「それでは8番のお部屋にどうぞ〜」
受付の男性に明るく促され、私は年齢査証はバレなかったようだとホっとしつつも強張った足取りのままで部屋の前に向かった。
ノックすると「はーい、どうぞー!」と元気のいい声が聞こえ、ドキドキしながらドアを開けると明るいラブホテルのような室内に
巨大ベッドがどーんと置かれ、その横にホストのようにお兄さんが一人立っていた。
「初めまして、紫苑です!」
う、あからさまな源氏名だな、そう思ったのにうっかり、
「は、初めまして七海です。」
本名答えてしまった。流されんなよ、私。
「ご相談コースのご選択ですねー。どうされました?」
「うっ・・・。」
いきなりか。
お医者さんみたいだなと思いながらなんと答えようと突っ立っていると、お兄さんはすっと私のバッグを受け取り、さりげなく
コートを脱がしハンガーに掛けた。
「えーと。・・・・・その・・・。なんと言うか、ですね・・・。」
言いにくい。とてもいいにくい。
「うん。」
ニコニコされるとなお言いづらい。でも初心者っぽく思われたくなくて思い切って口を開いた。
「クッ・・・・・」
リトリスのサイズと感度が悪いと言われたのですが!!
「く?」
言えん。
「いやあの、えーと。」
もじもじと下を向いている私の正面で、ベッドに腰掛けてにこにこしているお兄さん。
誰かに似てる。ジャニ系だな。
「恥ずかしがらなくていいよ。秘密厳守だから。こう見えて口は堅いよ?」
気遣うような言い方にちょっと肩の力が抜けた。
いや、別に緊張なんかしてないけどさ。
「か・・・彼に、ですね。その・・・ある部分のサイズが小さ過ぎと言われまして。・・・んで、なんか感度・・・って言うんですか?も、
悪いと言われ・・・て・・・。」
自分の顔がかーっと赤くなってるのが分かる。
思った以上に恥ずかしい。何やってんだ、私。
「ああ、なるほど。どっち?」
「え?」
「うん、女の子がそんな事言われて悩むつったら、上か下かどっちかだからね。男は下だけだけどねー。あはは。で、どっち?」
言われてみればその通りだ。
私が俯いているのを見て、少し部屋を暗くしてくれながらお兄さんは笑った。
笑い事じゃないんですけど。
「・・・・・・んと・・・。下、です・・・。」
「おっけー。」
この人ほんとに明るいな、と思うが早いかお兄さんはするっとミニスカートの中に手を入れた。
「なっ、何をっ・・・」
するんですか、といいかけた言葉を飲み込む。
ここはそういう事をするところだ。責めても仕方ない。
大人しく棒立ちになっているとさっさと下着が脱がされた。
あれ、いつの間に。
どうしていいか分からず突っ立っているとお兄さんは小さく笑って、
「そんな怖がんなくっていいよ。痛い事はしないから。」
と言った。
「べ、別に、怖がってなんかいません!」
つい意地を張ってしまうのは子供の頃からの悪いクセ。お兄さんはそんな私を見てまた笑ったようだった。
「んじゃ、ちょっと失礼。」
立ったままの状態で抱き寄せられた。
「あ。」
捲り上げられたスカートの中に、手が入り込んでくる。
「小さいって言われたのはここ?」
「んっ・・・。」
探るでもなく、いきなり的確にそこを軽く指でトンとノックされた。
そう、そこです。クリトリス。
こくんと頷くと、
「んじゃ、ちょっと触ってみるね。痛かったら言って?」
と、お兄さんはやわやわと私のクリトリスを包皮の上から撫で始めた。
触れるか触れないか程度に周囲を指一本で撫で続ける。
「・・・ん・・・・あっ・・・・、」
全身の神経がそこにあるみたいに、触られるたびに腰がびくびく震える。
なんでだろう、痛くない。
今までここを触られてもぴりぴりと痛いばっかりだったのに。
いやむしろ気持ちいい。
声を出さないように口元を手で押さえる。
立っているのがツライ。
「えーと・・・・。」
お兄さんは片手でベッドサイドのテーブルの上にあった小さなポンプタイプの容器の頭を押して、何か液体を
手に取った。
「・・・・それ・・・・?」
なんでこんなに息が上がってるんだろう。
「うん、マッサージ用のオイル。痛くしないためのね。ここって結構敏感だから。」
自分の手に塗りつけそう言うと再びその手を私のあそこにやった。ぬるっとした感触がクリトリスに直接触れる。
「あっ・・・、んんっ、」
「うん・・・?」
お兄さんが訝しげに呟く。
やっぱり私の身体ヘンですか!?
オイルをつけた指がぬるっと芽の上を滑る。押さえた口からまた声が漏れる。優しく何度も往復する指の動きが
少しだけ強くなった。
「・・・・くっ・・・あ・・・・、」
「ね・・・、感度悪いって言われたの?」
くるくると根元を円を描く。指の動きを休めないまま問われ、
「・・は・・・・うん・・・、小さいし、反応も悪いっ・・・・てっ・・・・、」
上手く答えられない。
「そーかなあ・・・・。」
お兄さんは秘部全体に手のひらを這わせてぬるりと擦り上げ、自分の手を確認した。
「オイル、つけなくても結構濡れてんだけど・・・。」
ぴちゃ、と言う音が耳に入りまたカッと顔が熱くなった。
音を立てていたのはオイルじゃないんですか!?
私が濡らしてぬるぬるになったその手で、全体を前後するように滑らされるともう声を抑えられなくなった。
「なんで口押さえてんの?いいならいいって言ってくれないと。良くしてあげるのが俺らの仕事なんだからさ。」
そりゃそうだ。
いやでも、何かやっぱりこの状況ってヘンじゃないですか?
とか思っているとお兄さんは膝をついて覗き込むようにスカートの中に頭を突っ込んだ。
「わああああ。」
そんな私にはお構いなしに少し開かれた足の間にまた手を・・・。
「んあっ、あ、ちょっ・・・、」
芽の付け根を上に引っ張られ、観察されているみたい。ひやりとした空気がむき出しになったクリトリスに直接触る。
「・・・・・・・別に、特別小さくもないと思うけど・・・?」
えっ。そうなの?
「あ・・・・あの・・・、あっ・・・」
聞こうとしたら今度はふうっと息を吹きかけられた。
そこをじっくり見られている状況と、今までないくらい敏感になっているクリトリスを意識するとなんだか気が遠くなってきた。
「そんなに触ってないのに、こんな濡れてるし。・・・・ここ、も。」
クリッ。
「んあっ、やっ、」
指で根元をくるっとされた瞬間、自分でも何かがそこからぶわっと溢れるのが分かった。
「刺激したらちゃんと膨らんでるもん。どっちかって言うと、感度いい方なんじゃないの?」
「あ・・・・そ・・・で、、すか・・・?あの・・・、」
片方の指で包皮を剥かれ、根元までむき出しになったクリトリスをつんつんと濡れた指先で触られる。
「多分ねー、彼氏、強く触り過ぎなんじゃないかなー・・・。痛いなら痛いって言わないと男ってどんどん力入れちゃう
からさ。」
喋りながらも恐らく充血しているであろうそこを蜜にまぶした指でにちゃにちゃと音を立ててトントン叩いたり、くるくる
撫で回したり。
「んっ・・・で・・・もっ・・・・あっ、」
「あとさ、七海ちゃん自分で触ったことある?」
ふいに顔を上げられ視線が合う。
情けないことに目に涙が溢れ、上手く喋れない。足ががくがくしてもう壁にもたれて立っているのがやっとだった。
そんな私を見てお兄さんは、
「あ、ごめん、ツライよね。」
と言って苦笑いした。
「一回イっちゃおう。」
クリトリスの上を這い続けていた指の動きが止まる。
少し休める。はあっと息をついて、
「多分、無理、」
と言うと、「へ?」と返された。
「私、今までイった事ない・・・もん、・・・」
「えっ、そうなの?」
意外そうな表情。
今まで何度も彼と色々やったけどイッタことはない。最近は演技ばっかりで、セックスしてても全然楽しくなかった。
可愛くねーとか感度悪いとか文句言われるし。
「身体、ニブいって、言われた・・・・、」
「えーっ、絶対そんな事ないって。こんなんなってんのに、何言ってんの。」
「んんっ、・・・あっ、」
きゅ、と包皮ごとやんわりとクリトリスを摘まれ声が上がる。
確かに、今までにないくらいにそこはべちゃべちゃなんだけど。
なんかすごく気持ちよくてふらふらしてるんだけど。
「そんなん俺のプライドが許さない。絶対イカしちゃる。」
言うなりお兄さんはスカートのホックを外し、チャックを下ろした。
足元にすとんとプリーツスカートが落ちた。
何するんだろうと思っていると、敏感になっている私のクリトリスに舌を伸ばしてきた。
「わ、あ、ちょっと、あのっ、・・・・・・・・ふあっ、」
柔らかい舌で舐め上げられる。
ぬるっとした感触の舌が何度も芽の上を往復する。唾液をたっぷりつけて、やわやわと撫で擦られる。
「ああっ、やだ、な・・・・んっ、あっ、あ、」
焦らすようなその動きに立っていられなくなり、無意識に手が側にあったカーテンを掴んでいた。
「や、やだ、も・・・、」
「もう・・・?何・・?」
喋りながらも舐めるのはやめない。指で包皮を押し上げられ、露出した根元をくるくる舐める。
「だ、だめっ、なんかっ、」
あそこがすごくびくびくしてる。なんだか浮き上がりそうに足元がふわふわする。
なんか来る。出る。
「駄目でっ、やめて、なんかっ・・・・・、」
本当は止めて欲しくないんだけど。
「なんか出ちゃうう、」
泣き声になってしまった。
両手でお兄さんの頭を押さえる。離したいのに力が入らない。
「どうぞ。」
どうぞって、どうぞってなにっ!!
「ほ、ほんとにっ・・・、あうっ、」
「漏らしちゃっても、構わないから。」
いやまずいでしょ、それは!!こんなとこで!
「やあっ、ちょ、いや、」
「そこまで来てるもの、逃がしませんよ、と。」
クリトリスの根元を嘗め回していた動きが止まった。
と思ったら、不意に唇で挟まれそっと吸い上げられた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・っ!!!」
声にならない。
吸い上げた上に先っぽをくりくりと舐められた。
「ああああああああぁぁっ、」
腰から浮き上がるように何かが突き上げてきた。
頭を突き抜けるような快感の中、緩んでしまったらしいそこからシャっとおしっこが漏れた。
ぱたぱたっと音を立ててじゅうたんの床を叩く。
「やっ・・、だ、あっ、」
溢れ出るものを止められない。
「おっと・・・。」
思わずしゃがみ込んでしまった身体をお兄さんがぎゅっと抱き止めてくれた。
「ほら、ちゃんとイケたじゃん。」
しがみついて荒い呼吸を繰り返す私に、お兄さんが笑いながら言った。
その後ベッドの上で何度も絶頂と言う物を味わわされ、私はふらふらしながら終了時間を迎えた。
「お疲れさまー!じゃあまた何かあったら指名してね!あ、でも出来れば高校は卒業してからね!」
ああ、やっぱりバレてましたか。
入った時と同じテンションで送り出され、ぼんやりした状態で店を後にした。
なんだか、病み付きになりそうな予感がしていた。