「やほー、起きてる?」
「……ま、ね。せっかくの休日だってのに良くこんな早くに起きるよね、君も」
「いまさらそれを言うかな……、どれだけの付き合いだと思ってんの」
「僕としては皮肉を言ったつもりなんだけど。……寝かせてよ、ほんと。
君が朝っぱらごそごそやってるからこっちも起きざるを得ない訳でさ」
「ま、諦めんさい。それこそわたしに関わった因果って事でね☆」
「でね☆……じゃないよ、まったく。はあ、……我ながらほんと付き合いがいいと思うよ」
「たはは、それでどーする? ご飯食べる?」
「……遠慮しとく。二度寝させてよ」
「ぶー。テンション低いなー。色々やれる事あるんじゃないの?
若いんだからさー」
「……あのね。若いも何もないだろ?
僕を何歳だと思ってるんだよ」
「ん? 来年で四捨五入したら三十路になる年齢に突入っしょ?
十分若いって」
「……少なくとも、少年少女向けのメディアじゃ主人公にはなれない年代だろ、僕ら」
「ジジむさいねぇ。そんなんじゃーすーぐ枯れちまうよー?」
「別に構わないよ。どうせ、君以外にカッコつけるつもりなんてないし」
「……期待させるよーなこと言っちゃって。どーせ、」
「今更隠すことがないからじゃないよ。君以外の女性に興味が無いだけだ」
「なっ……! ちょ、いきなしなに言ってんのさ!!」
「……単なる事実だよ。それに、妻に対して浮気をするつもりがないって誓う事くらい別に変じゃないと思うけどね」
「うー……、正論しか言わないのは嫌われるよ」
「別に君ならその辺り分かってるだろ。第一、君以外の人間に嫌われたって興味はないよ」
「……はあ、これだから。ほんっと分かっててもどうしようもないもんってあるよね……」