とある街で、年端も行かない男の子二人と女の子一人が仲良く遊んでいました。  
子どもたちは何時の世も大人の仕事を真似、色々な遊びをするものです。  
この日は豚飼いごっこをすることにし、オス豚役、メス豚役、飼い主役と役割を決めると、豚役の男の子と女の子を服を脱がせ、首を縄で括り、四つん這いにさせました。  
飼い主役の男の子はオス豚の男の子を引いて、メス豚の女の子の後ろへと歩かせます。  
オス豚の子はメス豚の子のわき腹をつかみ、背中へ覆いかぶさると、小さなお尻へ自分の腰をこすり付けました。  
何度かこすり付けていると、オス豚の中心の小さな肉の杭がちょこん頭をもたげます。  
飼い主役がその杭の位置を調整し、メス豚役のお尻の下の割れ目を広げ、その中心に空いた穴へあてがうと、オス豚の腰を押し込みました。  
「うあぁ!」  
杭を根元まで挿し込まれたメス豚は大きな声を上げました。  
その穴はまだ未熟で狭く硬い小さな穴でしたが、そこへ挿し込まれたオス豚の杭も、長さも太さも親指ほどもない小さなものだったので、メス豚にとって大した負担にはなりません。  
ですが痛みこそありませんが、股間からお腹を越え、胸の辺りまで貫かれたような違和感に苦しげな声で鳴き、  
「やだ! こわいよぉ! ぬいてよぉ!」  
と訴えますが、  
「よしよし、すぐおわるからね、だいじょうぶだからね」  
と飼い主の役割として、メス豚の頭をなではげましました。  
オス豚は自分のまだ短い杭が抜けてしまわないように注意しながら、腰をゆっくりと小さく前後させます。  
「っん! んー!!」  
それを何度か繰り返していると、豚たちの様子が大きく変わりました。  
始めは蒼白になっていたメス豚の顔は次第に赤みがさし、上げる鳴き声も熱を帯びてきます。  
同様にオス豚も、鼻息を本物の豚のように荒げ、目を血走らせ、何かにせき立てられるように腰の動きを速めていきます。  
その接合部はいつの間にかメス豚の中から溢れた蜜で濡れ、オス豚の杭が動くたびにねちょねちょと湿った音を立てました。  
メス豚の腕から力が抜け、上半身が崩れ、お尻の角度が急に変わったことでオス豚の杭が抜けてしまうと、  
「やぁ! ぬいちゃやだぁ!!」  
と、先ほどとは真逆の要求を、先ほどより切羽詰った声で叫びました。  
その声に驚いたのは他でもない、メス豚役の女の子本人でした。  
挿さっていた間は辛く、苦しく、泣きそうだったのに、  
いざ抜けてしまうと、喪失感で泣いてしまいました。  
抜けてしまったのが不本意なのはオス豚役の男の子も同様です。  
慌てて杭を挿しなおし、先ほどまでよりも強く、奥へ押し込むようにねじ込むと、  
「あんっ はぁん!」  
メス豚はペタンこの胸を地面にこすりつけながら、さきほどよりも激しい声で鳴きました。  
「ぅゎ!? うあー!!」  
オス豚は、メス豚の胎に挿しこんだ杭に沸きあがった、握りつぶされるような、絞られるような激しい感覚に、メス豚に負けないくらい大きな鳴き声を上げ、一度全身を硬直させると、今度は弛緩させメス豚へしなだれかかりました。  
二人の豚役の子どもが重なり合っていると、  
「じゃあつぎはぼくのばんだ、こうたいだよ」  
よ飼い主役の子が服を脱ぎ、オス豚役の子をどかし、縄を外して自分の首へかました。  
二匹目のオス豚の中心では既に杭が固く持ち上がっていました。  
それを見たメス豚は、なえた足に一生懸命力をこめ、膝を立て、二本目の杭が入りやすいように腰を持ち上げました。  
 
それから男の子二人は飼い主役とオス豚役を何度か交換し、三人で家畜ごっこを楽しんでいると、そこへたまたま街の議員が通りかかり、この有様を目にしたので、慌てて三人をひったてて市長の家へ連れて行きました。  
市長さんはさっそく議員を残らず集め、この件に関して相談しましたが、どう処分していいか見当が付きません。  
これがほんの子供心でやった事なのは分かりきっていたからです。  
たまたまそこに、あごひげを生やした男と、フードを目深に被った女の二人組みの行商人が市長に挨拶にやってきました。  
議員達は藁にもすがる思いで、街の恥とは思いつつも、旅先で色々なことを経験してきたであろう行商人に知恵を乞いました。  
すると女の方が、  
「ならばぬしさまが片手に立派なリンゴを、もう片方にここらでは信用の高いトレニー銀貨を持ち、子どもたちを呼よんでどちらか片方を選ばせてみたらどうじゃろう。  
リンゴを選ぶようなら、ただの子どもじゃと放免し、金を取るようなら、それ相応の知恵があると処罰したらいかがかな?」  
と提案し、その通りにしてみることになりました。  
すると子どもたちは、笑いながらリンゴを選んだので、三人とも何の罰を受けずにすみました。  
子どもたちは仲良くリンゴを分け合い、こんどはおとなにみつからないようにあそぼうね、と相談しました。  
 
おしまい  
 
註  
原題は 子どもたちが屠殺ごっこをしたお話 <KHM>を持たないロストナンバー  
タイトル通り、子どもたちが屠殺人、料理人とその助手、豚と役割を決め、豚役の子を殺してしまうというお話です。  
 
 

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