動かないで、という梓さんの懇願を真に受けて、僕は梓さんの中に自身を収めたまま、ぴたりと動きを止めた。
事前に1回抜いておいたおかげで、少しくらいなら我慢できる。
…できる、と、思う。
でも梓さんの中は温かくてぬるぬるして、きゅっと締め付けてきてすごく気持ちがいい。
動かしたい!
でも、動かないでと言われてしまったし、1秒2秒動きを止めたくらいじゃ許してくれないだろうしな(;゚д゚)ァ....
僕はそろそろと手を動かした。
僕は今、梓さんの背中に覆いかぶさるような形でつながっている。
いわゆる…なんていうんだっけ。この体位。背面ナントカ?ど忘れしちゃったな。
とにかくこの体位だと、顔が見えないけど身体の表側にあるさわり心地のいい場所を触りやすいというメリットがある。
まろやかなふくらみに手を伸ばしかけて、思い直す。
やっぱこっちにしよう。
こっちは的が小さいから、探すのに手間取りそうだけど…ええと、あ、ちょっと動かしちゃった。気持ちいい。
でも梓さんが痛そうにうめくので、僕はなんとか意識をそこからそらそうと努力する。でも無理だー。
あ!
気もそぞろに動かしていた指先が、探していた場所に辿り着いた。
さっきここ弄ったら、すごく感じてくれてた場所。
軽く触れた指先に、ぷるんとした弾力が伝わってきた。
「ぅやん!」
梓さんが嬌声を上げる。
と同時に、中がきゅうっと強く締め付けられた。
動かないで!ともう1度、涙まじりの声で抗議してきたけど、僕じゃないよ。
梓さんの中が収縮したんだってば。
僕は梓さんのぷりぷりしたクリトリスを、人差し指と中指に挟んで、上下にしごきあげた。
中がきゅうきゅうと狭くなる。
クリトリスと連動しているような動きだ。
これなら動かなくても自身がしごかれてる感じがして、イイといえばイイ。物足りないことには変わりないけど。
クリトリスを親指で強く押したり、爪で触れるか触れないかくらいの位置でぴるぴるとくすぐったり、皮から顔を覗かせてる部分を皮に押し戻したり。
そんなことを繰り返すうちに、梓さんの腰がくねりはじめた。
これなら動くなって言われないな。
そう思ってから、僕は、とっくに自分も腰を動かしていることに気づいた。