バージンロードの花道を、真っ白なウェディングドレスを身に纏った美しい花嫁が、ゆっくりと歩いてくる。  
リヒャルト・ワーグナーの歌劇『ローエングリン』第3幕の優雅な調べが、彼女の生涯でもっとも晴れやかな行進を秀麗に彩る。  
そして今、彼女が腕を組んでいるのは、禿げ上がった頭をした、初老の男性。  
「いよいよだな、亜季。」  
初老の男性は、何ともいえない表情をしている。緊張なのか、それとも感極まっているのかはわからない。おそらく両方だろう。  
「パパ・・・・・・今まで、ありがとう・・・・・・」  
父と娘。その二人がやがて進むと、花道の途中に一人の青年が待っている。  
「さあ亜季、健太郎くんの手を取りなさい。」  
「うん・・・・・・健ちゃん・・・・・・」  
「亜季ちゃん・・・・・・行こうか。」  
そして亜季は、父の腕を離れ、健太郎の腕に寄りかかる。それと同時に、父の顔が涙でくしゃくしゃになった。  
父の脳裏によみがえる、愛しい愛娘との思い出。  
ちょっとお猿さんみたいだったけど、可愛かった出産直後。妻と結婚して、初めての子供だった。  
あの時は、自分よりも、おじいちゃんとおばあちゃんのほうがおおはしゃぎしていた。自分の父と母にとっては、初孫である。  
子育ては大変だった。ミルクを飲ませたり、おしめを換えてやったり。顔面におもいっきりおしっこをかけられたのも、今ではいい思い出だ。  
そして弟が生まれ、亜季はお姉ちゃんになった。お母さんの関心は、弟の方に移っちゃったけど、自分はちゃんと、お前のことを大事にしていたよ。  
「亜季はいい子だから、ちゃんとママの言うことを聞けるよね?」  
「うん!」  
「よしよし、いい子だな、亜季は。」  
「えへへへへ。」  
ほめると照れたようにえへへと笑う亜季。そんな亜季が、可愛くて仕方がなかった。  
そして隣に住む健太郎くんと知り合ったのも、この頃だ。二人は幼馴染。だから、彼はよく家に遊びに来たし、自分が面倒を見たこともある。  
一緒にお風呂に入れたこともあったっけ。あのときは、健太郎くんも亜季も、ちょっとだけ恥ずかしがっていたっけ。  
そして二人とも、そのまますくすくと大きく育ち、幼稚園、小学校と進学していった。  
運動会にもよく応援に駆けつけた。亜季は頑張り屋さんで、運動神経もよかった。だから、いつも一等賞だった。  
それに比べて、健太郎くんはあまり運動神経はよくなかった。でも、一生懸命頑張ってはいたから、ビリになることはあまりなかった・・・・・・ということにしておこう。  
その代わり、健太郎くんはお勉強はよくできた。だから、一緒に宿題をしたときは、いつも娘が教わる方だった。  
 
そして・・・・・・思春期。  
ずっと一緒に大きくなってきた二人だが、この頃から、二人はやや距離を置くようになってしまった。  
二人の身体に性差ができ始め、お互いを異性として意識してしまう。だから、二人の距離は、次第に広がってしまう。  
だが、娘は、健太郎くんのことが嫌いになったわけではないらしい。むしろ、ずっとずっと彼のことを想っていたようだ。  
この頃からかな。娘が、急におしゃれに気を遣うようになったのは。  
娘も年頃の女の子。こうなると父親としては気持ちが落ち着かなくなってくる。  
変な男に引っかからないだろうか?悪い男に引っかからないだろうか?  
日曜日に嬉々として出かける娘。後から聞いたのだが、デートの相手は健太郎くんだったらしい。  
健太郎くんは悪い子ではないから心配はないけれど、急に色気づいた娘を相手に、間違った行為をしてしまわないだろうか?  
父は心配で仕方がなかった。健太郎くんなら他の男よりはマシだとは思うが、それでも心配だった。  
これも、娘が美人だからだろう。父親が言うのも何だが、亜季は美人だ。  
そんな高校二年のクリスマス、娘は一晩帰ってこなかった。  
あのときはひどく叱った。娘の身にもしものことがあったら・・・と、一晩中心配で眠れなかったのだ。  
「パパ、ごめんなさい。お友達と一緒にいたの。」  
「お友達って、誰だ!」  
「あの、その・・・・・・」  
「だ・れ・だっ!?」  
「・・・・・・。」  
「健太郎くんだな?」  
「そ、その・・・大丈夫だからね!べ、別に変なことはしてないから!コンドームだってちゃんと使ったし!」  
「こらっ!亜季っ!!!コンドーム使ったって、どういうことだ!!!」  
娘はロストバージンしたらしい。このあと、健太郎くんも呼び出して、こっぴどく叱った。  
健太郎くんは平謝りだった。だが、ちゃんと避妊はしていたそうだし、彼も誠実で、娘のことを想ってくれているようだから、その場は許した。  
だが、父は半分泣きそうになっていた。  
(娘も、もうそんな年頃になったのか・・・・・・)  
手塩にかけて育てた愛しい娘が、男を知る年齢になったのだ。  
そんなこんなで慌しい思春期が過ぎ・・・・・・健太郎くんは大学を卒業、就職し、娘も就職した。  
そしてある日、健太郎くんが娘と一緒に挨拶に来た。  
遂に、来る時が来た。  
健太郎くんのプロポーズを、娘がOKしたのだ。  
誠実で、実直な男。そして、娘を心から愛している。だが、娘を嫁にやるのは、正直辛い。  
「娘を、大切にしろよ。」  
父は健太郎くんにそう答えた。そして、今日、このよき日に、娘の晴れ姿を見ている。  
 
亜季と健太郎くんは、腕を組んで祭壇の前に進んだ。祭壇の上には、神父様がいる。  
「それでは・・・・・・始めます。」  
厳粛な空気の中、神父は結婚式の開始を告げた。そして。いよいよ二人の誓いへと進む。  
「汝、健太郎よ・・・・・・」  
「誓います。」  
「汝、亜季よ・・・・・・」  
「誓います。」  
ずっと一緒に育ってきて、そして愛を育んできた二人。反対などするわけがない。  
「それでは・・・・・・誓いの・・・・・・」  
そう言うと神父は、パチンと指を鳴らした。すると、教会の奥から、10人ほどのマッチョな男が一斉に入ってきた。  
そして健太郎と亜季を取り囲むと、一斉に二人の服を引きちぎる。  
二人は瞬く間に全裸になった。  
「きゃあっ!」  
「うわっ!な、何するんだ!!!」  
そして二人が来た花道から、大きな台車がすごいスピードで運ばれてきて、二人の目の前で止まった。  
台車の上は、二人分のベッドになっている。二人はマッチョたちに担がれて、ベッドの上に乗せられた。  
「さあ、二人とも、神の御前で、思う存分、愛し合いなさい。」  
「ええっ!?」  
健太郎と亜季は驚いている。  
「い・・・今、ここで・・・・・・ですか?」  
今、背後には、二人の親戚一同や、親友たちが並んで、二人を見守っている。そのみんなの見ている前で、愛し合えというのだ。  
「おや、先ほどの宣言は、偽りだったのですか?」  
「そ、そんなことないです!けど・・・・・・」  
「神の御前ですよ。今ここで愛し合えば、あなた方は父なる神の、永遠の祝福を得られるでしょう。」  
「・・・・・・。」  
「さあ、愛し合うのです。」  
二人は呆然としていたが、やがてお互いに向き合った。二人とも、裸である。特に亜季は、スタイルもよくて、美しい。  
対する健太郎も、なかなかいい身体をしていて、アソコも立派だ。もちろん包茎ではなく、きちんと剥けている。  
「亜季ちゃん・・・・・・その、いいかな?」  
健太郎が聞くと、亜季は真っ赤になってうつむいた。  
「健ちゃんが・・・・・・望むなら。」  
その答えと同時に、健太郎は亜季を抱きしめ、熱い口づけを交わした。  
「おおっ!!!」  
途端に客席から歓声が上がった。キスと同時に、健太郎のモノが、真上にピンっと大きく反り返ったのだ。  
「け、健太郎のやつ、あんなにすごいモノを、亜季ちゃんに・・・」  
「ポッ? 亜季ちゃん、いいなー」  
そのまま、二人は横になり、お互いを抱きしめあう。そして、健太郎は彼女の股間に手を入れて、その場所を弄ってみた。  
途端に、健太郎の指が、熱い液に濡れる。  
「亜季ちゃん・・・・・・」  
亜季は無言で、こくっと頷いた。  
「・・・・・・わかった。」  
 
今、亜季の両足が大きく開かれた。そしてその間に健太郎の身体が滑り込む。  
そして、観客たちは一斉にベッドの下半身の方に集まった。もちろん、亜季の父もである。  
亜季のちょっぴりエッチなその部分が、みんなの前に剥き出しになっている。そして、健太郎の立派なモノが、その部分に徐々にのめり込んでいく。  
「あ・・・あああ・・・」  
亜季が思わず声を漏らした。亜季のその場所は、愛液を飛び散らせながら、完全に健太郎のモノをくわえ込んだ。  
「健ちゃん・・・・・・」  
亜季はじっと、健太郎の顔を見つめた。  
「何だい?」  
「コンドーム・・・・・・してないね。」  
「そうだね。」  
「赤ちゃん・・・・・・できちゃうかも。」  
「うん。」  
「できちゃっても・・・・・・いい?」  
「もちろんだよ。」  
「健ちゃん・・・・・・愛してる。」  
「亜季ちゃん・・・・・・僕も、愛してる。」  
その時、教会の鐘が、カランコロンと鳴った。それと同時に、二人の陰部がスライドを開始した。  
「ああ・・・はああ・・・ううう・・・」  
健太郎の腰の動きに合わせて、亜季の口から喘ぎ声が漏れる。その二人の陰部は、愛液を振りまきながら、激しい動きを披露していた。  
「健ちゃん・・・・・・大好き・・・・・・」  
いつの間にか、亜季の瞳に涙が光る。  
「ずっと、ずっと好きだったんだから・・・」  
「亜季ちゃん・・・・・・いつから?」  
「初めて出逢った時から。」  
「それって・・・・・・幼稚園、いや、もっと前だよね。」  
「うん、その時から今まで、ずっとずっと・・・・・・」  
「亜季ちゃん・・・・・・」  
「健ちゃん・・・・・・これからも、ずっとずっと一緒だよ?」  
「うん。亜季ちゃん・・・・・・」  
ここで会話は途切れた。ここから先は、二人の身体が情を交わす。もはや言葉は要らない。  
 
そして亜季の父が、前に進み出た。そして、健太郎の腰を、後ろから押す。  
「健太郎くん、頑張れ!」  
「お義父さん・・・」  
「パパ!」  
それは、父が、二人の仲を認めた何よりの証。そして、二人を祝福する、父の想いの証。  
「亜季!丈夫な子を産むんだぞ!」  
父がそう叫ぶと、亜季は叫び返した。  
「うん!パパ、健ちゃん、私、元気な子を産むから!!!」  
そして二人の間の空気が、一気に熱くなる。それと同時に、父は健太郎の腰を強く押さえた。これでもう、抜くことはできない。  
「いくよ、亜季ちゃん!」  
「来て!健ちゃん!」  
そして・・・・・・しばらくの沈黙。  
「あ・・・・・・いっぱい感じるよ・・・・・・健ちゃんの・・・・・・精子・・・・・・」  
そして父が健太郎の腰を離すと、健太郎は陰茎を抜いた。  
二人の性器の間には、白く濁った粘液が、糸を引いている。それを見て、神父は天を仰いだ。  
「おおっ!父なる神よ、今ここに、一組の夫婦が誕生しました。願わくは、この二人に、永遠の祝福を!ザーメン!」  
 
おしまい  
 

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