「まさか、転校先がお前と同じ学校とはね」  
「私だって、アンタがまた私の家の隣に引っ越してくるとは思わなかったわよ」  
「どうやら家は残してたらしい。戻ってくる予定だったんだろうな。  
 ……それにしても、この辺はほとんど変わってないな。あの公園、まだあるのか」  
「昔は一緒によく遊んだよね。懐かしいなぁ」  
「……お前も、あの頃から大して変わってないな」  
「なっ!?」  
「背は伸びてるみたいだが、それだけだ。体つきに大した変化は見られない」  
「し、失礼な!ちゃんと成長してます!小学生のときと一緒にするな!」  
「すぐムキになるのも一緒。あぁ、髪型もか」  
「うぅ……か、髪型は昔アンタが似合うって言ったから……」  
「ん、なに?」  
「な、何でもない!」  
「そうかい」  
「……あ、あのさ、私との約束、覚えてる?」  
「約束?」  
「お、覚えてないならいいの!大した話じゃないし」  
「……『ぜったい、ぜったいかえってくるからなかないで。  
 アカネちゃん、だいすきだ。かえってきたらけっこんしよう』」  
「あ……」  
「……生憎、まだ結婚できる年齢じゃないんでな。もうしばし待て」  
「……バカ」  
 

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