天国のお母さん、小夜音は元気に暮らしています。  
 闇金に一千三百七十五万円の借金を作っていなくなってしまったお父さんの行方はまだ判らないけれど、  
警察の人が捜してくれているみたいだし、私の生活の面倒を見てくれる親切な人もいます。  
 学校もこの間変わりました。私立の女子校で制服がとっても可愛いです。  
 お友達もできました。とっても美人でスタイルも良くて、勉強もスポーツもなんでもできて、結構マイペースで  
変わっているけど悪い人じゃないと思います。  
 だからお母さん、小夜音のことは心配しないで下さ……  
 
      *      *      *  
 
「あらあら、小夜音さんったら。土曜日で学校がお休みだからってこんな時間まで惰眠を貪っていらっしゃるなんて  
だらしないですわよ?」  
「うひゃぁあ!? ゆ、雪江さん!? どうしてここに!?」  
「まあ、開口一番そんな間抜けな悲鳴でご挨拶だなんて。私がお友達を起こしに来るのはそんなに驚かれるような事ですの?」  
 目が覚めたらお友達が布団を剥ぎ取って馬乗りに覗き込んでる状況で驚かない人はあんまりいないと思います。  
 しかも、ここ、私の家なのにどうして雪江さんが……  
「お、おはようございます雪江さん…ですけど、あの、どうして雪江さんが私の布団に、ていうか家の中に……?」  
 うふふ、と大輪の花のような笑顔を浮かべた雪江さんの片手でちゃらりと音を立てているのは銀色の  
──あれ? うちの鍵?  
「この間、こちらのアパートの大家さんにお土産を持ってご挨拶に伺ったら合い鍵を頂きましたのよ。  
折角だから驚かそうと思って今朝まで内緒にしていたのだけれど……でもさすがは小夜音さん、  
このいかにも薄べったい煎餅布団ですとか野暮ったい綿60%ポリ混のパジャマですとか、  
予想に違わぬ貧相な寝姿を堪能させて頂きましたわ」  
「ど、どうしてポリ混まで? ……って、あ、あのそれ、私の──!?」  
 雪江さんのもう片方の手にあるのはどう見ても私が着ている水色のパジャマのズボンです。  
 それがそこにあるということは、ええと……道理でなんか脚がすーすーすると…………!?  
「ぃひぁあっ!?」  
「今ごろ気が付くだなんて、ミツユビナマケモノ並みの愚鈍さですのね? それとも、眠っている間に  
前と後ろにこの程度の太さのものを咥え込んだ程度ではもはや感じない程に常時緩ませていらっしゃるのかしら」  
 雪江さんがどいてくれてようやく自由になった上体を起こし、慌てて自分の体を見下ろします。  
 パジャマの上は前のボタンをあらかた外されてはだけられ、ズボンは脱がされて──ズボンだけじゃなくて  
ゆうべ穿いた白いパンツも無くなってて、代わりに黒い革の紐パンツみたいな、紐の代わりにベルトでがっちり  
留まってるみたいなのを穿かされていて。  
 しかもその内側には何か太くて硬い感触のものが二つ生えていて、それぞれ私の大事なところとお尻の中に  
……その、ずっぽりいっぱいまで入り込んでて……雪江さんが手にしているコントローラーのつまみが  
ひねられるたびにブルブル震え…てっ……  
 
「…な、なんですかぁ、あっ、あ……ひっ、これぇ………!?」  
「流石にバイブレーションを効かせれば感じるようですわね?  
良かった、小夜音さんのサイズに合わせて仕立てさせた甲斐がありましたわ」  
 雪江さんがころころと笑いながらリモコンのつまみを右へ左へ回すたび、お腹の中で二本のバイブレーターの  
震動が強くなったり弱くなったり、まるで二匹の大きな芋虫が暴れ回っているみたいで、私は布団の上に  
座ったまんまでビクビクと体を引き攣らせ悶えてしまいます。  
 お尻とあそこが最初はすごく痛かったのに次第にじわっと熱くなってきて、バイブレーターを挿れられてるところや  
脚の間をぬるぬるさせているのがローションとかジェルとかだけじゃなくて、体の中からじゅわっとどんどん  
溢れ出してきて、あっ、やだ、敷き布団に染みになっちゃう………!!  
「どう? 今までのディルドとはずいぶん違うでしょう? …ふふ、だいぶ悦さそうなお顔になってきましたわね」  
「あふぅ…っ、ごめ…なさ……ゆるひ…てぇ……ひぁあうっ!!」  
「あら、何を謝ってらっしゃいますの? ほら、テストはこのくらいにして、早くお支度なさい」  
 きゅっ、と雪江さんの指がリモコンの目盛りを「切」に合わせるとそれまで私のお腹の中をさんざん苛めていた  
バイブレーションはぴたりと止まりました。まあ、それでも体の中に異物が入っている事には変わらないのですが。  
「……は、はひ?」  
「さっさとそのヨダレだらけのお顔を洗って、お洋服を着て──今日は遊園地にでもお出掛けしましょうか」  
「え、えぇええぇえええ────!!?」  
「大丈夫、まだ九時半ですもの、近場でなら余裕でたくさん遊べますわ!  
ほら、この通り一日フリーパスも二枚」  
「ぇえええぇえええぇ────!!??」  
 
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「小夜音さん! 次はあれに乗りましょう、ほら、早く!」  
「は、はぃ……い…っ」  
 すっかりはしゃいだ様子の雪江さんが軽やかな足取りでコーヒーカップの方へ駆けていき、振り返って  
手招きをしているのが見えます。  
 でも私はと言えば力の入らない足腰を引きずるようにヨロヨロと付いていくのが精一杯。  
「嫌ねえ、小夜音さんたら、なんだかガニ股になってらしてよ」  
「しょ、しょうがないじゃ…ないですかぁっ……」  
 股の間に固形物を二本もねじ込まれていては内股になりようもありません。  
 今はただ、そこに入っているだけなので何とか歩けはするのですが──  
 
 ビーッとブザーが鳴って、コーヒーカップ型のアトラクションが回転を始めます。  
「この真ん中のハンドルを回せば、もっと早く回転するそうですわね?」  
 にっこりと楽しそうな顔の雪江さん。こういう場合、ハンドルを回すのは勿論私の担当です。  
 円盤状のハンドルを握る手に力を込めると私達の乗ったカップが回転速度を上げ、台座の回転に  
カップ自体の回転が加わって変則的な、三半規管を揺さぶるようなGが体にかかり始めました。  
 回してる私もちょっと気持ちが悪くなりそうな回転運動の中、雪江さんは平然とした表情で  
風になびくきれいな髪を片手で軽く抑えています。  
 そしてもう反対側の手が上着のポケットを探って薄い板に小さなつまみの付いたリモコンを取り出し、  
細い指先でくいっ、と電源を入れるのが視界の隅に見えました。  
「ぅふぁああああぁっ!!」  
 途端、下腹部に埋め込まれたものが息を吹き込まれたかのように動き出し、薄々心の準備はしていたのに  
うっかり変な声を上げてしまいます。  
「…っあ、あぁ……」  
 幸い、他のお客さんが上げる歓声や悲鳴に紛れて誰にも気付かれてはいないようですが、  
だからといって今、体の中で絶え間なく暴れている感覚が無くなる訳でもありません。  
 コーヒーカップの硬い座席のせいで余計に強く感じる震動に、堪らずハンドルにもたれ掛かるよう体を折ると  
今度はお腹の奥の方に震動が伝わって今までとは違う、喉元まで何かがせり上がってくるような気分がして、  
慌てて顔を上げるとそこには相変わらず雪江さんの笑顔がありました。  
「ふふ、よだれが出てますわよ」  
 バッグから取り出したハンカチで私の口元を優しく拭って、再びしまう動作の傍らで反対側の手は  
未だにずっとバイブレーターのリモコンを玩び続けています。  
 さっきから何度も、ジェットコースターやウォータースライダーやその他諸々の絶叫系アトラクションに乗るたび  
こんな感じに体の中を掻き回されて、普通に遊園地で遊ぶのの何倍も体力を使ってしまってもうぐったりなのですが  
雪江さんはまだ勘弁してくれません。  
「なあに、酸欠の金魚みたいなお顔をして? 小夜音さん、回転系は苦手でしたかしら?」  
「……ねが…ぃ、です…止め…て……止めてくだ、さ…っ………も……いっちゃ…ぅう……」  
「あら、イく前に止めてしまっていいのかしら?」  
「ふぇえ…とめ…てぇ……」  
 しかし私の懇願とは関係なく、アトラクションが徐々に回転速度を落とし始めたため、雪江さんもあっさりと  
電源を切ってリモコンをポケットにしまいます。  
 再びブザーが鳴ってコーヒーカップが止まり、膝ががくがく震えて上手く立てないでいる私は雪江さんに  
優しく肩を抱かれるような形でアトラクションを降りる羽目になりました。傍目からはきっと、調子に乗って  
カップをぐるぐる回しすぎて自爆した人みたいに見えるに違いありません。  
 
 ヨロヨロと近くのベンチにへたりこんでいた私の前に、すっ、と紙コップが差し出されました。  
「アイスティーで良かったかしら」  
 いつの間にか飲み物を買いに行っていたらしい雪江さんの手から紙コップを受け取り、すっかり  
からからになった口の中に流し込もうとして──やっぱり思い留まります。  
「お飲みにならないの?」  
「だ、だって、これ……トイレに行けないですし……」  
 朝、雪江さんに着けさせられた革パンツは腰骨にぴったり引っかかって固定されるように出来ていて、  
しかも金属製の留め金は鍵でも付いているのかどうしても外せず、さっきこっそり試みてみても  
いっこうにずり下ろしたりできないようになっていました。  
 だから、雪江さんがこの遊びに飽きて外してくれるまでは水分や食事なんて絶対に──  
「ちゃんと小夜音さんの分のお着替えは持ってきていますわ。だから、お漏らしをしても大丈夫ですのよ」  
 い、いやいやいや、ちっとも大丈夫じゃないですソレ!  
「き、着替えより…これを外して頂けたら全然問題ないんですけど……」  
「それは駄目」  
「そんなぁ…」  
 雪江さんは天使のようににっこりと微笑み、私の両肩にぽん、と手を掛けました。  
「お父様のお借り入れ分の猶予と、ついでにお住まいや学校の面倒も見てさしあげる代わりに  
小夜音さんは私のお友達になってくださる、そういうお約束でしたわよね?」  
「はい……そうでした…………」  
 世間的にそれはお友達と言うより奴隷とか言うのでは…という気もしないではないのですが、実際のところ  
私がお父さんの借金の片に風俗業に叩き売られたり内蔵を取られたりもせず、なおかつアパートの家賃や  
学費──先日転入することになった雪江さんと同じ学校の授業料はとんでもなく高額です──やその他の  
生活費まで援助をしてもらっているからには、確かに雪江さんの我が侭に振り回されるくらいは  
我慢しなければいけないのです。  
 ……まさか同い年のお嬢様の遊び相手としてお屋敷に招かれた最初の日に、お茶に一服盛られて  
抵抗できなくなったところをディルドで処女を奪われたり、そのままズルズルと日々あれこれ調教されたりする  
事態に陥るとは想像だにしていませんでしたが。  
「飲み終わったら今度はあれに乗りましょうね」  
 雪江さんの指が指し示す先にあったのはメリーゴーランド。  
 絶叫系じゃないなら、今回は流石にひと休みできるかも──  
 
 と、思ったのは全くもって甘かったのです。  
「小夜音さんはこのお馬さんがいいわね。私は前の馬車にしようかしら? 後ろ向きに座れて小夜音さんがよく見えますもの」  
「……ま、跨いで乗らないとダメ、ですか……」  
「他にどんな乗り方が?」  
 確かに、メリーゴーランドの入口には『危険なので馬には横座りしないで下さい』と明記されています。  
 しかし、雪江さんが指定した馬は三重の円になった回転板の一番外側、ちょっとの空間と柵の向こうには  
普通に順番待ちの人が並んでたり、ベンチでカップルがいちゃついてたり、係員の人が待機してたりするのです。  
その上私の恰好は膝上五センチほどのミニスカートで、その下と言えば例の革パンツの上から自前のパンツを  
もう一枚穿いただけ、色は汚れが目立たないように黒っぽいのだからよく見えないかもしれないけど、でも。  
「早く乗らないと動き出してしまいますわよ?」  
 動き出す寸前に別の、普通に座れる乗り物に飛び乗ってしまおうか、そう考えないでも無かったのですが、  
仮にそうした場合、雪江さんは本気と書いてマジで最強にスイッチを入れて私をのたうち回らせるような気がします。  
この、音と言えばクラシックBGMが流れている程度の、衆人環視の中で。  
 大人しく言うとおりに馬に跨れば、人に見られるスリルでヒヤヒヤしてる様子を面白がられるだけで  
済むかもしれない──そんな胸算用で、渋々気を付けながら馬に跨った私と、前方の馬車にこちらを向いて  
優雅に腰掛けた雪江さんの視線がはた、と合いました。  
 にこり、と小首を傾げて微笑む雪江さんに対して、どういう顔をしていいのか解らなくなったその瞬間、  
ぎっ、と微かな軋み音と共にメリーゴーランドが動き出しました。  
 
 
 しまった──  
 そう思う間もなく、メリーゴーランドは回転を始めます。  
 ただ回るだけならまだしも、まずい事に馬や羽の生えた子豚なんかの跨って乗るタイプの乗り物は  
その間ゆっくりと上下し続けるのです。  
 単に跨っているだけでも鞍に当たっていて股間を貫くものが食い込んでくるのに、機械的に上下する動きが  
ゴン、ゴンと固い震動を伝えてきてお腹の奥がちりちりとします。  
 鐙の部分に置いた爪先と、膝に力を込めて腰を浮かそうとした瞬間、前の馬車から見つめる雪江さんの  
口元に悪戯っぽい笑みが浮かんで、リモコンを握った右手がすっ、と持ち上がるのが見えました。  
「…ッ!!」  
 慌てて鞍に腰を落とすのと、体の中でバイブレーターが微弱な唸りを上げ出すのはほぼ同時でした。  
「──っ、ぅ、う…!」  
 目の前にあるポールを握りしめ、寄り掛かるようにして体の中から沸き起こる感覚に耐えます。  
 震動の強さは最弱で我慢しようと思えば出来ないことはなさそうにも思えますが、しかし上下する馬の動きに  
ゆったりと揺られ、鞍に押し付けられた股間から体中に広がる細かな震えにじわじわと炙られるうちにいつしか、  
体中が熱く、頭の芯から蕩け出してしまいそうな気持ちが全身を侵食し始めてきたのです。  
 このままじゃ、駄目──どんどん気持ち良くなって、体も声もエッチに反応しちゃって──嫌、そんなの──  
「ふ、ぅう…っ……ぁ……」  
 ポールに縋り付いた両腕に顔を埋めるようにして、膝に力を入れていやらしくくねりそうになる足腰を  
必死に押さえ込んで、それでも体中が小刻みに震えるのまでは止められなくて。  
 握りしめた手の平も、腿の内側もじっとりと汗ばんで、俯けた顔からも額を伝った滴がぽたりと垂れます。  
 ほんの数分も、何回転もないはずのアトラクションの時間がどこまでも長く長く引き延ばされているような感覚。  
 メリーゴーラウンドの外の遊園地のざわめきも、誰かが何かを話している声も、何もかもが私の恥ずかしい姿を  
嘲っているように思えてきて、知らずぎゅっと閉じた瞼の端から涙がこぼれて膝の上に落ちました。  
 熱い。  
 もうやだ。  
 頭も顔もぼーっとして、何も、考えられなく──  
 
 
「────さん、小夜音さん」  
「……え……あ、れ……?」  
 はっと目を開くとと横からどことなく心配そうに見上げている雪江さんの顔が目に入りました。  
 いつの間にか、メリーゴーランドは回転を終えていて、ついでに体の中の震えも止まっていて。  
「そちらのお客さまは大丈夫ですか? ご気分がすぐれませんようでしたら係の者が救護室までご案内しますが」  
 遊園地の係員の人が近付いてきて、私は慌てて馬から降りました。  
 うっかりお医者さんとかに介抱されたりして、スカートの下がこんな状態なのを見られてしまったら大変です。  
「だ、大丈夫です! つ、次のに行きましょう雪江さん!」  
 ちょっと千鳥足になりつつ雪江さんにしがみつくようにしてメリーゴーランドを出て、そこから無我夢中で  
どこをどう歩いたのかよく解らないままに、気が付くと私達は遊園地の中でも一際小高いところにある  
大観覧車のすぐ側まで来ていました。  
 
「……あれ、乗りましょうか」  
 特にすごく乗りたかったわけでもないのですが、つい口をついて出た言葉に、  
「ええ、ちょうど乗りたいと思っていたところですわ」  
 雪江さんは静かに微笑って頷きました。  
 
 
 がちゃりと音を立てて金属のドアが閉まり、狭いゴンドラの中には私と雪江さんの二人きり。  
「小夜音さん、もうお加減は大丈夫?」  
 覗き込んでくる雪江さんの顔を見たくなくて、ぷいと下を向いた私の頬をほっそりとしたきれいな指先が  
つつっと撫でます。  
 シートに掛けたままお尻をずらし、壁にくっつくようにして身を離した私の様子に、雪江さんの形のいい眉が  
思案げに寄せられました。  
「…怒ってらっしゃるの?」  
「…………」  
 そりゃ怒ってます。  
 実質、親の借金と引き換えに身売りしたのと大差ない身の上だから逆らったりとか出来ないけど、  
だからってこんなところで公開羞恥プレイをされて平気なわけがないじゃないですか。  
 
「ごめんなさい、小夜音さん」  
 いくら謝られたって…………え?  
 思わず顔を上げると、雪江さんはこれまでに見たことのないようなしゅんとした様子で俯いていました。  
 あの我が侭で、人を人とも思ってなくて、自分の間違いをろくすっぽ認めたことのない雪江さんが、私に、謝って?  
「私、小夜音さんが相手だとつい甘えすぎてしまって、ひどいことばかりしてしまうわ」  
 ……甘えてるって言うんですか、こういうの。  
「いいえ、本当は小夜音さんが可愛くて面白いのがいけないんですわ。いつもいつも、困り顔も泣き顔も  
怒り顔も可愛くて、でも一番可愛いのは羞恥と快楽に耐えて必死に我慢してらっしゃる顔だと思うのですけど、  
ほら、いちいちそういうリアクションがそそるんですもの!」  
 そう言いながら何故か雪江さんは思いっきりヒいて後ずさっていた私を壁から引っぺがし、  
強引に抱き寄せたかと思うとやにわにゴンドラのシートに押し倒しました。  
「ひぃっ!? ちょっ、なんか途中からすごく勝手なこと言ってませんか!? ……あ、あぁっ、なに…す……」  
 いつの間にか両腕を背中の後ろでまとめて押さえ込まれ、抵抗もできない私に覆い被さってきた雪江さんは  
いつもそうするように有無を言わせず唇を奪い、何か言いかけて開いていた隙間から舌を差し入れて  
口の中を舐り回すのと同時に、片手が服の上から私のそれ程大きくもない胸を揉みしだきはじめます。  
「んっ! んんーっ!! …ぁ、ぷはぁっ! ゆ、雪江さん、嫌ですこんなとこ……他のゴンドラから見え…っ……!」  
「見られてしまいそうでドキドキしている小夜音さん、とっても可愛いですわ……」  
 胸をまさぐっていた雪江さんの手が本当にもの凄くドキドキと早鐘を打っている心臓の上に押し当てられ、  
一方で反対の掌は背中を滑り降りてスカートの中に入り込んで来ています。  
 さわさわとお尻を撫で回した手は両脚の間に滑らされて、まだバイブレーターを埋め込まれたままの股間を  
パンツの上から──  
「……あっ」  
「……さ、よ、ね、さん……? 何ですの、これは……?」  
 雪江さんの指先が、私のパンツの底のふかふかとした感触を詰問するようにぐりぐりと押し付けられていて  
その圧迫感だけでも正直腰がガクガクしてしまうのですが、それでも雪江さんがこういう顔をしているときは  
正直に答えない訳には行きません。  
「せ……生理用…ナプキン…です……っ」  
「小夜音さんの予定日はもう少し先でしたわね?  
それなのにどうしてこんなものを着けていらっしゃるの……」  
「だ、だって、あんなの挿れられてたら色々出ちゃいそうで…っ、ゆ、遊園地の座席とか汚しちゃった…ら…  
迷惑ですし……ああっ、やっ…パンツ下ろさないで……くださ…っ!」  
「悲しいですわ、小夜音さん」  
 ぺりぺりと微かな音を立てて雪江さんはずり下ろした私のパンツからナプキンを剥ぎ取り、くるくると丸めて  
ハンカチで包むと私の上着のポケットに押し込みました。そして再びパンツをずり上げて元通りに穿かせ直すと、  
例のリモコンを取り出していきなり目盛りを最強に入れたのです。  
 
「ふにゃぁああぁぁあっ! あっ!? あひぃいっ!!」  
 急激なバイブレーションにあそことお尻の中を抉り回され、私の体は水から上げられた魚のように  
びくびくと痙攣して跳ねました。ゴンドラの壁にごつんと頭をぶつけたような気もしますがそれどころじゃありません。  
「さんざんおツユを漏らしてぐしょぐしょの下着を恥ずかしがる小夜音さんの姿を楽しみにしていましたのに、  
こんな姑息な手段を講じていらっしゃるだなんて」  
「あぁっ、ぁひ…ごめ……なさ……! も……しません…から…ぁぅ、止め…てぇ……!!」  
「駄目ですわ、このゴンドラが下に降りるまでのあと10分少々、今まで分を取り戻すくらいには悦がり狂って頂かないと」  
 きれいな顔にもの凄くサディスティックな笑顔を貼り付かせた雪江さんは、座席シートの上で悶え転げている  
私を見下ろして処刑宣告をすると、バッグの中からごそりと何かを取り出しました。  
「そうそう、これも持ってきていたのをすっかり忘れていましたわ」  
 雪江さんの手が私の着ているブラウスごと下着を押し上げ、ずれたブラの下からAカップの胸が露わにされます。  
 自分でも恥ずかしいくらいにぴんと尖って立ち上がっている乳首を雪江さんの白い指先が軽く捏ねたと  
思う間もなく、そこに何か冷たいゼリーのような感触が押し付けられました。  
「ふぁっ!? …え、なに……これ……」  
 両胸のてっぺんに貼り付いている丸い薄いプラスチックの板、肌に触れてる面にはぷるぷるしたゲルパッドが  
付いていて、下端から細いコードが伸びて、雪江さんがサージカルテープでその板とコードを肌に固定してて、  
そうだ、これ、肩こりとかに使う低周波マッサージ機の電きょ…く……!?  
「いひぃあぁああっ!? いっ、痛ぁっ、やぁあああああ!!」  
 軽くピリッとする刺激のすぐ後に、胸の先端を強い力で叩かれているような、思いっきり掴まれて  
ねじり上げられているような感覚が襲ってきて、私はそれまでにも増して転げ回る羽目になりました。  
 体が座席からずり落ちて、ゴンドラの床に両膝をついた状態で背中をシートに寄りかからせ、全身をがくがくと  
震わせながら電気仕掛けの玩具に蹂躙されている腰と胸をあられもなく振り立てている自分の姿を薄々  
自覚しますがもはやどうしようもありません。  
 股間から生温かい液体がどんどん溢れ出して腿の内側を伝い、膝の辺りに水たまりを作っても既に何を  
気にする事も出来ずに、口からは変に鼻に掛かった鳴き声とよだれを、目からは涙をこぼしながら快感に──  
そう、雪江さんにさんざん開発されてしまった私の体はこんな事すら気持ち良く感じてしまうのです──  
のたうち回るばかり。  
「ふふ、本当にお漏らしをしてしまうなんてはしたないですわ、小夜音さん。しかもこんなに可愛いイキ顔をして  
……いけない人ね」  
 雪江さんの両手が涙とよだれでべとべとの私の顔を包み込むようにして上向かせ、もはや声も出ずに  
ぱくぱくと掠れた息を繰り返すだけの私の口に再び唇を重ねて来ます。  
 ぬるりと入り込んできた温かい舌が歯の表面をなぞり、縮こまっていた私の舌をちょん、とつつくや否や  
私の舌も無意識のうちに差し出され、雪江さんのそれに絡まるようにして濃厚なキスに応えました。  
 くちゅくちゅと唾液の絡まる音を立てて口の中を犯されている間もずっと下腹とお尻の中は震動に掻き回され続け、  
胸は見えない手に掴まれ抓り上げられるような刺激を与えられ続けているのに、私の頭はすっかり蕩けてしまって  
止めてとか嫌だとか、そういう言葉が意識の上に取り出せなくなっていきます。  
「んく……ぁ、はぷ……ぅんっ、ふぁあ、あ、あぁ……!!」  
「……んふっ、あら、またイッてしまいますの? 小夜音さん」  
「はぃ……い、ぃ、イッちゃいますぅ……ぁ、ああ、イッ、イくぅううぅぁああ!!」  
 恥ずかしい叫び声を上げながら全身をビクつかせて、私は今日何度目かの絶頂に達し、そのままゴンドラの  
床に崩れ落ちるよう脱力してしまいました。  
 
「床をお掃除する役に立つなんて、生理用品も以外と捨てたものじゃありませんわね」  
 雪江さんはさっきまでのただれた行為を感じさせもしないくらいに涼しげな顔で、颯爽と前を歩いています。  
「…そう……です…ね……」  
 その後をついていく私はこれまでにも増してガニ股気味に、よれよれとした足取りです。  
 まだ足腰にはろくに力が入らないし、ポケットには先程びしょびしょに濡らした内股と脚とゴンドラの床を拭くのに  
大活躍して結果ずっしりと重くなったナプキンが入っているし、高分子吸収体をもってしてもフォローしきれなかった  
ずぶ濡れのパンツは歩く度肌にくっついて気持ち悪いしで、流石に真っ直ぐに歩く気力も体力もとうに底を尽いた感じ。  
「それでは、心ゆくまで遊んだことですし、そろそろ遊園地はお終いに致しましょうか」  
「そ…そうですよね、そろそろ帰りましょう!」  
「その前に外でお食事なんていかがかしら? 今日は私のお気に入りのお店に予約を入れてありますのよ」  
 ……既に予約を入れてある時点でいかがかしらも何もないと思うのですがそこにはもうツッコめません。  
「で、でも、私こんな恰好で……その、下着とか汚れちゃって……」  
「今、車を回させますから少々お待ちになって。大丈夫、小夜音さんの分のお着替えは用意させていますわ」  
 
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 約一時間後、私たちは雪江さんの予約したフレンチレストランでテーブルを挟んで向かい合っていました。  
 女子高生が二人で入るには少し贅沢すぎるような気もするお店の中は、フロアの内装から従業員さんの物腰から  
並んだ文字を読むだけで眩暈のしてきそうなメニューに至るまでとにかく上品で一見さんお断りといった感じの  
ムードなので、生まれてこの方食事で贅沢をすると言えばファミリーレストランで一番高いステーキを頼むくらいしか  
思い付かない私としてはただひたすら圧倒されるばかりです。  
「──お味の方はいかが、小夜音さん。お口に合いまして?」  
「…は、はい……おいしい…です……」  
 フランス語かなんかで意味のよく解らない名前の付いたコース料理は確かにもの凄く美味しくて、  
貧乏舌の私にはちょっと勿体ないくらいです。  
 でも。  
「ふふ、そんなに緊張してお食事なさらなくても構いませんのよ?」  
 恐る恐る、と形容するのが相応しいくらいにそろり、そろりとナイフとフォークを使っている私に雪江さんが  
にこりと微笑みかけます。確かに料理も食器もテーブルクロスも高価そうで気後れしちゃうというのもありますが、  
一番の理由は雪江さんだって解ってるくせに──  
「……っく、ぁぅぅ……」  
 レストランに入る前に着替えさせられたシックなワンピースの下で、極々微細なモーター音がサイクルを上げます。  
 さっき雪江さんが呼んだ車──黒塗りで、運転席と広々とした後部座席が完璧に仕切られてて、窓には  
カーテンも閉められるリムジンとか言うアレでした──の中で汚れた服と下着を全部脱いで、蒸しタオルで  
体を吹き終わった私に雪江さんが差し出したのは上品な淡いブルーのワンピースと、新しい──また、そう言う下着でした。  
 逆らうことも出来ず、再び装着させられてしまったソレの中では今も、二本のバイブレーターが一番弱い震動で  
あそことお尻を苛み、その上クリトリスに密着するよう仕込まれたローターがランダムに強さを変えて震えています。  
 ウェストから胸までのビスチェの中には例の低周波マッサージ用電極が幾つも仕込まれ、両胸の先端と  
付け根の辺り、それから背中と脇腹が代わる代わるの刺激を受け続けていました。  
 お店の人や他のお客さんに気付かれないよう声を殺し、揺れてしまいそうになる体を必死で抑えながら  
ゆっくりゆっくりとフォークを口へ運んでいるうちに、もう段々と食事の味が解らなくなって来ます。ああ、勿体ない──  
 
「あら、そんなに汗をかいて…空調が少し暑いのかしら」  
 何食わぬ顔で白々しい事を言う雪江さんは優雅な仕草で食事を続けながら、おでこに脂汗を滲ませて  
一生懸命快楽刺激に抵抗する私の姿を堪能しているようでした。  
 そして、そのうちにただ観察するだけにも飽きてきたのか、  
「っ!? ぁ…やぁ……雪…江さん……な…にを……」  
「何も、していませんわよ? ふふ、おかしな小夜音さん」  
 そんな言葉を裏切るように、白いクロスを掛けられたテーブルの下では雪江さんの脚が伸ばされて、  
その爪先が私の股間をぐにぐにと弄り始めたのです。  
「っ、ぅぁぅ…止め…っ、ゃだ、許し…て…っ」  
 無慈悲なまでの隠れた蹂躙に、精一杯押し留めてきた体の反応はもはや決壊寸前なまでに高まり、  
私はせめてフォークとナイフを取り落としてしまわないよう、震える手をテーブルの上に下ろしました。  
 指先が触れるテーブルクロスの感触に、思わず布を握りしめて縋ってしまいたい衝動を覚え、  
無意識のうちに手がうろうろと宙を泳ぎます。  
 その甲にひやりとした硬さを感じ、いけない、と思ったときには既に遅く。  
「きゃ…っ!」  
 小さく上がった声と、水の入ったグラスが落ちる音に近くの席のお客さんがちらりとこちらを振り向き、  
近くに待機していたウェイターさんが一人、急いで近付いて来ました。  
 心臓が口から飛び出そうな程にどきどき打って、耳の中にじんじんとうるさい音が響いているような錯覚。  
 慌てて下を見れば、床が絨毯張りだったせいか高価い物は丈夫なのか、グラスは幸い割れてはいなかったものの、  
こぼれた水は椅子の端っことワンピースの裾と、足元の床を思いっきり濡らしています。  
「ご、ごめんなさい……!」  
「お水をお取り替えさせて頂きます。お洋服はお拭き致しましょうか、お客様」  
「い、いい…え! ただの、水…ですから……結構です!!」  
 ウェイターさんがグラスを拾うために床に屈み込んで、そこでようやくはっと気が付いた私は  
テーブルクロスの下を意識しました。  
 雪江さんの脚は素早く元の場所に戻っているようで、バイブレーター類のスイッチも今は全て切られているようです。  
「大丈夫でしたかしら? 小夜音さん」  
「…あ……はい……すみません……」  
「いいえ、私も少々悪戯が過ぎましたわ。ごめんなさい」  
 そう言って、小さく肩を竦めるようにして微笑った雪江さんは本当にきれいで、ちょうど代わりのお水を  
持ってきたウェイターさんもつい見とれてしまっていた程だったのですが。  
 でもこれって少々の悪戯で片付くのかなあ、とこぼした水とは関係なくぐっしょりと湿らされた  
お尻の下の布地にだいぶ居心地の悪い思いをしながら、私は釈然としない思いを禁じ得ませんでした。  
 
「まあ、もうこんな時間ですのね」  
 雪江さんがサイドボードの時計に目を遣り、今更のように言います。  
 
 結局あの後、レストランを出て車で雪江さんのお屋敷まで戻ったところで、買ってもらった服に  
お漏らしをした件をわざとらしく咎められ、お仕置きと称してベッドに縛り付けられた上でピンクローターが  
幾つ入るのか実験されたり、メイド服に尻尾付きアナルプラグと猫耳を付けてご奉仕させられたり  
双頭バイブレーターで連結されたりと色々あって、気が付くともうすっかりと夜が更けまくっていました。  
「今日は泊まって行かれたら?」  
「いえ…月曜提出の宿題まだやってないから帰ります……」  
 本当は、うっかり泊まると寝てる間に何をされるか解ったもんじゃないからですが。  
「あら、そうですの? 仕方ありませんわね、では柴田に送らせましょうか」  
 
 一度シャワーを浴び、洗濯の済んでいた元の服を着て自分のアパートへ向かう頃にはもう午前二時過ぎ。  
 帰ったら多分、布団に突っ伏して月曜まで寝通してしまいそうな気がします。宿題は実は既に  
済ませてあるのでまあいいけど。  
「いつもすみませんね、お嬢と遊んで下すって」  
「いえ、こちらこそ、こんな遅くに送って頂いてすみません。お寝みじゃありませんでしたか?」  
 いつもこういう時に車で送ってくれる柴田さんは、雪江さんのお父さんの部下で若頭とかいうお役目らしいです。  
前にうちに借金の取り立てに来てたみたいな若い人たちには怖がられてるみたいだけど、私にはいつも親切です。  
「いやいや、お嬢の大事なお友達を夜中に一人で帰らせたりしたとあっちゃぁ、俺が逆さに吊されちまいますからね」  
「そんな、私なんて……あんまり大したこと出来てませんし、いつもこんなだから雪江さんも  
つまらないんじゃないかと思いますし、その……」  
「そんな事はありませんよ」  
 バックミラーの中で柴田さんの目がちらりとこっちを見て、ふと優しそうに細められました。  
「お嬢はほら、天の野郎が二物も三物も与えた代わりに普通で要り用な分をウッカリ忘れやがったような  
お人ですし、家業もこんなですからこれまでお友達ってやつも全然いませんでね──ですが最近は  
見違えるくらいに毎日楽しそうで活き活きしておいでだ。ありゃァ小夜音さんのお陰だって親…社長も喜んでましたよ」  
 なんかイイ事言ってるような、ドサクサ紛れにヒドイ事言ってるような気がしなくもないですが、そんな風に  
感謝されたりするとちょっと気恥ずかしいようなそれなりに嬉しいような。  
「おっと、話してる間に着きましたね」  
 車は静かにうちのアパートの玄関先に停まり、柴田さんはわざわざ運転席から降りて外からドアを開けてくれます。  
「あの、今日もありがとうございました。雪江さんにも宜しくお伝え下さい」  
「あァ、そうだ、お嬢からこれをお土産にお渡しするようにと」  
「えっ? でも…」  
 そう言って渡された、綺麗にラッピングのされた箱に戸惑っている内に柴田さんの車は走り出していて、  
すぐに見えなくなってしまっていました。  
 
 とりあえず階段を上がって自分の部屋に戻り、敷きっぱなしで出てきてしまっていた布団の上に体を投げ出すと  
途端に今日一日分の披露がどっと押し寄せてくるようで、もはや枕から頭を上げようにも上げられないくらいです。  
 が、ふと目に入った例の箱がなんとなく気になり、億劫ながらも身を起こして包みを開いてみたところ。  
『心ばかりのプレゼントですが喜んで頂けましたら幸いです  雪江より』  
 そんなメッセージカードと共に箱から出てきたのは、何て言うかこう──薄手のネグリジェというかスリップというか  
──とにかくふわふわさらさらとした手触りでその上とってもシースルーな感じの寝巻き(たぶん)と、レースよりも  
布地の面積の方が小さそうな、しかも何故か胸のてっぺんや股の底にスリットの入った下着の一揃い、  
そして様々な色と形で電気コードとコントローラーの付いたグッズの数々、それと潤滑ジェルのチューブが二本。  
「………………」  
 コレらをどうしろと言うのか、もう真面目に考えるのも面倒なのですが、ただ一つ確信を持って予想できるのは  
──朝になって雪江さんが布団を剥ぎに来た時、これらをありがたく使用していてもいなくても「お仕置き」を  
される事は既に決定事項なのに違いないのです。たぶん。  
 現実逃避のあまり朦朧として来そうになる意識の中で、さっきの割と本当に嬉しそうだった柴田さんの顔とか  
言葉とかをボンヤリと思い出しつつも。  
 
 天国のお母さん、小夜音はなんだかちょっと挫けそうです。  
 おもに性的な意味で。  
 

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