そそくさと居間に入り込む俺たち  
狼『俺は見えないんだから、変なことすんなよ』  
俺「わかってるよ…」  
狼『オイ、早速かよ……』  
俺『ごめんごめん』  
女「……どうかしましたか?」  
俺「あ、え、いやなんでも……」  
女「そうですか……あっ、ワンちゃん」  
狼「見えるのか、この女」  
女「喋るんだー。不思議ー。今まで喋る犬なんて見たことないのに」  
狼「おい、お前母さんはいるか?」  
女「いませんけど……半年前に亡くなりました。」  
俺「おい何聞いてんだよ……」  
女「母が亡くなった直後に夢に出てきてからというもの色々なものが見えてしまって……」  
俺「ごめんなさい、こいつバカでデリカシーが無いっていうか……」  
彼は狼のマズルを掴もうとしたが避けられてしまった。  
狼「で、他に変わったことは?」  
俺「まだ聞くのかよ……」  
女「ええ良いんです。私母が亡くなってからというもの家族がいなくなってしまい誰かに話聞いてもらえるだけで嬉しいの。」  
俺「そんな、今まででも聞いてあげられたのに。」  
 
狼「で」  
女「すいません、そうですね、ん……、な夢に狐みたいなのがよく出てきて……」  
狼「おい、体乗っ取るぞ」  
俺「っ、何だよきゅうに……」  
狼は彼に飛び込んだ。  
狼男は爪で彼女の身にまとっているのを次々に裂いた  
狼「すまない。」  
女「え、あ、イヤっー。」  
狼「仕方ない、しばらく眠ってもらうぞ」  
狼男は彼女の額に手を当てると閃光を発した。  
女「あうっ……」  
男『お前急に何やってんだ、おい』  
狼男は意識を失った彼女を寝そべらせた無防備なアナルに股間にイキリ立つイチモツを突っ込んだ。  
狼「これからいいものを見られるぞ」  
男『は?何考えてん……、あっ、あっ、あっ、あっ、ウウおっっー!!』  
あまりにも早すぎるセックス。増してや狼男の体で初めてである。  
彼は混乱していた。だかそれだけでは終わらなかった。  
狼「そろそろだな」  
男『な、何がだよ……』  
 
狼「まぁ、見てみろよ」  
目の前にいる彼女はいささか様子が変である。  
呻き出したかと思えばまるで後光がさすように数本の尻尾が生えた。  
狼「えっと1、2、3、4、5っとなかなかだな。」  
男『な、何なんだよ、なにやっちゃってるんだよ』  
狼「よし、こ、これでっ……!!」  
――アォーンっ  
アパートに釣り合わない狼の雄叫びが響いた。  
 
彼女の変化は勢いを増した。  
臍から生えだした白い腹毛は胸元を駆け巡りその胸を豊満な双球にしたてあげると  
ベージュともしろともつかない毛が風になびくようにその背中を包み彼女の素肌を染め上げていった。  
耳が頭頂に移動すると共に彼女は軽い唸り声をあげながら鼻鏡は茶色にマズルの形成とともに変わっていった。  
狼「どうだ、美しいじゃないか。」  
男『てかお前は何を……』  
遮るように狼は言った。  
狼「この娘さんはな母親が代々こういう家系なんだよ。  
でも何も知らされずに生きてきた。  
自分が白狐の一族しかも五本ならそこそこだぜ遺伝にしちゃあ」  
男『そうなのか……』  
 
狼「おっとお目覚めのようだからお前から抜けるぜ」  
男「なんだよっ」  
女「へっ、きゃあ。」  
男「いや、これには事情があって……」狼「おい、どうだその体」  
女「なにこれ、でも懐かしい。お母さんの匂い」  
狼「お二人さん申し訳ないがいつまでその体制なんだ」  
俺、女「あっ」  
あわてて離れる二人。  
その瞬間に部屋中に青臭い空気が広がった。  
 
そのまま無音の時間が過ぎた。  
時計が12時でその針を重ね合わせた時俺「帰ります!!」  
女「彼氏になって下さい!!」  
ほぼ同時だった。  
俺「え、今なんて?」  
女「バカみたいですけどなんだか熱くなって、もうとめられないの」  
いうや否や彼女は彼に抱きついた  
女「私を狐にした代償高くつくわよぉ」  
俺「へっ、な俺は悪くないぞ、あの狼が悪いんだ」  
女「じゃワンちゃんも一緒にお仕置きね♪」  
狼はあいよ、と返事をすると彼に飛び込んだ。  
 
「お、おい。」  
だか狼は反応しなかった。  
仕方なく状況を再確認すると狐女からのフェロモンが鼻をくすぐり、下半身は早速反応している。  
「はぁ……」  
狼男は溜め息をついた。ぎこちなく目の前で狐女のヴァギナに目をやると、  
「さぁ、早くっ」  
とせかされた。  
「俺、セックスするの初めてなんだよっ」  
と言いつつ彼女を押し倒しうなじを、谷間を、上から舐めたどり着いた秘所へと舌を這わせていった。  
舌でヴァギナに程よい刺激を加えた。銀液が滴りすかさず舐めとった。  
「初めてにしちゃ上出来ね。」  
「指入れるぞ」  
狐女はコクンと頷いた。  
――何本だろう?  
彼にふと疑問が舞い降りた。  
『いいや、一気に2本入れてみよう』  
狼男は左手の人差し指と中指を揃え躊躇なくズブズブと差し込んだ。  
「ぎゃっ、何すんの」  
「あっ」  
素早く引き抜くと銀液に血がついていた。  
『爪が鋭いの忘れていたorz』  
 
「いいの、もっと入れて。」  
彼女はそういった。彼は指にべっとりと付いたのを舐めとった。血の味、鉄の味が口に広がった。  
何かが彼の中で弾けた。体が欲している。カラダにアツイ血がカケメグッテ……。  
 
彼女はただならぬものを感じてちょっと怯んだが遅かった。  
「イクゾ……」  
狼男は目から赤い光を放っていた。  
狐女は腰を両腕に持ち上げられ、仰向けになった狼男の真上に持ち上げられた。  
「なっ」  
彼女が聞こうとした瞬間に両腕を離された。  
「ギャウ」  
狐女からの呻き声  
狼男は彼女を自分のペニスで一気に串刺しにした。  
彼の腰はピストン運動を始めた。  
「うっ、あっ、こ、壊れちゃ、ちゃう、う……」  
「イクゾ」  
狼男はニヤニヤしながら言った。  
「アッ」  
狐女は気絶した。  
 
――すぷすぷすぷす  
彼女の子宮が受け止めきれないものを漏らそうとしたが、次第に止まっていく。  
彼女は激痛を覚え起こされた。二次射精である。  
「オキタカ?」  
「もうドウにでもシテェ……」  
もう精神もズタボロである。  
「アっーーン」  
彼女のキャパを超える量である。  
子宮が破裂しそうで気絶するにも仕切れてなかった。  
――アォーーーン  
目の前の狼男の満足気な遠吠えを聞きながら、もうだめかと思った彼女は自分の人生を変えた数時間前を辿りながら今の状況を笑った。  
「アハハハハ」  
そこで記憶は絶えてしまった。  
いつしか狼男と狐女はスヤスヤと寝息をたてていた。  
 
<翌朝>  
彼女の部屋中に青臭い空気が立ち込めていた。  
狼男と狐女と狼がいた。  
狼「だから血はダメだって言っていただろう」  
俺「ごめん。つい出来心で」  
女「でもいいの。吹っ切れた。何もかも。」  
男は昨日の暴走で肉体は狼が抜けても戻らなかった。  
狐女は尻尾が七本に増えていた。  
俺「あんなに騒いでも周りは相変わらず……」  
といいかけると  
狼「あぁ、今日は第二次班が到着しているはずだからな。」  
俺「何ソレ?」  
狼「そろそろじゃないかな?テレビつけてみろ」  
女「えぇ」  
――全国で独身の二十代が神のよりしろに  
ニュースの文字はそう淡々と伝えていた。  
狼「うまく行っているな」  
俺「何がだよ!」  
狼「今日本は時間が止まっている。というよりも外界とは遮断されている」  
俺「在留外国人は?」  
狼「1ヶ月かけた結界で全員もう帰っているよ」  
俺「二世は?」  
狼「ごちゃごちゃうるせーな、上の決定で大事をとって帰した。」  
俺「ふーん」  
女「でも、何のため?」  
俺「建て直しだって、日本の」  
女「で、私はどうするの?」  
俺「そーだよ、狐にした張本人さん」  
狼「後で話す」  
何度も聞いたがその一点張りで答えてはくれなかった。  
 
「まぁいいわ、朝ご飯にしましょ」  
「女の手作りは母親以来だぁ」  
狼男はパタパタと尻尾を振った。  
「じゃあ私があなたのお母さんになりますね」  
というと、狐女は尻尾を奇妙にくねらせながら狼男の鼻をくすぐった。  
 
 
「人間ってワカランな」  
とアパートから見える白昼の月を眺めながら狼は呟いた。  
狼男はむしゃむしゃと朝ご飯をかき込み「……なんか言った?」と言うと、  
「あらあら、お行儀の悪い子ね」と狐女は狼男のマズルについたご飯粒を食べながら言う。  
 
いったん振り返った狼はにかんで元の空へと目線を戻したのだった。  
「幸せな野郎め」  
 

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