『こちらは○○警察署です。この付近に凶悪犯が潜伏している可能性があります。  
 市民の皆さんは外出せず・・・』  
警察の広報車のラウドスピーカーから発せられた銅鑼声が辺りに響いている。  
町並みを見渡せば、あちこちにパトカーの赤色灯が輝いている。  
上空にはマスコミだろうか、ヘリが3機ほど旋回している。  
 
新興住宅地が畑だった頃から街を見下ろす高台にある神社。  
その敷地内にある雑木林に、俺は潜んでいた。  
 
こんなはずじゃなかった・・・・・・  
 
田舎の農協に押し入って、猟銃で脅すだけだった。  
借金返済の乾坤一擲の妙手のはずだった。  
窓口の冴えない中年の親父が、いきなり銃身を掴んでくるとは・・・。  
俺はとっさに引き金を引いた。瞬間、辺りが鮮血に染まった。  
結局、俺は全身を赤く染めた姿のまま、何もとれずに逃げ出した。  
 
くそ・・・・・・  
神にも仏にも見捨てられたのかよ。  
 
悪態をついたところで、視界の片隅に映ったのは、境内を掃除している巫女の姿。  
年の頃は10代後半といったところだろうか。長い黒髪が陽光に映える。  
こちらには気づかず、一生懸命に竹箒を動かしている。  
 
引き金を引いた瞬間から、俺の中で覚醒し、膨張した、暗く深い闇が囁いた。  
俺を見捨てたカミサマに、せめてもの復讐をしてやろう・・・  
 
俺は、ゆっくりと、気配を殺して、巫女の背中へと距離を縮めていった。  
 
 
巫女は俺に気づかずに、竹箒を傍らに置き、  
手水舎の柄杓を丁寧に並べ直している。  
 
風が新緑のにおいと一緒に、巫女の髪の毛から  
ほんのりと甘い香りを、俺の鼻腔に届ける。  
俺は猟銃を左手に持ち、距離を詰める。  
 
まだ、気づかない。  
 
俺は右手を巫女の後頭部に一気に伸ばし、  
その艶やかな黒髪を鷲掴みにした。  
 
「っ!!?」  
 
巫女が驚き、振り向こうとする。  
おかまいなしに右手に力をこめ、頭部を水盤をつけこんだ。  
 
手足をばたばたさせ、水盤から顔を出そうともがく巫女。  
ごぼっ と大きな一息の水泡が出たのをみて、黒髪を掴みあげる。  
 
「げほっ、げほっ、げほっ! はぁはぁ……」  
 
巫女は水だか唾だか涙だかがごっちゃになり、前髪が張り付いた顔で、  
目も開けられず、派手に咳き込み、数拍後、やっと息づかいが落ち着いた。  
 
その瞬間、俺は、右手に力を入れ、再び容赦なく水面に顔をつけこむ。  
責め苦が終わった一瞬の安心を裏切られた心境はどんなものだろう。  
今度は先程よりも元気のなくなった手足の動きをみながら考えると、  
とても愉快な気持ちになった。  
 
手足の動きが、ぴくぴくとしたものになったのを見て、顔を引きあげる。  
彼女自慢の黒髪が、ぷちぷち、と数本、俺の指に絡みついて抜けた。  
俺は右手の力を抜くと、巫女は手水舎の石畳に力無く倒れ込み、  
咳き込みながら水を吐き、ぜぇぜぇと荒い息をつく。  
 
「こんにちは、お嬢さん」  
俺は左手の猟銃を向けながら、我ながらベタなセリフを吐いた。  
 
「え? だ……誰……???」  
 
荒い息づかいの中で、疑問を発した。  
いきなりの凶行に混乱した頭で必死に何を考えているのか。  
ばか丁寧に質問に答えてやる義理はない。  
俺は猟銃の切りつめた銃口を巫女に向け、重々しく宣言する。  
 
「言うことをきけば殺しはしない」  
「っ!!!」  
 
全身を恐怖に震わせながら、怯えた目が銃口と俺の顔の間を行ったり来たりする。  
俺はたまらなく愉快な気持ちになった。  
 
「まずは下の名前を教えてもらおうか?」  
「……あ、愛梨……」  
 
一瞬は逡巡したようだが、この絶対的な力関係は、わかっているようだ。  
 
「ふぅ〜ん。愛梨ちゃんねぇ……」  
 
いいながら、上半身がずぶ濡れになった愛梨をねめ回すように観察する。  
頬はほんのり赤く上気しているが、可愛らしい瞳は恐怖に染まっている。  
華奢な肩の濡れてて貼り付いた白衣の下に、ほんのり淡い緑色のブラジャーの紐が  
透けて見える。  
さらに目線を下に進めると、水の冷たさのせいで突起した乳首の位置が分かった。  
可愛い顔のわりに、胸はあるな。Dカップといったところだろうか。  
両手を石畳について、上体を起こしているので、ひょっとしたら腰が抜けてるのかも  
しれない。下半身は緋袴に覆われているが、少しだけ捲れあがって、白い脛が眩しい。  
 
「ひっ……」  
 
愛梨は右手を口に当て、目を見開いた。  
視線を追ってみると、俺の股間はズボン越しでも分かるように隆々しく勃起していた。  
 
俺が何をこれから何を始めるべきなのか、彼女が教えてくれたようだ。  
俺は口元がほころぶのを禁じ得なかった。  
 
「立て」  
 
俺は静かに告げた。  
愛梨は、伏し目がちに両手を石畳につき、ゆるゆるとした動作で腕に力を込めた。  
ゆっくりと起きあがろうとする愛梨が体重をかけている左腕を無造作に足で払う。  
バランスを崩した愛梨が左肩から石畳に崩れ落ちる。  
 
「痛っ…!」  
「さっさと立て!」  
 
うらめしそうに俺を見上げた愛梨の瞳の寸前に、俺は銃口を突き出した。  
愛梨は静かに嗚咽しながら、それでもなお、ゆるゆると立ち上がった。  
 
「キスしたことあるか?」  
「っ! ……ない……です」  
 
俺の質問の意図が分かったのだろう、愛梨は大きく目を見開いて、  
両手で口を押さえた。  
俺はニヤリとしながら、厳かに宣言してやった。  
 
「じゃあ、今から俺が教えてやる。噛んだりしたら……分かるな?」  
「……」  
「口を開けてろ。その可愛い口を絶対に閉じるんじゃねえぞ」  
 
涙を浮かべながら、嫌々といった様子で頷く愛梨の顔は、俺の加虐心を加速させる。  
愛梨に抱きつきながら、その可憐な唇を容赦なく蹂躙する。  
 
んぢゅ……ぢゅぷ……ぢゅぷ……  
 
やわらかい唇をはむようにして味わい、ついで俺の舌が愛梨の口の中に侵入する。  
そして、愛梨の前歯を、歯茎の裏側を執拗になめ回す。  
 
「ひゃ……ひゃひゃ……ふすふぅったぃ……」  
 
くすぐったいのだろう、歯を立てないように気をつかいながら愛梨が何か言おうとする。  
俺は構わず口腔内の感触を楽しむ。奥歯の向こうの柔らかで弾力のある頬の粘膜、  
愛梨の舌と俺の舌が擦れ合うぬるりと、そしてざらりとした感覚。  
 
「ん……んふぅ……ん……」  
 
俺は、愛梨を抱きしめながら、腰を動かす。肉棒がズボン越しに愛梨の緋袴を犯す。  
そうしながら、ありったけの唾液を愛梨に流し込んだ。  
 
「んん……んっ!」  
 
愛梨の口が唾液で満たされ、驚きの声をあげた。  
俺は愛梨から顔を離し、耳元で囁く。  
 
「飲め」  
「……」  
 
愛梨は言いつけどおり、口を半開きにしたまま、泣きそうな顔をしながら、  
俺の顔を見返している。そして、俺の目が本気なのを確認して、  
諦めたように、口を閉じた。  
 
こくっ……こくっ……  
 
屈辱で紅く染まった頬を涙がつたった。  
 
 
「遊撃302から本部」  
『遊撃302、どうぞ』  
「近隣住民から雑木林にて不審人物の目撃情報、男が何かを抱えており、  
 林の中を駆けていったとの内容。マル被の可能性あり」  
『不審人物目撃情報、本部了解。地図のメッシュ番号、及び、  
 付近に目標となるものがあれば報告せよ』  
「地図上では72ページDの4区画。丘の上に神社の鳥居が見える」  
『72ページDの4区画、目標物は神社、本部了解。  
 遊撃302は、受傷事故防止に十分配慮し、確認方願いたい』  
「遊撃302了解。確認向かう」  
『本部了解。  
 本部から持凶器強盗捜索中の各移動。近隣住民からの不審者目撃情報あり。  
 現在、遊撃302が確認中。遊撃305、機捜145、銃機対策3班は  
 現場周辺の検索支援にあたれ。場所にあっては……』  
赤色灯を点滅させた警察車両が数台、あわただしく回頭し、  
本部から指示された場所を目指し始めた。  
 
「ひざまずけ」  
 
愛梨は、やはり、ゆるゆるとした動作で俺の前で石畳に座り込む。  
俺は空いている右手でベルトを外し、ズボンを降ろした。  
今まで圧迫していた布がなくなり、起立した肉棒が飛び出した。  
赤黒く、血管の浮き出たそれは、俺も初めて経験するほど激しく  
いきり立ち、びくんびくんと脈動している。  
愛梨が唾を飲み込み、わずかに後ずさった。  
 
「くわえろ」  
「ゆ……許してください……お願い……」  
 
がたがたと震えながら、俺を見る愛梨。その目は必死だった。  
 
「そうか、愛梨ちゃんにはひどいことして、ごめんね〜」  
いやらしく言う俺に、どう答えていいのか、逡巡しているようだった。  
俺は愛梨を見下ろしながら、右手で愛梨の髪を梳いて、そして、鷲掴みにした。  
愛梨の頭を、俺の腰に無理矢理近づけた。  
あからさまに顔をゆがめた愛梨の頬を肉棒が滑り、むっとした臭いをこすりつける。  
 
「許すわけないだろ! さあ、しゃぶれ!」  
「い……嫌ぁ……んっ んぐっ」  
 
開いた口めがけて肉棒を突っ込む。首を左右に振り、いやいやする愛梨の  
頭を押さえつけ、前後させると、そのときの首の角度によって、  
頬の内側や、口蓋に次々と亀頭をこすりつける形になった。  
肉棒を口から押し出そうとする舌の動きが程良い快感になった。  
調子づいた俺は喉の奥を一気に付いた。  
 
「んぅはっ!」  
「痛っ! このアマ!」  
 
必死で、おそらく意識せず、異物を出そうとしたのだろう、愛梨は歯を立てた。  
俺はとっさに肉棒を引き抜いた。  
 
「ぷはっ! げほっ げほっ」  
 
愛梨が地面を向いて咳き込む。その側頭部に思いっきり猟銃の銃床を叩きつけた。  
愛梨は吹き飛ぶようにして石畳に崩れ落ちた。俺は分身を見た。傷はないようだ。  
痛みを感じてもなお、獲物を求めて反り返っている。  
 
俺は愛梨に近づき、緋袴に手をかけた。愛梨はとっさに両手で緋袴を  
押さえようとするが、俺はおかまいなしに、捲りあげる。  
袴の下の白衣もかき分けると、思いのほかに肉付きのよい太腿があらわになった。  
その付け根の薄緑色のパンティに手をかけ、ひきちぎらんばかりに引っ張る。  
パンティは左足から脱げ、右足首に引っかかった。  
俺は愛梨の両足の間に割り込むようにのしかかっていった。  
 
「い……いやっ! それだけはっ! お願いっ!」  
「うるせぇ! おとなしくしろ!」  
 
愛梨は手足をばたつかせ、抵抗したが、頬に2、3発くれてやると、大人しくなった。  
愛梨の唾液で潤っているいきり立った肉棒を狙い澄ませて、一気に突っ込んだ。  
最初、拒絶するように亀頭を押し返した秘肉は、すぐに抵抗を失い、  
ぷちゅっと柔らかく、肉棒を埋めていく。正常位の体勢で  
俺は腰を突き出すと、一息に蜜壺の最奥までを征服した。  
 
「い……痛い……痛い……だ……だめぇ……あっ……」  
 
涙を流しながらの、その息づかいに甘いものが芽生えているのを感じ、  
俺は肉棒に力をこめた。愛梨の中で肉棒がさらに膨らみ、蠢く。  
 
「あ……あぁぁぁぁ………」  
 
愛梨が右手で紅潮した顔を押さえながら鳴く。  
意外な感度の良さに、俺の興奮も高まっていった。  
小刻みな抽送を繰り返すと、次第に、愛梨も昂まっていった。  
秘肉の中を肉棒がかき回すと、破瓜の血液とあふれ出た蜜が、  
ぐちゅぐちゅといやらしい音をたてる。  
 
「愛梨ちゃんって、こんなに感じちゃって淫乱なんだね」  
「ち……違うの……これは……あぁ……だめっ……」  
「何が違うんだよ、このど変態巫女さん!」  
「あっ……あぁ……そんなこと……なっ……ん……んぐっ」  
 
涎を垂らしながら、それでも否定する愛梨の唇を奪い、舌を這わせると、  
愛梨は自分から舌を絡めてきた。  
抽送を大きくすると、秘肉から溢れる蜜がじゅぶじゅぶと音を立てる。  
愛梨も自分から腰を振って、快楽を貪ろうとしている。  
それに合わせるように俺も激しく腰を前後させ、愛梨を責め立てた。  
 
「あああぁぁ…あはっ……はっ……だめっ…だめっ…いくっ…ああっ!」  
「出すぞ! 愛梨! 中に出すぞ!」  
「ああっ……だめっ……それだけは……でもっ…だめっ……もうだめぇぇぇ」  
 
愛梨が涙と涎でぐちゃぐちゃ、真っ赤に染まった顔を、いやいやするように  
左右に激しく振った。その瞬間、蜜壺が、びくんびくん、と肉棒を絞るように  
ふるえた。愛梨は、初めての快感に意識が遠のいたように顔をのけぞらせた。  
その瞬間に合わせるように、俺も果て、愛梨の膣内に、白濁をぶちまけた。  
 
「で……出てる……お腹の中……」  
 
荒い息づかいのまま、愛梨は呆然と呟いた。  
ゆっくり肉棒を引き抜くと、愛液、精液、血液が入り交じった液体があふれ出て、  
襦袢に染みをつくっていった。  
 
「おい! 何をしてるんだ?」  
突然、手水舎の後ろの雑木林をかき分けて男が現れた。  
紺色の作業服のような服装、作業帽には桜のマークが刺繍されている。  
中年で腹の出た警官だった。警官は、目をまん丸に見開いた。  
 
「お前っ! まさか……!?」  
 
神社の境内で罰当たりなカップルでも見咎めるつもりだったのだろう、  
警官は明らかに油断していた。俺はとっさに猟銃を警官に向け、引き金をひいた。  
 
重苦しい破裂音が響き、肥満体型の腹に散弾がめり込む。  
豚のような悲鳴をあげ、中年警官は仰向けに吹き飛んだ。  
とにかく逃げようと、ズボンをあげたところで、複数の足音がこちらに  
迫っているのに気づいた。  
 
 
「至急至急、銃機対策3班から本部」  
『至急至急、銃機対策3班どうぞ』  
「指令番地付近検索中、銃声、銃声が聞こえた、どうぞ!」  
『銃機対策3班、指令番地付近、銃声、本部了解。銃機対策3班は確認にあたれ。  
 本部から……』  
「至急至急、遊撃302から本部! 中埜主任が、中埜主任が撃たれた!」  
『遊撃302、至急報、勤務員が撃たれた、でよろしいか!?』  
「その通り、指令番地、神社の境内で、男に撃たれた! 応援を、応援を大至急!」  
『指令番地、神社の境内で男に撃たれた、本部了解。遊撃302は、受傷者の救命措置、  
 および、可能であればマル被の確保にあたれ。  
 本部から各移動、マル被を発見、マル被を発見。なお、警察官1名が銃で撃たれた。  
 各移動は現場へ急行せよ、場所……』  
 
俺は、石畳の上で両脚を開いたまま仰向けになって放心している愛梨の頭に  
銃口を向け、周囲を牽制した。正面には、スーツに腕章をした若い刑事が小型の拳銃を  
構えている。左右には、ジュラルミンの大盾を持った機動隊員が4,5人、こちらの  
様子をうかがっている。そして、遠くから洪水のようにサイレンが押し寄せてくる。  
 
「あきらめろ! 銃を捨てろ! これ以上、罪を重ねるな!」  
 
若い刑事が叫ぶ。両手をクロスさせるようにして、拳銃を構え、  
腰を落とした、その姿勢、その猟犬のような目は、只者ではないのだろう。  
 
強盗殺人で2人殺せば死刑……。  
 
何かの本で読んだ、量刑の相場というヤツが頭をよぎった。  
農協の窓口で1人。さっきの警官で2人。じゃあ、死刑か。  
ふと、1人で逝くことに心細さを憶えた。先程まで肌を合わせ、感じたぬくもり。  
それを手放したくない、誰にも渡したくないという思いが湧き上がる。  
 
「愛梨っ! 一緒に死のう!」  
 
俺は叫び、猟銃を持つ右手の人差し指に力を込めた。  
刹那、乾いた音が辺りに響いた。  
 
「確保ぉっ! 確保ぉっ!」  
 
遠くで男達の絶叫が聞こえる。俺は仰向けになって空を見ていた。  
空は果てしなく……赤い。急速に身体が冷えていく。渾身の力を振り絞って、  
横を見る。誰かが俺の脈をとっている。  
 
「まだ生きてるぞ! 救急車っ! 早くっ!」  
 
ああ、俺は撃たれたのか。愛梨は? 俺は、愛梨と一緒に逝けるのか……。  
ぼんやりと遠くを見ると、愛梨が誰かに支えられ、起き上がるのが見えた。  
そうか、俺は撃てなかったのか……。意識が遠のく。自分という存在が溶けていく。  
俺を構成する要素がばらばらになって漆黒の中に落ち込んでいった……。  
 
〔猟銃強盗 2人を殺害〕〔農協窓口係と追跡の警官〕〔容疑者も射殺される〕  
 7月4日午後1時頃、H**市の農協H**支店に猟銃を持った男が押し入り、  
窓口係の****さん(42)が撃たれ、死亡した。男は何もとらずに逃走した。  
同日午後5時頃、同市内で潜伏中の男を捜査員が発見、銃撃戦となった。  
この銃撃戦で、県警機動隊所属の中埜**警部補(54)が腹部に銃弾を受け、  
収容先の病院で死亡した。男も、警察官の撃った弾が命中し、まもなく死亡した。  
男は、H**市内在住の****容疑者(年齢不詳)で、多額の借金があったとみて、  
動機などを慎重に調べている。県警本部長は記者会見で「今回の武器使用は  
適正だったが、警察官に犠牲者が出たのは遺憾」と語った。  
                     【関連記事=2、3、30、31面】  
 
 
関係各方面の配慮によって、神社の境内で起きた出来事は闇に葬られた。  
愛梨は、病院に心身両面のケアのため、しばらく入院していたが、  
まもなく退院。元通り、神社で巫女として働いている。  
心配された精神面への後遺症もなく、平穏な日常が戻った…………表向きは。  
 
愛梨は境内をひとりで掃除していた。そして、あの手水舎にさしかかると、  
あたりを落ち着かない様子で見回す。誰もいないことを確認すると、  
竹箒を傍らに置いて、左手で口元を押さえると、袴の脇から、  
そっと右手を差し入れる。襦袢をかきわけ、その奥、太ももの付け根に指を滑らせた。  
 
「ん……んんっ……」  
 
クリトリスを刺激し、溢れんばかりの蜜をたたえた壺をしなやかな指で責める。  
声が出ないように、左手で必死に口を押さえるが、鳴き声は押さえきれない。  
顔を真っ赤にし、内股を濡らし、押し寄せる快感に身を委ねる。  
 
「ん……あああっ!」  
 
愛梨は、膝をがくがくと震わせ、腰が砕けるように、その場に崩れ落ちた。  
荒い息づかいで半ば放心した顔で、袴から右手を抜き、ぬらぬらと光る指先を  
眺めつづけていた。               ≪終≫  
 

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