「うるぁ!起きろアニキーーーーッ!」  
 
説明しよう!  
なぜ朝っぱらからこんなにハイテンションなのか?  
ぬはははははは!聞いて驚け!  
今日はアニキとクリスマスデートなのだ!  
 
「ふぇー…」  
「萌え声出してないでちゃっちゃと起きれ!」  
「んぅー…」  
 
ああもう、しょうがないな!  
 
「お・き・ろっての!」  
「うぁ!は、はははははは!こら!や、やめ…あっははははははははは!」  
 
こちょこちょこちょ  
どうだ、この!わきの下攻撃!足の裏攻撃!  
…はい、ここでクールダウン。  
デートの時に体力が尽きちゃ困るからね。  
 
「今朝はオムライスだよ。」  
「うぃ、いただきます。」  
 
朝は軽めに薄味オムライス。  
いつもはアニキに洗い物を任せるけど、今日は特別サービスでわたしがやってやろう。  
感謝したまえよ。  
 
「シャワー先浴びていいか?」  
「うん…なんなら一緒に入る?」  
「はいはい夜にホテルでな。」  
 
おっと、お色気攻撃にカウンター食らわしてきやがった!  
…悔しいけど、ちょっと胸キュン。  
OK、平常心だよ平常心…  
シャワーを浴びて、着替えも済ませて、持ち物も確認して…さぁ出発!  
 
「アニキ!バナナはおやつに入りますか!」  
「俺が一本持ってるから持ってかなくていいぞー」  
 
なんだこいつ  
かわいい妹のボケに下ネタで反応すんな!  
ていうか、一瞬なるほどと思った自分に激しく欝。  
これはもう今日一日アニキにたかりまくって憂さを晴らすしかあるまい。  
 
「わぁ、雪だ。」  
「はしるなよ、転ぶぞ。」  
 
んなベタなボケ誰がやるか  
 
「ふぎゃッ!?」  
「………」  
 
アニキがやったよおい  
 
「はっしるなよぉ〜?転ぶぞぉ〜ん?」  
「う、うぜぇぇ…」  
 
あーはははははっ  
これでもう朝の分は取り返したかな!  
では、いざ往かん我らの戦場へ!  
 
「おぉーまたムダに飾り立ててるねー」  
「そういうこと言うんじゃありません。」  
「あはは、だってさぁ。」  
「まあ、一年に一度しか使わないのは確かだけどな…」  
 
真っ白な背景に真っ赤な縁取り、カラフルなショーウィンドウ  
なんてでき過ぎたシチュエーションだ、責任者出て来い!  
褒めて遣わす。  
 
「と、言うわけでお目当ての店に着いたぜ。」  
「おうよ。レッツ、ウィンドウショッピング。」  
 
買わないのかって?  
買えねーよ、アンティークショップだよ!  
自分の境遇からか、わたしはこういう物にちょっと格別の関心があったりする。  
どこぞでホコリかぶってたような物が現代によみがえるなんて、何か凄いじゃない?  
 
「あ、これいいなぁ…」  
「ふむ、どれどれ?」  
「…ほら。」  
「…………」  
 
まだそれほど古くない、ちゃんと音の鳴るオルゴール  
色あせた、そのくせ驚くほど損傷の少ない人形  
映画でしかお目にかかれないような年代物の地球儀  
そんなものを二人で眺めながら店内をウロウロ  
どう見ても冷やかしの客二人を店員がジロジロ  
こういう穏やかなデートもいいもんだと思う。  
 
「…おなかすいた。」  
「ああ、もう11時半だ。」  
「えぇ!?2時間もいたの!?」  
「そろそろ行こう…いい加減視線も痛いし。」  
 
いやぁ、まいったまいった  
楽しい時間は過ぎるのが早いね  
では、お昼を食べに贔屓のパスタハウスへ、まいりましょう  
 
「何がいい?」  
「アニキはどれにする?」  
 
席はもちろん向かい合わせ…じゃないんだな、これが。  
通はここで隣同士に座るのだ。  
そうするとあら不思議、お互いの頼んだ物を簡単にシェアできちゃう。  
これマジオススメ、今度やってみ?  
 
「うん、じゃカルボナーラにしようかな。アニキの奢りで。」  
「そうか、じゃあ俺はミートソースにしよう。俺の自腹で。」  
 
付け合せはサラダとスープ。  
そして、カップルで食事と来ればもちろん、アレをやらない手はないでしょう!  
 
「はい、あーん…」  
「…やっぱりやるんだ。」  
「やるよ!やりまくるよ!半分はこれで食べてもらうからからね!」  
「わ、ちょっと!フォーク振るなよ!」  
 
言うまでもなく、わたしも食べさせてもらう。  
ただし、ここで注意!  
先のとがったフォーク、ましてや先端が突き出やすいパスタの食べさせっこにはそれ相応の危険が伴う。  
良い子は真似しちゃダメだぞ  
少なくともわたし達みたいに、4年は付き合ってからにすること!  
坊や達もその頃には、イケナイ快楽をたっぷり覚えた良いアダルトになっているはずさ。  
そう、たとえばアニキの頬についた、血のように赤いトマトソースを舌で舐め取れるくらいにはね…うふん  
 
「ス、スープはちょっと無理がないか…?」  
「大丈夫。わたしに任せて…うぉ!」  
「わ、と、と!」  
「…ごめん無理。」  
「だから言ったじゃないか!」  
「仕方ない。これは責任を取って全部わたしが飲もう。」  
「そんな御無体な!」  
 
他の客の視線なんて知るかYO!HA HA HA HA HA!  
しかし、時の流れは残酷なもの…わたし達のランチはたった一時間で消え去り、食後の紅茶をもってしてもプラス30分が限度のようです。  
無念  
 
「アニキ、ごちそーさまっ!」  
「なに、いいって事よ。」  
「次はどこ行こっか?」  
 
まあ、候補は大体絞れてるんだけどね。  
膨れたおなかに負担をかけず、適度に運動ができる場所…  
はい、今ボウリングって思った人、挙手  
ブブー残念でーしたっ!  
デートの日の午後はゲームセンターでエアホッケー。  
それが、わたしらの流儀よん。  
 
「こ、このぉッ!」  
「むッ…」  
「なめるなァァァァッ!」  
「ふん、甘いな妹よ!」  
「かかった!」  
「何ィ!?こ、この俺がぁぁぁ!!」  
 
ふィー  
ええと、何の話だっけ?  
あ、そうそうスコアね。  
現在わたしとアニキで3:5。  
うん、負けてるね。  
でもね…ふっふっふ、ここからどんどん追い上げてやるわ!  
 
「シャァァァァッ!」  
「ぬお!?」  
 
ハッハァ!  
うわっ不意打ちずるい!卑怯!  
うわわ!て、てめぇ!  
ああ、待って!タイム、タイム!  
く、くのぉっ!  
食らえ!どうだ!  
シャーコノヤロー!  
 
「いやー面白かった!」  
「く、悔しい…」  
「んっふっふ、惜しかったねえ…ア・ニ・キ?」  
「ぐぬぬ…たった一点差のくせに…」  
 
試合は白熱を極め、休憩時間も含めた3時間で11:10という僅差でわたしの勝ち。  
見事、道中ふんぞり返って歩く権利を勝ち取ったのでした。  
時計を見るともう五時、ちょっと早いけどそろそろ…  
 
「さて、もうお時間もよろしいようで…」  
「…ああ。」  
「で、さ…」  
「行くか。」  
 
足は何分も前からホテルに向かってるのに、いまさらこんな会話。  
白々しいけど、これが心地いいからやめられないんだよね。  
このウキウキ感、やってみれば君にも分かる。  
 
「…なんか飲む?」  
「…いい。」  
 
ベッドに入ればどこでも同じ…なんて事はなく、家でするのとホテルでするのは全然違う。  
なんといっても狭い。  
て言うか密室。  
どこにも逃げ場のない、そういうことをするためだけの場所でアニキと二人っきりっていう状況が、どうしようもなく興奮を誘う。  
わたしはもうこの人から逃れられないんだって実感できるのが、凄く嬉しい。  
もちろん、わたしも一生彼を逃がさないつもりだけどね。  
 
「それじゃあ…」  
「…うん。」  
 
シャワーは?  
なんてどっちも聞かない。  
当然だ、このためにわざわざ体を動かしたんだから。  
 
「アニキッ!」  
 
どちらからともなくお互いをベッドに引きずり込み、体をまさぐる。  
愛撫なんて生易しいものじゃない。  
もつれる指を叱咤して、服を傷めないように慎重に剥ぎ取っていく。  
 
「ぴちゃ…じゅる…じゅぶ…べちょ…」  
「ずる…ず…ぺちゃ…」  
 
汗のにじむアニキの肌を舐める。  
アニキもわたしの肌にむしゃぶりつく。  
お互いの体臭をなすりつけ合い、舐め取り合い、歯を立てて所有権を主張しあう。  
それがわたし達のセックス。  
 
「じゅ…んぐ…くちゅ…ちゅ…」  
「びちゅ…ちゅるる…」  
 
一言も喋れない。  
二人とも相手の体に夢中で、口を離す余裕さえないから。  
でも…  
 
「ひっ!?」  
「ぷは…もう、濡れてきたな。」  
 
アニキの指が硬く閉じた膣口をなぞった。  
背筋がゾクゾクする。  
早く早くと急かすようにヌルついた液があふれてくるけど、ここで焦ってはいけない。  
何しろわたしのあそこはガードが固いのだ。  
クリトリス、入り口、浅い部分とゆっくり揉み解してもらって、ようやくアニキのを受け入れられるようになる。  
その間に、わたしもアニキのを擦って固くしてあげる。  
この加減がまた難しいんだ。  
前に何度かやりすぎて暴発させてしまった事があるので慎重に…慎重に…  
 
「きゃぅぅん!」  
「う、その辺!その辺でいいから!」  
 
あ、危なかった…  
アニキの指は気持ちよすぎて、油断してるとすぐ頭がピンク色になっちゃうのが難点かな。  
贅沢な悩みだけどね。  
 
「うぅ…ううん…」  
「そろそろ、ここ行くか?」  
「あひぃ!」  
 
Gスポットの責めが始まるといよいよ結合秒読み段階。  
全身ガクガクになりつつも、何とかアニキの足に乗って股を開く。  
そのまま、ベットリと糸を引く穴の奥まで一気に受け入れて、アニキの胸にしがみつく。  
 
「くぁあああああッ!」  
「ん…イッちゃった?」  
 
うん…イッちゃった…  
アニキので、頭まっしろにされちゃった。  
ああ、この体位大好き…  
アニキの胸にわたしの胸を押し当ててしっかり抱き合うと、冷たい体にアニキの体温がじんわり伝わってくる。  
塗りたくった唾液を潤滑液にして体を擦りつけ、腰を振る。  
気持ちいい  
 
「あ、あぅ!うぅぅ!ふぅ…あうぅぅぅ!」  
「はっ、はっ、はっ、気持ちいいか?」  
「おぉ…あうぅぅぅ…」  
 
もう返事もできないや  
気持ちよすぎて目も開けられない  
何とかキスしようともがくけど、唇の位置も分からない  
ああ…ああ…ああぁ…  
 
「ぐっ…ぐぅぅぅ…」  
「また…イきそうなのか?」  
 
アニキいまなんていったの?  
ごめんねイきっぱなしでもうわけわかんないの  
ああきもちよすぎてあたまおかしくなっちゃう  
もうダメもうダメもうダメもうダメもうダメもう  
 
「かは…ッ!ぎぃ…いぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」  
「一回目、そろそろ出すぞ!」  
「ふは!あ、あー!あー!あー!あー!」  
 
ああ、あつい!  
あついよぉ…やけちゃう…  
アニキ…たすけて…やけちゃうの…  
 
「…ぅ?」  
「おーい、しっかりしろー」  
「…あのー」  
「なにか?」  
「わたし、またやっちゃった?」  
「ああ、その通りだ。」  
 
あああ何てこったい!  
わたしの悪い癖…アニキとえっちしてるとたまに…いや、結構な頻度で意識が飛んでしまう。  
ブッ飛んでる間わたしばっかり楽しんでアニキは白けてるんじゃないかと心配なんだけど、  
今日はアニキもちゃんと中で出せたみたいだし、まずまずかな。  
とはいえ、この埋め合わせはしなきゃいけないよね、うん。  
 
「よし、気を取り直してフェラするよフェラ!」  
「おまえ、ちょっとはムードってものをなぁ…」  
「ほほ〜う、ここは正直なんですけどねぇ?あれあれ…」  
「そりゃまあ…惚れた相手としてる最中なら…な。」  
 
か、会心の一撃!  
ああもうっ!こういうこと素で言うんだもんなぁ…だから大好きなんだよぅ、アニキ!  
こんな男が恋人なんだもん、デートの時にラブレターを持ち歩くぐらい、別におかしくないよね。  
…え、中身?  
んー…ちょっとだけよ?  
これ、わたしの最初で最後のラブレターなんだ。  
 
 
お父さんお母さん、それからお兄ちゃん。  
こんなことになってしまって、本当にごめんなさい。  
でも、わたしはもう嘘をつき続ける事ができません。  
何年も何年も隠し続けてきたけれど、もう耐えられません。  
お兄ちゃん  
あなたがずっと好きでした。  
結婚はできなくても、何とかあなたの気を引きたくて、いろいろなことを試しました。  
前に、たくさん甘えた事があったでしょう?  
薄着でお部屋に行ったこともあるでしょう?  
誰よりもあなたに近いところにいながら、あなたに女として愛されたいと思ってしまいました。  
どうか、気持ち悪いと目をそむけないでください。  
わたしは本気であなたが好きでした。  
今でも、あなたへの気持ちを諦める事ができません。  
怖い。  
もう死ぬのも離れるのも怖くありません。  
ただ、あなたに拒絶されることだけがたまらなく怖い。  
あなたに嫌われて、突き放される…想像するだけで気が狂いそうになります。  
あなたに許してもらえないと分かっていながら、この想いを告げる勇気は一生持てそうにありません。  
だから  
わたしは命を断とうと思います。  
取り乱して泣き叫ぶわたしではなく、あなたの妹だったわたしを覚えていて欲しいから。  
身勝手な女と叱って下さい。  
愚かな妹の面影をおぼえていて下さい。  
そして、もし生まれ変わってまた出会えたらその時は…  
 
あーごめん、やっぱハズいわコレ。  
ここまでで勘弁して。  
それで…そうそうフェラね、フェラ。  
あ、その前にアニキに聞きたいことあったんだ。  
 
「ねえ、アニキはいつごろコッチに来るの?」  
 

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