「ねぇねぇ、いつもより熱いね」  
酔いがまわって喋るのも面倒だ。  
頭を撫でてやると、目を細めてふふ、と笑う。  
 
「俺も寝るから、着替えて寝な。おやすみ」  
冷たく心地良い感触に少しだけ未練はあったが、  
怠さと眠気に押されてそう言うのがやっとだった。  
 
「やだ、もうちょっと一緒がいい」  
あったかいの好きかも、と閉じかけた俺の目を覗き込んできた。  
何だそれ。ちょっと反則だからやめなさい。  
目に涙溜めても騙されないからな、毎回毎回ま……だめだ。  
 
「おいで」  
横から抱き着いていたのを膝の上に乗せる。  
「俺さ、確かに彼女も3年近くいないし、正直溜まってるし、」  
髪に顔を埋めたまま言うと、くすぐったいのか首を竦める。  
「まぁご無沙汰だけど、ロリコンじゃないし、」  
色っぽい子が好みだし、と言うと顔を上げて不満気に見上げてくる。  
「でも何か、今はお前がいいな」  
 
あやすように額にキスをすると、また目を細めて笑う。  
後で考えると単に酔ってて欲求不満なだけだったかもしれない。  
気がつくとそのまま瞼、鼻、降りて行って唇に辿り着いた。  
 
「嫌か?」「なぁに?」「何でもないよ」  
髪を梳いた手をうなじまで滑らせて、親指で頬から顎を辿る。  
少し開いた赤い唇から目が逸らせない  
もう一度キスをして、唇を軽く噛んでやる。  
「……ん?」  
意味は後で教えてやるから、今は俺の好きにさせてくれ。  
なるべく驚かさないようにゆっくり舌を差し込む。  
 
「……ぁ、ゃ、ぁ…」  
口内もやはりひんやりしていて、甘くて、堪らない。  
戸惑う舌をくすぐると、息に混じって小さな声が漏れる。  
 
……くちゅ、ちゅ、ちゅる、くちゅ……  
 
音が直接頭に響いて一層煽る。  
「や、ぁ……め…」  
胸を押す手を取って指を絡め、もう片手で背中を撫でる。  
息をするたびに出る掠れた声が甘い喘ぎにも似ている。  
 
「ん、ふ……ぅ……はぁ…んっ」  
薄い躯が震えるのを感じて、唇を離した。  
「怖かったか?ごめんな」  
囁くついでに耳を啄むと、また小さな声が上がる。  
「……ないもん。気持ち良いもん」  
俺の胸に顔を押し付けて、絞り出すように答える。  
じゃあもう少し、と背中に回した手に力を入れて  
 
抱き直そうとした時だった。  
 
「―――――すぅ」  
 
寝息、ですか?  
 
下半身に集まってた血液が、あっという間に解散そして撤収!  
 
 
俺は反対に目が冴えたというのに、このちびっ子は……  
「いくら保守って言ってもなぁ、 これはどうなんだよ」  
 

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