【姉こそ至高】
【時代は禁断の愛・姉弟ブーム】
【妹より姉・一人っ子の七割が'姉が欲しい'】
変な時代になったものだ。俺は読んでいた新聞を畳み、コーヒーをすする。
「姉ちゃん、ぬるい」
台所から姉ちゃんが顔を出す。
「私だって仕事行くんだから、文句あるなら自分でいれてよ」
ショートカットに眼鏡。170cm越えのスレンダーな体に細身のスーツを
着こなす姉ちゃん。初対面の人はほぼ誤解する。
「クールなキャリア指向の美人」だと。
実際は…
「ちゃんと六時には迎えに来てよ、あと日曜は…」
「ん、空けとく」
重ブラコンのアホ姉だ。
そんな姉ちゃんだが、実際仕事はできるらしく某大手広告代理店で活躍中だ。
中には姉ちゃんの作ったコピーが世間の流行になってるのもあるらしい。
もっとも恥ずかしがって教えて貰えないが。
「じゃあ姉ちゃん。先行くよ」
「うん、行ってらっしゃい」
後には
「ふぅ…まさかブラコン姉の一途な思いが、世間を姉萌えブームに
するとはね。でもこれで動きやすくなったかな」
ひとり目を細め、クールに笑うブラコン姉がいました…
終われ