「第一部 キジ編」
「こんにちは」
と、三姉妹の長姉である雉江が犬子とともに桃太郎の家を訪ねてきたのは、彼が犬子の処女を奪ってから数週間
が過ぎてからのことでした。勿論、その間には犬子が毎日のように桃太郎の家に通い詰め、性への興味に目覚めた
少女はみるみる女として花開いていったのです。元々桃太郎に対し何事にも従順だった犬子は桃太郎のどんな求め
にも応じ、桃太郎に請われることは文字通り尻尾を振って何でも応えて見せたのでした。以前から桃太郎に好意を
持っていたこともありますが、もしかするとこういった心情もきびだんごのひとつの効果なのかも知れません。さ
て、今、雉江が桃太郎の家を訪ねに来たのも実は桃太郎に命じられるままに犬子が姉を誘ったからでした。非道な
桃太郎は、以前から好ましいと思っていたこの美女を、犬子に協力させてものにしてやろうと奸計を企んでいたの
でした。
「いらっしゃい、雉江姉ちゃん」
桃太郎は、何食わぬ顔で美人姉妹を迎えました。
「今日は桃ちゃんが私に何か食べさせてくれるんだって?」
「うん、今日は犬子と一緒に煮物を姉ちゃんのために作ったからぜひ食べてもらおうと思って」
「まあ、楽しみだわ」
桃太郎は雉江を囲炉裏に座らせると、奥のお勝手に犬子を呼び寄せました。
「さぁ、犬子、言っていた通り、俺のチンポをしゃぶりな」
彼がそう命じると、犬子は頷くと、いたって従順に桃太郎の着物の前を開いてその男根を口に含みました。この
数週間の間に、少女は数えきれないほど彼の男根を口で愛撫しており、すっかり習熟した手つきでそれを勃起させ
ました。そして首を素早く振って激しく刺激するのでした。素直な性質の犬子は桃太郎の命じることをすぐに覚え
るので、今や桃太郎の陰茎の弱点や刺激の強さも把握しています。みるみる桃太郎は射精に追い込まれました。
「よし、口を放せ」
犬子が彼の陰茎を口から吐き出すと、桃太郎はこともあろうに、これから雉江に出すために用意した煮物に精液
を射出しました。そうです。精液は中だししなくても、飲み下すことで催淫効果をもたらすということを桃太郎は
この数週間の間に発見したのでした。
「こんなことして、どうするの?」
と犬子が不思議そうに訊ねます。
「俺と雉江姉さんが、もっと仲良くなるためにするんだよ」
桃太郎は間違ってはいないことを言って犬子の頭を撫でてやります。
「そうかぁ」
犬子は納得し、頭を撫でられるとご機嫌そうに尻尾をぴょこぴょこと振るのでした。完全に騙されている気の毒
な少女です。桃太郎は見た目を誤魔化すために精液をこねて煮物に混ぜ合わせ、おぞましい料理を美女に食させよ
うと囲炉裏に向かって運んでいくのでした。
「っ、・・・・」
雉江は煮物を口に含むと、当然のことながら顔をしかめました。
「どう、美味しい?」
桃太郎は純粋そうな風を装って雉江に訊ねました。
「そ、そう・・・ね。美味しいわ」
この、人の良い美女はかなり無理をしている感じで答えます。
「そう、ぜひ、全部食べて欲しいな」
桃太郎は、食べ物の正体を知った上で、抜け抜けとこんなことを言える極悪人でした。
「わ、わかったわ・・・」
雉江は蒼い顔をして言いました。弟のような彼が自分のために一生懸命作ってくれた料理を、不味いから食べら
れないとは言えなかったのです。しかし、得てしてそういった仏心が身の破滅を招きます。
しかし・・・、と桃太郎は雉江の容貌を見ながら思いました。なんと美しいのだろう。犬子も美少女ですが、い
まだ発展途上の青い果実です。それに比べ、雉江は十分な成熟を迎えており、身体はふっくらとした肉をつけて、
なめらかな曲線を描いているのです。何より、犬子にはない大きな乳房が彼の目を捉えて放しませんでした。村で
も他にあれだけの巨乳はいません。もしもあれを力強く揉みしだけたら、どれほど気持ち良いのでしょう。
雉江は優しくて、しとやかで、明るい慈愛の笑顔を持っています。そして、どんな人間にも親切な素晴らしい娘
でした。村の男たちにとっては彼女は女神様のように崇拝の対象でした。幼馴染として小さな頃から特に目をかけ
られた桃太郎は言わずもがな、なのでした。桃太郎がお爺さんとお婆さんに叱られたり、落ち込むようなことがあ
ると、決まって雉江の胸の中で泣いたものでした。今、常軌を逸した桃太郎はその胸に欲情の炎を燃え立たせてい
るのでした。
雉江は無理矢理飲み込むようにして煮物をたいらげました。
「ふぅ、美味しかったわ」
無理をして笑顔を作って見せます。そして、すぐに胸を押さえます。
「どうしたの、雉江姉ちゃん?」
「う、ううん。な、なんでもないの・・・」
とこの美しい女は言いますが、声が荒くなり、明らかに普通ではありません。そうです、悪魔の精子による催淫
効果が現れ始めたのです。それを確認すると、桃太郎はすぐさま雉江のそばに行って肩を抱きました。
「さ、さわらないで・・・」
雉江はピクッと肩を震わせました。それは拒絶というよりも、敏感になりすぎているがための逃避のように見え
ました。
「お姉ちゃん、どうしたの?」
と犬子が心配そうに問います。
「か、身体が、熱いの・・・」
と上気した顔で雉江が答えます。
「なんだか、お兄ちゃんに触ってもらっている時の犬子みたいよ」
「え・・・」
桃太郎はそばに寄ってきた犬子を抱きしめ、彼女の着物をはだけて優しく胸を揉みしだきました。雉江は目を疑
います。
「どうだい、犬子」
「お兄ちゃん、気持ちいいわ・・・」
そして桃太郎のもう一方の手が犬子の股間をつるりと撫でると、少女は身を震わせて快楽の呻きを漏らすのでし
た。雉江は我が妹が淫らな行為をしていることに驚きましたが、それ以上に羨ましい、という気持ちに支配されま
した。身体が火照り、甘い刺激を求めているのです。クシャミが出そうで出ない状態のようなもどかしさに似てい
るかも知れません。このままではたまらない心地がするのです。
「も、桃ちゃん。私のもさわって」
と、雉江は耐え切れずに求めました。桃太郎は自らの謀略が成功したことに邪悪な笑みをこぼし、雉江を押し倒
しました。そして着物をはぎとります。ああ、なんと豊満で扇情的な眺めなのでしょう。今までの耐えていた時間
が知らず精神的な前戯となっていたのか、指先で繊細なタッチをくわえていくと、どこもかしこも敏感に震えて応
答を返すのでした。
「もっと強く・・・お願い・・・」
と雉江はか細い声を出します。桃太郎は、自分にとって優しいお姉さん雉江の象徴である大きな胸の先端に、か
ぶりつきました。
「ああっ」
と村の女神は快楽の刺激にのた打ちます。幼い頃から優しくて、なんでもしてくれた雉江姉さんが、ついに一番
大切な自分の身体までも桃太郎に捧げたのだと思うと、彼は言い知れぬ興奮を覚えるのでした。
「お姉ちゃんばっかり、ずるいな」
そこへ、手持ち無沙汰になってしまった犬子が身をすり寄せてきます。そして、かまってかまって、とばかりに
ぱたぱたと尻尾を振ります。
「犬子、俺は雉江姉ちゃんを気持ち良くしてあげているんだから、おまえもお姉ちゃんを気持ち良くしてあげる
んだ」
「え、どうしたらいいの?」
「雉江姉ちゃんのおっぱいを舐めてごらん」
こうして、桃太郎と犬子が左右の乳房を愛撫し、さらに桃太郎の指先が雉江の敏感な秘部を責める構図ができあ
がりました。雉江はふたりに責められて息も絶え絶えです。
「お姉ちゃん」
と、犬子は自分の顔を雉江の顔に寄せました。
「なに、犬子」
「大好き」
犬子は甘えるように姉に口づけました。すると、雉江もそれに答えていくのです。美人姉妹の同性愛的な行為に
興奮した桃太郎は、いよいよ彼女の愛の渓谷に潜り込むことにしました。すっかり怒張しきった陰茎に手を添える
と、秘められた部分を一気に貫きます。
雉江が雷に打たれたように身体を震わせました。陰茎に対する快楽も勿論ありました。ですが、桃太郎にとって
は、雉江に小さい頃膝枕をしてもらった時の気持ち良さが、何百倍にもなって押し寄せたような精神的快感の方が
強く感じられました。桃太郎は今、彼にとっての女神様にすべてを受け入れてもらっているのでした。
桃太郎は腰の抽送を繰り返しながら、接吻を続けている姉妹に自分も加わり、三人で舌を絡み合わせながら快感
を追いました。隣を見れば、犬子も自ら自分を慰めているのでした。三人は同じ快楽の曲線を同時に上昇していま
す。
「もうすぐ、もうすぐいくぞ」
と、桃太郎は同じ船に乗った三人の舵取りをしながらふたりをリードしていきます。そして腰の動きを早めてい
くのです。それに呼応して美人姉妹が上昇していきます。
「もうすぐ・・・っ」
と雉江も呻きました。
「っ・・・いくっ」
三人は一際高い快感の大波に天空高く打ち上げられ、螺旋を描いて落下しながら、深海の底へと沈んでいきまし
た。後には、三人の荒い息だけが残りました。
「やってしまったものは仕方ないわね」
と、割と物事に動じない性格の雉江はさっぱりと開き直り、笑顔で続きを求めました。女というものは、時に男
よりも遥かに強い生き物なのです。そうして、これまでに蓄積されていた女としてのエネルギーが、破瓜によって
一度に解放されたように、雉江は貪欲に桃太郎を求めました。いつの間にか主導権は桃太郎からこの妙齢の美女に
移ってしまったのです。そして、三人は時間を忘れて求め合ったためにいつの間にか夜が更けてしまったのでした。
「桃太郎〜!」
と、桃太郎が雉江を責め立てている時、外から少女の声が聞こえました。
「お姉ちゃ〜ん、犬子〜!」
返事を待たずにどかどかと家に上がる足音が聞こえ、障子が乱暴に開きました。そう、夜になっても帰らぬ姉妹
を心配して猿美が迎えに来たのでした。
「ぎゃあああああああああ!!」
全裸で睦み合っている三人を見て、猿美は美少女らしからぬ、上品さのない悲鳴を上げました。
「なんだ、猿美か」
桃太郎はこともなげに言いました。
「もう少ししたらふたりとも送って行くから先に帰ってろよ」
そう言ってまた腰の運動に入ろうとする桃太郎。
「ちょ、ちょっと、待ちなさいよ!! もっと他に説明すべきことが山積みでしょうが!! なんなのよこの事
態は!?」
猿美は至極もっともな指摘をしますが、桃太郎は面倒くさそうに、
「今エッチしてるから、終わったら送っていくよ。先に帰ってろ」
と言い直しました。
「このどアホウ!」
猿美は背後から彼の後頭部に勢いよく蹴りを入れました。桃太郎は目玉が飛び出しそうになります。
「何しやがる!!」
「それはこっちの台詞でしょうが!! あんた、人の姉妹になんてことしてんのよ!!」
さすがに背後からもう一撃されてはかなわないので、桃太郎は行為を中断し、ゆらりと立ち上がりました。
「ぎゃああああ!!」
「今度はなんだよ、うるせえな」
「そ、その汚いモンをしまいなさいよ」
猿美は桃太郎の股間で揺れる男根を指差して金切り声を上げます。汚い、と言われたのが少々癇に障り、桃太郎
は猿美の頭を掴むと、その端正な顔に「おらおら」と言いながら陰茎をこすりつけました。女権論者が見たらショ
ックで卒倒しかねない光景です。
「んぎゃああああああああああああああ!!」
猿美は家中に響き渡るような絶叫を上げて顔をごしごしと手でこすります。
「こ、この変態・・・」
少女は若干涙目になって外道なセクハラ男を睨みました。
「ふん、文句あるか」
「あるわ、ボケーっ!!」
猿美は勢いよく右足を振り抜き、蹴りを繰り出します。その脛は狙いを誤ることなく桃太郎の大切なふたつの黄
金玉を直撃したのでした。
「っっっっっっっっっっっっっっっっ」
桃太郎は、男性にしかわからない地獄の中で悶絶しました。
「ほら、犬子、お姉ちゃん、帰るわよ」
転げまわる桃太郎を鮮やかに無視し去って猿美は姉妹を抱え起こします。
「あらぁ、猿美。あなたも仲間に入りに来たの?」
責められすぎて少々色呆け気味になった雉江がそんなことを言います。この人は基本的には天然なのかも知れま
せん。
「バカなこと言ってないで、早く支度して」
「はい、はい」
ふたりの姉妹の身支度を整えてやって猿美はまだ忘我の境地を彷徨っている桃太郎を一瞥します。
「じゃあ、帰るからね、桃太郎」
「もう、来んな、アホ・・・」
桃太郎は虫の息でそれだけ漏らしました。
猿編につづく・・・かも知れない