「ふざけるなッ!私は龍の卵でとじたオムライスを食べたいと言ったんだ」
「し、しかし姫…龍は今の時期大変凶暴で」
「……死刑」
「…は?」
「私に口ごたえしたお前は死刑。この料理に関わった者全員死刑」
姫の日常は毎日我が侭の連続。王様は我が子可愛さに姫を甘やかし続けていましたが流石に家臣からの不満が募り、姫に最近方々の国で噂になっていた『姫教師』なる者を城内に呼び寄せた。
「お前があのリンガ国の姫を立派な淑女に成長させた噂の者か?」
「はい。王様」
「我が娘は大変美しいのだが少々…その…なんだ」
「心得ております私にかかればどのような方も数日で大変素敵な淑女になられますよ」
若く美しい顔立ちをした男が柔和に微笑み王様に平伏す。その優雅な身のこなしに王様も男を気に入り、姫付きに任命した。
「良いか?もし姫を優しい娘にしたならばそなたの望みの褒美をとらせる」
「お任せ下さい。王様」
早速男は姫の部屋に向かうとノックもせずにドアを開け勝手に入る。
「なんだ貴様は!無礼な奴め。近衛兵!近衛兵は居ないのか?」
「落ち着いて下さい姫。私は王様から貴方を立派な淑女にするように仰つかった者です」