高杉ユリは、小綺麗なビルの3階にある「栗須クリニック」の看板を緊張した面持ちで見上げた。  
 
ユリは春休みに、大学2年にしてできた初めての彼氏と初めてのセックスをした。そのさいに、彼氏から「クリトリスが敏感すぎる」と指摘を受けたのだ。  
彼氏はとくに気にしている様子もなかったのだがユリ自身が気になってしまい、デリケートな相談にも乗ってくれると評判の「栗須クリニック」に足を運んだ次第だった。  
 
階段を上り、栗須クリニックの扉を開けた。中は白を基調としたシンプルだが落ち着いた雰囲気だった。入ってすぐ、受け付けの女性に声をかける。  
 
「こんにちは、あの、初めてなんですけど……」  
「こんにちは。では問診票をお渡ししますね。」  
「あ、はい」  
 
受け付けの女性は綺麗なお姉さんといった風貌で、穏やかな物腰がユリを安心させた。  
問診票を受け取り、クリトリスが過敏だという悩みをすこしためらいつつも書き込み、受け付けに提出した。  
ユリは、待合室のソファーに座り、診察を待った。  
 
 
「高杉ユリさーん」  
「あっ、は、はい!」  
「診察室までどうぞ」  
 
受け付けの女性と違い気の強そうな年増の看護婦に呼ばれ、ユリはがばりと立ち上り、促されるままに診察室へと向かった。  
しかし、診察室にいたのは、まだ30代前半くらいの男の医師だったのだ。ユリは硬直した。  
 
「陰核の過敏症にお悩みだということでよろしいですか?」  
「え、あの……はい……」  
「そんなに緊張なさらずに。ではまず触診をしてみましょう。早川さん」  
 
苦笑した医師が合図すると、早川と呼ばれた年増の看護婦が変形した椅子を運んできた。  
ひじ掛けが飛び出たような形になっていて、背もたれもだいぶ倒されている。  
 
「下半身は全部脱いで、ここに座ってください」  
「えっ、そんな…」  
「感覚が過敏だということは、触ってみなくてはわかりませんから。さあ。」  
「……はい」  
 
平生からノーと言えない性格のユリは、おずおずとスカートと下着を脱ぎ、椅子に座った。  
 
「足はここよ」  
「え、…きゃあ!」  
 
早川がユリの両足首を掴み、突出したひじ掛けの部分に膝の裏を乗せた。  
M字に開脚されたユリが思わず悲鳴を上げるが、お構い無しに医師はゴム手袋をした手で秘裂を左右に割った。  
 
「うっ」  
「早川さん、潤滑剤たらそうか」  
「はい」  
「高杉さん、ちょっと我慢しててくださいねー」  
 
たらりと生暖かくぬめる液体が、ユリの秘所にたらされた。  
 
「いやっ」  
 
こんな態勢ではなにも隠せない。  
自然と腿をすり合わせるような動きをすると、早川は素早くユリの手を背もたれに回し、椅子の後ろで両手首を束ねて縛った。  
さらに腰をバンドで椅子に固定し、腿、膝、足首もひじ掛けが変型した部分に沿って固定してしまった。  
 
これでもう動けなくなったユリは、真正面から医師の巧みに動く指を受け止めなくてはならなくなった。  
 
「あ、あーーーっ!!」  
 
陰核を包皮ごと掴むとゆるゆると撫でられた。潤滑剤が滑りを良くしているぶん、刺激は強烈だった。  
 
「待って、待って、いやあああっ」  
「こりゃ間違いなく過敏症だね。でも一応調べてみよう」  
「や、や、もうやめてえっ!」  
 
首を左右に激しく振るが、医師も早川もまったく動じない。  
それどころか、医師は陰核を挟んだ親指と人差し指をすり合わせるように刺激しだした。  
敏感な突起が指にもみくちゃにされ、ユリは泣き叫ぶ。  
 
「ああぁああああああっ」  
「早川さん、剥いてくれるかな」  
「はい」  
 
早川に包皮を引っ張り上げられ、ユリはびくんと痙攣した。  
 
「ああ、高杉さん、陰核の洗浄はしていましたか?」  
「はあ、はあ……、洗浄?」  
「剥いて洗ってました?」  
「…い、いえ…」  
「やっぱり。過敏症でつらいからと言って洗わないから、恥垢がたまっていますよ」  
 
ユリは顔が赤くなるのを感じた。  
 
「本格的な触診の前に洗浄します。」  
 
そう言った医師が取り出したのは、電動歯ブラシのように振動する毛がついた器具だった。  
 
ビィィィィィン、と機械的な音を発しながら、ユリの股関に振動する器具が近づいていく。  
 
「い、いやあぁ…」  
「今まで洗浄を怠っていたぶんつらいかもしれませんが、自業自得ですよ」  
「うう…」  
「さあ、始めます」  
 
ビィィィィィン…  
 
「ああぁああああああっ、ああっ、いやっ……く、ああっやめてっやめてえええ!!」  
「まだまだです、包皮と陰核のあいだにも恥垢がたくさんありますから」  
「ひぃ、ひいい、…っあーーーあぁあ!!!」  
 
ビィィィィィン……  
 
ギシギシと椅子を鳴らし、必死で逃げようとするユリだが無駄に終わる。  
ついに失禁までしてしまうが、医師は苦笑するだけで手は止めない。  
5分ほどして、やっと器具が外された。  
 
「はぁ…ああ…」  
「あとは綿棒で」  
「はい」  
 
早川から医師へと、細い綿棒が手渡された。  
それで陰核をくすぐられる。しかしそれは余韻に震える陰核には、刺激が強すぎた。  
 
「いぁああ、あっ、あっ、やめてー!!!」  
「こんなに恥垢をためているほうが、よっぽど恥ずかしいですよ」  
「う、うう…あああ…!」  
 
ついに包皮と陰核の隙間に、綿棒がすべりこんだ。普段なら絶対に触れられない部分を執拗にこすられ、ユリはがくがくと全身を震わせた。  
 

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