「ま、マリーはねっ、猫だぞ!君は誰だ!いっ、いくら可愛くても許され  
ないこともあるぞっ!」  
 明らかに声が上擦りながら虚勢をはるが効果はない、それどころか  
マリーを名乗る少女は目に涙まで浮かべ出した。  
「嬉しい…、人間の姿に…ご主人様っ!」  
「へっ?うわぁあっ」  
 マリー(仮)に押し倒された俺は頭が真っ白になっていった。  
 そういえばマリー(猫)がいないなぁ、この子の目と髪の色がマリー(猫)  
と同じだなぁと考えてると下半身に違和感を感じる。  
「なっ!、なにを!?」  
「私知ってます、ご主人様が毎晩ここ擦っているのを、ここ  
生殖器ですよね?発情期なのに相手がいないなんて可哀想」  
 よく分からないことを言っているマリー(仮)は俺のソレを不思議そうに  
見てちょいちょいと触ったりする。  
「あれ?いつもはすぐ立つのに」  
 いくらなんでもこの状態では無理だ、そんな俺のソレが勃起しないと  
分かるとマリー(仮)は再び目に涙を溜め始める。  
「せっかくご主人様にお礼ができると思ったのに…ぐすっ」  
「ちょ、おい、なんで泣いてるんだよ!?」  
 まさか、いや信じられないが…。  
「本当にマリーなのか?」  
「うぐっ……はい」  
 
 まさか。俺の頭に浮かんだのはあのスプレー缶だった。  
「本当に…マリーなんだな?」  
「はい!」  
 不可解な事だからけだし状況も飲み込めない、信じられない、しかし  
目の前に素っ裸の美少女がいるという点だけを考えてみよ  
う、素晴らしいことじゃないか…。  
「なんだか分からんが、マリー!」  
「はっ、はい!」  
「お前は人間になっても可愛いなぁ」  
 軽く現実逃避気味だが、考えるより感じることにした。  
 そしてそれにより元が猫とはいえ『自分を慕い「ご主人様」と呼ぶ  
可愛い美少女がいる』という事実に俺のソレは反応するのだった。  
「きゃっ、あっ…ご主人様のが…」  
「マリーだと分かって安心したら興奮してきたよ」  
「…嬉しい!」  
 もうどうにでもなーれ。  
 
――…  
 
「ふぁっ…ぁっ…」  
 俺は服を脱ぐとマリーをベッドに押し倒し元猫とは思えない  
豊満な体を貪った。  
「どうだ?」  
「ふぇ、ご主人様が触った場所が熱いです…」  
 どうやら感じ方は人間のようだ、まぁ当たり前だろう。  
(猫耳や尻尾ぐらいあった方が雰囲気が出るのになぁ)  
「はい?」  
「い、いや…何でもない」  
 
「入れていいか?」  
「ふぅ…ふぅ…はい…」  
「人間の女の初めては痛いから我慢してくれよ…」  
 マリーはよく分からないという表情だったがそういえばマリーは処女なの  
だろうか?処女膜は人間とモグラにしかないと聞くし猫から変身したの  
ならないという可能性も…、まぁ入れれば分かる  
ことだ、前戯も十分、後は入れるだけ。  
「いくぞ…!」  
「はいっ!………ぅぐうっ!!?ふぎゃあああ?!!痛っ痛い  
ですっご主人様っ!!!……っ……っ!…」  
 処女でした。  
 しかしマリーは俺に不安させまいと涙を堪えて下唇を噛んで声を殺している。  
(そんなことされたら余計に興奮してしまうよマリー)  
「我慢しなくていいんだぞ?」  
 しかしマリーは首を振って作り笑顔を見せる、一緒に暮らした時間が  
これほどまでに俺への愛情を作っていたのかと今は人間である我が猫が愛しくなる。  
 俺はできるだけ慎重に腰を動かす、痛みを紛らわそうと胸に吸い付いたり  
身体中を愛撫したり近くにあるタオルを噛ましてやった。  
 しかし、マリーの中が半端なく気持ち良いのや強い締め付けもあり  
俺の我慢は限界ギリギリだった。  
「激しく…するぞ…?」  
 
 軽く頷くのを確認すると優しく頭を撫でてマリーの緊張を少しでも和らげる。  
 そして腰を掴むと溜まっていたものを吐き出すように動かした。  
「っ!!…っ!……っ!!っ!……んにぁぁっ!…」  
(なぜここだけ猫の名残がっ!)  
 興奮は増す一方である。  
「くっ…イクっ!」  
「ふぐぅっ!?……うにぁぁぁぁ……」  
 一人ではあり得ないほどの快感と量に驚きながら俺は態勢を崩した。  
 肩で息をしながら幸せそうな顔のマリーを見つめながら俺は意識を落としていった。  
 
――  
 
――――…  
 
 朝だろうか、体をモゾモゾとまさぐられる感触で目が覚める。  
「にゃー!」  
「ん…?…うわぁっ!マ、マリー…ってあれ、猫の姿?」  
 まさか夢?いや、当たり前だ、あんな非現実なことは有り得ない。  
(はぁ…、夢とはいえ飼い猫を擬人化させて襲うなんて…なんというか…)  
 肩を落とす、しかし頭がはっきりしてくるとある違和感に気付く。  
 夢のまんま素っ裸で寝ていた俺、情事を行った形跡のある  
ベッド、熱心に俺のソレを舐めるマリー、ん?。  
「うわっつ!?なにやってるんだマリー!!?」  
「なぁ〜」  
「まさか」  
 目の前のスプレー缶が転がった。  
 
「まさか、本当に?」  
 俺は恐る恐るスプレー缶を手に取りマリーに吹き掛ける  
「ふぎゃっ」  
 驚いて走り出すマリーだったが見失ったかと思った瞬間  
「ご主人様〜!」  
 昨日と同じマリーと同じ髪の色、目の色をした美少女が現れた。  
「本物…なんだ」  
 怪しげなおっちゃんから貰った怪しげなスプレー缶、それは正しく  
『動物を人間に変えるスプレー缶』だった。  
「マリー、いつ猫に戻った?」  
「はい、起きたときには戻ってました」  
 多分効力は一日か一晩といったところだろうか。  
 効力が分かると疑問も挙がってくる、その中でもおっちゃんが言っていた  
「人間には掛けてはダメだぞ」の言葉。  
(人に掛けたらどうなるんだろうか…)  
「なんにしても…!」  
 俺は凄いものを手に入れてしまったのだ、活用すれば色々な事ができるかもしれない。  
 まずは色々試さねば、しかしその前に。  
「マリー」  
「は、はい!」  
「せっかくまた人間になったんだ、な?」  
「!…はいっ!」  
 
 そのまま俺はバイトの時間ギリギリまで飼い猫と楽しみました。  
 
 バイト帰りにペットショップに寄ろうと考える自分が嫌になります。  
 
つづく  
 

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