21世紀のとある年のとある日。境界の日と名づけられたその日、人類は、突如豹変した蒼い太陽の光に照らされた。  
その太陽に照らされると、皮膚の表面から焼け爛れていき、死をもたらした。科学で解明しようとしたが、原理不明分析不可能。  
酷い事に、その光に焼かれるものは、人類だけ。他の犬・猫・鳥などの動物には何の影響もしなかった。  
亡国の研究者やら哲学者やらは、これは神からの独占・横暴な人類への粛清・天罰なのだ、と半狂乱にこう答えた。  
 
外との交流を絶って、人間は普通生きていられるだろうか?いずれ、中の物資は底を尽き、篭城もままならないだろう。  
人類の幕が閉じようとしていた。  
 
だが、一部の人類――その全てが当時10歳以前の少年少女たち――は、何故か光に皮膚を焼かれたが、死ななかった。  
おそらく、あの太陽の光には何らかの遺伝子に干渉する性質があり、細胞が拒否反応を起こしガンに近い細胞が出来て死んだか、  
または遺伝子になんらかの影響をもたらし、光への抗体をつけたのだろう、と考えられた。  
 
つまり、光への耐性を持たない"旧"人類は死に絶え、耐性を持つ"新"人類はそれがその一連の結末。  
 
 
 
―――新人類について、もう一つ話せることがある。  
彼らは、"旧"人類……つまり当時の働く大人がいなくなったことで、周りの電気や水道は止まり、  
以前の科学によって安定した生活を送ることは不可能だった。  
だが、現在も彼らは生き延びている。何故か。  
 
―――それは、彼らが科学にも劣らない、新たな力、そう、俗に言う超能力を手に入れたからだ。  
 
 
今、この手にはたばこが握られている。  
たばこは体に悪い。そう知っているが、好奇心というものは言葉で抑えられるほど簡単なものじゃない。  
というわけで青い夕焼けを窓辺から見つつ社長型椅子に座ってたばこを吸おうと口に銜える・・・が、よく考えると火種になるものがない。  
箪笥にまだマッチでも残っていたかな、と探そうと立ち上がろうとしたところ、  
「ジュッ ボッ!!」  
あいつはいきなりこれだ。俺は少々呆れて一服する気も失せた。  
「・・・火が欲しいんならあたしに頼めばいいのに。」  
あいつ―――穂月(ほつき)は横長ソファーに寝転がりながら黒煙があがっている右手の中指をこちらに差し向けながら言った。  
「元々お前の能力は火といっても、そういうこと向きの能力じゃないだろって。」  
 
そう、穂月は発火能力者―――ファイアスターターとかパイロキネシスとか呼ばれる力の持ち主だ。一応。  
だけど、穂月の"発火"はそういう一般的なものじゃない。  
穂月の火は、"精神"に干渉し"発火"させる、どっちかというとテレパシーに近い能力なのだ。  
現に、穂月の指は焦げている。普通の発火能力者なら、自分の体を焼いてしまうことなど大抵無いはずなのだ。  
「お前さぁ・・・それ、指に相当負担が、というかかなり危ないから止めとけって・・・」  
先ほどの種明かしだが、穂月の指先を"発火"させ小規模の爆発を起こし、  
銃弾代わりに適当な紙屑にでも火をつけて飛ばしているのだ。というか体の一部を千切っているようなもんなんだが・・・  
痛いとかいうレベルじゃすまない苦痛があると思うんだが・・・、まさか神経まで焼いているんだろうか。  
ちなみに、今回のたばこが初めてではない。焚き火やら台所のかまどやらもこれで火を付けやがった。  
「あたしは双樹(そうじゅ)のためにやってあげてるの。」双樹とは俺の名前のことだ。  
「そんなこと言うんなら、まずたばこを止めるなりすればいいのに・・・」普通なら先にたばこを止めるだろう。  
「あたしは双樹のやりたいことの邪魔はしない。双樹のお手伝いと日々の生活のサポートをしているだけ。」しまた、こいつは普通の性格じゃなかった。  
「だからって、お前にあんな体に負担掛けるようなことをさせたくは・・・」とりあえず思っていることをはっきり言う。  
「というかその前に。あたしは、あたしの意思で、双樹を思ってやってあげてるの。」聞く耳持たず。  
と、俺がため息をつくと、穂月は突然ソファーから起き上がり、素早く俺へと正面から覆い被さってくる。  
「おいこらっ・・・」と、突き放そうとすると、穂月はニヤつきながら耳元でこう囁いてくる。  
「あたし、双樹にいいことしてあげたんだから、こんどは双樹があたしにイイことしてくれてもいいわよね?」  
 
穂月の手が両足の付け根、太ももの間へと伸びる―――って、「おいコラ、待てっての!」  
やっぱり聞く耳持たず。穂月の手は俺の股の間接の所に伸び・・・そして"触る"。  
とたんに、俺は"発火"した。  
穂月は、俺の精神に干渉し、俺の体内に溜まっていた欲望を"発火"し、"発情"させたのだ。  
 
男の本能が解かれたからには、さすがに抑えきれない。  
俺は穂月を突き放し、そのまま椅子から立ち上がって地面へと倒れた穂月と重なる。  
「んふふっ、双樹ったらぁ、いつもは少しクールに振舞っていても、こーゆーコトになると遠慮無しになっちゃうよねぇ。」  
「お前が、原因だろ・・・」そういいながらズボンを緩める。  
「言い訳なんかしちゃってぇ。」穂月も自らの衣服を脱ぎつつ、秘所へと"触る"。  
今や本能に従う他ない二人を縛る枷は無い。  
 
俺は穂月の秘所へと自らの欲望を突き入れる。  
「ふぁあっ・・・ッ・・・ぁぁ・・・」 「痛いか?」  
声では心配そうに聞くものの、俺の体は更なる快楽を求めんとして腰をさらに突き上げる。  
「ぁあッ、んッ、ぁああッ!!」 「・・・ッ」  
穂月の体は強張っているものの、俺のものを受け入れようとほんの少しだが腰が緩まっている。  
今や理性<本能。手加減やら相手を気遣うとかの理性はお互いともすでに吹き飛んでしまっている。  
俺はやはり手加減をせず、欲望と体を穂月へと叩きつける。穂月も、快楽を得んと腰を振りはじめている。  
「ン・・・んぅ・・・アっ・・・!」どうやら穂月はそろそろ"限界"らしい。  
とはいえ、俺の方もこれだけの快楽を得れば体内の欲望の我慢もさすがに限界だ。わずかに残っている理性で穂月に問いかける。  
「穂月、イキそうか?」  
「・・・う、っ、うん、っ、イ、イキ、そおッ!」  
「ああ、俺も、だ。」  
「イ、一緒に、いこッ!!」  
「・・・、ああッ」  
大きく彼女が体を反らせるのと同時に、俺は欲望を彼女の中へと、吐き出した。  
「んああアああアぁぁァッ――ッ!!!」  
 
 
外はもうほとんど日が残っていない。  
「・・・、ありがとう。」穂月がお礼を言う。  
俺は少し考えてから、答える。  
「これで貸し借りなしだぞ。」  
穂月は、眠そうに深呼吸してから、うん、と答えそのまま眠りへと誘われた。  
「・・・さて。」  
俺と穂月の行為の後―――主に液体とかそれにまみれた穂月とか―――がべとついて残っている。  
さすがに衛生上そのままにするのはいかないだろう。  
というわけで、最後に俺の力を使う。ちょうどうまい具合に"呪文が来てくれた"ようだ。  
「水に属する」  
 
俺の力の種明かしだが・・・俺もよく分からない。  
ただ、まるで半永久に広がるインターネットのように、情報を【送受】できる能力だと言っておこう。  
 
 

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