少女は目を閉じた。
まだあどけなさを残す顔、安らかに祈りを捧げる姿には、清らかな美しさを感じる。
「マナ。」
「‥‥はい。」
名を呼ばれた少女は、ゆっくりと目を開け静かに応えた。
「マナ、わかっていますね。あなたは将来、私の後をついで信者たちを導く運命。」
「‥承知しております、その為にこれまで修業を積んでまいりました。」
マナは選ばれた娘だった、幼い頃から教団の施設で育てられ、様々な修業を行なってきた事を誇りに思っていた。
「‥‥しかし、あなたはまだ修めていない“行”があります。」
「‥‥?」
マナは怪訝そうな顔で、僅かに首を傾げた。
「私は幼き頃より修業してまいりました。」
「はい。」
「全てを教主様に捧げてまいりました。」
「はい。」
「教義も全て理解した所存です。」
「‥いいえ、まだ学ぶ事は多くあります。マナ、こちらの部屋へ。」
マナは教主に促されるまま、奥の部屋に入っていった。
―カチリ―
鍵が掛けられる音が部屋に響く。
教主が壁のスイッチを押すと四角い部屋の真ん中に、ベッドの姿が浮かび上がる。
「さぁ、修業を始めましょうか。」
何も知らない無垢な少女は、静かに頷き、最も信頼する者の次の言葉を待った。
「では、服を脱いでこちらに。」
「はい。」
マナは彼の言葉を疑う事無く受け入れる。そのように育てられた。
マナの肌は透き通るように白い。申し訳程度に膨らんだ胸の頂きの、淡紅色の突起が白い肌に花を添える。
適度に締まった腹部から腰にかけ、なだらかな曲線を描く。ごく薄い陰毛に守られた秘所、それを隠すように両手が添えられている。
教主はそんなマナをそっと抱き留めた。胸板に顔をうずめるマナに囁くように話す。
「人のアニマは体の中を、液体に溶けて駆け巡っています。今回の修行では、私のアニマをマナの体内に送り込むのです。」
「教主様の‥アニマ‥。」
「はい。アニマは特に唾液や精液などの粘液に多く溶けています。‥だからこうして直接‥」
言いかけて教主は、マナの唇に自分の舌をねじ込んだ。
「んっ!‥むっ‥‥っ…ぅん‥‥」
マナは突然のことに一瞬戸惑ったが、すぐに教主の意を解して侵入を受け入れる。口内を蹂躙する教主の舌に自分の舌を絡ませ、送り込まれる唾液を貪欲に啜る。
「ちゅ‥‥‥ん……ぁ」
キスの経験は無いが、どうすれば良いのかはすぐに理解できた。教主を受け入れ、教主に従えば良い。今までもそうして生きてきた。
「んふ‥‥ん‥ん‥‥っはぁ‥はぁ‥」
長い接吻が終わり教主の舌がゆっくりと引き抜かれた。名残を惜しむように、透明な糸が舌同士を繋いだ。
「どうですか、私のアニマを感じられましたか?」
「はい‥、何だか頭の芯が痺れているような感じです。」
「それはアニマが正常に伝わったと言うことですよ。」
顔を軽く紅潮させたマナに、優しげな笑顔を見せた。
「では、次のステップへ参りましょう。床に跪いて‥‥‥‥」