第二部  
「鬼退治編」  
 
 
 
 
 う、うん・・・。  
 桃太郎は夢の中にいました。夢の中で豊満な美女と交わっています。美女を犯します。ああ、男の欲望が気持ち良  
い。あ、ああ・・・。本当に・・・。  
 「お兄ちゃん、おはよう」  
 桃太郎が目を覚ますと、彼の下着ははだけられており、彼の陰茎を犬子が可愛い舌でぺろぺろと舐めまわしていま  
した。  
 「おはよう、犬子」  
 「お兄ちゃん、気持ち良い?」  
 「ああ、最高だ」  
 桃太郎が犬子の頭を撫でてあげると、まだ幼さを残す美少女はえへへ、と笑顔を浮かべて嬉しそうにぱたぱたと尻  
尾を振ります。そしてまた陰茎への奉仕に取り掛かるのでした。なぜ彼女がこんなことをしているのかというと、人  
でなしの桃太郎が朝は男根への奉仕によって起こされたい、と考えて犬子にその役目を命じたからなのでした。素直  
で従順な犬子は、例えどんなろくでもない命令であっても、頭を撫でてあげると大喜びで従う子でした。そこにつけ  
こんだ桃太郎によって、今や彼女は浴室での肉体奉仕、全身への口唇愛撫、肩揉みといった、親が見たら泣きそうな  
任務を嬉々として請け負っているのでした。  
 桃太郎が偉そうに犬子に奉仕をさせていると、障子が開いて雉江が顔を出しました。  
 「あらあら、ふたりだけでお楽しみなの?」  
 と言いながら近づいてきて、桃太郎の前にひざまずきました。  
 「犬子、あなたは桃ちゃんのオチンチンの棒をしゃぶってあげてね。私はこっちを・・・」  
 雉江は男根の亀頭部分に舌を這わせます。桃太郎の弱点を覚えた雉江は彼の弱点である雁の裏を舌先でくすぐりな  
がら桃太郎の表情をうかがいます。  
 「どう、もっとして欲しいの・・・?」  
 この美女は交わりを重ねるごとに、サディスティックな面が次第に現れるようになってきたのでした。  
 「ああ、雉江さん、もっと・・・」  
 と桃太郎が口にした時、障子が大きな音を立てて開きました。最後は勿論猿美です。  
 「あんた達、何をしてるの! 朝ご飯にするんだから、バカなことしてないでさっさと来なさいよ!!」  
 猿美は桃太郎が姉妹達と淫らな交歓を行っていると、必ず駆けつけては何かしらの理由をつけてやめさせるのでし  
た。  
 「猿美、おまえはおれの金玉を舐めないか?」  
 「な、なんですって・・・」  
 猿美の眉が吊り上ります。空気の読めない桃太郎は腰を振って玉袋を揺すりながら歌い始めました。  
 「桃太郎さん、桃太郎さん。股間につけたきびだんご、ふたつ、私にくださいな゛゛゛ ぎゃぁぁあああああ!!」  
 皆まで歌わせず、猿美の本気の蹴りが桃太郎の黄金玉に炸裂しました。桃太郎はのたうちまわりながら床を転げま  
したが、完全なる自業自得なのでした。  
 
 三人は先ほどまで眠っていた船室を出て、海を眺めながら朝食のおにぎりと魚を食べていました。そう、ここは船  
上。なんと、これから四人は鬼が島へ向かう所なのです。なぜこんな事になったのかは、数週間前に遡ります。  
 その夜はちょうど新月にあたり、月明かりもなく桃太郎の村は真の闇に包まれていました。自分の家で相変わらず  
犬子と雉江の美人姉妹を淫らに責め立てていた桃太郎は、遠くの方から多くの人の叫び声が聞こえてくるのを聞きま  
した。不審に思って行為を中断し、縁側に出ると、村の中心部の方で火の手が上がっているのが見えました。  
 そこへ、着の身着のまま、といった様子で猿美が駆けてきます。  
 「桃太郎、大変。村が襲われてるの。助けに来て!」  
 「なんだって!」  
 桃太郎は三姉妹を伴って村の中心へと走ります。  
 現在の住処は村外れにあるため、中心部に至るまでにはしばらくの時間をかけねばなりません。やっと辿りついた  
時には、村にはそこここから火の手が上がり、村人たちが悲鳴を上げながら逃げ惑う大騒ぎとなっていました。その  
中を跳梁跋扈し、家々から財産を思うさま奪ってまわっているのは、桃太郎が今までに見たことがない人間です。背  
が非常に高く、体つきも肉付きが良いように感じました。顔の彫りが深く、髪は太陽の光で晒したように金色に輝い  
ているのです。そして、驚いたことに瞳は薄い蒼なのでした。そして、襲撃者は桃太郎が見る限りにおいては、すべ  
て女性であるように思えました。  
 ちょうど桃太郎が到着した時に彼女たちの集団的な強盗行為は完了したようで、村の中央広場で指揮を執っていた  
と思しき身分の高そうな女性が号令をかけました。家々から彼女の部下である異人の女性たちが次々と姿を現し集結  
していきます。  
 隣家を燃やしていた炎が風に煽られて一際勢いを増し、首領格の女性の姿を照らし出しました。  
 襲撃者たちは見慣れない風貌であったものの、皆美人揃いでありました。ですが、首領格の女性の美しさは別格で、  
その磨き上げた刀身のような鋭い美しさに、敵ながら桃太郎はうっとりとしてしまいました。  
 そして首領の美女の指令によって、略奪の限りを尽くした彼女たちは訓練の行き届いた兵士のように粛々と姿を消  
していくのでした。盗賊の集団にしてはなんと統制の取れたことでしょう。これもあの強い意志を感じさせる美女の  
求心力の賜物なのでしょうか。  
 「あいつら、鬼が島からやってきた鬼よ」  
 と猿美が言いました。  
 「鬼が島?」  
 「ここから離れた島で、領主様に属さずに町を作り上げているの。あの恐ろしい女を首領として、船であちこちの  
村を襲っては財産を巻き上げて鬼が島にためこんでいると言うわ」  
 「あの女は何者なんだ?」  
 桃太郎が問うと、猿美は唾をごくりと飲み込みました。  
 「名前は誰も知らないけれど、金髪の鬼女、黄金夜叉と呼ばれているわ。性格は冷酷残忍、手向かう者は一瞬の躊  
躇もなく斬り捨てられ、一顧だにされることもないということよ」  
 桃太郎はその話を聞いて、ひどく酷薄なあの美女を犯してみたい、という欲望を覚えました。きびだんごの魔力を  
得てから彼には困ったことに強姦癖がついてしまったのかも知れませんでした。  
 「よし、俺は鬼が島に行くぞ。あの首領に天誅を加えてやる」  
 彼は言いました。心の中で、首領の配下も犯してみたい、とつけ加えました。それに、うまいこと行けば鬼たちの  
蓄財を掠め取ることができるかも知れないとの算段もありました。彼には、鬼たちを退治して村々に平和を取り戻す  
といった正義の志は特にないのでした。  
 
 そんなわけで、桃太郎は鬼が島へ乗り込むことにしたのでした。単身乗り込もうとした彼でしたが、犬子が尻尾を  
振りながら、  
 「犬子もお兄ちゃんについてく〜っ!」  
 と桃太郎に抱きつき、  
 「私も桃ちゃんの力になってあげるわ」  
 と雉江が言ったため、軍団は三名になりました。  
 「あんた、バカじゃないの!? 死にに行く気!? 絶対止めなさいよ!!」  
 猿美は血相を変えて至極最も意見を主張したのですが、桃太郎が冷たく、  
 「嫌なら別に来なくてもいいぞ」  
 と突き放すと、  
 「お姉ちゃんと犬子が心配だから行くわよ!」  
 と言い出すのでした。  
 「うるせえから来るなよ」  
 「絶対行くわよ」  
 桃太郎は相変わらず猿美だけは苦手なのでした。  
 かくして、桃太郎軍団は四名となり、彼らは鬼が島目指して一路海へと漕ぎ出したのでした。  
 
 
 「鬼が島はあれよ」  
 と雉江が指差すと、船の前方に、ゴツゴツした巨大な岩で出来た島が全景を現していました。島の中央には頭から  
二本の角が生えた鬼のような巨石像が立っています。これが鬼が島の名の由来かも知れません。  
 「よし、島のさびれた場所へ船をつけるぞ。面舵一杯!」  
 桃太郎が指示すると、犬子が嬉しそうに舵を取ります。犬子は彼に命令されるのが嬉しくて仕方がないようでした。  
 「猿美、敵に発見されてはいかんから、帆をたたんで目立たなくしろ」  
 「いやよ。偉そうに命令してないで自分でやれば?」  
 猿美は勝気に応じました。桃太郎は舌打ちしました。自分だけが気分を害されたままではなんだか悔しいので、桃  
太郎は猿美も怒らせてやろうと子供みたいなことを考えて、少女の背後からそっと近づきました。当たり前ですが、  
猿美は性的ないたずらをされると非常に怒ります。今までの経験で、少女を怒らせてやったら、彼の気分もすっとす  
るような気がしました。そして、音もなく手を伸ばし、つるりと少女のむっちりと肉のついたお尻を撫で上げます。  
 「!!!」  
 猿美は飛び上がり、そして……、力が抜けたようにへなへなと下に座り込んでしまいました。  
 ……あれ? 桃太郎は首をひねりました。予想とまるで反応が違います。今までの経験では、少女は鬼が島まで  
響き渡るような悲鳴を上げて、それから桃太郎に食ってかかるはずなのでした。  
 「な、なに…するのよ……」  
 と少女はやっと、という感じで口にしました。  
 「い、いや、その。なんでもない」  
 桃太郎は調子が狂ってしまい、おかしな返答をしてしまいます。  
 「桃太郎……、お尻だけは、やめて」  
 猿美は、被害者でありながらお願いをするように彼に言うのです。  
 「そ、そうか。わかった」  
 桃太郎は、よくわからず鷹揚に頷いてしまうのでした。この少女のお尻に何かあったっけ?と首を傾げながら。  
 
 さて、無事鬼が島への上陸を済ませた桃太郎の一党はすぐさま街のさびれた一角に身を潜めました。計画はすでに  
決まっています。桃太郎の強い主張によって、女住人のひとりをさらって強姦し島の情報を吐かせるという、民話の  
英雄にあるまじき極悪非道な作戦でした。  
 異様に生き生きとした桃太郎によって作戦の指揮が執られました。彼は見張り役として雉江、猿美を通りに隠し、  
自らは犬子とともに女を襲って攫う任務を負いました。  
 いつでも、通りに飛び出せるように路地に身を潜めていると、必然的に犬子と身体を密着させることになります。  
 「お兄ちゃん、あったかいね」  
 と犬子は無邪気な笑顔を浮かべて桃太郎に抱きついてきました。その可愛らしい顔を彼の胸元にこすりつけてきま  
す。  
 「おいおい、今はそんなことをしている場合じゃないんだよ」  
 しかし犬子は都合の悪いことは素通りする便利な耳を持っていたので、ますます桃太郎に甘え、彼の顔にキスの雨  
を降らせました。犬子は男女の愛撫に目覚めて以来、何につけてもむやみにキスをしたがるのでした。キスというよ  
りも、むしろ舌でぺろぺろと舐める愛撫に近いかも知れません。でも、そうされるとついつい桃太郎の頬もゆるんで  
しまい、強くは注意できないのでした。そして、ほんの少しだけ付き合って接吻を返してあげると、それがこの上も  
ないご褒美であるかのようにぱたぱたと忙しなく尻尾を振る様がますます愛らしいのです。  
 「お兄ちゃん、チンチン舐めてあげるね」  
 「う、うん・・・・」  
 そんなことをしている場合じゃないだろう、とさっき自分で言っておきながら、快楽に弱い桃太郎はすぐに流され  
るのでした。そして犬子は手馴れた仕草で桃太郎の下着を脱がし、その陰茎をパクリと口に咥えました。  
 「う、うぁ・・・」  
 桃太郎が快感に呻いた時でした。通りの向こうから雉江が合図を送ってきました。島の女が通るのです。一刻を争  
います。彼は素早く立ち上がると、そのまま通りに飛び出して女の前に立ちはだかりました。  
 「きゃあああああああ」  
 金髪の女は悲鳴を上げました。それはそうです。突然下半身裸の男が目の前に飛び出して来たらそういう反応をす  
るのが普通です。桃太郎はすっかり慌ててしまい、背後から近づくという当初の計画も失念していました。とにかく  
黙らさなければいけません。彼は鋭い突きを女の腹に打ち込んで失神させると、誘拐犯さながらに周囲を見回し、女  
を肩に担ぎ上げて路地へと姿を消しました。  
 
 桃太郎に攫われた女が目を覚ますと、目前には邪悪な笑みを浮かべた男が覗き込んでいました。  
 「きゃああああああああああああ!!」  
 「へっへっへ、ここは町から離れた山の中さ。騒いでも聞こえやしねえよ。観念しな」  
 と桃太郎は言いました。こんな主人公がいて良いのでしょうか。とても子供には読ませられない民話です。  
 女は暴れようとしましたが、両手首を後ろ手に縛られていたので、うまく動けません。  
 「あなた達、誰なの!?」  
 女が怯えて問います。  
 「あんたらに襲われた村の者だよ。復讐に来た。この島のことと首領の女について教えてくれれば何もしない」  
 言いながら桃太郎は、強姦する気まんまんで下着を脱ぎました。  
 「そ、そんなこと、教えられないわ」  
 「なら、身体に聞くしかないな」  
 女は顔を強張らせました。気がつくと、桃太郎だけではなく、三姉妹も女を取り囲んでいます。  
 桃太郎は、前戯もなしに怒張した陰茎を女の秘部に突き刺しました。  
 「い、いったーーいっ!!」  
 女が悲鳴を上げます。  
 「桃ちゃん、そんなに乱暴にしたらダメよ」  
 雉江が言って上着を脱ぎました。すると、彼女の背中から美しい鳶色の羽が開きました。犬子に尻尾が生えたのと同  
様に、桃太郎に処女を奪われてから雉江には羽が生えてきていたのでした。雉江はその羽根を一本引き抜くと、その羽  
先をそっと女の身体に這わせました。  
 「あっ、ああ……っ」  
 と熱い声を洩らします。彼女の羽根によるタッチは、不思議な力で繊細な快感を呼び起こす力を持っているのでした。  
果たして、女はみるみる性感を呼び覚まされ、身を捩ります。そこへ桃太郎が男根による攻めを加えるのでした。彼は  
女を四つ這いにして、背後から獣のように犯しました。  
 桃太郎はいよいよ激しく腰を振り、彼の腹部と女の尻が音を立てるようになりました。  
 「ね、ねえ、桃太郎。もうやめてあげたら?」  
 その時、それまで黙って見つめていた猿美がおずおずと桃太郎に声をかけました。  
 「何を言ってるんだ。こうしないと俺達は情報を得られないんだぞ」  
 「そ、そうかもしれないけど」  
 猿美は何か言いたげです。  
 しかし、桃太郎はそろそろ快感が切羽詰ってくる頃合でしたので、猿美にかまわずに腰の動きを早めました。  
 「そらっ」  
 桃太郎は快感の飛沫を女の中に吹き上げます。一応の終了に、女はやっと色地獄の責め苦から逃れられたと思いまし  
た。ですが、恐るべき催淫作用を持った桃太郎悪魔の精子は女の性感をさらに呼び起こします。そうです。本当の地獄  
はこれから始まるのでした。  
 数秒も経つと、女は異変に気づきました。身体が熱い。敏感な粘膜がくすぐったさに似た痒みを覚えます。快感が、  
欲しい。男の欲情が欲しい。  
 「ふふふ、効いてきたな。さぁ、また犯してやるぞ」  
 桃太郎は再び男根を侵入させようと身構えましたが、それを猿美に止められました。  
 「もうやめようよ、桃太郎」  
 「なんだ、可哀想になってきたのか?」  
 「そうじゃないけど……」  
 「他に何か良い方法でもあるのか?  
 「ないけど、でも……」  
 ふたりが要領を得ないやり取りをしていると、すっかり焦らされて我慢できなくなった女が、  
 「お、お願い。ちょうだい、それをちょうだい」  
 と切羽詰った口調で訴えました。桃太郎はニヤリとします。  
 「ほら、猿美。この女だって欲しがっているんだぞ」  
 「でも、やめて」  
 「お願い、ちょうだい!」  
 「ほら、こう言ってるぞ」  
 三人でいつまでもやり合っているうちに、限界を迎えたのは焦らされきった女でした。  
 「なんでも話すから……ちょうだい」  
 結果として、すんなりと女の口を割ることができたのでした。  
 
 女によると、鬼が島には四十人ほどの「鬼」が住んでいます。いずれも若い女性ばかりで、生計を立てるために高  
い身体能力を活かして海賊行為を行っているのでした。黄金夜叉は鬼が島住人の指導者であり、海賊時には首領となり、  
町にあっては行政の最高指導者として君臨しているのでした。島の住人たちは皆不満なくこの首領に心服し、従ってい  
ますのでこの島の小さな独立国家はとどこおりなく運営されているのです。黄金夜叉は島の中央にある小さな宮殿に住  
んでおり、町にいつでも睨みをきかせられるようにしています。ですが、常に屈強な女兵士が宮殿の周りを警備してお  
り、不審な人間が近づくのを許しません。もしも桃太郎たちが正面から向かっていったなら、この兵士たちによって撃  
退されてしまうことでしょう。  
 また、黄金夜叉は大変な男嫌いで通っており、そのことからこの島には女しか存在しないのでした。近隣の村を襲う  
時にも男は容赦なく斬り捨て、それどころかこの美女は男について口にすることさえ汚らわしそうにするのです。  
 
 
 「ねえ、桃太郎」  
 三姉妹と桃太郎が黄金夜叉を急襲し財産の在り処を吐かせる作戦を練っていると、猿美が思いつめたような様子で言  
いました。猿美は先ほどの女の口を割る時からどうも様子がおかしいのでした。  
 「どうした?」  
 「桃太郎は、鬼たちの女親分ともエッチするつもりなの?」  
 「えー……、そうだな、うん」  
 いささか答えにくい質問ではありましたが、桃太郎は素直に頷いてしまいました。すると、猿美は複雑な表情を浮か  
べます。  
 「姉妹ならまだしも、桃太郎が他人とするのを見るなんてあたしいやだよ……」  
 そう言うと、彼女は悲しげな顔をして席を立ってしまうのでした。  
 「な、なんなんだあいつは」  
 桃太郎がいなくなった猿美に対して腹を立てます。  
 「ん〜、犬子もお兄ちゃんが他の人とエッチしてるとあんまり嬉しくはないけど、我慢できないわけじゃないよ」  
 と犬子は言います。この娘は頭を撫でられていれば概ね満足なのでした。むしろ、おあずけを命令されると興奮する  
マゾヒスティックなところがあるかも知れません。  
 「きっと猿美は、桃ちゃんのことが好きで好きで仕方ない甘えんぼさんだから、我慢できないのじゃないかしら」  
 雉江はお姉さんらしく言いました。  
 「あいつが? 俺のことを?」  
 極度の朴念仁である桃太郎は首を傾げます。彼には、必要以上に挑発的な猿美の態度から自分を好きだと考えるのは  
無理があるように思えました。  
 「そんなわけ、あるはずがないよ」  
 と桃太郎は口にしたものの、故郷の村で猿美と交わった時のことを思い出しました。「あたしのこと、あんたの好き  
にしていいわ」と言った時のことが甦ります。しかし、犬子と雉江は桃太郎と初めて身体を交えて以来抑制が外れたよ  
うに身体を求めあっていましたが、猿美は逆にあれ以来桃太郎に身体を開こうとはしないのでした。そのくせ、桃太郎  
のそばにやってきたり挑発してくる頻度は高まるのですから彼にとってはわけがわかりません。  
 しかし、いずれにしても桃太郎は女首領を犯す作戦を中止する気はまったくありませんでした。正直、そのためにわ  
ざわざ鬼が島くんだりまで来たのですから、何もせずに帰るなど考えられないことでした。  
 
 鬼が島の統治者にして海賊の首領、通称黄金夜叉はその夜、宮殿の自室にて執務をしていました。小さな島とは言え、  
政治と軍部の指導者を兼任している彼女には処理すべき事柄が数多くあるのです。  
 黄金夜叉は島にいる数多くの女の中でも群を抜いた美貌の持ち主でした。女らしい美しさというよりは、美少年を彷彿さ  
せる凛々しさを持ち合わせています。戦いの中で鍛え上げられた肢体と、相手を射抜くような鋭い眼光が彼女に獰猛な  
虎のような印象を与えます。ですが、同時にふたつ名の由来となった黄金色の長髪や、豊かな胸が女性としての美しさ  
を強調します。黄金夜叉はそんな危ういアンバランスな魅力を持った女でした。また、男を毛嫌いして近づけないよう  
な所が、島の女たちの同性愛的な憧憬の対象となり、ますます彼女は求心力を増していくのです。  
 「大変です、島に敵襲がありました!」  
 黄金夜叉が書き物をしていると、自室に警備兵のひとりが駆けてきました。  
 「なんですって? 報告しなさい」  
 「はい。敵の数は不明ですが、少数と思われます。夜の闇に紛れて町外れで数箇所、奇襲攻撃を行っています」  
 「被害は?」  
 「建物の被害もなく、死傷者も出ておりません」  
 「すぐに鎮圧に向かいなさい」  
 「は」  
 警備兵はバタバタと走っていきます。  
 そう大した敵襲でもなさそうだ、と黄金夜叉が思った瞬間、背後から衝撃を受けて彼女は床に倒されました。  
 「!?」  
 「おっと、叫んだって無駄だぜ。この宮殿の警備兵はさっきの奴でみんな出払ってしまった。俺の部下たちの陽動作  
戦によって今は町外れを駆けずり回っているはずさ」  
 黄金夜叉を押し倒して薄く笑ったのは、鬼退治に来たとは到底思われないほど邪悪な笑みを浮かべた桃太郎でした。  
 
 桃太郎は歓喜に震えながら金髪碧眼の美女の衣服を剥ぎ取りました。  
 「な、何をするかっ」  
 「おまえを犯すんだよ」  
 「くっ、させるかっ」  
 黄金夜叉は軍人らしく拳を振るいましたが、不意をつかれていたので体勢も悪く桃太郎には当たりません。一方、卑  
怯にも不意打ちした桃太郎は準備万端であったので、すぐさま屹立した自らの男根の剣で黄金夜叉を刺し貫きます。  
 「ぎゃあああああああ」  
 あまりの激痛に彼女は悲鳴を上げました。しかし、桃太郎はそんなことおかまいなしに抽送運動を行います。  
 「貴様、殺してやるぞ」  
 黄金夜叉は凶悪な視線で桃太郎を射殺さんばかりに睨めつけます。しかし、押し倒されて犯されながらの反抗的な態  
度は、桃太郎の変態的な嗜虐心に対していよいよ火に油を注ぐだけです。  
 桃太郎は間もなく欲情の迸りを黄金夜叉の中にぶちまけました。  
 「くっ、汚らわしい……」  
 美貌の女首領は顔を歪めます。彼女は、これからが反撃の時と思い込んでいました。この無礼者を組み伏せ、生まれ  
てきたことを後悔するくらいの恐ろしい刑罰を与えてくれる、と意気込んで起き上がろうとした時でした。突然に身体  
に衝撃が走り、熱を覚えます。凄まじいほどの勢いで黄金夜叉の女の身体の敏感な部分が火照ってくるのです。  
 「貴様、何をした……」  
 彼女が状況に気づいた時にはもはや手遅れでした。  
 「俺の精液を受け入れると、身体が火照って、男が欲しくて欲しくて仕方なくなるのさ。さて、男嫌いの女首領様は、  
俺におねだりできるのかな?」  
 桃太郎は意地悪げに告げました。極悪人の彼は、これから女首領が抱えるであろう女としての葛藤をサディスティッ  
クに楽しもうとしているのでした。完全に変態のやる事です。  
 非道な彼は、黄金夜叉の甘い苦しみがさらに増すように愛撫を加えました。桃太郎は、今までに見たことがないよう  
な大きく紡錘型の乳房に吸い付きました。黄金夜叉の身体は鍛え上げられた軍人の身体で、美人三姉妹の肢体とはまた  
違った感触がします。  
 「わ、私の身体に触るなっ」  
 女軍人は悲鳴を上げます。喧嘩では、先に泣きを入れた方が負けと言われます。性技を巡るふたりの戦いは、この時  
に雌雄を決しました。最も、一方的に攻め立てることと、防ぐことしかできないふたりの戦いは始まった時に結末は決  
まっていたのかも知れませんが。いずれにしても、後は桃太郎が徐々に気高い女首領のプライドをとろかしていく過程  
なのでした。  
 
 「貴様、殺してやる。殺してやるからな……」  
 黄金夜叉の言った言葉は先ほどと同じですが、今回の言葉はずっと力を失い、必死に無駄な抵抗をしている感じがし  
ます。  
 「さぁ、黄金夜叉。俺が欲しければ、村々から奪った財産の在り処を教えるんだ。そうすれば、おまえを天国に連れ  
て行ってやる」  
 「誰が、言うかっ、この外道が……」  
 さすがは黄金夜叉と言うべきか、普通の女ならばとうに屈服している誘惑にも決して屈しないのでした。ですが、残  
念なことにこうした健気な様子がますます人でなし桃太郎の征服欲を煽るのです。桃太郎は、焦らして口を割らせる作  
戦を中止し、次の作戦を取ることにしました。  
 「黄金夜叉、喜べよ。おまえをたっぷりと犯してやることにしたからな」  
 「……」  
 彼女の口からやめろ、という言葉は出ませんでした。もしかすると限界が近かったのかも知れません。桃太郎が屹立  
したものを女首領の中に沈めると、先ほどとは違い、ぐっしょりと湿った女の渓谷は桃太郎を滑らかに受け入れました。  
黄金夜叉も息を吐いて、次いで快感に呻きます。桃太郎は素早く腰の運動を始めます。そして容赦なく彼女を攻め立て  
るや、すぐに中に精液を放出しました。そうです。桃太郎はありあまる精力を発揮し、何度も中だしを行うことで、黄  
金夜叉にさらなる催淫効果を与えようとするのでした。  
 果たして、効果はてきめんでした。幾度も精液を受け入れるうち、女首領は気が狂わんばかりに乱れはじめるのでし  
た。戦場での凛々しい黄金夜叉を見ている桃太郎は、島の英雄を組み敷いて犯し抜いているこの状況にえも言われぬ征  
服欲を満たされていました。  
 ほら。と、桃太郎は思いました。猿美以外の他人を犯すのだってこんなに気持ち良い。こんなことやめられるはずが  
ないではないか。これを放棄して交わりを猿美だけに限るなど、考えられない。けれど、先ほど悲しげな顔をして立ち  
去った猿美の顔がどうしても心の中から振り払えません。そう言えば、やたらと煩わしい猿美ですが、身を削ってでも  
桃太郎のために動き回ってくれるのも猿美であったように思います。今回の鬼が島遠征も、一番反対していたものの、  
参加するとなったら一番張り切って立ち働いたのも彼女でした。一番の重装備をして、女だてらに桃太郎を守ろうとま  
でしているのも彼女なのでした。  
 ……くそっ。  
 桃太郎は自分の感情をもてあまして苛立ち、八つ当たりをするように黄金夜叉への攻めを乱暴に激しくしました。  
 「あ、ああっ、ああああああああっ!」  
 女首領は悲鳴を上げました。もはや桃太郎は当初の目的を見失ってひたすら女首領を追い詰めます。  
 「も、も……、なんでも話すから……、ゆる……して……っ」  
 黄金夜叉はやがて白目をむき、口から泡を吹いてぐったりと倒れました。桃太郎の陰茎から、何度目かの飛沫が女の  
中へと噴出しました。  
 
 「これで胸を張って帰れるね、お兄ちゃん!!」  
 と犬子は嬉しそうに尻尾を振りました。  
 「おう、そうだな」  
 「桃ちゃんもこれで村の英雄ね」  
 と雉江。  
 「おめでとう、桃太郎」  
 猿美も笑顔を見せました。  
 三姉妹と桃太郎は豪華な船上でささやかな戦勝祝賀会を行っていました。鬼が島から金銀財宝を掠め取り、あまつさ  
え海賊用の大船を奪い取ってきたのでした。これではどっちが海賊かわかりません。  
 船は故郷の村へと進路を取っています。四人は大勝利にご機嫌でした。村へ帰れば四人は英雄として歓待を受けるこ  
とは必至です。四人は浮かれて酒を大いに飲んだのでした。  
 
 大変に盛り上がった宴も全員がつぶれるような形で、なし崩し的に終了。桃太郎もすっかり眠り込んでしまっていま  
したが、深夜にふと目が覚めました。どうやら身体が冷えてしまったようです。むっくりと起き上がると、傍らには犬  
子が大股を開いて眠り込んでいます。まだまだ恥じらいが足りないあたりに少女としての未成熟さを感じますが、これ  
はこれで桃太郎には好ましく思えるのでした。その隣にはやはりだらしなくつぶれてしまっている雉江が眠っています。  
雉江は乱れた着物の胸元から豊満な乳房が覗き、同様に下もはだけて白い太腿が露わになっているのでした。しかも、  
乳房の先端の苺や太腿のつけ根の渓谷は、絶妙なはだけ具合で見えません。まるで計算したかのようなこの色気もこれ  
はこれで桃太郎にはたまりません。ですが、あの勝気な少女の姿だけが見えませんでした。  
 桃太郎はそっと立ち上がり、甲板に出ることにしました。今夜は満月ですから、月明かりに照らされます。すると、  
猿美はそこにいたのでした。生意気な美少女は桃太郎に気づきません。どうやら、立ったまま身を屈めて帆をかけ直し  
ているようでした。そして、その体勢ですと、少女の良く張り出したお尻が突き出されてゆらゆらと揺れ、まるで桃太  
郎を誘っているように見えるのでした。  
 桃太郎はふと思いつき、こっそりと背後から少女に近づくと、そのお尻を両手で撫で上げました。  
 「……あっ!」  
 猿美は弾かれたように身体を伸ばし、そして、力が抜けてへなへなとその場に座り込みました。  
 「も、桃太郎……」  
 「よう」  
 「お尻だけはさわらないでって言ったのに」  
 美少女は前回と同じように弱々しく桃太郎を非難します。しかし、女の子にやめてと言われるとどうしてもやりたく  
なってしまうのが桃太郎の習性なのでした。  
 「尻がどうかしたのか?」  
 桃太郎が問いかけても、  
 「べつに、なんでもないわ」  
 と猿美の返事は要領を得ません。彼はどうしてもその答えを知りたいと思い、猿美に襲い掛かりました。  
 「きゃあ、な、何すんのよっ」  
 「見せてみろよ」  
 「だめ、だめ、見たらだめーーっ!」  
 嫌がって抵抗する猿美の下半身をめくり上げ、お尻を露出させます。すると・・・。  
 「……なんだ、こりゃ?」  
 「……見たらだめって……言ったのに……」  
 
 以前に見た時は絹で練り上げたように真っ白だった猿美のお尻は、真っ赤になっているのでした。  
 「腫れたのか?」  
 「ちがう。痛いわけじゃないの。あんたと……その、してから、急に赤くなってしまって、どんな薬を塗っても直  
らないの」  
 猿美は泣きそうな顔をしていました。  
 「そうか。多分俺と交わった影響だろうな。犬子に尻尾が生えたり雉江姉ちゃんに羽が生えたりしたようなやつだ」  
 「こんな影響ってあるの?」  
 「多分、猿みたいに尻が赤くなったんだろ」  
 「がぁーん、さ、猿……」  
 猿美は床に手をついて落ち込むような様子になりました。  
 「そんなこと気に病んでいたのか? 馬鹿だなぁ」  
 究極に無神経な桃太郎が言いました。  
 「あんたねっ、あたしがどれだけ悩んだと思ってるのっ!?」  
 「尻が赤くたって何も困らんだろうが」  
 「だって恥ずかしくて……あんたに見せられないもん」  
 猿美は真っ赤になって顔を伏せました。美少女は真っ赤になったお尻を見た桃太郎に嫌われるのが怖くて、あれ以来  
桃太郎と交わるのを拒否していたのでした。  
 「なんだ、そんな理由だったのか? てっきり嫌われてるのか思ってたぜ」  
 「嫌いになんか……どんなことがあってもなるはずがないわ」  
 なんだか桃太郎は落ち着かない気持ちになってきました。桃太郎は、何が大事で何が大事でないかすら判断できない  
大馬鹿者でしたが、この健気な少女だけは失ってはならないような気がしました。  
 「それに」  
 と猿美は続けます。  
 「あたしは、我がままだから。あんたに、ただ抱かれるのが嫌だったの」  
 「どういうことだよ?」  
 「あんたの特別な人として抱かれたかったの」  
 今や、月明かりに照らされた美少女はまっすぐに桃太郎の目を見つめていました。不器用な少女は覚悟を決めてつ  
いに秘められた胸の内を明かす気になったようでした。  
 常に結論を先延ばしにしたい男である桃太郎は、そんな少女の小さな勇気に戸惑いました。何かを選ぶことは常に  
何かを失うことです。この健気な少女を選ぶことによって他の女との交わりを失わねばなりません。ですが、桃太郎  
は自分でも不思議なほど素直に、この勝気で不器用で繊細な美少女を選ぶことに決めたのでした。  
 「おまえを、特別な女として抱いてやるよ」  
 桃太郎は露出したままの猿美の赤い尻にくちづけました。  
 
 「いや……っっっっ」  
 猿美の身体が震えます。  
 「どうした?」  
 「そこ、赤くなってから……、感じすぎるの」  
 と少女は強く目をつむって、強すぎる快感を逃がすようにしながら答えました。  
 桃太郎は猿美の赤い尻に、触るか触らないかの微妙なタッチをしていきました。猿美は快感に悶えます。そして、  
愛撫を続けるほどにますます強いタッチを求めるようになり、いよいよ少女の身体の中で快楽の炎が燃え盛るのでし  
た。どうやら、赤くなって以来猿美のお尻は性的な弱点となってしまったようでした。  
 「猿美、入るぞ」  
 桃太郎が告げると、猿美はこくんと頷いて、  
 「おねがい、うしろからして」  
 と求めました。  
 「後ろから?」  
 「お尻にあたったら……、きっと気持ちいいの」  
 少女は羞恥で真っ赤になりながら言いました。桃太郎は猿美を四つ這いにして、背後から自分の分身を沈めていき  
ました。美少女の身体が芯棒を通されたように反り返ります。  
 「行くぜ」  
 「……来て」  
 背後から、桃太郎が猿美のお尻に自分の腹を打ちつけるように責め立てると、彼女は気も狂わんばかりに乱れはじ  
めました。  
 「あ、ああっ、おかしくなりそう」  
 「おかしくなったらいいよ」  
 猿美は桃太郎が今までに経験した誰よりも激しく乱れます。ふと思いついて、桃太郎は軽く少女のお尻を平手でぱ  
しっと叩いてみました。  
 「っっっっっっっ」  
 猿美は、電撃を受けたような快感のショックを受けました。  
 「すごすぎるわ……桃太郎」  
 桃太郎は調子に乗って何度も美少女のお尻を叩き、そして駄目押しのように腰を女の谷の最深部にえぐり込みまし  
た。  
 「っっっっっっっっっ」  
 猿美は悶絶して痙攣しながら果てました。その膣の強力な締め付けに耐えかね、桃太郎も精液を思うさま射出しま  
す。一弾、二弾……、着弾する度に少女はぴくんと痙攣するのでした。  
 「あ、お姉ちゃんたちずるーい!」  
 と、その時必要以上に元気な少女の声が後ろからしました。  
 「私たちも入れてもらいましょうか、犬子」  
 雉江です。  
 「猿美ばかりじゃ、不公平ですものね」  
 と、妖しく笑います。  
 桃太郎は猿美を選びましたが、おそらく猿美を選ぶことは三姉妹を選ぶことと同義なのでした。村に帰ったら、き  
っと猿美がびしびしと桃太郎を働かせるに違いありません。そして、従順な犬子が尻尾を振りながらその周りを動き  
回るでしょう。穏やかな雉江は、少し離れた位置で微笑んでいるかも知れません。そして、夜にはマゾヒストの犬子  
とサディストの雉江相手に桃太郎は大忙しのはずです。そして、そんな所に眉を吊り上げた猿美が怒鳴り込んできて  
……、そしてきっと桃太郎の相手は三人に増えることになるはずです。  
 これからはきっと、そんな三姉妹との素敵な日々が続くに違いないのでした。  
 
 
 
 色々と問題を残しながらも、めでたし、めでたし……本当か?  
 
 
                        了  
 

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