「なぁ」
「んー?」
「今日、お前の誕生日だったよな」
「そうだけど」
「こうしてお前とこの日をだらだら過ごすのも何回目だ」
「4才のときからだから…だいたい15回くらい?」
「そうか。で、今年はプレゼントがあるんだ」
「へー、そんなのくれたことなんて、ほとんどなかったのにね」
「ほっとけ」
「はいはい。で、何くれるの?」
「……よし、ちょっとそこ座れ」
「ん?……ここでいいの?」
「大丈夫だ。そしたら目をつぶれ」
「はいはい」
「……」
ちゅっ
「!……んっ…」
「……」
「んっ…むぅ…ぷはぁっ。……今の、って」
「…オレのファーストキスだ、返品は認めない」
「……自分が、何したか、わかってる?」
「口で言うより伝わると思った。いまさら言葉にするのも、恥ずかしいし」
「……こっちのが、余計に恥ずかしいと思うけど」
「気分を害したなら謝る。代わりにいくらでも殴れ。ほら」
「……てか、これアンタ二回目だし」
「なっ!?」
「記念すべき第一回誕生日プレゼントだったでしょ」
「わ、忘れてた……」
「で、これが……」
ちゅっ
「!」
「……三回目、ね?」
「……お前も十分恥ずかしいよ」
「お互い様よ」
「…じゃ、そういうことで」
「今後ともよろしくね」