ちょん。
「んっ?」
誰かが私の頬をつつく感触に、私は目を覚ました。つつかれた方向を見ると、そこにはまだ結婚したばかりの妻が微笑んでいる。
ちょん、ちょん。
「おいおい、言いたいことがあったら、はっきり言いなさい。」
私が微笑むと、妻は恥ずかしそうに頬を染めた。
「もう、着いて早々寝ることないじゃないですか。私たちは、新婚なのですよ?」
「・・・そうだな。」
「だから、私たちは新婚なんですってば!」
「それがどうした?」
妻は少し怒っている。彼女の白い柔肌が、目の前に露になっている。彼女は・・・・・・何も着ていない。
彼女の言いたいことはわかっている。だが、この妻の少しむくれた表情を見ると、少しだけ、意地悪したくなってしまうのだ。
私がこの妻と知り合ったのは、まだ妻が少女の頃だ。
もちろん私も少年だった。同じクラスで、席は隣同士。
クラス一の美少女と隣同士になれて、周りからは随分羨ましがられたものだ。
隣同士だったから、話す機会も多く、それだけ接する機会も多かった。
彼女は可愛い。そして、性格も優しい。こんなにいい子と巡り会えるなんて、私はなんて幸せなんだろう。
そして・・・・・・彼女も、私に好意を持っていたようだ。ある日、私は授業中に、彼女から紙の切れ端を貰った。
そこには、「好き?」と書いてある。
思えば、彼女がストレートに感情を露にしたのは、これが初めてだ。もちろん、私も彼女に好意を持っていたから、同じように紙の切れ端に返事をした。
「僕も?」
見つかれば冷やかされるだろう。私と彼女との、秘密のやり取り。
そんな感じで、私と妻は・・・・・・ずっと愛を育んできた。
しかし・・・・・・
彼女の両親の猛反対。
私は何度も頭を下げたが、まったく取り合ってもらえない日々が、ずっと過ぎていく。
今、私と妻は、新婚である。結婚したばかりだ。
思えば、長い道のりだった。だがこれで、ようやく彼女は私の妻になった。
これから一生、妻を大事にしていこうと思う。
そして今、新婚旅行先である、ハワイの熱い夜。
少しだけむくれる妻に、私はそっと囁いた。
「さあ、何がしたいのか、言ってごらん。」
「・・・・・・意地悪。」
妻の恥ずかしがる顔が、可愛くてたまらない。
「女の口から、言わせる気?」
「うん。」
「もうっ!知らない!」
妻はそっぽを向いてしまった。こりゃ本当に怒ったかな?
「ごめんごめん、嘘だよ。」
「・・・・・・。」
妻はまだ、怒った顔をして、私を睨んでいる。
「悪かったから、許して、ねっ?」
「うー・・・・・・」
「いっぱい愛してあげるから、ねっ?」
私は妻をぎゅっと抱きしめた。妻の・・・・・・愛しい身体。
長い間、待ち焦がれた、彼女の身体。
妻の愛しい唇に、私はそっと唇を重ね合わせた。すると、妻は瞳を閉じる。
(好き・・・・・・)
妻の想いが、唇を通して、私の心に伝わってくる。
あの時、初めて恋した少女は・・・・・・大人になった。
外見は随分変わった。もっとも、美しいという事実は変わらない。
そして私も、大人になった。もう、すべての事柄に、責任を持てる年齢。
愛する妻の身体は、本当に綺麗だ。
芳しい香りと、愛情が溢れる熱い身体。彼女の熱が、こちらにも乗り移ってくるような気がして、私の息も荒くなる。
(なんて熱い身体をしているんだ)
私は思う。別に病気というわけじゃない。これが・・・・・・発情というのだろう。
妻の吐息も熱く、そして荒い。
中学校のときに一緒のクラスになった、クラスメート。そして、数多の障害を乗り越えて、遂に結ばれた、夫婦。
だが今の私たちは、そのどちらでもない。事実関係においては、夫婦であることは間違いない。
しかし今、ここにいるのは、発情したオスとメスだ。
やはり人間といっても、動物の一種に過ぎないのだ。
愛する妻の身体は、たおやかに美しく、私を誘っている。
だが妻は、私の肉茎を見て、少しだけ怯えている。
「こ・・・こんなに・・・大きいの?」
妻はまだ、男を知らないらしい。もっとも、私もそれは同じ。今までずっと妻一筋で、他の女になど目がいくわけがない。
それほど、妻は素晴らしい。そして、愛しい。
「大丈夫。お前はきっと、私を迎え入れられる。自分を信じるんだ。」
「はい・・・・・・」
妻は不安そうにこちらを見つめながら、私に向かって大きく股を開いた。妻は・・・・・・一つになることを、許してくれたのだ。
私は己の股間に宿る精子注入棒を、そっと妻の入り口に当てた。その瞬間、私の先端が、妻の熱い液に濡れる。
妻はこんなに濡れている。経験のない私ではあったが、発情すると女性の股間が濡れることぐらいは、知っていた。
「優しく・・・して。」
「それはわからない。」
「・・・・・・もう。」
妻は動かない。じっと私の動向を見つめている。
やがて私の肉茎が、徐々に彼女の女に沈んでいった。
「!!!!!!」
妻は一瞬、苦痛に顔を歪めた。だが、その表情すらも美しく感じてしまう。
「痛かったか?」
「うん・・・・・・でも、大丈夫。思ったほどじゃなかったから。」
もう、肉茎の根元まで、彼女の膣(なか)に埋まっている。ようやく、私と妻は、本当の意味で、一つになれた。
それにしても、膣の中は柔らかい。そして、熱く濡れている。
おそらく、射精を促しているのだろう。それが、女の身体なのだ。
「はああ・・・あああ・・・」
妻の荒い声が響く。
「そんなに痛いのか?」
「ち・・・違います・・・」
「じゃあどうした?」
「その・・・なんていうか・・・」
「気持ちいいのか?」
「わかりません・・・でも、これが・・・気持ちいい?」
妻は語尾を上げた。多分、気持ちいいのだろう。だが、生まれて初めての事だから、よくわからないのだ。
そして・・・・・・私も、気持ちいい。
なぜ、気持ちいいのだろう?多分、これがないと、誰も子孫を残そうと思わないからではないだろうか。
気持ちがいいから、結果として、子孫を残す。人類が今まで増えてきているのも、気持ちがいいからだ。
現に今、私と妻も、気持ちいい。
だが・・・・・・もっと気持ちよくなりたい。
私も妻も、もっともっと気持ちよくなれる。
私は動いた。肉茎を彼女の中でスライドさせる。
「あああっ!ふああっ!ああああっっ!」
私の動きに合わせて、彼女は声を荒げて叫んだ。
「わ・・・私・・変に・・・なっちゃう!!!」
彼女は両足をじたばたさせて悶える。
「苦しいのか?」
「違う!違うのっ!その・・・・・・」
「気持ちいいんだな?」
私の言葉に、妻はこくっと頷いた。
「よし、それじゃ、もっともっと気持ちよくしてやる!!!」
「ふああああっ!あああああっ!ひゃあああああっっっ!!!」
妻のありったけの叫び。その心地よい響きを耳にすると、私もいよいよ・・・・・・頂上に着きそうだ。
そして・・・・・・
私は妻の胎内に、ありったけの想いを注ぎ込んだ。
そしてようやく私と妻の身体が離れると、妻はうつ伏せになりながら、じっと私のことを見つめた。
やがて妻は涙ぐむ。
「どうした?」
「ううん・・・・・・嬉しいの・・・・・・ずっと、ずっと一緒よ?」
妻は私にそう告げた。そんな妻が可愛くて、愛しくて、私は妻を抱きしめた。
「ずっと・・・・・・一生、大切にするからなっ!」
私と妻、86歳の熱い夜。
おしまい