が覗くと、発酵したミルク製品のような匂いが鼻を突いた。  
「こ、これ、夢じゃない……だって俺、モザイク無しで見たことないし、大体、こんな匂いまで……」  
 俺は少女の股間にかぶり付くと、舌を激しく動かし、蜜が溢れてくると啜った。  
「あっ――吉彦様、気持ちいいです。うんっ。ああんっ」  
 AVでしか知らない女の子の喘ぎ。俺は夢中で舌を動かしていると、陰唇の上のほうに豆粒みたいなものを舌の先に感じた。  
 こ、これ、クリトリスだ――  
 直感した俺は、舌でその豆を舐め転がすと、  
「あんっ! ああん! あっ、ああっ! 吉彦様ぁ!」  
 と、少女は身体を捩って悦び、俺の頭を股間に固定するように、手で押さえてきた。  
 俺の中で欲情の炎が燃え盛る。俺は嫌と言うほど少女の股間を舐め続けた。  
 そして、おもむろに顔を上げた。  
 少女はとろんとした顔でハッハッと犬のように息を切らしている。  
「お前、自分が奉仕されてるみたいじゃねーか」  
 いたずらに、心にも無いことを言うと、少女ははっとしたように目を開いて、  
「す、すみません! 吉彦様の性行為が、とても良かったので、つい――」  
 と、身体を起こしかけるのを、俺は上にのしかかって抑えて、  
「じゃあ、俺も気持ちよくさせてもらうぜ」  
 と言うと、俺は少女の股を開き割って入った。  
「わたし、初めてなんです……」  
 不安げに言う少女に、  
「俺も初めてだ」  
 と、そそくさとズボンを脱ぎながら俺も答える。  
 肉棒を股間にあてがって、ぐっと腰に力を入れる――が、入らない。  
 あれっ! な、なんでだ!  
 予想外のことに、内心焦りまくっていると、少女は俺の肉棒を掴んで、秘穴へ導いてくれた。  
「もっと下の……ここについているんです」  
 俺は答える代わりに、腰を突き入れる。  
 にゅるっと侵入を果たすと、半ばくらいに抵抗を感じた。少女がぎゅっと目を閉じ、表情を強張らせる。俺はぐっと腰に力を込めると、抵抗は屈し、少女の奥深くまで侵入を果たした。  
「あ、痛っ……」  
 小さく言う少女。と、次には儚い笑みを見せて、  
「いけない。ご主人様に貫いていただいた時は我慢しようって思ってたのに」  
 か、可愛い……マジかよ……  
 可憐な少女に、ドキンと俺の胸が弾んだ。  
 俺は努めて優しく、しかしリズミカルに腰を振った。  
 ふっ、はっ、と腰の動きに合わせて少女が息を付く。AV女優みたいに、あんあんと喘がないのが余計に欲情をくすぐった。  
 やがて、俺の肉棒にマグマが込み上げてくる。  
「ううっ、いくぞっ!!!」  
 俺は思い切り少女の中にぶちまけた。  
 
 
「なあ、お前名前なんていうんだ」  
 恍惚とした余韻に浸りつつ、俺は腕の中の少女に問いかけた。  
「わたしはメイドです」  
「それは分かってるって」  
「名前もメイドっていうんですよ」  
 と、彼女はポケットからメモ帳を取り出し、さらさらと書いて俺に見せた。  
“詠野冥土”と、そこには書かれていた。  
「よみの、めいど。  
――なんつー名前だよ」  
 ははっ、と俺は声を上げて笑った。  
 こんな屈託無く笑えたのはいつ以来だろう、と笑いながら俺は考えていた。  
 
 
 

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