神の花嫁になったはずだった。
何故こんなことに?
ルーエラは灰色の天井を見つめていた。
窓の外はしとしとと小雨が降り続いている。
今日は月明かりがないから部屋で蠢くものの姿は照らされない。
もっと土砂振りになればいいのに。
雷が轟けばいいのに。
そうすれば聞こえなくなるでしょう?
灯りのない部屋。
同じつくりの黒衣を着た人影がふたつ。
普段はルーエラの足首までをも隠しているはずの黒衣は臍までまくりあげられている。
日の光に当たらないその白い足は大きく開かれ、
下着は既に剥ぎ取られベッドの脇に落ちている。
ぴちゃぴちゃと粘液が絡みあう音は秘所に埋まる舌がかきたてる音。
舌は中に侵入してきたり、ちろちろとくすぐるように舐めたり、つついたり、
ルーエラの快感を引き出そうと動き回る。
「っんっっ」
溶けてしまいそうな快楽が走った瞬間声を出しそうになる。
いつもの自分からは考えられない程に甘い声。
舌の動きが止まる。
「なんで我慢するの、聞かせてよ。シスタールーエラ。」
ルーエラの愛液で濡れた唇で囁く。
身を起こして顔をよせる。
濡れた唇と乾いた唇が重なる。
「ここは誰もきやしないんだから。」
左手でルーエラの頬を撫で、額にキスをする。
右手は胸の頂きをゆるゆる円を描くように撫でる。
「そういう契約だからね。」
黒衣の下ながらもかたくとがって存在を主張する乳首をつまみ、衣の上から吸い付かれる。
「あっ」
おさえきれず小さな声が漏れる。
その反応をおもしろがってか、
そのまま衣越しに乳首をちゅうちゅうと音を出して吸われる。
唇を離されると湿った衣がひんやりと乳首にまとわりつき、いっそう突起が強調される。
ヴェ−ルからはみ出た一筋の黄金色の髪をすくいあげ、くるくると指にからませた。
「そろそろいれるよ。」
もう黒衣越しでもわかっていた。
硬度を増したもの。
天を向き反り立つもの。
ルーエラと同じつくりの黒衣を着た黄金色の髪の少年がにこりと微笑んだ。
パンパンと肉と肉がぶつかりあう音。
赤く充血した秘唇とそこに出入りする赤黒い肉茎。
「はあ、っあん、っあん。」
もうルーエラには声を押さえることなどできない。
顔を紅潮させ、肉のこすれあう快感を享受するだけ。
「そう、この声。聞きたかったのは。」
少年はスピードを速めよりルーエラを突き上げる。
もし月明かりがあって、この部屋をのぞき見る者がいたら不審に思うであろう。
黒衣に身を包むシスターが二人、体を交えているのだから。
でも今日は雨。
この黒衣は確認できない。
だから音だけが際立つのだ。
この音は何も偽らない。
神の花嫁たる修道女がひとり、少年の下で喘いでいるのを。
メスであることを捨てた修道女たちの群れにひとり、
牙をつけたままののオスが紛れ込んでいるのも。