今度は穂波の方からキスしてくれた。  
俺が前に教えたみたいに、ちんこの先を指で弄ってくれる。  
まだ動きがたどたどしいせいで、気持ちいいっていうよりちょっとくすぐったい感じだけど、  
何にも言わないのに穂波からやってくれてるってことが嬉しい。  
俺も乳やら太ももを撫でてキスに応えてるうちに、穂波がもじもじと身体を脚を動かし始めた。  
がっついてるのがバレないようにゆっくり唇を離して鼻を擦り付けたまんま、  
「したくなってきた?」  
と聞いてみた。  
「うん……」  
こくんと頷く穂波。  
俺は穂波を立たせると、足首のところに落としたまんまだったジャージから足を抜いてそれを拾い上げた。  
ポケットからまたゴムを出す。  
「大樹……何個入れてたの?」  
「左右一個ずつしかいれてない」  
「それって、しか、なの?」  
「風呂場にゴム持って入ってきたおまえが言うなよ」  
二ヶ月くらい前のことを持ち出すと、穂波はエプロンの胸元を弄りながらぷうと膨れた。  
「だって、最初にお風呂入った時にしちゃったから、大樹と入る時はエッチしなきゃいけないのかと思ったんだもん」  
この時は俺が穂波をからかい過ぎて怒らせ、その後一週間くらいさせてもらえなかった。  
またそうなると困るから、この話は打ち切ろう。  
立ち上がって、  
「な、穂波、今度やる時は穂波が付けて」  
と言うと、膨れてるほっぺたにキスをした。  
 
「えっ、私が付けるの?」  
「そう。手でいいから」  
エプロンの肩ひもを摘まんでる穂波の手をつつく。  
「手以外にどうやって付けるの」  
「口で」  
今度は口に軽くキス。  
「んっ……なんか、それ、ま、マニア向けじゃない?」  
「普通、ふつう。俺もしてもらったことないけど……だから穂波にしてほしいなー」  
両手で穂波のお尻を揉みながら、軽いキスを繰り返すと、穂波はあっさり折れた。  
「……手で上手く出来るようになったらね?   
 まだ、口でするのだって、へ、下手だし……」  
「ん〜ありがと。  
 そうだ。穂波、さっきのお願いってなんだよ。  
 お礼にその願いをかなえてしんぜよう」  
キスする直前、ふと思い出して聞いてみると、穂波は一瞬、何の事だろうという顔をした。  
それから思い出したらしく、  
「別に大したことじゃないからいいよ」  
と言った。  
「遠慮すんなよー。なんなら今これからやったっていい訳だし」  
手を脚の間に進めていきながら身体を押し付けると、穂波はびくんと身体を跳ねさせた。  
「今はっ無理だから……っ」  
さっきイった余韻が冷めてないらしい。  
たったこれだけで息が上がってる。  
「あれ?今は無理?」  
じゃあなんだ?  
 
俺はマジでなんだろうと思い始めた。  
でも、手はしっかり動かしてるんだけど。  
「なあ、穂波のお願いってなに?」  
ワレメに指を滑り込ませると、さっきちゃんと拭いたのに、そこはもうすっかり濡れていた。  
「そんなの、ないからっ」  
この程度で声ももううわずってる。  
今日の穂波は感度が良すぎだ。  
「えー。気になってエッチに集中できないんだけどなー」  
入り口の周りをぐいぐい弄ってやると、まだ中に入れてないのに膝がかくんと折れた。  
慌てて背中を支えてやると、穂波は潤んだ目で、  
「嘘吐き」  
と睨んできた。  
「嘘じゃないって。  
 穂波だって、俺がセックスの最中に考え事してたら嫌だろ?」  
そう聞きながら穂波を促してテーブルに座らせると、穂波はちょっと落ち着かない感じでテーブルの上から  
台所を見まわして、それはそうなんだけど、とぶっきらぼうに言った。  
「言えないくらいマニアックなこと?」  
エプロンの裾から手を入れて太ももの感触を堪能しながら、手を登らせていく。  
「そんなん、じゃ……ないもん」  
穂波の息がまた荒くなってくる。  
「じゃあ、なに?」  
目的地にたどり着いた指で身体の真ん中を撫で上げると、穂波は嬌声を上げて俺の腕にしがみついた。  
指を中に入れてかき回す。  
膣の壁がひくつきながら俺の指に絡みついて来て、白い足がぴくぴく跳ねる。  
Gスポのあたりに遠慮なく指を押し付けると、穂波の喘ぎ声がまた大きくなってきた。  
 
「教えてー」  
クリも弄ってやる。  
女って一度イった後は、また簡単にイくっていうけどホントにそうだ。  
穂波が、俺の動きに合わせて面白いようにびくびく震える。  
「ひぅっ!……んっ!あ……ああっ!」  
「あれ?もうイきそうなの?」  
こくこくと頷くだけの返事。  
う〜。  
指だけでイかせるとか、してみたいっ!  
してみたいけど、ここはちょっと意地悪をさせてもらおう。  
俺は指を抜いた。  
穂波が肩で息をしながら、顔を上げた。  
「大樹……?」  
「イけると思った?」  
ためらいがちに頷く穂波。  
「でもさ、イっちゃうと、穂波しばらく起きてくれないから、話聞けなくなるだろ?」  
困った顔になる穂波。  
これはなかなか……。  
俺は今、人生で初のSっぷりを発揮している。  
ちょっと新鮮でいいかもしれない。  
「教えてくれたらイかせてあげる」  
もう聞きたくて意地悪言ってんのか、穂波の困った顔が見たくて言ってんのか分からなくなってきた。  
けど、楽しいからまあいいや。  
 
俺は手のひらや甲の方までまで垂れてきてた滴をワザとらしく舐めてみた。  
「穂波、エロいなー。  
 俺、指しか入れてなかったのに、手の方までベタベタ」  
「ふうぅ……大樹の意地悪……」  
良心がズキっと痛んだ。  
このくらいで胸が痛むんだから、やっぱり俺は根っからのSではないらしい。  
「な、教えて」  
これでダメだったら諦めよう、と思って涙目になってる穂波の目尻にキスすると、  
それが良かったのか、身体の疼きが限界まで来てるのか、穂波は、  
「笑わないでね」  
と俺のTシャツを引っ張った。  
「うん、笑わない」  
「あ、あのね、ら……ラブ、ホテルに行ってみたいなって思ったの」  
一瞬、ラブホテルってなんだろう、と思った。  
けど、すぐに穂波の言ってることが分かって、俺は笑いはしないけどにやけそうになった。  
穂波は俺と結婚するまで処女だった。  
で、結婚してからはうちでしかしたことがない。  
つまりラブホなんか行ったことがない訳だ。  
それで、行ってみたいと思った訳だな。  
でも、いまさらそれを言うのははばかられていた、と。  
こいつは何度俺を悶え死にさせたら気が済むんだろう。  
「分かった。んじゃ、今度行こう」  
「いいの?」  
「行きたいんだろ?」  
「社会勉強に……」  
 
社会勉強って……。  
さすがに吹き出すと、  
「笑わない、って言ったのに」  
と怒られた。  
けど、仕方がない。  
「バカ。社会勉強の相手が俺だから嬉しくて笑っちゃうの」  
俺は腰に手を廻してエプロンの紐を解きながらキスをした。  
穂波は抗議したそうだったけど、唇をしっかり塞いでそのままゆっくりテーブルの上に押し倒した。  
ラブホ行ったことないってだけでも十分嬉しいのに、行きたいとか言われたら嬉しいに決まってんだろ。  
いつ行く?明日?それとも今日、この後か?  
ラブホの方に思考が行きかけてたところで、穂波にTシャツを引っ張られて俺は顔を引いた。  
知らないうちに穂波の唇を舐めまくってたらしい。  
穂波は唇どころか口の周りまでべたべただった。  
「あ、悪い。平気か」  
指でヨダレを拭ってやると、穂波は大きく深呼吸してから頷いて、  
「大樹……バンザーイ」  
と、またTシャツを引っ張った。  
「大樹とね、もっとちゃんとくっつきたいの……」  
俺がうっかり着たまんましようとしたりすると、いつも言われるセリフだけど、  
毎回このセリフにクリティカルな一撃を貰う。  
今日だって例外じゃない。  
俺は襲いかかりたい衝動を必死に堪えながら、言われた通りに両腕を前に出した。  
穂波がTシャツを引っ張って脱がせてくれる。  
俺がTシャツから頭と腕を抜くと、穂波が笑った。  
「ふふっ……大樹、はだかんぼ」  
 
台所で真っ裸になるのはなんだか照れくさい。  
まあ、穂波に裸エプロンしてもらったんだから、このくらいは我慢せねば。  
それでも、俺だけが笑われてるのは不本意だ。  
「笑うやつにはこうだ―ッ!」  
笑う穂波のエプロンの胸元をつかんで、俺はぐい、っとそれをひっぱった。  
「わあっ!」  
両方の乳がたぷんと顔を出す。  
「ちゃんとくっつくなら穂波もこうしないとな」  
乳首を弄りながら乳を揉んでやると、穂波はあっさり折れて、Tシャツを下に落とすと俺に両手を差し出してきた。  
「うん……。大樹、来て……」  
穂波にしては珍しく、自分から脚を開いてる。  
もっとも、俺の身体を入れるには不十分だったから、片足を持ち上げて俺は身体の真ん中を合わせた。  
先っぽがちょっと入っただけできゅうきゅう締め付けてくる。  
穂波が差し出した腕の間に顔を入れると、穂波が抱きしめてくれた。  
「あッ!ン……くふうッ!」  
ちょっと力を入れて奥まで行っただけなのに、穂波がびくびくっと痙攣した。  
腕から力が抜ける。  
やべ、さっき焦らし過ぎたか?  
「穂波、穂波」  
ちょっと焦ったけど、穂波はすぐに目を開けた。  
「あ……ご、ごめん……。  
 あの、ちょっと……イっちゃった……?」  
どう答えていいか分からなくて固まってると、穂波がまた俺に抱きついてきた。  
「我慢するから、一緒にイってね……」  
 
 
 
 
少しは余裕があったはずなのに、理性崩壊の音とともにそんな余裕はどこかに埋もれてしまった。  
イく直前で止めてみて、イかせて、とか言わせる計画だったのに、その計画は実行に移されることはなく、  
俺は俺を身体全体で抱きしめる穂波をヤバいくらいにがんがん突きまくった。  
穂波はその間、何度も身体をひくつかせてたけど、俺はお構いなしにやってた気がする。  
終わった後の穂波は完全に意識が飛んでて、布団に移したのも気がつかないくらいだった。  
穂波が回復した後、二人でシャワーを浴びた。  
穂波は一人でいいって言ったんだけど、なんだか足元がおぼつかない気がして、  
俺は初めて下心なしで穂波と風呂に入った。  
 
いつも通り、俺が穂波をだっこして湯船につかってると、穂波が俺の手をおもちゃにしながら、  
「大樹ー……。今日は晩ご飯、出前でいいかなぁ」  
とダルそうに聞いてきた。  
そりゃ、仕方がない。  
午前中、掃除と洗濯やって、衣替えして、その後二回とは言え、結構激しいセックス。  
これから晩飯を作れというのは酷な話だ。  
「うん、いいんじゃね?何にする?」  
「宝寿司の花散らしか、中田屋さんの親子丼がいい」  
「じゃあ、穂波の初イき祝いってことで寿司」  
とか言ったら、鼻をつままれた。  
「いひゃい!」  
「はい、もう親子丼ね。  
 大樹はまたカツ丼?」  
「えー……寿司〜」  
「不純な動機での選択は認めません」  
きっぱりとそう言ってるわりには横顔がちょっと照れてる。  
俺はそんな穂波にべったりと抱きつくと、  
「ちぇー。ま、腹減ってるからカツ丼でいいや。大盛りな」  
と今日の晩飯のメニューを決めた。  
 
(了)  
 

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