本日は月曜日。本来なら僕は学校へ行き、馬鹿話の合間に授業を受けて平凡な日常を送っている。  
 
はずである。が  
 
ピピッ  
 
「…8度2分か」  
 
風邪を引いて寝ている訳で。  
 
先日、姉さんに破っちゃマズい膜を破られそうになり、行った耳鼻科で風邪をうつされた僕。耳は大した事は無かったので、風邪ウイルスを買った形になってしまった。  
 
普段丈夫な体のせいか、酷く体がだるい。  
目をつぶると薬の効果か深い眠りに落ちていった。  
 
 
ひんやりとした感触。額に何か乗ってる?  
 
「あっ、大丈夫?」  
 
えっ、姉さんの声?  
 
慌ててはね起き(たつもりで)、傍らの時計を見る。3時半だ…  
 
「…姉さん、会社は?」  
「だって心配だったんだもん。早引きしちゃった」  
 
てへっと舌を出して笑う姉さん。全く…  
 
「…」  
 
無言で姉さんを見つめる。姉さんにはこの無言責めがもっとも効果がある。  
 
「…ごめんね」  
「ううん。僕を心配してくれての事だから…別に怒ってないよ」  
 
まあ呆れただけで。  
 
ベッドに横たわりながら、姉さんと会話しているとふと額に手を置かれた。  
 
「熱下がんないね」  
 
インフルエンザだと少し厄介かもしれない。  
が今日の所は安静にしてるしか対処方がない。  
 
「あ、そうだ。良いもの持ってくるね」  
 
何かを思い出したのか、姉さんは一旦僕の部屋を出ていった。  
 
限りなく嫌な予感がする。  
 
「これこれ〜。只の風邪なら効くと思うよ♪」  
 
手には……えっ……その銃弾形態の物って!!  
 
「座薬だよ。これで明日には元気になるよ」  
 
 
必死に抵抗したが、病人の身。あっさりとパンツをずり下ろされてしまった…  
 
「本当は仰向けで足を上げて貰うといいんだけどな」  
 
そんな体勢は断固拒否します。  
 
「にしても綺麗なお尻ねぇ、えいっ」  
 
ぷにぷにとお尻を突っつく姉さん。なんですかこの羞恥プレイ(泣)  
 
「じゃ、入れるね。…なんかドキドキしてきちゃった」  
 
姉さん、今ならまだ…  
 
プスッ…グニュニュニュ…  
 
「ひぁっ…」  
 
 
 
翌日には熱も下がり体調は回復した僕。しかし、今回何か大切な物を失った気がするのもまた事実ではある…  
 
 
「ねぇ、お姉ちゃんも風邪引いたら看病してくれるよね?」  
 
姉さんの笑顔を見ながら『汗拭きと座薬は勘弁して欲しい』と心中で呟く僕であった。  
 

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