それは、いつもの何気ない授業中に起きたことでして。
この授業って、いつも眠いのよね。
はぁあ。
あれ?なんか、さむいな・・・・・
「えーーー」
彼女の叫びにより、他の生徒も何事かと周りを見て、凍りつき、自分を見て大事な所を隠し始めたのです。
何がおきたか、誰にもすぐには理解できなかったようでして。
クラスメイトが男女問わず、素っ裸になっていたのでございます。
服を着ているのは、教師一人のみ。
この異常事態でありながら、いつもと変わらぬ様子で、授業を続けているのでございます。
この先生には、異常事態が認識できていないのでしょうか?
騒然としていた生徒達に対して、
『授業中ですよ、静かに出来ないなら廊下に立ってもらいましょうか?」
平然に言ってのけるのです。
わけがわからずに、なおかつ恥ずかしくてたまらないのですが、こんな姿で廊下に立たされるのは恐怖でしかありません。
一気に、黙り大事な所を隠しながら、生徒達は黙ってうつむくしかありませんでした。
その時、教師の顔を見た生徒がいたら気づいたかも知れません。
邪悪な笑みが広がっていたことに。
そう、この騒ぎは教師が、いつも自分を馬鹿にする生徒達へのささやかな仕返しをするために起こしたものだったのです。
授業は何事も無かったように再開しました。
生徒が服を着ておらず、必死になってどうしようか悩んでいることを除いて。