「今晩は」  
「おじさん…誰?」  
「良い子の味方触手サンタさんだよ」  
「…サンタさんなの?」  
「ノン、『触手』が抜けてるよ」  
 
少女が怯えた表情で後ずさるとサンタさんは素敵な笑顔で親指をたてる。  
 
「プレゼントだよ。受け取りたまえ」  
 
触手サンタさんの担いだグニョグニョうごめく袋から触手が伸びる。少女の発する悲鳴をかき消すように唇へ…身体へと殺到する。  
 
―明け方  
少女の顔はだらしなく歪み、意味の持たない呟きが唾液と一緒に唇を伝う。少女の部屋には少女と触手と汁にまみれた靴下のみ。  
触手サンタさんはもう居ない。世界中の少女に触手をプレゼントしなければいけないから。  
 

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