何年も何十年も少女はそこにいた。  
人間達が森を切り開き小さな村落を作った時からずっと。  
人間は少女の為にと祠を作り供物を捧げた。  
それから少女は祠に座し村人を見つめてきた。  
変化に乏しい村であったが、日々の営みに笑う村人や突然の不幸に悲しむ村人を眺めるだけで退屈はしなかった。  
最初は小さかった村も次第に大きくなり、森への境に作られたはずの祠は今では村の中心にあった。  
 
「かみさまー、かみさまー」  
祠への道を小さな少年が駆けてくる。その少年は同年代の子供よりも力が弱いが、明るく優しい性格のため子供達の中心になっているのを少女は知っている。  
「なんじゃ? そんなに慌てては昨日のように転んでしまうぞ」  
昨日、今年初めて生った木の実を供えようと、走ってきた少年を受け止めたのを思い出す。しかし、あの時の嬉しそうな気配とは違い深刻な表情を見せている。  
少女は風を使い、まだ離れた少年を自身の腕の中へ招き優しく尋ねた。  
「余所者が何かしたのかの?」  
少女の言葉に少年は息を飲んだ。今、その事を伝えようとしていたからだ。  
「朝に風が騒いでいたからの。村に人間……いつもの行商とは違う余所者が来たのであろう?」  
 
少年はこくこくと首を動かす。その瞳にはかみさまへの尊敬の念が浮かんでいた。  
「で、どんな奴等かの? 鉄を身に着けているようじゃが、賊にしては数が少ないのう」  
少年は再び慌てた様子で語り出す。  
「へいたいが来たんだ」  
少女は聞き慣れない言葉に眉を顰める。  
「その、へいたいとやらは何者なんじゃ?」  
「よくわからないけど、武器を持って悪い奴等と戦うらしいよ」  
「それは、善いことではないのか?」  
少年の説明は充分だとは言えないが、盗賊やらを懲らしめる者がこの村を訪問したのだと少女は判断した。  
少年は少女の考えとは裏腹に、涙を滲ませた顔で少女に迫る。  
「違うよ! あいつらはかみさまを殺しに来たんだ!」  
泣き喚く少年に女神の微笑みを見せる。それは、まだ異性を意識したこともない少年すら虜にしてしまうほどに美しかった。  
「……大丈夫じゃ。汝は心配せずともよい」  
少女は少年を胸に抱き、そっと頭を撫でる。  
見上げる少年の顔は涙と鼻水に濡れていたが、少女の笑顔につられ、ぎこちない笑みを返す。  
「本当? かみさまは本当に大丈夫なの?」  
「かみさまは嘘は吐かぬよ」  
真っ直ぐに見つめる瞳に安心し、少年は少女を強く抱きしめた。  
 
「そのとぉ〜り!」  
村中に響き渡るような濁声がする。  
声の方向へ視線を向けると、十人余りの武装した集団が立っていた。  
その中でも一際大きな鎧を着けた髭の男が、集団よりも一歩前に出た場所にいた。その男は何かに酔っているかのように熱く語り出す。  
「神とはぁ、真実を語るぅモノ! 我等を導くぅモノ! 絶対正義の証ぃ!」  
男は力強く少女を指差した。  
「しかぁし! 貴様は神ではなく悪魔ぁ。あるいは人を誑かす魔ぁ女ぉ。我等は貴様の非道な支配よりぃ村人を解放し、真の神の愛を伝えに来たのだぁ!」  
尊大に胸を張って叫ぶ男の頭に小石が投げられる。飛んできた方向を見ると、少女に抱かれていた少年が顔を怒りに赤く染めていた。  
「かみさまは悪い人じゃない! みんなを守ってくれてるんだ!」  
少年は恐怖に足を震わせながらも、少女を庇うように前に立つ。  
男はその少年の姿を見、滂沱の涙を流した。  
「うぉのれ悪魔め、このような幼子まで操るとはなんたる外道!」  
男は腰の剣を抜き、二人へと近付いていく。  
「安心しろ小僧。俺が本当の神の前に連れていってやる」  
少女は少年を背に庇い、男を睨みつける。  
「やめよ! 貴様の目的は儂であろ、幼子に手をだすでない」  
 
凛とした少女の声に気圧されるが、無造作に出てきた少女に剣を振り上げる。  
「団長、おやめください」  
背後からの声に剣を下ろし振り返る。制止の声を出したのは集団の中から出てきた細身の男だった。  
「なぜぇ、止めるぅ」  
「いかに聖なる行いでも悪魔を殺せばこの蛮族は我等を許さぬでしょう。まずは神を信じるようにするのです」  
男の意見に団長は頷くと剣を収める。  
「まずはこの悪魔の正体を村人に伝えましょう。この悪魔がいかに卑しく下劣なものであるかを見れば、神に救いを求めるに違いありません」  
男は下卑た笑みを隠そうともせずに少女の身体を舐めるように眺めた。  
 
「かみさま……」  
心配そうに見つめる少年に笑顔を向け、頬を撫でてやる。その仕草に、少年は今まで堪えていた涙をぼろぼろと流した。  
「あいつらに…ひどいこと、されちゃうの……?」  
「そうじゃろうなぁ」  
涙混じりの少年の声に対し少女の声は変わらず呑気なものだった。  
少女の答えに再び泣く少年の背を少女は優しく撫でてやった。  
 
祠の周りに村人が集められ、それを武装した多数の兵士が囲んでいた。  
村人の顔は皆暗く、中心にいるかみさまを心配そうに見つめている。  
 
少女は祠の前で罪人のように枷をはめられ、鎖に繋がれていた。  
長く艶やかな空色の髪も澄んだ水のような瞳も変わらないが、袖の大きな白いワンピースには痛々しい鞭打ちの跡が残っている。  
(あのような姿、ほんにおいたわしや)  
(こいつら…かみさまに何て真似しやがる。許せねえ…)  
少女の姿に村人は悲しみ、怒り、嘆く。だがそれを口に出すこともなく、じっと少女を見つめるだけだった。  
村人が兵士に反抗的な態度をとると、兵士は躊躇なく『悪魔を信奉する邪教徒』を殺そうとする。それを防ぐために少女が村人を戒めれば『村人を従わせようとする悪魔』として鞭打たれる。  
かみさまに危害が及ばぬように、村人は黙り少女を見守ることしかできなかった。  
 
「さて、皆さん」  
沈黙の場を破ったのは、少女の横に立ち、事ある毎に鞭を叩きつけていた細身の男だった。  
「生来皆さんは誠実で純朴な方なのでしょう。ですが、この悪魔に誑かされてしまった!」  
言葉と共に少女に鞭を二度三度と振り下ろす。  
何も言わずに鞭打たれる少女と、執拗に鞭を振るう男を見て村人は憎悪と屈辱に震える。  
 
「この汚らわしい悪魔のせいで邪教徒として征伐されねばなりません。しかし、過ちは正すことができます。神に帰依すれば貴方達の魂は真に救われるでしょう!」  
悲鳴一つあげずに耐える少女を蹴り上げ、村人達を見渡す。彼等の目には怒りや殺意が渦巻いているが、男は気にもせずに話を続けた。  
「我々は貴方達を救いに来たのです! これは人心を惑わす悪魔を誅し、人々を解放する神の使命なのです」  
四方から放たれる殺意にも気付かず、恍惚として宣言する。  
「これから見せるのが、貴方達を信じさせてきた悪魔の正体なのです!」  
 
少女の前に全裸に剥かれた少年が連れてこられる。男が促すと、小さな口を開きまだ勃起もしていない少年のモノを飲み込んでいく。  
「あんな子供相手に……」  
「見ろよ、くわえたまま離さないぜ……」  
兵士達の揶揄にも眉一つ動かさずに一心に舐め続ける。  
少年は崇敬する少女から与えられる未知の快楽に腰を引こうとするが、少女の手ががっしりと腰を掴んで逃げられない。  
少女の奉仕は拙いものであったが、幼い少年には十二分の快楽が与えられていった。  
「……かっ、かみさまぁ…。ぼく、ぼくぅ…」  
情けない声を上げて、遠目からでも分かるほどに痙攣する少年。  
白い迸りこそないものの、初めての絶頂に恍惚の表情を浮かべている。少女は絶頂直後の幼茎を舐め続ける。  
 
「かみさまっ、もっと、もっとっ……!」  
あれから三度の絶頂を迎え、少年はもはや欲望に取り付かれていた。  
疲れで口の締め付けも舌の動きも弱々しくなっていったが、少年は小さな頭を抱え腰を振り快楽を得ようとする。  
「……っ!」  
時折、喉奥を突かれた少女は息苦しさに涙を滲ませる。端整な顔が苦しみで歪み、それでも健気に奉仕を続ける少女は少年にとって嗜虐心を刺激し自分を満足させるものでしかなかった。  
 
息苦しさに少女の鼻息が荒くなり、少年の股間を擽る。微妙な感覚に刺激され、より強く腰をぶつけていった。  
「かみさまっ……舐めて、僕の……もっと」  
懇願する少年に、力無く垂らしたままだった舌を動かし舐め始める。  
ガツガツと動くモノに動きを合わせ、這うように舌を絡ませる。新たな刺激に少年は興奮し頭を押さえる力を増す。  
「かみさまっ…かみさまっ……僕、また……」  
更なる絶頂を身を震わせるが、それでも腰を止めずに貪欲に快楽を求める。  
瞳から半ば意識が失われ涎を垂れ流す少女にがむしゃらに腰を振る少年。その光景に兵士も村人も目を離せなかった。  
少女を憐れみ涙を流す者、清楚だった少女の無惨な姿に興奮する者、少女を弄ぶ少年に嫉妬する者、血走った瞳と荒い吐息がこの空間に広がっていた。  
 
少年の突き込みがますます激しくなり、嘔吐きそうになりながらも少年を離さない。  
喉奥に何度も叩きつけられる苦しみも、少年を弄ぶ心苦しさも、痴態を村人に晒される恥辱も、こんな真似をしなければならない屈辱にも耐えているのは名も知らない男と交わした約束のため。  
彼は少女が命令に従うのならば村人を救ってくれると言った。  
 
「かみさまっ、でちゃう……ぼく、でちゃうよぅ! ごめんね、ごめんねかみさまぁ!」  
絶頂の後に少年の体が一層痙攣し、少女の口内に熱い液体を放った。  
突然の事に目を見開くが、命令を思い出し迸りを飲み始める。  
少女は懸命に飲み下そうとするが、口中に広がる異臭や味、大量に放たれたその量を飲み干すのは容易ではない。  
「……っ、ゴホッ!」  
喉奥を攻める勢いに堪えかねて少年の陰茎ごと吐き出してしまった。  
吐き出されてもまだ勢いを緩めない少年の尿は少女の純白の服を黄色く染めていく。  
 
排泄の快感を終えた少年は少し覚めた頭で見た。  
そこには、かみさまが尿に塗れ力無く虚ろな瞳で、小便の水溜まりに倒れていた。  
「ぁ……あぁ……」  
大好きなかみさまが、威厳に満ちていたかみさまが、優しかったかみさまが、こんなにも無様に無惨な姿になってしまった。  
「ぼく、ぼくが……」  
自分の行為の罪深さを知り罪悪感と後悔に身を浸す少年は、涙を流しながら少しずつ少しずつ後退る。  
不意に、少年の背中が何かにあたる。少年がゆっくりと確認すると、それは団長と呼ばれた大男だった。  
彼は両目から涙を流し少年の肩をがっしりと掴むと少年の顔を自分へと向ける。  
 
肩を掴んだ腕の力強さと巨大な体躯に少年はびくりと身を強張らせた。  
無言で目を見詰める男に少年は恐怖する。  
目を逸らす事もできずに男と目を合わせていると、男は口元を歪ませ鮫のように笑い少年の肩を叩いた。  
「見事! 実に見事であったぞぉ少年!」  
呆気にとられる少年を無視して愉快そうに言葉を続ける。  
「これでぇ、あの悪魔の権威も地に堕ちたであろぅ」  
(そうだ……僕は、かみさまを……)  
蒼白になった少年を後目に嬉しそうな男。  
「どぉうだ。我等の供にならぬか」  
「え……?」  
「少年には見所があるぅ、我等と共に神のために悪魔を倒さぬぅかぁ?」  
(あ、くま? かみさまの、仲間……? かみさまの仲間に……)  
先程の行為を思い出し、少年は力無く頷いた。あの快楽を得られるのであれば、他の事などもうどうでもよかった。  
「そぉうか、では早速聖地へと戻り聖別の儀を行わなくてはなぁ」  
男は少年に簡素な布を纏わせ、馬を駆った。  
悪魔の事は任せてある、ならば新たな信者を神の愛で包む事こそ重要な役に感じられた。  
「ねぇ……」  
微かな少年の声は上機嫌な男の耳には入らずに消えていった。  
「他のかみさまも、綺麗なヒトなのかな……?」  
 
 
 
満足に働かない頭で少女は思い返す。  
 
男の下した命は、少年に口中奉仕を行い射精されたモノを飲み干すこと、言葉の意味はよく分からなかったが、村人のつがいが時折に行う行為のことであろうと判断した。  
見様見真似でやってみたのだが、少年の顔が快楽に歪むのを見て間違いではなかったと確信した。  
森で行為を受けていた男のように少年の体が震える。あの時は白いモノが女の顔を彩っていたが、今回は飲み干さねばならないため、吐き出さぬように覚悟を決めた。  
…………。  
何も、起こらない。  
少年はつがいの男のように惚けた顔をしている。なのに白い液体が出ないということは自分のやり方が悪かったのではないのだろうか――少女はそう思い、ちろりと陰茎の先を舐めてみた。  
瞬間、少年は少女の頭を掴み自分から少女に腰を叩きつける。  
少年の豹変には少女も驚きを隠せなかったが、少年が協力してくれるのならばとその行為を甘んじて受けた。少女の身体を気遣うことなく、快楽を得ようとする少年の動きは少女には辛いものだったが、村人の為だと思えば堪えられないものではない。そう、思っていた――。  
 
結果、――失敗。  
口内で放たれた液体を飲むことができずに吐いたそれが結果。  
 
もっと強い覚悟があれば、あの味と臭いに怯まなければ、吐き出された体液に嫌悪しなければ――、少女は悔やむが、後悔は何の価値も無いことは分かっている。それでも悔やまずにはいられなかった。  
このまま、村が滅ぼされるのか……。いや、何をしようとそれだけは防がなくてはならない。少女の胸には決意と小さな希望が残った。  
 
茫然とする少女を見て、村人の間にざわめきが走る。無惨な少女の姿に涙を流す者、兵士達の圧迫感に怯える者……。  
村人は少女と兵士が交わした約束を知らない。だが、あのような痴態を演じたのも茫然と佇んでいるのも自分達を救おうとした結果なのだと感じることができた。  
あの小さな身体に村の全てを押し付けて、何もできない自分達に涙を流した。  
 
男はほくそ笑んでいた。  
精液の出ない少年に奉仕を続け、尿を飲もうとしていたということは、あの悪魔は命令を守れなかったと思っているはずだ。  
ならば、村人を餌にすることであの無垢な肢体を更に弄ぶことができる。辱め苦渋に喘ぐ少女を貪る――想像しただけで涎が垂れそうになる。  
 
「――駄目だったな」  
頭上から男の冷たい声が降り懸かる。  
びくりと体を震わせ、恐々と男の顔を見上げた。  
「滑稽だな。小僧に弄ばれ、小便を啜り、それでも誰も救えない」  
嗤いを押し殺したような声が聞こえる。こんな下衆に乞わねばならないのは屈辱だが、それでも村人を見捨てられない。自分が犠牲になれば村人を見逃してくれるかもしれない――一縷の望みに賭け跪いたままに嘆願する。  
「――頼む。儂などどうなっても構わぬ。じゃが村の者だけは……」  
「……」  
鉄に覆われた脚で少女の頭を踏みつける。少女の顔は、尿を吸い湿った泥の中にめり込んでしまう。  
「頼み方、というのがあるんじゃないか? もっと惨めに哀れに懇願してみろ。もしかすると神の慈悲が下されるかもしれんぞ」  
「……お願い、します。この村人に神の慈悲を賜らせてくだ、さい……」  
苦痛と屈辱を堪える少女の声音に男は足を退け、汚れた顔を持ち上げ言葉を掛けてやる。  
「何でもやるのか?」  
「――はい」  
力無い身体から放たれる気丈な言葉。男は嫌らしい笑みのままに指令を与える。  
「まずは、男を誘え。淫靡な悪魔ならお手のものだろう。いつものように誘ってみろ」  
 
意味が分からない。手で誰かを招けばよいのだろうか?  
少女が困惑し何もできずにいると、男は苛立たしく言った。  
「何をしている? それとも、こんな村に愛想が尽きたか」  
「ちっ違――います。その、何を、すればよいのか……」  
慌てて弁解する少女に、男は先程とは違う優しい声音で語り出す。  
「貴様には村人と目合ってもらう。股を開き、男が欲情するような姿勢をとれ」  
語りを終えた男に突き飛ばされ、少女はしばし考える。  
交合の経験のない少女は村の男を盛らせる術を知らない。そもそも、自分に人間が欲情するのかもわからなかった。  
だが、男の命には逆らえない。少女は何度か目撃したことのある、獣や村人の交尾を思い出す。  
 
村人達が見守る中、少女は自分の祠の壁に手を着けると、腰を後ろに突き出し、衣服の裾を捲る。  
小振りだが白く形の良い尻と、恥毛の影も見えないような秘部が露わになる。恥ずかしさに首まで赤くなった少女の大胆な姿に、男達は揃って喉を鳴らす。  
膝にまだ力が入らず不安定に震える姿勢は、尻を微妙に動かし男達の劣情を誘う。  
 
「何だ、この格好は」  
背後からの冷たい声。  
「まるで獣ではないか。……ああ、悪魔の交わり方はこのように下劣なのだなぁ」  
だらしなく顔を緩めている男は、少女の尻をゆっくりと触りながら、声だけは冷淡に告げる。  
「こんな獣には躾が必要だ…なっ!」  
「――ッ」  
男の手が少女の桃尻を叩く。鋭い音と痛みに少女は悲鳴を抑えるのに必死だった。  
「こんな犬のような姿で恥ずかしくはないのか。それでよく神を名乗れたものだな!」  
「…………」  
少女からは顔が見えないのを好いことににやけた笑みのまま、声だけは真剣に少女の尻を打ち据える。涙を零すまいとする少女の姿に男の嗜虐心はそそられ、勢いが更に増す。  
いつしか少女の尻は赤く染まり、一回り以上も大きくなっていた。  
「これくらいで勘弁してやる」  
「……ありがとう、ござい、ます」  
膝をつき、完全な四つん這いになった少女の言葉に頷くと、男は一人の村人を招き寄せる。  
その村人は、数々の少女の痴態を食い入るように見つめていた男で、今も視線は少女の下半身に注がれている。  
「何の様だ?」  
怯えるような声に荒い息と少しの期待を混ぜながら村人は問う。兵士は少女を指差し――、  
「こいつを犯せ」  
 
男の言葉に、村人は息を止める。  
もしかしたら、と思っていた期待。美しい少女を蹂躙できる。少年が夢中になっていた以上の快楽を得ることができる。崇拝の対象だったかみさまを、自分の下に組み敷いて屈服させることができる――。  
自分の奥から湧いてくる感情に思わず大きく喉を鳴らす。  
それでも動こうとしない男に兵士はそっと語りかける。  
「なあに、気にすることはない。神だといっても……見ただろう? コイツは無力な淫売だ。あんな子供を襲うような、な。  
君達は長い間騙されていたんだ。なら、報復してもいい……いや、するべきなんだ。犯して汚して堕としてしまえばいい。」  
「オレが……かみさまを……?」  
「そうだ。それは正しい行いなんだ。コイツは悪魔だからな。悪魔には、罰を与えるべきなんだ」  
「ば、つ……」  
男は兵士に言われるまま、ゆっくりと少女に近付いていく。  
足取りは酔ったように頼りなく、目は血走り少女の裸体を舐め回すように見る。呼吸は荒く、だらしなく開かれた口元からは涎が地面へと落ちていった。  
 
「はあ……はあ……」  
荒い息遣いが近付いてくる。少女は自分が欲望の対象になるのというのに、心が穏やかになるのを感じていた。  
不安もある、裏切られたという失望もないわけではない。だが、それ以上に村人を救えるという事に安心していた。彼に抱かれさえすれば、今度こそ、今度こそ村が救えるのだ。こんなに嬉しいことはない。  
 
「かみさま、オレ……」  
男は少女の背後に立っていた。すでに股間はさらけ出しており、今にも暴発しそうなくらいに堅くそびえ立っている。  
男は少女の腰を掴み陰茎を少女の秘唇に擦り付ける。  
初めて触れる少女の柔らかさと、汚されてもなお匂う少女の香りに股間が更に膨張する。  
少女は自身の腰に当たる、少年の幼根とは大きさも硬さも違う男根に少しの恐怖を感じ、身を強ばらせる。  
「か、かみさま……?」  
それが伝わったのだろうか、男は気遣うような声を少女に向ける。  
「儂のことならば心配するでない。汝の為すべきことを為せ」  
諭すような少女の声に腰を掴む男の力が増した。  
「かみさま、ごめん……ごめんなぁ……」  
「構わぬ」  
泣き出しそうな男の声と凛とした少女の声。  
男が動いたのはそれから少ししてからのことだった。  
 
 
 

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