「お、おれ、かなこのことが好き!」
「ふぇ?」
「け、けっこんしてください!」
「……んー」
「だ、だめか?」
「……んー」
〜小学校時代〜
「……って、こーたがわたしに言ったんだよ」
「えー、いいないいなー」
「こーた、おまえかなこちゃんとけっこんするのか?」
「な、なんでみんなが知ってるんだよ!?」
「えー、かなこちゃんが教えてくれたよ?」
「『おれー、かなこのことが好きー』」
「『けっこんしてくださーい』」
「「……はずかしー」」
「な、なんだよー、バカにすんなよ!」
「ねぇねぇ、お返事どうしたの?」
「聞きたい聞きたーい」
「んー?それはね……」
〜中学校時代〜
「……って、こーたが私に言ったんだよ」
「へー、森山くんが」
「……考太、恥ずかしいぞそれは」
「ばっ、お前、だからそれを言うなって!」
「いいじゃん別に。減るもんじゃなし」
「『おれ、かなこのことが好き!』ときて、」
「『けっこんしてください!』ね。」
「「……うわー」」
「お前らぶっ殺す!待て逃げんな!」
「で、返事とかしたの?」
「あ、ちょっと聞きたい」
「んー?返事はね……」
〜高校時代〜
「……って、こーたが私に告白したのよ」
「……加奈子ぉ、それ何回目よ」
「もうお前らさっさとくっつけよ」
「……まだ言うか、お前は」
「何回も聞かされるのは、ちょっとねー」
「何だっけ、『おれ、かなこのことが好き!』で」
「『けっこんしてください』だろ?」
「「……うぜー」」
「俺じゃねーよ……かなこに言えよ」
「で、返事はどうしたんだっけ?」
「まぁ、オチも覚えちゃったけどね」
「んー?ふふ、それはー……」
〜そして今〜
「って、パパが私に言ったのよー?」
「へー、パパカッコいいー」
「すごーい」
「……お前、子どもにまでそれを言うか?」
「いいじゃないの別に。こっちは楽しいわ」
「『おれ、かなこのことが好き』」
「『けっこんしてください』か」
「「……ひゅーひゅー」」
「親連合は黙ってろ」
「ねー、ママはなんておへんじしたの?」
「聞きたい聞きたーい」
「えー、それはね……」
うん!わたし、こーたのおよめさんになる!