獣人、それは人のように二足歩行し獣の頭を持つ生物。
<2/9 06:35>
『ん、あーよく寝た。』
俺、26歳日本男子。
好きなもの:卵かけご飯(表)獣人(裏w
彼はまだ気づいていなかった。彼に起きた変化を。
俺は寝ぼけ眼で洗面所へと向かい、鏡越しに見える自分の姿を見て、蛇口に手を掛けてまた己の像が結ばれるところへと目をやった。
「狼になってる、狼男になってるー。やった、ってなんでぇぇぇっーー!!」
彼は混乱した。
獣人になれた喜びと突然日常が奪われてしまった不安が同時に押し寄せてきた。
『冷静になれ、俺。まずは昨日は何事もなかった。一昨日も、先週も、先月も、去年も俺はなんも変わった事してねーのになぜなんだぁーっ!!』
未だに明らかに興奮して何も整理出来てない彼を尻目にちょっと時を昨晩に戻してみよう。
<2/8 22:46>
『やっと仕事終わったー。明日から三連休だー。』
彼はネクタイを外し椅子に腰掛けた。
しばらくテレビを眺めていたが、面白い番組もなく寝ることにした。
彼が寝てからおよそ二時間が経ちスヤスヤと寝息をたてている彼の横に狼が一匹何処からともなく降り立ち彼の布団に潜り込んだかと思うと、その膨らみは消えてしまった。
すると彼に変化が現れた。
体から細やかな毛が腹からは白背中からはグレーのがそれぞれ吹き出したかと思うとわき腹で出会いそれが彼を包んでいった。
それとともに体に筋肉が付きすっかり割れた腹筋があると思えば、胸板は厚くガッチリと肉襦袢が形成されると顔にも変化が現れた。
耳が上に引き上げられ三角になり、そして黒くなった鼻と顎がせり出しマズルが出来、その中では舌がそれにつれて伸び牙が生えそろった。
<2/9 07:01>
俺『ヴ、ヴッぇぇー。(慟哭』
――『あ、泣いちゃった。どうしようかな。とりあえず……』
――「おい、そんなに嫌なら『人の姿だった俺になれ!!』と心で念じろ。」
俺「だ、誰……。(すすり泣き」
――「いいから、早く。」
俺「う゛ん。」
すると彼から一匹の狼が飛び出した。
狼「おい、戻ったぞ。これで満足か。」俺「あ、ありがとう。」
狼は彼に近づくと顔を舐めた。
狼「もう泣くな、戻っただろうが!なんでこいつとなんだ……」
俺「ごめん。ちょっといきなりすぎてどうしていいか…」
狼「すまん。仕方ないんだ。こうするしか。あのな……」
時は去年の大晦日まで遡る。
<12/31 22:39>
ここは天上。
日本の神々が今宵の宴に酔いしれていた頃、ある長が一言発した。
長「さて、一回りしたので私はこの職を降りる訳じゃが、ここ最近といい神力がなかなか国土に行き渡っていないようじゃ。
これも天上から出向した神々が地上に帰化して戻らないばかりか、人間のまま一生を過ごして欲と名声に溺れ墜ちていく者ばかりじゃ。」
宴は一気にさめた。
長「聞きたくないのは十分承知しておる。だがこれは緊急事態じゃ。国土は荒れ、政(まつりごと)は混乱を呈しておる。
人が営んでいく世界になるべく介入は避けたいが、仕方あるまい。ワシの責任もないわけではない。
ここで年寄りの願いとして一つ案があるのだが乗ってはくれまいか。」
他の者は少しざわついたが長への信頼もあって皆頷いた。
長「皆の者ありがとう。ところで私は今年が終わるとあちらの世に移らねばならん。だがこの余った力はこのままでは無駄になってしまう。
そこでこれらを私の忠実な聖獣に分け与え、成人した日本男子に遣わせ国を建て直して貰おうと思っておる。」
ある一人がこういった、「そんなことをしたらますます混乱しますでしょう。」
長「大丈夫じゃ。私も甘んじて長の座にただ座っているだけではない。”ケモナー”というまぁ所謂性癖を持つ者がおる。そちらから遣わせば問題なかろう。」また同じ者が「でも、そのような奴らに…」
長「心配なさんな。無論力を無条件に渡すわけではない。」
――ゴーンゴーンゴー……
長「おや、時間のようじゃ。次の長はほれ、そこの口答えしたお前さん。」
長候補「わ、私ですか!?口答えなんて滅相もない、そんなつもりでは……」
長「後は頼んだぞ。」
<2/9 7:12>
場所は彼のアパート
狼「……というわけだ。」
俺「じゃあなんで朝っぱらからこんな意地悪するんだよ。」狼「意地悪か。こうでもしないと信じないだろお前。」
俺「確かに。」
狼「わかったか。で、具体的なことは連休明けからだ。」
俺「いつ終わるの?」
狼「十二年一回り。」
俺「な、長すぎる。」
狼「俺もお前みたいな奴とはいやだよ。」
俺「意地悪っー。」しばらくして
俺「ところで、さっきみたいになれる?」
明らかに好奇の対象を見つめる眼差しである。
狼「狼男みたいな奴か?」
俺「うん!!」
狼「やだね。あれは結構大変なんだぜ。」
俺「いつならいい?」
狼「一週間後」
俺「ふーん。」
彼の手はよからぬ方へ手を伸ばした。
狼「ギャウン、な、何をするっ!」
俺「俺のよりでかいな。さてここの穴はどれだけかな〜♪」狼「や、止めてくれっ!わ、わかったから止めてくれ!」
俺「やっとその気になったか。さあ俺を狼男にしてくれ。」
狼「チッ、わかったよ。」
彼の体に急に激痛が走った。
俺「う゛、ぐるじぃ。」
狼『さっきの仕返し』
男の体はみるみるうちに狼男になった。狼『あとお前のなかにいるときは俺が主導権握れるからw』
彼の意識は飛んだ。
<2/9 09:32>
狼「全く世話がかかりそうな奴だぜ。とにかく報告せねば」
狼(体:狼男)は台所の水をボウルに注ぎなにかしらの印を結んだ。
すると先ほどなにもなくボウルの底を映し出した水面が像を映し出した。
長「おう、だいぶてこずっているみたいだな」
狼「えぇ、私の力不足です」
長「ところでどうだそちらの体は。その男はやはり……」
狼「どうもそのようです」
長「そうか。くれぐれも大事にするのだぞ」
狼「はい、わかっております。では……」
長「一つ言い忘れていた。お前は一応霊体だ。そこは天上のようにエネルギーに満ちてはおらぬ。だからあの天上の規則をそこでは破ってもよいのだぞ」
狼「わ、わかっております」
狼男はあわててその水を飲み干した。
狼『そろそろ懲りたかな、少し戻してやるか』
狼男は椅子に腰掛けるとぐったりした。俺『んあ、狼男になってる。よっしゃー!』
狼『相変わらず元気だな』
男『まるで馬鹿みたいにいうなよ』
狼『違うのか?』
男「うー」
狼男は唸った。
狼『その体気にっているか?』
狼男は尻尾を振って洗面所に走った。
俺「あー真紅の瞳かー、グレーに腹毛は白かっこいいー俺!でも虎とかライオンとか東洋竜がよかったなー」
狼『一生主導権戻してやんないぞ』
俺「冗談だよ、ごめんよ。とっても満足してるよ」
狼『そこまで言うと嘘にきこえるぞ』
俺「いいじゃん、一応心の中見えるんだろ」
狼『まあな』
俺「あっ、あのイチモツも俺のになってる。いいものを拝めたしお腹減ったな。何食うんだろ」
狼『今までと同じ。誤っても人を食べたいとか生肉ばっかとかやましいことは考えるな』
俺「ふーん。やっぱりだめなのか。まあいいやベーコンエッグと食パンでいいや」
台所に向かう狼男、おもむろに冷蔵庫から卵とベーコンを取り出して料理を始めた。
俺「ん、ベーコンうめぇ」
朝食を取った後でインスタントコーヒーをすすりながら満足感の余韻に浸っていた。
狼『あのな、俺もだなエネルギーを摂取しなくてはだな……』
俺「俺が満腹になればいいんでないの?」
狼『だめだ、だからだなあのなすまん』
俺「なんでも言えよ……うっ」
突然主導権を失った。彼の感覚だけは生きていた。
狼「すまんが俺はお前さんの精液をだな、摂取しないといきていけないのだ」
狼男はパジャマをずり下ろしイチモツを掴むとしごき始めた。
俺『うぁっ、なにぃっ、これぇっ、全然感度がちげぇぞ』
狼「俺はマスターベーションは初めてだ。長はあんなに気持ちよいことをしていたのかっ」
空いたコーヒーカップを左手に右手はその速度を速めた。
俺、狼「おっもう我慢できねぇーーっ!!」
――どぴゅ、どっ、とくとくとく
そそり立つ赤い肉棒から流れ出ると彼の左手のカップをすぐに黄色がかった液体として満たした。
狼男は一度口につけたが自分の出したものをまた飲むのに羞恥心を覚えた。
俺『おい早くしろよ。また下半身が疼いてきやがった』
狼「わ、わかってる。だが…っ…ゲフッげふっ」
狼男はコップに入った液体を一気に飲み込んだ。
狼にとってもこれだけの量を一気に飲み込んだのは始めてでなかなか口に残った離れなかった。
すぐさま狼男がコップを肉棒にあてがうとすぐに二次射精が始まった。
狼「ちょっとキツいな」
俺『なら今度は俺にも飲ませろ』
狼「本当か、じゃ戻すぞ」
体の主導権が彼に戻り狼男の体がびくんとした。
俺「おっ、狼男の汁いただきまーす!」
狼男は二次射精の精液をペロリと平らげ、コップにマズルを突っ込んで舐め始めた。
狼『…よく飲めるな沢山』
俺「ほら卵かけごはんみたいで美味しいじゃん」
狼『意味ワカンネ…』
あっという間に一日は過ぎてしまった。
満足した狼男は舌なめずりをして風呂に入った。
俺「いい湯だ〜な〜♪」
シャンプーがどこまでで洗顔やひげ剃りがなくてボディシャンプーなのだとかあれこれなやんだがそれなりにやった。
風呂上がりに体中にドライヤーをあてながら
やっぱり風呂は人間のままがいいかなと思った。