「一目惚れしました、付き合ってください。」
自宅の前で不意に声をかけられた。この辺の中学の制服だが、オレは一年前の春に、高校入学に合わせて家族で引越してきた。この中学生の顔に見覚えは無い。
「オレ、彼女いるから。」
それだけ言い残し、振り向きもせずに家に入る。
翌日、家の前に人の姿が有った。昨日の中学生だ。
「これ、読んでください。」
差し出したピンクの便箋には 矢神 享也 と、オレの名前が丁寧な文字で書かれている。
綺麗に切り揃えた前髪、膝下のスカート、丁寧な文字・・・。 いわゆる真面目タイプの女、オレの好みからいえばつまらない女だ。
「言ったろ、彼女がいるって。」
そう言って手紙を突き返し、振り向きもしないで家に入る。まったく興味が沸かないのだから、変に期待させるよりはきっぱり断った方がこの女の為にも良いだろう。
しかし更にその翌日も、あの女は家の前に立っていた。
ストーカーだ!
この手の真面目で恋愛経験少ない奴は、思い詰めると周りが見えなくなって、突拍子もないことをしでかすから怖い。
まさか、いきなりナイフでブスり・・・。
いくら何でもそこまでやらないだろうと苦笑し、女の横を足早に通り抜ける。
「私、本気なんです。あなたの事で頭が一杯で、胸が苦しくって・・・。」
まったく、面倒くさいのに気に入られたものだ。
胸に付けた名札に目を移す。
3‐B
十口 りん
二つ年下だ。
やけにスッキリした名前、というのが第一印象だが。そう、この女は名前の印象通りに体つきまでスッキリしている。興味が沸かない最大の理由はそれだ。
普通中3なら、少しくらいはふっくらしていても良さそうだが、この女は完全なスッキリ体型。オレが今付き合っている彼女は、一つ年上でEカップのエロエロな彼女だから、こんなスッキリ体型ではどうにも物足りない。
Cくらい有れば味見してみようかと思うのだが、ここまでスッキリしてると摘み食いする気も起きない。
やっぱり女は巨乳だ! 豊かな胸こそ女らしさの象徴、男のロマンだ!!
こんなブラジャーすら着けているのかどか分からないスッキリ体型は眼中にすら入らない。
「何度も言わせるな、オレには彼女がいるんだよ。一つ年上でEカップのエロエロな彼女が。だからお前みたいな谷間も作れない様な女には興味ねえから。」
「E…カップ・・・」
どうやら相当ショックだった様だ。呆然と立ち尽くし、視線は宙を彷徨っている。
初めからこうすれば良かった。オレの彼女との女としての格の違いを思い知れば、大人しく引き下がるだろう。
オレは家の鍵を開け、振り向きもせずに家に入った。
翌日、今日はもう流石にいないだろう。という予想に反し、あの中学生は家の前にいる。
「お前、本当にしつこいな。お前みたいなスッキリ体型に用はない、さっさと失せろ。」
犬でも追っ払う様に、スッキリを追い払う。
「やっぱり、おっぱい大きい人が好きなんですか?」
「当然だよ、オレは巨乳党なの。まあ世の中には貧乳好きの男もいるから頑張れ。」
「でもほら、私は今成長期じゃないですか。これからどんどん大きくなりますよ、FとかGとかに成長する可能性も有るし。」
フッ、と思わず鼻で笑ってしまう。中3で平面が、FとかGなどとほざいている。
「最高に面白い冗談だ、お前冗談言えたんだな、意外だよ。」
ハハハと笑いながら、中学生の肩をポンポンと叩く。
「じゃ、Gまで成長したら出直してくれ。」
それだけ言って、鍵を開けて家に入る。もちろん、振り向きもせずに。
翌日、例によってまたあのスッキリ女がいる。本当にしつこい。
もっとも、うっとおしい以外は、特に害は無いのだから、無視すれば済むことなのだが…。
「お願いします。私、頑張ります、何でもしますから。」
と詰め寄る女を、力で押し返す。
「頑張るって、寄せて上げる余地も無い奴が、何を頑張るんだよ。」
手荒く女を押し退けて、家の鍵を開ける。
明日は土曜日。毎週土曜は、Eカップでエロエロの、年上彼女とエッチする日だ。だから金曜はいつもテンション高めなのだが、そのせいで逆に、このスッキリ女がいつも以上にうっとおしく感じた。
「おっぱい小さくても、出来ることなら色々あるじゃないですか。コスプレとか、フェラチオとか。」
オレの体を衝撃が突き抜ける。
「何だと!」
思わず振り返ってしまった。
「やりますよ、何でも。
ナースでも婦警でもバニーでも、何でもやりますよ。」
「そうじゃなくて。
フェラチオしてくれるのか?」
「はい、やりますよ、フェラチオ。」
こんなスッキリ女、まったく相手にする気はなかったが、『フェラチオ』の一言で、その気持ちは大きくゆらいだ。
フェラチオ。一度はやってみたいプレイだが、一つ年上のEカップ彼女は、どんなに頼んでも嫌がってしてくれない。
年上でエロエロな彼女だから、頼めばどんな体位でもやらせてくれる。いつもオレのやりたい様にエッチしているが、フェラだけは嫌がってどうしてもしてくれなかった。
オレの方が年下で、甘えさせてもらってる関係だから、無理には頼めないのが。一度でいいからやってみたいと思っているプレイだ。
そんな、エロエロな年上Eカップ彼女ですらしてくれないフェラチオを、この女はキスもしたこともないのにするというのか。頭おかしいのではないかと疑いたくなる。
だが・・・。
確かにこの女のいう通り、単にフェラチオだけならば、胸のサイズはあまり関係ない。今まで胸だけ見てがっかりしていたが、良く見れば顔はまあまあだ。セックスするには物足りないスッキリ女だが、フェラチオなら結構楽しめそうだ。
今まで、あれだけ頼んでダメだったフェラチオが、こんなにも簡単にしてもらえるとは。こんな美味しい話、逃す手は無い。
「よし、ならフェラチオしてくれ。」
オレは玄関の鍵を開け、女を家に招き入れた。
オレの家は、両親共稼ぎなので5時過ぎまではオレしか居ない。女を家に上げるのに何ら問題は無いが、Eカップの年上彼女とやる時は、いつも彼女の家だ。
考えてみれば、中学の頃も彼女はいたが、この家に越して来てから女を連れ込むのは初めてだた。
そのまま部屋に直行して、制服のままズボンとトランクスだけ脱ぎ捨てる。
「じゃ、フェラしてくれよ。」
「はい。」
すぐに女はそばまで近寄ると、下半身を露にしたまま仁王立ちの、オレの前に跪く。
「歯立てるなよ。」
どっかで聞いた様な言葉は、年下の女になめられたくないから言った、ただのハッタリだ。はやる心とは裏腹に、緊張しているせいか、それともこいつの色気が無いせいか、息子は全然勃つ気配が無い。
しかしそんな心配は無用だった。ペロペロと舐められればムクムクと反応し、息子は文字通り目に見えて大きくなっていく。
さすがにこの女も、人体の驚異的な反応に戸惑ったのか、舌の動きが止まる。
「休むな、続けろ。」
荒々しく命令すると、思い出した様に再び舐め始める。
「よし、次はくわえてみろ。唇で先っぽをしゃぶってみろ。」
小さな唇が亀頭をくわえ込んで行く、ぞくぞくする様な快感が広がる。
亀頭をしゃぶる唇の動きに合わせ、次々に快感の波が打ち寄せて来る。
ああ、フェラチオはやっぱり気持ちいい。
オレにとって、すべてが新しい感覚だった。
初めてフェラチオされるのもそうだが、今の彼女と付き合ってからは、別の女とエッチするのも初めてだ。
何より、相手が年下というだけで、精神的に優位に立てるというのが、それまでとはまったく違っていた。
いつもの様に、年上彼女のEカップバストに顔をうずめ、豊かなその胸に溺れるのも良い。しかし、こんな風に年下の女に奉仕されるのも堪らない。
ぎこちない唇が、一所懸命亀頭をしゃぶっている。
不慣れなことで、緊張してギクシャクした感じが初々しい。唇で軽く触れ、表面を撫でる様な可愛いフェラだ。
「もっと強く吸い付いて、ねっとりしゃぶってみろ。」
指示与えれば、それに応えて唇が亀頭に吸い付いてくる。より強く押し付けられた唇の感触が、亀頭に心地良い。
小さな口が懸命にフェラチオしている。少しでもオレに気に入られ様と、必死でしゃぶり付く姿に、今までとは違った欲情が芽生えた。
(かわいい奴だ…)
初めてそんな風に想った。
オレの好みは巨乳だから、付き合う女、好きに成る女は、グラマーなセクシー系ばかりだ。
今の年上Eカップ彼女も、可愛いという印象は無い。ひたすらエロい、エロエロな女だ。
しかし好みで無くても、女から好かれるのは、男として悪い気はしない。タイプではないが、ここまで一所懸命に、献身的なフェラをされれば、この女が可愛いと想えてくる。
(この女、なんて名前だっけ?)
ふと思った。
画数がやたら少なかったのは憶えているが、名前は忘れてしまった。オレにとってはその程度の女なのだ。
元々興味無かったが、フェラチオが気持ち良かったので、今始めて興味が沸いた、それだけのことだ。
しかしこの女は、そんな男に一所懸命フェラチオしている、ただオレに認めてもらう為だけに。
亀頭に感じるフェラチオの快感は、快楽のうねりとなって意識を飲み込もうとする。
そして名前も忘れてしまった女が、オレへの愛を示す為に、必死でフェラチオしていることに、オレの欲情は更に掻き立てられる。
今までのセックスとはまるで違う、異世界にでも迷い込んでしまったのではないか? と軽いトリップ感にさえ襲われる。
「何で、お前そんなに一所懸命なんだ?」
恍惚の中で、半意識的に浮かんだ疑問は、声に成り言葉と成る。言う必要の無い、余計な一言だと知りながら。
「お前だって、オレのことは何にも分かって無いんだろ? なのに何でそこまでするんだ?
オレはお前が考えている様な男じゃない。南達高校、落ちこぼれの集まる不良高校なんだぜ。」
静かに揺れていた頭は止まり、フェラを中断した顔が、そのまま静かにオレを見上げる。
「ひとめ惚れに、理由なんて有りませんよ。」
さらりと、当たり前の事の様に。
「強いていうなら、年上が好きだから、かな。
それに男は、ちょい悪くらいがカッコイイです。」
やっぱり、この女よく分からない。
一目惚れという理由だけで、良く知りもしない男にそこまでつくす心理は、まったく理解することができない。
ただ一つだけ分かるのは、年上が好きという部分。実際に年上の彼女と付き合っているオレには、唯一そこだけが共感できるところだった。
オレから見れば年下の女だが、こいつから見ればオレは年上なのか。そんな事、当たり前過ぎる程、当たり前なのだが。こいつの目にオレは、年上の男として映っているのだとを知った。
オレから見れば、名前も忘れた『この女』。しかし、こいつから見れば、オレは一目惚れした憧れの男なのか。
何か、フェラチオがあまりにも気持ち良かったから、この女にも情がわいたが。心配など必要無かった様だ。
ちょい悪くらいが好みというのなら、こっちも遠慮なく楽しませてもらおう。
「もっと深くくわえてみろ。」
オレの求めに応じて、女は緩やかに口の中に亀頭を含んで行く。
「もっと早く。」
「強く吸え。」
「舌も使え。」
オレが指示を出す度に、より強い刺激がやまびこの様に返ってくる。
根が真面目な性格なのだろう、オレの指示の一つ一つに応える為に、懸命に亀頭にしゃぶりついている。
「そうだ、気持ちいいぞ。
もっとだ、もっと激しく。」
早く、強く、激しく。まだキスもしたことの無いうぶな唇が、一生懸命にフェラチオしている。ただ、オレに振り向いて欲しいという一心で。
オレのオーガズムは、いよいよ極限を迎える。
「行くぞ、溢さず受け止めて全部飲み込めよ。」
オレは激い興奮のまま女の頭を押さえ付けて、自ら腰を振り、強引にフィニッシュする。欲望のままに、思いきりザーメンを口の中にぶちまけた。
女はオレの命令通り、一滴も溢さず、オレのザーメンをすべて飲み込んだ。
「矢神さんの精液、ちゃんと全部飲みました。」
かなりきつそうなのに、無理して笑顔を作ろうとしている。本当に可愛い奴だ。
オレは、この女を二番目の彼女にすることにした。
フェラチオ専用の第二彼女だ。
学校から帰ると、もうあいつが玄関前で待ち伏せしていることは無い。ドアを開ければ、あいつの声が出迎えてくれる。
「お帰りなさい。部屋を片ずけておきました。」
参考書を片手にあいつが現れる。合鍵を渡してあるので、いつも勝手に上がってオレの帰りを待っているのだ。
「悪いな、受験生は大変だな。」
あれから3ヶ月たった。受験を控えた中3なのに、こうして毎日オレの家にフェラチオするためにやって来る。
優等生っぽい女だと思っていたが、こいつの志望校は難関の進学校だ。それなのに受験一ヶ月前になっても、こうしてオレの家に上がり込んで、参考書広げながらオレの帰りを待っている。
はっきりいって、オレにはこいつが何を考えているのかさっぱり分からない。
「今日はどうしますか?」
「そうだな、しゃぶってくれ。」
フェラチオするかしないかは、その時のオレの気分しだい。気が乗らなければそのまま何もせずに帰えるが。
「はい、では早速。」
しゃぶれというと、こいつ何でこんなに嬉しそうなんだ。
チップ、チップ、と可愛いらしい音を立てて、亀頭にしゃぶり付く。
はっきり言って、こいつに興味有るのはフェラチオだけで、身体にはまだ手を付けていない。処女のまま、キスさえもせずに、フェラチオ専用というのが最高なのだ。
こいつとは、趣味が合わないし、話をしてもまったく面白くない。オレからすればつまらない女なのだが。こいつも、フェラチオだけを気に入られている事が分かっている。
だからこいつは、一生懸命に全力でフェラチオする。そこがまた堪らなく可愛い。
こいつの事は、Eカップの年上彼女にバレてしまったのだが。フェラチオ専用ならば良いと言い出した。
モテる男を彼氏にするのが、年上彼女にとってのステータス、なのらしい。
こいつも二番目でも、フェラチオ専用でもいいから、側に置いて欲しいというし。
オレにとっては都合が良いが、二人の考え方はオレには理解できない。
貪る様にしゃぶり付く。
こいつとオレの接点はフェラチオだけ、だから余計に激しく求める。
あれから3ヶ月たったが、飽きるどころか更に激しくオレを求める。
年上でEカップのエロエロ彼女と、年下のフェラチオ専用第二彼女。オレは二人の彼女と最高のセックスライフを満喫している。
「んっ、んっ、ん〜っ。」
亀頭をしゃぶる可愛い唇の、チップチップと湿った音に、喉の奥から漏れる、悩ましい喘ぎ声が交ざり合う。
自分はフェラチオ専用の二番目彼女と知りながら、だからこそ一生懸命にフェラチオする。そんなこいつが堪らなく可愛い。
オレは手で、こいつの頭を押さえ前後に振る。いつものイク時の合図だ。
フェラチオがこいつの愛情表現なら、口内射精することが、オレの愛情表現だ。
口の中にぶちまけられたザーメンを、こいつは残さず全部受け止め飲み込む。これがオレたちの愛の形なのだ。
「お前フェラ上手くなったな、それに色っぽくなった。」
「嬉しい、矢神さんに誉めてもらえた。」
うっとりと、幸せそうに喜んでいる、本当に可愛いやつだ。
こいつはフェラチオ専用第二彼女。
でも浮気じゃない。二番目だけど、本気の彼女だ。